ニュースレター No.235 2019年3月25日発行 (発行部数:1450部) | |||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:FSCの日本規格策定ー勉強部屋とFSC(2019/3/24)
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パリ協定が熱帯林に貢献する道筋ーREDD+の最新情報(2019/3/24)
気候変動枠組み条約COP24と森林(2019/2/24) で紹介したように、1月18日フォレストカーボンセミナー:COP24等報告会では、 REDD+最新動向—COP24と緑の気候基金(GCF)—(林野庁中野 彰子)、 二国間クレジット制度(JCM)におけるREDD+について(林野庁 神山 真吾)という二つのREDD+に関する報告がされました。 COP24とREDD+関して、さらに、森から世界を変えるREDD+プラットフォームセミナー対話から行動へ ~「ビジネス」×「森林保全」~(以下REDD+Fセミナ-) (1月23日)、平成30年度国際セミナー「REDDプラスはどこまで来たか? 機会を活かすために」(森林総研)(2月6日)という二つのイベントに参加しました。 (REDD+とは) 熱帯林の破壊をどのように止めていくのかは、熱帯林のある途上国の社会にとっても、豊かな生物多様性から恩恵を受け、破壊による温室効果ガスの大量発生jからのリスクを回避したい地球市民にとっても、重要な課題ですがそのような国際的な枠組みづくりは、途上国と先進国の利害調整などが難しくて一筋縄ではいきませんでした(地球サミットでの国際森林条約の失敗)。 途上国の熱帯林破壊起因する温室効果ガスの排出量を定量化し(国家森林参照排出量レベル)、それを防ぐ取組の成果に応じた資金の提供する仕組み(途上国の森林減少劣化に由来する排出の削減など、Reducing emissions from deforestation and forest degradation in developing countries )。 途上国の森林管理を世界中で支援する法的な仕組みが、初めてできるかーREDD+の先にあるもの(勉強部屋2013/10/26) (どこまできて、何が課題か) 他のセクターの排出削減プロジェクト(化石電力を再生資源電力へ変更など)と、森林分野(山火事防止策でどれだけ森林火災が減少したなど)を比べると、森林分野はわかりにいので同じ土俵に載せるための大変な努力が重ねられ、COP19で、(森林分野の合意事項、途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等、REDD+のためのワルシャワ枠組み the Warsaw Framework for REDD Plus合意されました(これが大きかった!)。 その結果パリ協定15条にも位置づけられ、全体的な実施指針の決定をまっていたが、それがCOP24で決定。となったので、いよいよ実施段階になるようですが、大きな課題が、資金問題。 (REDD+を進めるための資金) REDD+を進めるためお全体的な資金規模について、森林減少を中心とした排出量は年率40億トンCO2(4.03GtCO2/yr)なので、仮に今世紀後半にゼロにするとすると・・・と、と計算してしていくともできなくはないのでしょうが、少し大変そうなのですこしおくとして、 GCF、�FCPF 炭素基金、�BioCarbon ISLF、REDD Early Moversなど国際基金がREDD+向けに17億米ドル用意されてるが数年で枯渇、中長期的なプロジェクトを見通すと財政余録に乏しい公的資金に加えて資金ギャップを埋める民間資金の動員が必要REDD+Fセミナ-三菱UFJRセンター矢野報告とされています。 民間の企業が資金を出すきっかけは、企業価値向上(途上国の森づくり協力など)と利潤獲得炭素クレジットの創出販売など)があり、企業の期待は結構あるが、課題が大きいREDD+Fセミナー森林総研江原報告-とされています。 企業の参画を広げるには、それでどんなメリットがあるのか、という明確なストーリーが必要でしょう。COP25に向けて今回のCOP24で結論に至らなかった市場メカニズムの議論が進むのだそうですが、できれば法的なバックグランドをもった企業ごとの目標値(キャップ)の設定、それに向けた超過達成企業とその他の企業の炭素排出権の取引(トレード)といった、分かり易いストーリーが組み入れられることが、必要なのだと思います。 REDD+の枠組みが、それに答えられるように、パイロットプロジェクトなどが信頼性をもった成果があれられることが、大切ですね。 kokusai2-65(REDD+COP24) ■いいねボタン
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都市と緑のグリーンインフラ(2019/3/24)
2月7日開催された「世田谷のグリーンインフラを考える」というシンポジウムに顔を出してきました。
グレーインフラに囲まれた都市住民に自然の防災力を分かり易く訴求するグリーンインフラ運動。 自然の持つ回復力を活かした防災インフラをグリーンインフラというとすれば、治山事業そのものでないか?とある方から言われました。 「グレイインフラからグリーンインフラへ」国際シンポジウムの基調講演の少し詳しい報告書面白いです。(国際フォーラム グレーインフラからグリーンインフラ、強靱な、くにづくりに向けて(公財)日本生態系協会))
日本のインフラ整備事業の大きな流れに関する重要な問題点の指摘がされています。
興味のある方は是非ご覧下さい。 その他に、関連情報。 国土交通省の国土形成計画、第4次社会資本整備重点計画をきっかけに国土交通省もグリーンインフラと言う言葉を使っています(,.グリーンインフラポータルサイト)が・・・。都市住民向けのメッセージがどのように形成されているか。 junkan6-10<gIsetagaya> ■いいねボタン
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「動的平衡」を理解しないとー100年の森づくりはできない(2019/3/24)
2月16日開催された新・豊田市100年の森づくり構想策定記念シンポジウムに行ってきました。 豊田市の100年の森づくり構想、市町村の森林行政がどうなっていくのか?勉強部屋でもご紹介しました。森林経営管理における市町村の役割、新・豊田市100 年の森づくり構想(2018/7/16) 地域森づくり会議、人工林の目標林型と将来木施業など、面白いです。興味のあるかたは、こちらから是非どうぞ→新・豊田市100年の森づくり構想 概要版 (PDF 1.2MB) とこで、今回豊田市まで行ってシンポジウムに出席したのは、市民にどんなにうけいれられているのかの雰囲気を知りたい、外国人がだれでも知っている日本の地名(Toyotaは、 Tokyo、Kyoto、,Hirosima次でしょうか)の森づくりを海外に発信したいなど、色んな思いがありましたが、、全国で課題となっている皆伐の拡大とその後の森づくりのイメージがどうなっているのか、という興味もありました。 それはそれとして(後述します)、生物学者の福島伸一氏の基調講演インパクトがありました。 (動的平衡を理解しないと森林整備をリードできない?) 演題は、「生命とは何か、生命科学から森への招待」パンフレットから説明を引用します。
このままいったらどうなるか、補助事業はうまくいったが、それで将来の森づくりはうまくいくのか?といった長い時間軸。森林関係者には不可欠な視点です。(木楽舎:動的平衡、購入しました) 基調講演を福島さんにお願いした経緯を主催者に聞いてみました。 生命とは、エントロピー増大の法則に対抗するため、自らを壊し捨てている。人工林で、壊さなくなったら過密人工林になる。だから間伐が必要だ。天然林も森を維持するために、陽樹から陰樹へ入れ替わり、極相状態に達しても常に入れ替わっている。森林の植生遷移とは、超長時間においての動的平衡なのである。森林技術者は、動的平衡を理解しなければ森林管理はできない。そんな森を豊田市は目指すし、そんな森林技術者を育成したい (気になることー次世代の森林づくり) 国産材の時代がきて、伐採跡地、特に皆伐跡地の問題が話題となっています。それで、主催者豊田市ではどうなっているの?と聞いてみました。 新・構想は皆伐を全否定するものではありませんが、今はそのタイミングではないだろうという考えです。価格やコストやシカなどの問題がある中で、安易に皆伐―再造林の旗を振れない、それは無責任なことではないか。 だそうです。 皆伐をして、新植して、下刈りして立派な山づくり、という前回(戦後の造林)やった方式は、生態的にも経営的にも批判の多い方式です(→林業がつくる日本の森林(2017/1/29) )。 が、1000万ヘクタールの人工林の次世代の森林づくりを、公的助成をしながらその目的の達成状況を管理していくという、巨大なプロジェクトを実施するために、皆伐して新植した上で管理するという方法は、きわめて効率的なシステムであることも確かです。条件によってどんなシステムで管理するのかという議論がもっと進まなければならないと思います。 kokunai14-6<C_toyota2> ■いいねボタン
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日本の森林政策とFSCの基準:グローカルな視点ー勉強部屋ニュース235編集ばなし(2019/3/25)
「森林の整備」、山村地域の森林関係者と関係住民、行政・学会関係者、少ないけれどまじめな人たちが長い間支えてきた地味な仕事に、急にグローバルな光があたったのは1980年代ですが、その光が日本の森林行政を照射しはじめた、と感じたのが、新しい世紀になったころのFSCの上陸でした。 フロントページ:FSCの日本規格策定ー勉強部屋とFSC本文でも書きましたが、「グローバル森林破壊の摘発の話と日本の森林の管理の話がどのように関係してくるのか、と言う気持ちがこのサイトの一つのベースですが、もう一つ、日本の蓄積をグローバルに、という視点からいうと、FSCのコンセンサスの発展に日本の戦後の森づくりの経験を活かす、という視点も必要ですね。 今月号は、その他、世田谷区、豊田市といった自治体のイベントに参加した内容が並びました。自治体だと、森林プロパーの話だけでなく、隣接するいろんなフィールドの情報が整理されて、勉強になります。、 次号以降の予告、気候変動の適応策と森林、森林外交論続き、早生樹・エリートツリーの現状と未来、EU内森林のリスクとフェアウッド konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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