林業を再生させたい!!山形県白鷹町の思いを込めたビジネスモデルがうまくいくか!!(2024/10/13)

9月中旬に開催された日本林政ジャーナリストの会の共同取材で、山形県南置賜郡白鷹町を訪問する機会があり、昔林業がさかえていたこの地域で、再び林業を再生するビジネスモデルについて、身近に担当責任者から説明を聞く機会があったので紹介しましょう。

会社の名前は「おきたま林業(株)

いただいた、会社のプロフィールによると設立目的は以下の通り

(おきたま林業設立の目的)

白鷹町の主伐期に達した人工林資源について主伐再造林を進めるとともに、公益的機能の維持増進に必要な森林整備を推進する。これにより森林の若返りを中心とした林業生産活動の活発化とともに、豊かな森林の構築と地域の振興を図るものである。新会社はこの取り組みの中心的役割を担うもので、事業推進に当たっては、持続可能な森林・林業経営を念頭に、森林所有者へのより多くの還元を実現するとともに、豊かな森林の構築を目指すものである。

そんなすごいことができるの?

((ビジネスモデルの概要))

それを説明するのが、いただいた、上の図のビジネスモデルです

(山づくりの仕事)

自分で、山林を所有するのではなく、財産区という共同山林の所有体と個人の所有者との間で、、委託契約をして森林経営計画を作成し、それに応じた伐採植林保育を実施(低コスト再造林プロジェクト別途説明します

伐採された木材は、丸太生産をして、出資者である物林が販売。

(お金の流れ)

物林が丸太販売した収入Aから、物林に販売コストBを支払ったものがおきたま林業の収入(AーB)、伐採造林のコストを委託事業に支払C、おきたま林業が実施した、経営計画策定や各種委託事業にかかる事務手数料をなどDを差し引いて、契約相手の山林所有者に支払うE

(出資者)

物林、那須建設、丸ト建設の3社事業関係会社が出資者です。後ろの2社は事業の委託会社なのでそれに応じた出資なのでしょうが、物林は、今後山林所有者がどの程度山林を提供するかというビジネスの見通しとかかわる、重要な出資判断が必要だと思います

((ビジネスの持続可能性ビジネスの展望はあるの?))

、2021年の丸太の生産量が300m3であったのが、2024年には30000m3になる計画なのだそうです(図の右上)

このようにビジネスの可能性があるかとうか、このビジネスが続いていくかどうかは・・・

お金の流れで書いたように、丸太の販売額Aから伐採植林経費などを差し引いた「契約相手の山林所有者に支払うE」が今後増えていくことが見通せるかどうかですね。

その辺の見通しをいろいろ聞いてみましたが・・・とりあえず私の責任で試算してみました。

その結果、丸太生産の30000m3を前提として考えると

販売額A     :270百万円(3万m3の丸太が9千円/m3で販売されたと仮定(山元で))
伐採造林コストC:200百万円(伐採造林一体の低コスト再造林320-350万円/ha)(伐採造林面積60ha)(ha500m3の丸太生産を前提(こんなものなのだそうです)、伐採搬出、苗木代、植栽代・・・下刈りはほとんどしないでも成林するけど、少しカウント)
販売委託費B + 管理委託費D :二つ合わせて36百万円(60万円/ha)
とすれば
所有者に支払う金額E=A-B-C-D 33百万円

補助金抜きでも、伐採造林一体の低コスト拡大造林あれば成林するまでのコストをいれて、Eがプラスになりそう?これに補助金があれば・・・・

ごめんなさい、しっかりした情報がなくて、裏付けがとれていませんが・・・

もしもそうならもこのビジネスモデルが日本全国に広がっていく可能性がありますね

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このモデルが重要なのは、山林所有者が少し大きな財産区の所有者だということですね。

今回の山形取材のなかで、小規模な所有者をどのように集約していくのか、というビジネスモデルも見ることができました。

別途ご報告します(電力会社が新たな森林業ビジネスに取り組む道筋ー山林購入の流れなど

junkan10-17<okitama>

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