気候変動枠組み条約COP21パリ協定と森林(2016/1/17)


 

昨年11 月30 日(月曜日)から12 月13 日(日曜日)まで、パリで「気候変動枠組条約 第21 回 締約国会議(COP21)」、「京都議定書 第11回 締約国会合(CMP11)」等が開催され、「京都議定書」以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな枠組みである「パリ協定」が採択されました。

ADOPTION OF THE PARIS AGREEMENT公式サイトUNFCCC)
バリ協定和訳(外務省関連ページ)

Paris Agreement(パリ協定)とCOP21 -その歴史的意義板橋 加奈よくまとまった解説です

「史上初めて、196カ国・地域が温室効果ガスの削減に参加する枠組みが誕生」と評価される、バリ協定の中での、森林の位置づけについえ、みていくこととします。

(協定第4条)排出削減・緩和

排出削減の中身を規定したパリ協定の核心となる第4条は、排出量削減等について過去の経緯を踏まえ、(INDC(約束草案)とは?:国際社会は温室効果ガス排出削減目標の設定について何を学んできたか)、各国が自主的に削減目標と行動(貢献)INDCを提出し、それに対する国内措置をとる(パラ2)、それを5年ごとに見直すこと(パラ9)です。

日本の貢献は、7月に約束原案官邸地球温暖化対策本部)、として提出したもので、条約事務局のサイトにもつるされています→Submission of Japan’s Intended Nationally Determined Contribution

この約束草案の中身と、森林の吸収量、木質バイオマスの関係については、このサイトでも、原案が提示された時点で、検討しました。「2020年以降の温室効果ガス削減に向けた我が国の約束草案(政府原案)の中における森林の関連部分

今回の「貢献」森林の吸収量(2013年年の排出量基準で2%分の貢献)とともに、木質バイオマス起源のエネルギーは、未利用間伐、一般木材とも2030年に、13年の8倍にすることが想定されています。これをどう達成するか、重要なテーマとなります。

(協定第5条)吸収源および貯蔵庫

協定本文で森林という言葉がでてくる唯一の条文が、第5条です。

二つのパラグラフの短い条文なので、全訳しておきます。

 1  Parties should take action to conserve and enhance, as appropriate, sinks and reservoirs of greenhouse gases as referred to in Article 4, paragraph 1(d), of the Convention, including forests.  締約国は、気候変動枠組条約(以下「条約」という。)第4条パラ1(d)に規定する、森林を含む、温室効果ガスの吸収源及び貯蔵庫の保全及び、適当な場合には強化のための措置を、とるべきである。
 2  Parties are encouraged to take action to implement and support, including through results-based payments, the existing framework as set out in related guidance and decisions already agreed under the Convention for: policy approaches and positive incentives for activities relating to reducing emissions from deforestation and forest degradation, and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries; and alternative policy approaches, such as joint mitigation and adaptation approaches for the integral and sustainable management of forests, while reaffirming the importance of incentivizing, as appropriate, non-carbon benefits associated with such approaches.  締約国は、適当な場合に、以下の措置に関する非炭素的な利益の重要性を認識しつつ、開発途上締約国における森林減少及び森林劣化等による排出量を減少させる取組および森林炭素ストックの保全及び持続可能な森林経営ならびに森林炭素ストックの向上(訳者注 REDDプラス)、あるいはその代替措置として持続可能な森林管理による共同した緩和と適用などの措置のため、条約に基づく関連する指針及び決定に規定する既存の枠組みを実施及び支援するための措置をとることが奨励される。

パラ1は、森林の吸収源(だけでなく海や自然資源全体の吸収源)および貯蔵庫の機能の重要性とその保全強化を「すべき」との大切な条項です。前条の貢献を内容とも関係してきます。

2パラは、条約の文章に特有の悪文で、分かりにくいですね。交渉に参加している当事者は、文章を構成するそれぞれの部分が、誰の指摘でどういういきさつで入ったかがわかるので、納得できるのですが、初めて見る人は、こんな長い文章が一つの文章になっているのは、信じられないですね。森林分野の方がだれでも関心のあるREDDプラス(「途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減」(ここまでがREDD)および「森林炭素ストックの保全及び持続可能な森林経営ならびに森林炭素ストックの向上」(この部分がプラス)、であわせてREDDプラス)に関する条文で、「条約に基づく関連する指針及び決定に規定する既存の枠組みを実施及び支援するための措置をとることが奨励される」としています。
ここで、参照されている、「条約に基づく関連する指針と決定」は、今までの交渉過程で合意された、。文書は16あるそうで

以下のサイトに掲載されています

COP13からCOP19までの12の文書は以下からダウンロードできますhttp://unfccc.int/land_use_and_climate_change/lulucf/items/6917.php

3つのCOP21決定はそれぞれ以下からダウンロードできます
Further guidance on ensuring transparency, consistency, comprehensiveness and effectiveness when informing on how all the safeguards referred to in decision 1/CP.16, appendix I, are being addressed and respected
Alternative policy approaches, such as joint mitigation and adaptation approaches for the integral and sustainable management of forests
Methodological issues related to non-carbon benefits resulting from the implementation of the activities referred to in decision 1/CP.16, paragraph 70

以上です

kokukusai2-55(unfccccop21)