ニュースレター No.200 2016年4月27日発行 (発行部数:1390部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。 

                         一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原

目次
1 フロントページ:森林林業基本計画案に関する意見(2016/3/28)
2.  『林業経済』誌編集後記(2016/3/28)
3. 地球温暖化対策計画(案)に対する意見(2016/3/28)
.4 福島県産森林認証材のすすめ(2016/4/28)
5. 国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」(2016/4/28)

フロントページ:森林・林業基本計画案への意見((2016/2/26)

林野庁では5年に一回の森林・林業基本計画の改定作業中で、作業中の案が公表され3月22日(火曜日)から4月10日(日曜日)までの間、パブリックコメントがあ公募されていました。 

森林・林業基本計画(案)に関する意見・情報の募集(パブリックコメント)について

どこの国でも森林政策の重要性がなかなか理解を得られないのは、市民から遠くにあるからで、皆がよくしっているグローバルな出来事との関係でみていったらどうなる地球温暖化対策計画(案)に対する意見か、また木材のサプライチェーンを通じた市民の参加が重要なポイントになるのでないか、といった視点で情報提供をしてきた、勉強部屋ではそんな視点で、5年に一度のこのをウェオッチしてきました。

1-11. 森林・林業基本計画案への意見 (2011/7/2)
1-5. 新たな森林・林業基本計画の決定 ( 2006/10/9)
1-4. 森林・林業基本計画の意見募集 (2006/8/6)

今回は、国内のバイオマスエネルギーの拡大、都市の大型施設の木造・木質化の動きや、パリ協定によるグローバルな化石資源の制約への流れを受けて、次世代の持続可能な森林と市場の循環をどのように構築していくのか、大切基本計画の改定です。

地球環境問題と、国内の森林ガバナンス、グローバルな市場とローカルな森林の関係など、当勉強部屋としても気になることがあり、意見を提出しました。

1持続可能な開発目標など

 (主旨)

昨年国連で採択された「持続可能な開発の国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」ための2030年アジェンダ」SDGsで2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施の促進が決議されたが、我が国の森林も何をもって持続可能な森林経営と定義するかを明確にし、国際的な課題にこたえるようにすべき

(関連部分)
第1森林及び林業に関する施策についての基本的な方針
1前基本計画に基づく施策の評価等
(3)前基本計画策定以降の情勢変化等他

(理由)

2015年9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において開催された国連持続可能な開発サミットで、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」SDGs(以下「2030年アジェンダ」という)が採択された。(国連サミットで合意された「持続可能な成長のための2030年アジェンダ」の中の森林(2015/10/24)参照)

森林に関しては、「2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。」(原則15-6)としている。大目標との関係を明確にしておくべき。

また、持続可能な森林経営という国際的な議論の中で、我が国のどの部分が持続可能で、どこんが違うのか、経営計画を策定したものは持続可能なのか、など議論を深めるべき。

2森林づくりの担い手

(主旨)

民間企業の森林づくりの支援に関する論点と重要性を付け加えるべき 

(関連部分)

第3政府が総合的・計画的に講ずべき施策
1森林の有する多面的機能の発揮に関する施策
(10)社会的コスト負担の理解の促進

森林整備や木材利用を推進することは、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や地方創生、快適な生活環境の創出などにつながり、その効果は広く国民一人一人が恩恵を受けるものであることから、森林の有する多面的機能の維持・増進に係るコストについては、社会全体で負担していくことが必要である。
このような森林の有する多面的機能の持続的発揮に向けた社会的コストの負担としては、一般財源による対応のほか、国及び地方における環境問題に対する税等の活用、上下流の関係者の連携による基金の造成や分収林契約の締結、森林整備等のための国民一般からの募金、(挿入→)民間企業の森林づくりの環境貢献度「見える化」の推進、森林吸収量等のクレジット化等の様々な手法が存在する。地球温暖化防止に果たす森林の役割への期待に応えつつ森林吸収源対策を含めた森林・林業の諸施策の着実な推進を図っていくため、どのような手法を組み合わせてコストを負担すべきか、国民の理解を得ながら、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求める税制等の新たな仕組みを含め、国全体としての財源確保等を検討していく。

(理由)

「森林の有する多面的機能の維持・増進に係るコストについては、社会全体で負担していくことが必要であり」(現基本計画)その一環として、企業の社会的責任による森林づくりが進んでいる(下図:企業の森林づくりの活動の実施箇所の推移企業による森林(もり)づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」ガイドラインより

関連部分の記述の中に、企業の森林づくりを支援する施策を明確に位置づけるべきである(企業による森林づくり・木材利用の環境貢献度の「見える化」(2016/3/26)参照)

3木材需要の新たな拡大と木材の環境性能

 (主旨)
木材利用の拡大は地球環境の視点で、かたられるべき課題であり、森林認証や合法性証明などの環境情報を消費者に伝達して環境負荷の少ない木材利用拡大を重要性を全体の戦略のなかで、位置づけておくべき

(関連部分)
第三政府が総合的・計画的に講ずべき施策
3林産物の供給及び利用の確保に関する施策
(3)新たな木材需要の創出

(1)原木の安定供給体制の構築
(2)木材産業の競争力強化
(挿入→)
(3)木材のトレーサビリティの確保・環境性能の訴求
違法伐採対策法の趣旨を踏まえて、サプライチェーンを通じて自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的健全な発展を図るため、合法伐採木材の流通利用の推進を図り・・・東京オリンピック・パラリンピックの施設整備に関連して森林認証木材・ウッドマイルズなどグローバルな視点を踏まえてトレーサビリティの確保された地域材普及を図る。

(理由)
公共建築物木材利用促進法の目的規定に、「木材の利用を促進することが地球温暖化の防止、循環型社会の形成、森林の有する国土の保全、水源のかん養その他の多面的機能の発揮及び山村その他の地域の経済の活性化に貢献すること等にかんがみ」(第一条)とあるように、木材利用の施策のコンセンサスが、地域の活性化とともに、地球環境等への貢献である、という論理の上にたっていることを考えると、当該木材が由来する森林の持続可能性、違法伐採問題のリスクなどに関する方法が消費者に届けられる、森林認証制度や合法性証明などの制度は重要である。
東京オリンピックパラリンピック関連施設の森林認証材の調達、違法伐採問題対策法の検討などが進んでいる中で、新たな基本計画が、上記主旨を明確にして施策を展開することを明記すべきである。

4バイオマスエネルギーの利用

(主旨)

第3表であらたに燃料材が加えられたが輸入量が、今後ほとんど増えない設定となっているのは実態とことなるのでないか?
いまのFIT制度が定着すれば輸入材に対する、インパクトが拡大し、環境基準など整備しないと大きな問題となる可能性があり、そのことを認識した上で、バイオマスの環境基準の重要性について、認識に触れるべきである。

 (関連部分)
同上関連及び
(3)木材のトレーサビリティの確保・環境性能の訴求
・・・グローバルな視点を踏まえてトレーサビリティの確保された地域材普及を図る。
(以下挿入→)
また、発電用バイオマスの供給にあたっては、環境基準に配意して進めることとする。


第2森林の有する多面的機能の発揮並びに林産物の供給及び利用に関する目標
3林産物の供給及び利用に関する目標、第3表

(理由)

固定価格買取制度に基づく木質バイオマスを燃料とした発電所が各地で稼働、計画されているが、原料の安定供給が重要な課題となっている。その中の一部を輸入バイオマスが担うことになるのは周知のことであるが、用途別の木材利用量の目標表3では、総需要量と利用量の差である輸入量がほとんど増えない見込みになっている。

 

輸入バイオマスがヤシガラなど木質バイオマスでない農産物残さなどに多くを依存しているが、木質ペレットなどの輸入も拡大しているところであり、これを正確に反映したものかどうか。いずれにしても輸入木質バイオマスへの依存度が拡大する動きはあるなずで、これを前提のすると、欧州などでは固体バイオマス燃料の環境基準の導入が進められており、我が国でも国際市場を念頭において、環境基準について検討をすべきである。

(エネルギー起源二酸化炭素の排出量の中での木質バイオマスエネルギー) 参照

以上でした。どんなことになるのか、今後もフォローしていきます。

kokunai1-15(kihonkeikaku2016-1)


『林業経済』誌編集後記(2016年3月号)(2016/4/26)

1948年以来、林業経済分野の専門誌として毎月発刊をつづけている 『林業経済』誌の編集後記を執筆しています。

編集委員会の了解を得て、このページに転載することとします。

学会と業界、官界、市民との間と架け橋になれるかどうか、大切な役割です。

少しでも、『林業経済』誌の認知度が広がる(なかで、購読者が増える)ことを願っています。

 目次 編集後記 
2016年3月号
<やまがら>確実な未来の下で
 
原著論文
 日本における製紙産業の立地調整と広葉樹材原料選択要因
  ─印刷情報用紙を事例として(早舩真智他)
書評
 “Collaborative.Governance.of
.Forests.:.Towards.Sustainable.
  Forest.Resource.Utilization”.edited.by.
TANAKA.Motomu.and.
  INOUE.Makoto( 相川 高信)
 永田 信著『林政学講義』(藤掛一郎)

 平成28 年度林業経済研究所研究奨励事業(小瀧奨励金)公募のお知らせ
 企業による森林づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」シンポジウムが2月29日東京大学弥生講堂で開催された。当研究所が今年度取組んだ林野庁の委託調査の成果発表会である。企業が社会的貢献(CSR)といった視点から製造拠点の工場の周辺の森林を間伐したり、コンビニや地方銀行が店内内装に地元の木材を使い地元の住民とコミュニケーションをはかる取組事例、などが増えている。これらの活動を支援するために、それぞれの取組みで二酸化炭素の吸収量・固定量がどうなるか簡単に算出できるツールをつくり、普及のためのガイドラインづくりをする、という事業だった。企業の活動が日本の森林整備の中でどの程度の広がりになるかは今後の重要な注目点である。成果品は研究所のホームページに掲載されているので是非チェックしていただきたい。
本号の内容は、1つの原著論文と、2つの書評。
原著論文「日本における製紙産業の立地調整と広葉樹材原料選択要因」木質資材のサプライチェーンで巨大な力をもっている製紙産業の立地が資源要因に規定される姿を示しているが、さらに持続可能な資源管理への関与などこの産業の幅広い可能性について検討が進むことを期待したい。
書評1”Collaborative Governance of Forest: Towards Sustainable Forest Resource Utilization”(田中求・井上真編)日本発、森林のガバナンスを含む英文の近著。書評2「林政学講義」(永田信著)、林政学の学生向けの教科書。読者が手にする機会が少ない最新の有益な書籍情報を、政策やビジネスの視点も含めて解説をするのは本誌書評の重要な機能だが、この2つはその役割をしっかり果たしていただいている。

roomfj <ringyoukeizaishi/hensyukoukin>


 地球温暖化対策計画(案)に対する意見(2018/4/27)

日本の約束草案及びパリ協定を踏まえ、2013年に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて政府がさだめることとなった「地球温暖化対策に関する計画(地球温暖化対策計画)」の政府原案が示され、4月10日を期限として、意見募集が求められていました。

「地球温暖化対策計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
地球温暖化対策計画(案) [PDF 2.2 MB]

関係資料
環境省地球環境部会審議経緯  産業構造審議会 産業技術環境分科会審議経緯  
京都議定書目標達成計画

同時期の森林林業基本計画案への意見と若干重複しますが、勉強部屋としても意見を提出しました。

森林政策との関係をみると、①温室効果ガスの吸収量と、②エネルギー起源二酸化炭素の排出量の中での木質バイオマスエネルギーの位置づけの二つがポイントです。

1 木質バイオマス発電の推進への留意点

 第2節地球温暖化対策・施策
1.温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策
(1)温室効果ガスの排出削減対策・施策
①エネルギー起源二酸化炭素
(c) 電力分野の二酸化炭素排出原単位の低減
発電用バイオマス
37ページ8-17行目

バイオマス発電は、安定的に発電を行うことが可能な電源となりうる、地域活性化にも資するエネルギー源である一方、木質や廃棄物など材料や形態が様々であり、コスト等の課題を抱えることから、(以下挿入→)循環可能性・環境負荷などに留意し(以上挿入)既存の利用形態との競合の調整、原材料の安定供給の確保等を踏まえ、規模のメリットの追求、既存火力発電所における混焼など、森林・林業施策などの各種支援策を総動員して導入の拡大を図る。個別には、未利用材の安定的・効率的な供給支援、廃棄物系バイオマスのメタン発酵や焼却時の廃熱利用によるエネルギー回収の取組等を進める。

11ページ表1エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安のエネルギー転換部門の排出量の目安の数字は、長期エネルギー需給見通しの上にたっており、その検討過程から、バイオマス発電の現状を2030年に3倍ほど増やす計画となっており、未利用間伐は6倍、一般木材・農産物残さは30-40倍となるとされている(2015/3長期エネルギー需給小委員会第10回会合資料2長期エネルギー需給見通し関連資料45ページ)。

これを達成するには、指摘しているように、
「森林・林業施策などの各種支援策を総動員して導入の拡大を図る」ことが必要であるが、これを受けた、個別の指摘事項は「未利用材の安定的・効率的な供給支援、廃棄物系バイオマスのメタン発酵や焼却時の廃熱利用によるエネルギー回収の取組等を進める」というのは不十分である。
木質バイオマス資源の未利用部分を利用拡大する場合、違法伐採・不適切な伐採など森林資源の再生可能性へ負のインパクトが加わるリスクを十分に認知したうえで、トレーサビリティや環境性能に十分配慮した取り組みが必要である。

当然輸入バイオマスの拡大も予想されることから、海外では固形バイオマスの環境基準なども導入される状況に対応した日本市場の対応も重要な視点である

2 森林吸収現対策の留意点

2.温室効果ガス吸収源
森林吸収源については、2030年度において、約2,780万t-CO2の吸収量の確保を目標とする。また、2030年度において、農地土壌炭素吸収源対策及び都市緑化等の推進により約910万t-CO2の吸収量の確保を目標とする。 

①森林吸収源対策
46ページ
(2)温室効果ガス吸収源対策・施策
①森林吸収源対策
○木材及び木質バイオマス利用の推進
再生産可能であり、炭素を貯蔵する木材の積極的な利用を図ることは、化石燃料の使用量を抑制し二酸化炭素の排出抑制に資するとともに、持続可能な森林経営の推進に寄与することから、(以下挿入→)持続可能で合法性が証明された木材であることを前提として(以上挿入)以下の措置を講ずる。
ア住宅等への地域材利用の推進
イ公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づいた公共建築物等や、非住宅建築物における木材利用の促進
ウ林産物の新たな利用技術、木質新素材等の研究・開発、実用化
エ効率的な加工・流通施設の整備など需要に応じた国産材の安定供給体制の構築
オ木質バイオマスの効率的かつ低コストな収集・運搬システムの確立とエネルギーや製品としての利用の推進
カ木材の良さに対する理解を醸成し、地域材の利用拡大を図る「木づかい運動」等の消費者対策の推進

3 違法伐採対策関連

 63ページ 5-15行
(3)森林減少・劣化に由来する排出の削減等への対応
農地の拡大、燃料採取や違法伐採などによる森林減少・劣化に由来する温室効果ガス排出への対策が喫緊の課題となっていることから、我が国の知見や技術を活かしつつ、官民連携により、森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化を含めた途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)を積極的に推進し、森林分野における排出の削減及び吸収の確保に貢献する。
違法に伐採された木材は使用しないという基本的考え方に基づき、(以下挿入→)違法伐採法の趣旨を踏まえ海外の違法伐採木材の情報収集体制も強化し(以上挿入)地域材の活用も含めた、持続可能な森林経営を推進し、森林減少の抑止・地球規模での環境保全等に貢献する。

kokusai2-57<taisakukeikakuiken-1>

福島県産森林認証材のすすめ(2018/4/26)

 
表1 福島県の素材生産量の推移
農林水産省 木材需給報告書より

福島県は、「北海道、岩手に次ぐ第3番目の県土面積、森林面積は全国第4位、関東近県に材を供給する素材生産県ですが、東日本大震災、原発事故を契機に、素材生産量が落ち込んでいます。(表1参照)

また、生産された木材も、県外に出荷される比率が少なくなっています。(グラフ1参照)

 
 グラフ1 福島県生産木材の消費地
農林水産省 m九材需給報告書

現在福島県内の森林の13%が森林内の放射線量の問題で作業対象外となっている(福島民報1/6)こと、そして、それ以外の地域で安全に生産された木材も、風評被害などにより、需要先が限定されている状況を反映したものです。

福島が元気になるために、毎年200万立方メートル以上増加している福島森林(民有林だけで189万立法メートル増加:2014年福島県森林林業事業統計)がしっかり持続可能な形で経営され、生産・利用されることが大切です。

日本では増え続けている森林資源を有効に利用するため、住宅だけでなく、公共建築物にも木材を利用する動きが進んでいます。

新国立競技場」の木材利用。ロンドンに学びそれを超えて世界に何を発信するのか

そのような中で、福島県で森林認証を受けた森林所有者と東京オリンピックの施設に福島県産の森林認証材を使う運動が進んでいます。

   全国各地の皆様には、発災以来、様々な形で御支援いただいておりますことに厚く御礼申し上げます。

震災から5年が経ちましたが、産官の連携による検査により県産材の安全・安心の確保に取り組むなど、未曾有の難局に立ち向かってまいりました。

当県は、首都圏の消費地に近い森林県として、健全な森林づくりと良質な木材の生産に励み、製材から乾燥・加工技術はもとより、新たな木質部材や耐火性等に優れた木構造の技術開発に取り組むなど消費者ニーズに即したモノづくりが活発に行われています。

そのような中、森林認証の取得及び認証材の流通促進に取り組んでいる森林・林業・木材産業関係者は、福島県産材が東京オリンピック関連施設に利用されるとともに、ふくしまの復興を成し遂げるべく活動されています。

福島県では2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会復興推進ふくしまアクションプランにむけて国内外への感謝の気持ちを伝えつつ、民間企業などの県内関係機関・団体とともに「オールふくしま」で取り組み、大会組織委員会、関係省庁、東京都等との共感の輪を広げながら当県の復興の更なる加速化につなげていきますので、今後とも、ふくしまとの粋を更に深めていただきながらお力添えを賜りますようお願い申し上げます


福島県農林水産部林業振興課
2014年4月

この運動が成果を収め、世界中から見えたオリンピック・パラリンピックを応援される方が、東日本大震災・福島の復興に向けての歩みが着実に進んでいることを実感してもらえると、よいですね。

junkan3-4<fukushima-fsc-pefc>


 国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」(2016/4/28)

3月9日日本政府林野庁主催の 国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」が都内で開催されました。

「地球から見た日本の森林の展望・日本から見える地球の森林の将来」を標榜するこのサイトにとっては重要なイベントなので、出席しました。

海外からのメンバーは、
Mr. Sven-Eric Bucht(スウェーデン農村開発大臣)、
Dr. Manoel Sobral Filho(国連森林フォーラム(UNFF)事務局長)、
Dr. Bin Che Yeom Freezailah(マレーシア木材認証協議会議長、初代国際熱帯木材機関事務局長)、
Mr. Lambert Okrah(森林メジャーグループ(Major Groups)会長)と

豪華な顔ぶれです。

主として上記の林野庁のサイトに公開された情報国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」をもとに、内容を紹介します。

プログラムと報告された内容のデータ(英文です)と概要は以下の通りです。

清水 邦夫 
(林野庁森林整備部計画課海外森林資源情報分析官)
 持続可能な森林経営の推進には何が必要か(PDF:1,173KB)
このセミナーの目的は、SDGs持続可能な森林開発の目標で、2020年までに、持続可能な森林経営を通じて森林減少を食い止め、森林造成と再生を増やすこととし、大規模な財源を確保する、とされたことを前提とし、どのような戦略・優先順位・財政・スケジュールでいくのか?を議論すること。
 Mr. Sven-Eric Bucht(スウェーデン農村開発大臣)
 「国際セミナー「持続可能な森林経営の推進には何が必要か」によせて」(PDF:175KB)
2015年は持続可能な開発と温暖化対策で国際合意ができた重要な年だった。UNFF11の森林宣言も重要な要素。
スウェーデンは化石資源のいらない福祉社会づくりのリーダーとなろうとしている。バイオエネルギー原発よりも石油うよりも大きなエネルギー源。UNFFによる2015年以降の森林に関する国際的な枠組み(International arrangement on forests beyond 2015原文、) 実現のためには、ボトムアップの手法・と関係者の参画の先例にを学ぶ必要。
 Dr. Manoel Sobral Filho(国連森林フォーラム(UNFF)事務局長)
  「森林の世界的動向と持続可能な開発のための2030アジェンダ」(PDF:1,213KB)
持続可能な開発目標SDGsをに貢献し、森林の管理を強化するため「2015年以降の森林に関する国際的な枠組み」IAFが合意された。
IAFの6つの分野①熱帯林を中心として森林減少の減少、②途上国の持続可能でない木材の燃料利用の削減、③森林産物とサービスの公正妥当な価格形成により土地利用の中での森林の競争力を引き上げる、④森林産物・サービスの不法な取引の取りやめ、⑤山林火災対策の強化、⑥植栽の拡大
今後の取組の中で重要なサクセスストーリーの提供者として日本は重要
 Dr. Bin Che Yeom Freezailah(マレーシア木材認証協議会議長)
 「持続可能な森林経営の実践にむけて-マレーシアの事例紹介-」(PDF:1,929KB)
ITTO国際熱帯木材機関は1990年に持続可能な森林のガイドラインを作成以来植林や保護林などのガイドラインを分野別に作成。これらの活動などにより、熱帯林の持続可能な経営の取組は前進。世界中の森林認証面積は全森林の10パーセントだが、熱帯林は8.3パーセント。
先進国市場の合法性・持続可能性の対応は重要な役割。特にEUのTLAS(木材合法性確認制度)は重要な役割。
現場レベルでの持続可能な森林基準は計画策定からモニタリングまでの11の内容が重要。
マレーシアでは1999年以来マレーシア木材認証制度を国と市場の両面から推進。4.66百万haをカバーし持続可能な森林管理に貢献。
先進国市場と途上国の森林認証・持続可能な経営の連携は重要な政策だが、性急な要求が悪影響を及ぼす可能性もある。時間を決めながらSDGsと連携した着実な前進が必要。
 Mr. Lambert Okrah(森林メジャーグループ(Major Groups)会長)
  「持続可能な森林経営の推進に向けた世界的責務の促進」(PDF:541KB)
国レベルと国際的なレベルの政策を円滑に進めていくために、国以外の関係者の参画は重要な要素。国連の経済社会理事会で、国以外の関係者、女性・若者・原住民・労働者・農民と小規模森林所有者・NGO・学会・自治体・業界をメジャーグループと規定して、政策過程に関与するシステムを作っている。
UNFFにも森林に関するメジャーグループMGPoFというのが関与して活動している。
五関 一博((JICA)地球環境部技術審議役)
  「JICAによる持続可能な森林経営への貢献」(1~24頁(PDF:1,914KB))(25~45頁(PDF:1,551KB)
JICAの自然環境分野の活動は、4つの戦略目的からなっている
1.持続可能な森林管理を通じた気候変動対策
2.生態系に依存した災害リスクの軽減(ECO-DRR)
3.住民主体の自然資源の持続的利用脆弱なコミュニティの生計向上のための持続的な自然資源利用
4.生物多様性の保全保護区及び周辺のバッファーゾーン(緩衝地帯)管理を通じた生物多様性保全

この後パネルでのディスカッションが行われました。

1992年に森林条約をつくろうとしてうまくいかなかった持続可能な森林の国際的枠組みをつくる運動の手掛かりはなにか、SDGs IAFなどで可能性が広がっている、という登壇者側のメッセージがうまく伝わったかどうかは別にして、勉強になりました。

一つのテーマは途上国の熱帯林問題。熱帯林の持続可能な開発が前進していることは様々な情報からわかりますが、現下の問題点を議論すると、開発にかかわる業界人とそれを批判するNGOの人たちの議論が提供されるだけで、若干わかりづらい点があります。

その点、初代国際熱帯木材機関事務局長でマレーシアの森林認証機関をリードするフリーザイラー議長の発言は重要なポイントを押さえています。

また、現在のグローバルな森林ガバナンス構築の最高責任者であるUNFFソブラル議長の話を直接聞けるもの大切な機会でした。(彼はフリーザイラーさんの後任のITTO事務局長で、10年以上前彼が横浜にいるときに森林総研におよびしたので再開を喜びました。閑話休題)

先進国の状況を踏まえたMr. Sven-Eric Bucht(スウェーデン農村開発大臣、幅広い森林の関係者の立場から Mr. Lambert Okrah(森林メジャーグループ(Major Groups)会長)、そして日本の熱帯林支援の立場から五関 一博((JICA)地球環境部技術審議)とよく考えられたセミナーでした。

SDGsは途上国問題だけでなく先進国も含めたフレームワークなので、日本の森林にとってどうなのか、という議論がもう少しほしかった、という不満が残りましたが、それは次の機会として、こんな議論が日本で聞ける機会はあるというのは、林野庁にいままでやってきた国際問題での取り組みの成果だと思います。

chikyu1-34(ISfosttokyo2016)


最後までお読みいただきありがとうございました。

持続可能な森林フォーラム 藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp