ニュースレター No.107 2008年7月13日発行 (発行部数:1350部) | |||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
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フロントページ:北海道洞爺湖サミットと森林問題(2008/7/13)
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7月7日から9日、北海道洞爺湖町でG8主要国首脳会議と関連する会議が開催されました。 近年のサミットのテーマの中で環境問題が大きな比重をしめ、今回の会合でも温暖化対策の長期ビジョンへの合意がなされるかどうかが大きな話題で、G8だけでなくそれに加えて9カ国を加えた主要経済国首脳会合が行われ、京都議定書以降の枠組みづくりについての重要なコンセンサスが図られました。 その中で、森林についての記述は、首脳宣言に当たる文書の「環境・気候変動」の中の以下のようものです。 時節柄、「森林減少・劣化に由来する排出の削減(REDD)」と違法伐採問題に言及しており、後者については日本で開催されたG8森林専門家違法伐採会議の報告書とその中身の、予備的な選択肢のリストにまで言及された、ものとなっています。とりあえず、違法伐採問題の今後の取組についてのコンセンサスを示すペーパーとして認知されたものとの位置づけとなっており、小HPでも全文のテキストを掲載してあります。
森林問題がはじめてサミットの合意文書に登場したのは、20年前の1987年のベネチアサミットで、経済宣言の中で「世界的規模の影響を持つ環境問題」の7つのうちの一つとして熱帯林の破壊が取り上げられました(気候変動も7つのうちの1つ)。(小HP 主要国サミットに於ける森林問題資料集) その後も、随時森林についての記述があり、地球サミット前の森林条約への取組(90年ヒューストン)、違法伐採問題への取組(2005年グレンイーグルス)など、国際的な森林問題への取組に一定の影響を与えてきました。 サミットの主要文書の中での森林に関する記載は、国際政治の舞台での森林問題の認識の度合いや、コンセンサスの方向などを示すものとして興味深いものです。 そのような目で今回のテキストを見てみると、前回のドイツのハイリゲンダム会合のものに比べて、ちょっと物足りないところがあります。 ただし、最終日の拡大サミット16カ国の首脳会議の「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言」に、森林に関して以下のようなは、ブラジル、インドネシアといった熱帯林の森林大国が参加した文書として、今後重要な意味を持つことになるかもしれません。
北海道洞爺湖サミットのHP
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北海道洞爺湖サミットを前にした6月9日福田総理は、日本記者クラブで「低炭素社会にむけて」というスピーチをしました。 福田ビジョンといわれるこの内容は以下の通りです
京都議定書が視野に入れているのが排出削減量の5%であるのに対し、全体を視野に入れた長期目標が掲げられたのが重要な点ですが、具体的な政策について、以下の二点に注目します。 (環境負荷の見える化) 「国全体を低炭素化へ動かす仕組み」の「見える化」というのが一つの重要なキーワードです。
「見える化」については、ウッドマイルズ研究会の取組が先進事例ですし、また、木材自体が排出されるCO2が少ないことを売りにしている、また、排出だけでなく、固定しているという、見える化してほしい性質をたくさん持っています。 これからが楽しみです。 (地方の活躍) もう一つは、地方の活躍
都市型生活と、農村型生活のどちらが、低炭素社会型がというのは、興味のある点です。 この二百年間の二酸化炭素排出型社会に突き進む中で、世界中が農村型から都市型に移行したことを考えると、答は簡単なように思えますが、一筋縄でないようです。 三大都市圏と離れたところに、小都市、農村、山村の連携した循環型社会の明確なビジョンが提示されることが必要だと思います。 kokunai4-5<fukudadv> |
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G8にむけたGoho-wood円卓会議結果(2008/7/13) 違法伐採総合対策事業の今年度の目玉事業になる、標記会合が開催されました。 合法木材ナビ内、G8サミットに向けたGoho-wood円卓会議 「地球環境国際議員連盟(GLOBE International)と語る合法木材供給システムの将来」の開催結果 会議には海外から8カ国の国会議員など15名、国内からは農林水産大臣はじめ8名の国会議員を含め約100名、あわせて約120名が参加し、日本の取組をGoho-woodの取組として紹介することができました。 日本の取組みは、違法伐採総合対策について業界団体が取り組む事業として、世界で一番の取組でであることは間違いありません。 それをしっかり発信出来たことは、大きな意味があったと思います。また、期待も大きく、今後の取組の質や、結果が問われることになるでしょう。 boueki4-36<gohoRT2> |
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ウッドマイルズ研究会の次の展望と木材の環境指標の連携(2008/7/13)
ウッドマイルズ研究会の2008年度総会がはじめて東京で開催されました。 発足以来5年たった研究会は、木材の輸送過程で排出される二酸化炭素の量を基にした指数(ウッドマイレージCO2)を開発するなど、福田ビジョンでいう「環境負荷の『見える化』」という点で大きな足跡を残してきました。 今後その上にたって、新たに「木材の環境指標の普及及び統合」を今後3年間の目標に掲げることになりました。 また、同趣旨のフォーラム、「ウッドマイルズフォーラム2008in 東京〜木材の環境指標の連携・統合を目指して」が開催されました。 また会長も熊崎会長から、藤本昌也会長へバトンタッチしました。
energy4-37<2008soukai> |
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木材の環境指標の統合と、木材二酸化炭素固定指数 7月4日に開催された、ウッドマイルズ研究会主催、ウッドマイルズフォーラム2008in東京の中で、「木材の環境指標の連携・統合」の一つの方向として、「木材二酸化炭素固定指数の提案 Wood Carbon Dioxide Fixation Index」というプレゼンをさせてもらいました。 福田ビジョンの環境負荷の見える化や、政府が進めようとしているカーボンフットプリントの考え方に触発されています。
というものです。 以下のようなことがわかってきます。 この部分のプレゼン資料pdf energy4-38<WCFI> |
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