ニュースレター No.269 2022年1月15日発行 (発行部数:1544部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬 |
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フロントページ:森林由来クレジットの創出拡大についてー木材利用のクレジットは?(2021/1/8)
CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証するJクレジット制度。 その制度の枠組みを決めるJクレジット運営委員会の12月2日に開催された24回会合で、林野庁が「森林由来クレジットの創出拡大について」という報告をした内容が公表されています。 Jクレジットの森林関係の利用状況や、今後の課題などわかりやすく、掲載されています。 特に、このサイトでも気にしてきた、木材利用のクレジット対応なども関連して、大変重要な情報なので、少し内容を説明します。 (課題認識) 右の図は資料冒頭に記載している、森林クレジットの供給状況。 Jクレジットのセクター別の認証量を見ると、森林は全認証量(太陽光発電が半分)の1.3%なんだそうです。日本の国の2/3をしめる森林の吸収源を利用していく方法は? 左上の図は、説明の全体像。 図の上部は、今までの森林の方法論が、育成段階の森林に関して組み立てられてきたけれど、これから伐採時期の森林を再造林していく時期に対応できていない。その過程に沿った方法論ができていない(論点ⅠとⅡ)。 そして下の図。伐採木材製品の中の固定量が評価されていない(論点Ⅲ)。 この点を今後検討していきたいとしています。特にこのページが気にしてきたのが、論点Ⅲです。 (伐採木材に関して) 論点Ⅲについて関係ページに記載されている内容を紹介し、コメントをしますね。
まず出発点にたったということでしょうか? もう一回3点の検討課題を復習、少し考えておきましょう (追加性) 通常の市場条件ではだれも使えない(使わない)のに、「カーボンクレジットのために使うんだ」(追加的活動)という説明が必要というのが、課題ですね。 その辺は、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(建築物木材利用促進法)」などができて行政がいろんなサポートをしなければならなとなっているので、いろんなストーリーがありそうですね。 例えば、行政と「建築物木材利用促進協定」を結んだ場合は追加性がある・・だとか、・・・ (継続性) 木材は2酸化炭素を固定するけど、いつ廃棄されるかわからない。それと、クレジットは毎年の排出削減量(トンCO2/年)(フロー)を計算して取引されるのだけど、ストックされるのはトンCO2ストックなので、どうやってフローに換算するのかというときも時間の観念が必要ですよね。その辺も含めて継続性の観点が議論されなければならないと思います。 それと、木材の環境貢献は、炭素固定だけでなく、他の資材で二酸化炭素発生するより少ない省エネ効果、というのもあるはずですね(地球温暖化防止に向けて)。その辺をどう取り組んでいくのかも検討課題です。 (トレーサビリティ) 建築で木材が固定された場合、どの森林から収穫されたものか特定されないと難しいという問題の指摘ですね。 森林の生産過程の連携は必要なのは、違法伐採材を使ったものは計算しない、というのは当然として、追加して整備したJクレジットに認定された木材しか認定されないのかどうか難しい問題があるように思います。(木質バイオマス燃料の方法論はどうなっているのかな?) ーーー 森林関係者だけでなく、木材を利用しようとしている市民にメリットがあるようなシステムづくりをぜひお願いしたいですね。 kokunai4-54<Jcre-kakudai> ■いいねボタン |
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2021年林業経済学会秋期大会から(2022/1/15)
12月13-14日に、林業経済学会の秋季大会がオンラインで開催されました。 全体を俯瞰することはできませんでしたが、気になる報告をつまみぐいします。 林業経済学会の関連ページにプログラムと、報告の本体(講演)が講演集として3つに分けて、公開されています その1(4.7MB) その2(5.4MB) その3(5.0MB)。
gakkai<rinkei2019> ■いいねボタン |
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読者の皆さんの採点表ですよね。 マスコミを通じた共通の話題をしっかりとらえているの(「論語と算盤」で持続可能な森林は?ー渋沢栄一の中の森林の位置(改訂版)など)が、点数が多いのはわかるのですが、森林政策そのものをテーマとした、森林バイオマスはカーボンニュートラルか?500名以上の科学者が日本政府に(も)書簡は? 勉強部屋としての主張が明快に述べられていることが評価されているのでしょうかね。 今後ともしっかり勉強して、勉強部屋の構築をすすめていきますね。 きびしく、そして暖かい評価をお願いします。 konosaito4-1<2021iine> いいねボタン |
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森林による二酸化炭素吸収量の算定方法(林野庁長官通達)(2022/1/15)
林野庁は年末の12月27日森林による二酸化炭素吸収量の算定について、というプレスリリースを公開しました。
ということで、読み進んでみると・・・2 森林によるCO2吸収量等の算定方法というところに、林野庁が過去に発表した文書にもとづく、4つの方法が掲載されています。
上記の2-1は、1年間に森林が吸収するCO2量の簡便な算定方法森林1ha当たりの年間CO2吸収量(t-CO2/年・ha) = 森林1ha当たりの年間幹成長量(m3/年・ha) × 拡大係数 × (1+地下部比率) × 容積密度(t/m3) × 炭素含有率 × CO2換算係数。 このページで紹介してきた、林業経済研究所で開発したガイドラインの紹介になっています。 私自身も開発に携わったこの仕組み。 このファイルのダウンロード数が最近増えていると、昨年の春学会報告しました。(→建築物への木材利用と炭素クレジットーGHGゼロ排出に貢献する道筋(2020/4/11)) 今回のような、林野庁のアナウンスもあって、拡大のページが上がっています。左の図 今後、これらの方々がどのような取り組みをしようと思っているか、検討を進めていきたいです。 そして、今回に長官通達にある、林野公共事業の事業評価マニュアルをどのような場合に使ったらいいのか?そもそも都市における都市公園の緑地の評価など、林野庁が森林に基づいて解説しているこれらの方法でよいのか?など、今後勉強してまいります。 kokunai4-56<rinyamieruka> ■いいねボタン |
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持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナー第3回御案内(2021/12/15) (2022/1/15改定)
持続可能な森林フォーラムでは、皆さんとのコミュニケーションを双方向で深めていくため、ゲストをむかえて、Zoomセミナーを開催しています。 第3回目はいよいよ1月29日土曜日13時半から。 「国民の田園回帰」、「小さな林業による森林ガバナンスの確立」などに重要な役割を果たす可能性のある、自伐(型)林業について、著書「地域の未来・自伐林業で定住化を図る」をだされている、九州大学大学院農学研究院 環境農学部門森林政策学分野佐藤宣子教授をお迎えし、全国17か所をまわれた実績を踏まえて、林業のこれからをお話しいただきます。
この機会に森林林業政策全体に関して考える機会にもしていただければと、佐藤教授から「新たな森林林業基本計画をかが考えるーグリーン成長の特徴と問題点」資料をいただきました(ご参考に) どうぞ皆さん、ご参加下さい。 参加はこちらからどうぞ→(Zoomセミナー第3回参加申し込み窓口) konosaito3-4<zoommt3rd> ■いいねボタン
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今年もグローバルな課題がたくさん・・・ー勉強部屋ニュース269編集ばなし(2022/1/15)
今月のフロントページは森林由来クレジットの創出拡大についてー木材利用のクレジットは? カーボンニュートラルにむけて、マーケットにむけた最も強力なツールがクレジットですね。地球環境に貢献するとそれを開示すれば社会的な評価があがって褒められる、というのでなくて、お金がもらえる!というのですから。 カナダに木材利用に関する先例があるんだそうですのでVCS Methodology VM0034 CANADIAN FOREST CARBON OFFSET METHODOLOGY、しっかり勉強していきます。 今年も、カーボンとのお付き合いの年となりそうですが・・・ もう一つトラどしなので、世界のトラはどうなっているのか? 20世紀初頭、10万頭が生息していたといわれるトラは、現在約4,000頭前後にまで減少している。もちろん生息地の森林の問題でもあるんでしょう。そしてグローバルタイガーサミットというのが開催されるんだそうです 5月の世界林業会議にむけて、当方の準備をしてまいります 次号以降の予告、カナダの木材のカーボンオフセット方法論、第3回勉強部屋ズーム会議、カーボンニュートラルと都市の緑地ー市街化区域の緑地の二酸化炭素吸収量、ニュージーランドにおける排出量取引の影響と森林、御殿場の木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章、欧州の炭素国境調整措置の内容 konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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