ニュースレター No.302 2024年10月10日発行 (発行部数:1677部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1. フロントページ:石破茂氏と森林林業の関係ー自伐型林業・CLT・里山資本主義など(2024/10/10)
2. 低コスト再造林プロジェクトー再造林を補助金抜きてやる道筋(2024/10/1)
3. 電力会社が新たな森林業ビジネスに取り組む道筋ー山林購入の流れなど(2024/10/1)
4. 森林環境税で森と人、人と人は繋がるか?ーZOOMセミナー第3回ご案内(2024/10/1)
 気候変動対策の国際的枠組みと農林土地利用の役割ー静岡県食品産業の技術研究会で(2024/10/1)
 森林産業のGLOCAL人材養成を山形からー東北農林専門職大学校開校(2024/10/8)
7   林業を再生させたい!!山形県白鷹町の思いを込めたビジネスモデルがうまくいくか!!(2024/10/8)
8.  持続可能な森林経営のための勉強部屋25周年と300号の歩みー報告会開催案内(2024/10/8)
9. 日本の政治と持続可能な森林ガバナンス勉強部屋ニュース302号編集ばなし(2024/9/12)

フロントページ:石破茂氏と森林林業の関係ー自伐型林業・CLT・里山資本主義など(2024/10/10)

自民党総裁に選ばれた石破茂氏が、10月1日102代総理大臣になりました。

鳥取県を基盤とする新総理が森林や林業政策にどのように関わてきたのか、ネット上で情報収集してみました。

2009年麻生政権での農林水産大臣、安倍政権2014年地方創生国家戦略地区域担当大臣。

(農林水産大臣時代の石破氏)

農林水産大臣時代石破大臣の森林行政に関する言説が全森連のサイトに掲載されています。

石破農林水産大臣と(全森連)國井会長との対談が実現2009/02/25

石破農林水産大臣から会長へ三つのテーマで話が
~ 農山村の活性化の原点は、林業 ~
例えば、30年後ガソリンの6分の1を代用するエタノールを作るにしても、資源消費のわが国は、山林にある残地材等の活用に期待
~ 林道整備は、林業振興の出発点 ~
山からの安定的な木材の搬出には、高密度の林道・作業道の整備と地元負担がないことが望ましく、結果として搬出コストが低くなるとの考えを力説されました。
~ ワンストップ・サービスの開始 ~
話題の提供として、地元の山林で切り出した木材で作った住宅を広く普及させる体制が必要との発想から、ワンストップ・サービスとして、一般の人々に身近な木材住宅の情報提供できるホームページ作成の予算(平成20年度補正予算)を織り込んでいる

その時点のトピックスをわかり易く、説明していますが、15年前石破氏が農林水産大臣で始めて今につながる大きなトピックスは??ないかな

(地方創生大臣時代の石破氏ー自伐型林業)

自伐型林業普及推進議員連盟が誕生!というトピックスが自伐型林業推進協議会のページに

─約40人の国会議員が議連の会員になり中谷元議員(石破政権防衛大臣)が会長
最後になって、それは昨年11月、内閣府において当協会が意見交換をさせて頂いていた(後述)石破茂地方創生担当大臣が出席されたかので会議が盛り上がった

以下大臣の挨拶です(左図)

「日本の(土地の)7割を森林が占めています。どうやって雇用をうみ出すか。農業は所有と経営をどうするかという議論をしていますが、林業は所有と経営が分離されてしまっているということがあります。ここをどうしましょうかという話があります。また自伐型林業と、いままでの森林組合と対極概念で別にやっていくという話ではありません。どうやって自伐型林業で森を守り、雇用を生む、所得を生むか、ということでやっていきたいと思っております」と、競合しているかのように論じられる森林組合などとの共存の方向性を示した上で、自伐型林業を推進する姿勢を示されました。

同協会のユーキューブで【第18回】石破茂衆院議員特別インタビュー「地方創生と自伐型林業」2019/11というのもあります

石破総理の自伐型林業への思い入れですね

石破内閣、地方創生「成長の起爆剤」 出生数底上げ期待なのだそうですから、いろいろアイディアを出していきましょう

(CLTで地方創生を実現する議員連盟 )

「地方創生実現のためのCLTの活用推進に関する申し入れ」CLTで地方創生を実現する議員連盟 会長 石破茂 (議連会員 118 名と(2016/11)いう情報があります。

 一 林業・木材産業の成長産業化はもとより、国土強靱化、地方創生に大きな潜在力と可能性をもつ国産材による CLT の普及促進を着実かつ速やかに図ること。
一 大都市における中大規模建築物、公共建築物をはじめとする非住宅施設等にCLTが広く活用されるよう、先導的な取組に対する支援や民間建築物に対する税制その他のインセンティブ措置について検討すること。
一 国内外に CLT の魅力と新たな木材利用の可能性を提案し、そして、日本らしさ、日本の良さである「木の文化」を伝えるため、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関連施設で可能な限り積極的にCLTを活用すること。

以上が申し入れ内容ですが、申し入れた相手のなかに、地方創生担当大臣 石破 茂 殿 もあります。

その後の、議連の活動は・・・

「CLTで地方創生の実現を」石破氏らが決議書提出(2021/11)(右の図)。金子農林水産大臣に対して、石破会長曰く「CLTは、木のコンクリートとも呼ばれるくらいに強度がある。ほとんどが工場生産で工期が短くゴミも出ない。人件費も抑えられる。カーボンニュートラルに貢献する良いことづくめの素材だが、価格が高い」なので「まず予算を確保し、官需と民需で利用を促進・・・」として、大臣も会員になったんだそうです。

さらに、

木製パネル「CLT」活用を提唱 石破氏ら議連(2022/12)石破氏は「CLTはコンクリートと同じ強度で、重さは約5分の1。建築作業員が少なく、ごみも出ない。公共建造物を中心に民間に普及させ、CO2削減に寄与したい」と語った。そうです

CLTが地方創生に繋がるか?政府の補助金が、CLTの価格を引き下げ市場の中で普及する、といった難しプレセスが進のか?注目ですね。

(オーストリアの林業と里山資本主義)

石破茂オフィシャルブログに、面白い記事がありました。オーストリア出張など(2015/8)

そこに記載されている内容を一部そのまま持ってきますーーーここから

麻生内閣の農林水産大臣在任中、来日されたオーストリアの農林大臣と会談して以来、オーストリアの林業政策には関心を持っていたのですが、十分に研究した上での自分なりの解を見出せないまま今日に至ってしまいました。 
。路網の整備、コスト削減、自国産材の活用法、林業政策と住宅政策との連携、バイオエネルギーの技術的な革新など、十分な手を打たないままに今日に至ったことを謙虚に反省し、冷静な比較分析を加えた上で、今からでもオーストリアに学ぶべき点は多くあるのではないか、というのが私の問題意識です。

オーストリアの林業についてご関心のある方には、7月31日にもご紹介した「里山資本主義」(藻谷浩介・NHK広島取材班著・角川書店)と、「森林の崩壊」(白井裕子著・新潮新書)がお勧めです(藻谷氏の所論については批判も寄せられていることを承知しておりますが、私自身は共感するところが多くあります)。

ーーーーここまで

自民党が依拠するマネー資本主義のアンチテーゼ(ではないかな)里山資本主義

自民党の非主流派だった政治家が総理大臣になったというタイミングは、あまりメインストリームになっていなかった林業や森林政策にとって良いこともあるかもしれませんね?

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日本の政治と持続可能な森林ガバナンスー勉強部屋ニュース302号ばなし

フロントページは:石破茂氏と森林林業の関係ー自伐型林業・CLT・里山資本主義など

10月1日総理大臣が交替し、その直後に久しぶりに林野庁の行く機会があって、総理大臣がかわると役所の中は変わることがあるかな?作りかけの勉強部屋の標記ページを紹介したりして少し遊んできました。

その中で、「こんな話もあるよ」といわれてCLTの話などを追加して、ありがとうとございました。

その他に、防衛族の総理のともだち、中谷防衛大臣も超党派の森林・林業・林産業活性化推進議員連盟などの中心メンバーなので、今回の内閣は隠れ林業内閣かも、などなど

総選挙もあるので、各政党の森林政策、地球環境問題への取組、などしっかり勉強部屋でフォローしていきますねー

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9月は、日本林政ジャーナリストの会の共同取材で山形県に一泊どまりの小旅行や、静岡市内のグランシップというすごい施設でプレゼンをする機会など、地方旅行でいろいろ勉強しました。

山形行きは、北部新庄の東北農林専門職大学校、南部の新しい森林業ビジネス話3つと、4つのページを作りました。東北特集?東北地方が日本の新たな林業再生の拠点になるか。フォローしていきますねー

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静岡は、食品産業の産学連携研究会で地球温暖化話。しっかり勉強して臨んだつもりだったんですが、当日いってみるまで、食品ビジネスの研究会が一体どんな方々の集まりかという具体的なことがほとんどわかっていなかったということに気が付きました。

健康ビジネス・アンチエイジング対応・食品添加物不要・乾燥施設・・・、ユーザーを見据えた商品展開からメーカー向けの製造装置などなど多様な関係者が自社のステップアップのための勉強会であり、取引先をさがすチャンスでもあり。木材ビジネスの関係者のあつまりでは想像できない、アクティブな拡がりでした。

でもそのような方々に、気候変動対策の重要性をお話しできたのは、すごくよかったです。

準備をしているうちに、COP28で食料システム農業に関する首脳宣言という重要なイベントがあったことに気が付きました。

気候変動対応のなか、IPPCガイドラインで、AFOLU(Agriculture ,Forestry and Other Lund Use, 農業、林業、その他の土地利用)などとくくられていて、農業と林業の関係は重要ですね。勉強してまいります

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10月は総選挙もありますが、31日に鹿児島市内で、全国木材産業振興大会というのがあります。木材業界の年に一度のビッグイベント

木材を使ってもらて儲けようという短期的な視野だけでなく、循環資源である持続可能な木材、供給地の管理など、中長期的案視野がどうなのかな?そんなことも含めて勉強してまいります

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次号以降の予告、石破新総理の所信表明演説と森林林業の未来/ 総選挙2024各党の政策の中の森林林業政策/ Global Fprest Carbon-地球の森林カーボン/ / エンボディドカーボン?ー建設過程の温室効果ガス発生量の開示動向/ 生物機能を活用した木材利用ー森林総研公開講演会から

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara.takashi1@gmail.com