FSCの人工林認証の議論と日本の人工林の経験(2011/8/27)

 

6月25日から7月1日までマレーシアサバ州コタキナバルで3年に1回のFSC総会が開催されました。(大会の公式サイト英文

合わせて27の動議が採択されました(すべての採択された決議(英文))。持続可能な森林の国際的なコンセンサスの水準を見ていく上で、重要な情報群ですが、全体像については別途FSCジャパンから日本語の情報提供がまとまってある予定です。

今回取り上げるのはそのうちの、第18動議、「人工林についての認証」というものです。

全文は以下の短い決議です。「FSCが2009年に行った人工林の見直し作業は完全には終了していない。決議はFSCがその問題を再検討し、そのために人工林認証に関するバランスのとれたWGを設置することを求める」(The FSC Plantations Review was not fully completed in 2009. The Motion calls for FSC to revisit and complete the Plantations Review and to create a balanced-chamber working group to look into stakeholder concerns relating to plantation certification)という短いものです。

日本でFSC認証された森林のほとんどが人工林なのでFSCの中で繰り広げられてきた人工林をどういう条件で認証するか、という長い議論は若干わかりにくいですが、動議はFSCの原則基準の中の、以下の規定の見直しに関してものものです。

10.9 1994 年11 月以降に天然林から転換された植林は、通常、認証の対象とはならない。
植林への転換に関し、森林の管理者/所有者に直接あるいは間接的に責任が無いという十分な証拠が認証機関に提出される場合は、認証の対象となることがある。

FSCには「基本的には天然林を人工林に転換することは好ましいことでない」という認識があり、「FSCが活動を始めた時期(1994年11月)より前のものは認めるが、その後のものは管理者が意図して人工林化をはかったものであり、認証森林には認めない。」という上記規程になっています。また、前から人工林であったものはFSC認証を認めることとしているけれど、その理由は「人工林への転換が現在の所有者に責任がないから」ということでしょう。

熱帯林天然林の急激な減少に対処しようというFSCの創設当時の森林管理目的を達成しようとするの中からでてきた認証基準と理解することはできますが、この部分には違和感がありました。

この規定の見直しのための検討を始めるという総会の決議は、異論もあり決議にいたるまでには紆余曲折があったようですが、議論の方向性をすこし穏やかにして決議にいたったようです。(この辺のいきさつについては、鳥取環境大学根本昌彦さんのブログから「FSC総会、第18動議が賛否拮抗した中で通過〜「人工林評価」が今後のポイントに!」に詳しく解説があります。

地球環境という視野に立って森林の管理を考えた場合、木質バイオマス資源が再生可能な資源として化石資源に取って代わる資源であり、また、原発問題などを背景として再生可能資なエネルギー資源としての重要性が認識錦される中で、一定の天然林を人工林に置き換えていくことのポジティブな意味が評価されることになってきたという背景だと理解をします。

日本の森林政策の過程でも大規模な天然林の人工林の転換についての議論は、1930年代、1960年代と繰り替えされてきましたが、持続可能な森林の国際的な議論の進展に日本の経験が役にたつ場面があるのではないか期待します。

snrin2-15<FSCGA2011>