ニュースレター No.200 2016年4月27日発行 (発行部数:1390部) | |||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:森林・林業基本計画案への意見((2016/2/26)
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林野庁では5年に一回の森林・林業基本計画の改定作業中で、作業中の案が公表され3月22日(火曜日)から4月10日(日曜日)までの間、パブリックコメントがあ公募されていました。 森林・林業基本計画(案)に関する意見・情報の募集(パブリックコメント)について どこの国でも森林政策の重要性がなかなか理解を得られないのは、市民から遠くにあるからで、皆がよくしっているグローバルな出来事との関係でみていったらどうなる地球温暖化対策計画(案)に対する意見か、また木材のサプライチェーンを通じた市民の参加が重要なポイントになるのでないか、といった視点で情報提供をしてきた、勉強部屋ではそんな視点で、5年に一度のこのをウェオッチしてきました。 1-11. 森林・林業基本計画案への意見 (2011/7/2) 今回は、国内のバイオマスエネルギーの拡大、都市の大型施設の木造・木質化の動きや、パリ協定によるグローバルな化石資源の制約への流れを受けて、次世代の持続可能な森林と市場の循環をどのように構築していくのか、大切基本計画の改定です。 地球環境問題と、国内の森林ガバナンス、グローバルな市場とローカルな森林の関係など、当勉強部屋としても気になることがあり、意見を提出しました。 1持続可能な開発目標など (主旨) 昨年国連で採択された「持続可能な開発の国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」ための2030年アジェンダ」SDGsで2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施の促進が決議されたが、我が国の森林も何をもって持続可能な森林経営と定義するかを明確にし、国際的な課題にこたえるようにすべき
(理由) 2015年9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において開催された国連持続可能な開発サミットで、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」SDGs(以下「2030年アジェンダ」という)が採択された。(国連サミットで合意された「持続可能な成長のための2030年アジェンダ」の中の森林(2015/10/24)参照) 森林に関しては、「2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。」(原則15-6)としている。大目標との関係を明確にしておくべき。 また、持続可能な森林経営という国際的な議論の中で、我が国のどの部分が持続可能で、どこんが違うのか、経営計画を策定したものは持続可能なのか、など議論を深めるべき。 2森林づくりの担い手 (主旨) 民間企業の森林づくりの支援に関する論点と重要性を付け加えるべき
(理由) 「森林の有する多面的機能の維持・増進に係るコストについては、社会全体で負担していくことが必要であり」(現基本計画)その一環として、企業の社会的責任による森林づくりが進んでいる(下図:企業の森林づくりの活動の実施箇所の推移企業による森林(もり)づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」ガイドラインより) 関連部分の記述の中に、企業の森林づくりを支援する施策を明確に位置づけるべきである(企業による森林づくり・木材利用の環境貢献度の「見える化」(2016/3/26)参照) 3木材需要の新たな拡大と木材の環境性能 (主旨)
(理由) 4バイオマスエネルギーの利用 (主旨) 第3表であらたに燃料材が加えられたが輸入量が、今後ほとんど増えない設定となっているのは実態とことなるのでないか?
(理由) 固定価格買取制度に基づく木質バイオマスを燃料とした発電所が各地で稼働、計画されているが、原料の安定供給が重要な課題となっている。その中の一部を輸入バイオマスが担うことになるのは周知のことであるが、用途別の木材利用量の目標表3では、総需要量と利用量の差である輸入量がほとんど増えない見込みになっている。 輸入バイオマスがヤシガラなど木質バイオマスでない農産物残さなどに多くを依存しているが、木質ペレットなどの輸入も拡大しているところであり、これを正確に反映したものかどうか。いずれにしても輸入木質バイオマスへの依存度が拡大する動きはあるなずで、これを前提のすると、欧州などでは固体バイオマス燃料の環境基準の導入が進められており、我が国でも国際市場を念頭において、環境基準について検討をすべきである。 (エネルギー起源二酸化炭素の排出量の中での木質バイオマスエネルギー) 参照 以上でした。どんなことになるのか、今後もフォローしていきます。 kokunai1-15(kihonkeikaku2016-1) ■いいねボタン
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『林業経済』誌編集後記(2016年3月号)(2016/4/26)
roomfj <ringyoukeizaishi/hensyukoukin> ■いいねボタン
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地球温暖化対策計画(案)に対する意見(2018/4/27)
日本の約束草案及びパリ協定を踏まえ、2013年に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて政府がさだめることとなった「地球温暖化対策に関する計画(地球温暖化対策計画)」の政府原案が示され、4月10日を期限として、意見募集が求められていました。 「地球温暖化対策計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について 関係資料 同時期の森林林業基本計画案への意見と若干重複しますが、勉強部屋としても意見を提出しました。 森林政策との関係をみると、①温室効果ガスの吸収量と、②エネルギー起源二酸化炭素の排出量の中での木質バイオマスエネルギーの位置づけの二つがポイントです。 1 木質バイオマス発電の推進への留意点
11ページ表1エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安のエネルギー転換部門の排出量の目安の数字は、長期エネルギー需給見通しの上にたっており、その検討過程から、バイオマス発電の現状を2030年に3倍ほど増やす計画となっており、未利用間伐は6倍、一般木材・農産物残さは30-40倍となるとされている(2015/3長期エネルギー需給小委員会第10回会合資料2長期エネルギー需給見通し関連資料45ページ)。 これを達成するには、指摘しているように、 当然輸入バイオマスの拡大も予想されることから、海外では固形バイオマスの環境基準なども導入される状況に対応した日本市場の対応も重要な視点である 2 森林吸収現対策の留意点
3 違法伐採対策関連
kokusai2-57<taisakukeikakuiken-1> ■いいねボタン
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福島県は、「北海道、岩手に次ぐ第3番目の県土面積、森林面積は全国第4位、関東近県に材を供給する素材生産県ですが、東日本大震災、原発事故を契機に、素材生産量が落ち込んでいます。(表1参照) また、生産された木材も、県外に出荷される比率が少なくなっています。(グラフ1参照)
現在福島県内の森林の13%が森林内の放射線量の問題で作業対象外となっている(福島民報1/6)こと、そして、それ以外の地域で安全に生産された木材も、風評被害などにより、需要先が限定されている状況を反映したものです。 福島が元気になるために、毎年200万立方メートル以上増加している福島森林(民有林だけで189万立法メートル増加:2014年福島県森林林業事業統計)がしっかり持続可能な形で経営され、生産・利用されることが大切です。 日本では増え続けている森林資源を有効に利用するため、住宅だけでなく、公共建築物にも木材を利用する動きが進んでいます。 新国立競技場」の木材利用。ロンドンに学びそれを超えて世界に何を発信するのか そのような中で、福島県で森林認証を受けた森林所有者と東京オリンピックの施設に福島県産の森林認証材を使う運動が進んでいます。
この運動が成果を収め、世界中から見えたオリンピック・パラリンピックを応援される方が、東日本大震災・福島の復興に向けての歩みが着実に進んでいることを実感してもらえると、よいですね。 junkan3-4<fukushima-fsc-pefc> ■いいねボタン
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国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」(2016/4/28) 3月9日日本政府林野庁主催の 国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」が都内で開催されました。 「地球から見た日本の森林の展望・日本から見える地球の森林の将来」を標榜するこのサイトにとっては重要なイベントなので、出席しました。 海外からのメンバーは、 主として上記の林野庁のサイトに公開された情報国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」をもとに、内容を紹介します。 プログラムと報告された内容のデータ(英文です)と概要は以下の通りです。
この後パネルでのディスカッションが行われました。 1992年に森林条約をつくろうとしてうまくいかなかった持続可能な森林の国際的枠組みをつくる運動の手掛かりはなにか、SDGs IAFなどで可能性が広がっている、という登壇者側のメッセージがうまく伝わったかどうかは別にして、勉強になりました。 一つのテーマは途上国の熱帯林問題。熱帯林の持続可能な開発が前進していることは様々な情報からわかりますが、現下の問題点を議論すると、開発にかかわる業界人とそれを批判するNGOの人たちの議論が提供されるだけで、若干わかりづらい点があります。 その点、初代国際熱帯木材機関事務局長でマレーシアの森林認証機関をリードするフリーザイラー議長の発言は重要なポイントを押さえています。 また、現在のグローバルな森林ガバナンス構築の最高責任者であるUNFFソブラル議長の話を直接聞けるもの大切な機会でした。(彼はフリーザイラーさんの後任のITTO事務局長で、10年以上前彼が横浜にいるときに森林総研におよびしたので再開を喜びました。閑話休題) 先進国の状況を踏まえたMr. Sven-Eric Bucht(スウェーデン農村開発大臣、幅広い森林の関係者の立場から Mr. Lambert Okrah(森林メジャーグループ(Major Groups)会長)、そして日本の熱帯林支援の立場から五関 一博((JICA)地球環境部技術審議)とよく考えられたセミナーでした。 SDGsは途上国問題だけでなく先進国も含めたフレームワークなので、日本の森林にとってどうなのか、という議論がもう少しほしかった、という不満が残りましたが、それは次の機会として、こんな議論が日本で聞ける機会はあるというのは、林野庁にいままでやってきた国際問題での取り組みの成果だと思います。 chikyu1-34(ISfosttokyo2016) ■いいねボタン
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