ニュースレター No.270 2022年2月15発行 (発行部数:1560部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1. フロントページ:クリーンウッド法改定の方向は?ークリーンウッド法検討会への28の提案内容(2022/2/15)
2.  合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会意見提出一覧表(2022/2/15)
3.  地域の未来は拓かれるか?ー自伐(型)林業で定住化の流れー第3回勉強部屋Zoomセミナー開催(2022/2/15)
4. 新たな森林林業基本計画を考える―「グリーン成長」の特徴と問題点(2022/2/15)
5. 今年もグローバルな課題がたくさん・・・ー勉強部屋ニュース270編集ばなし(2022/2/15)

フロントページ:クリーンウッド法改定の方向は?ークリーンウッド法検討会への28の提案内容(2022/2/15)

1月26日フェアウッド研究部会 「新年オンライン交歓会~どうなる?クリーンウッド法とこれからのフェアウッド」というイベントに顔をだしてみて、そういえば検討会はどうなっているかな?

このサイトの関心事項の一つである、違法伐採問題など木材が由来するの環境的側面を消費者に伝える木材のサプライチェーンと環境問題、そのテーマを直接目的とするクリーンウッド法。5年目となったので改訂が検討され、その検討の場が、合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会です。

林野庁のサイトは、過去7回にわたった検討会(次回3月2日に予定されている第8回でとりあえずの結論かな?)で議論された議論の要旨、各会議の出席者、議事次第、報告者のレポートが整理され、よくできた情報公開の場となっています。

ただ、この情報を丁寧に管理している林野庁は、どのよう現状を評価し次のステップを考えているのかな?が少し見えにくいです。

(CW法改訂して訴求するチャンス)

過去にもこの検討会の出だしのころに、情報収取をして最近の環境ビジネスの動向などを踏まえて意見を言ってきました。(次のクリーンウッド法の検討作業)違法伐採対策の最近の流れークリーンウッド法の関する検討会など (2021/11/10)

カーボンニュートラルに向けて各企業が活動をすすめ、その中で先進的な企業が木材利用の二酸化炭素固定量の関心を広げている中で、市場から違法伐採の可能性をもつ木材の排除、持続可能に管理された木材の利用推進とい課題が広がっていくチャンスであり、決定的な重要な役割を果たすべきクリーンウッド法をしっかり前進させ、普及させる議論をすすめたい!

(提言の一覧表)

ということで、関係者の主張の内容がわかるようなページを作成し、今後この問題を皆さんが議論ができるように見ようと考えました。

28の関係者、学識経験者などが現状の課題と、今後の方向について提言しています。

一覧表を作成してみました→資料:合法伐採木材等流通及び利用に係る検討会意見提出一覧表

提案者のカテゴリー別に閲覧できます。
主催者学識経験者事業者(川上・林業)事業者(川中、木材加工流通)事業者(川下、建築関係者・家具)環境団体

それぞれ、ネット上に公開される提案なので内部でしっかり検討したうえでつくられていて、勉強になります。

特に、私にとってはいつも身近に接することがあまりない、事業者(川下、建築関係者・家具)の意見は興味深いものが多いです。

左の図参照(日本建設業連合会の改善提案)

(提言の概要)

28の提案・提言・情報提供などの概要が以下のとおりです。

左側に提案内容をカテゴリーに分けて記載しています。現状認識と対応対応方針の2つにわけ、提案内容をとりあえず経済的内容、環境的内容、社会的内容、そしてそれらの統合的実現とわけてみました。

全体28人の提案者の報告を、提案者の属性に基づいて分類してみると、ビジネスの関係者が17人、そのうち、林業(川上)が1人、木材加工供給業者を中心とした川中9人、建築関係者(ビジネス関係者以外(労働組合など)も入っていますが)など川下(木材利用業界)ユーザーが7人です。さらに環境団体3人、林野庁の説明3人、学識経験者5人となります。(一番上の緑の行)

それらの提案者がどんな意見を言ったかという件数が表の中に記載されています。一番右の合計欄が、28人の中で左に書いた内容を提言の中にとりいれた件数で、その比率を一番右に記載しています。

色がついているセルが、上の人数の中で比較的多い方が提案の中に書き込んだ項目で、全体の4分の1以上の方が取り入れた場合に色付けしています。

それぞれの、どの提案者がいったのか、という内容を少し詳しく整理したファイルをこちらにおいておきますので関心のある方ははどぞう。

(提言をうけて、どうするかなー)

CW法ができたときから関係者の意見を知る機会があったので、勉強部屋でその情報を整理する作業をしてきました。クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)

その辺も見返してみると、5年前の課題がそのまま残っているのがたくさんあります。

ということで、今後ぜひ検討を進めていきたいと思いますがとりあえず、SDGsがもとめる経済・環境・社会に統合的達成という点から、思いつくままにメモしてみると・・・

1統合 合法木材のガイドラインと、クリーンウッド法の登録の二つのことが並列していて分かりづらい→①SDGs ESGといった現代社会全体のコンセプトからの位置づけを、②環境団体・業界団体・学術関係者など参画するガバナンスの仕組みを、対象となる製品の整理が必要・・・

2環境 非合法木材の処理やDDの仕組みなど環境にこだわる人たちにわかりやすい説明を→①ガイドラインの充実、②環境団体の参画など

3社会 ユーザーからクリーンウッドを要求されないので、もっといろんな形で訴求を広めるべき→①カーボンニュートラルの動きがチャンス、②他省庁も含めた木材利用推進の動きがあるので連携して訴求・・・

4経済 CW法の登録のメリットはわからず、そのわりに負担が多くて、登録めんどうくさい→①業界団体の利用、②第一種と第二種の整理をして・・・

もっといっぱいありますか?(今後もう少し検討)

(今後のスケジュール)

関係者の意見提示は終了したので3月2日第8回検討会が開催され、検討会としての中間報告がでるようです。

それから、具体的な方向を探るためのパブコメなどが始まっていくことになるんだと思います。

勉強部屋としても、繰り返しになりますが・・

カーボンニュートラルに向けて各企業が活動をすすめ、その中で先進的な企業が木材利用の二酸化炭素固定量の関心を広げている中で、市場から違法伐採の可能性をもつ木材の排除、持続可能に管理された木材の利用推進とい課題が広がっていくチャンスであり、決定的な重要な役割を果たすべきクリーンウッド法をしっかり前進させ、普及させる議論をすすめたい! 

中間報告を見ながら、勉強部屋としても、検討を進めます。

(参考:制定当時の勉強部屋関係ページ)

4-66. クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)
4-64. クリーンウッド法運営方針への意見(2017/4/22)
4-63. 今までの蓄積を生かしたクリーンウッド法の運用のために(2017/3/18)
4-62. クリーンウッド法の進め方に関するパブコメ(2017/2/25)
4-61. 「グリーンウッド法」でどうなるー合法木材供給事業者認定団体研修(2016/7/26)
4-60. 合法伐採木材流通利用促進法ーその意義と展望(週刊農林誌投稿) (2016/7/26)
4-59. 合法伐採木材流通利用促進法成立、その意義と課題(その1目的規定・事業者登録) (2016/5/28)

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boueki4-78(CWAnext)

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(資料:合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会意見提出一覧表)

(1 関係者の属性別)

元資料のリンク先 提出日 作成者 タイトル
主催者説明(林野庁)      
【資料1】林野庁木材利用課発表資料 (PDF : 1,385KB) 第1回9月28日
林野庁木材利用課 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)の概要
  【資料4】林野庁発表資料(CW法登録実施機関の取組状況等)(PDF : 552KB) 第3回10月25日 林野庁 登録実施機関からのヒアリングの概要
  【資料5】林野庁木材利用課木材貿易対策室発表資料(PDF : 458KB) 第6回12月10日 林野庁 違法伐採対策に関する各国の動向
 学識経験者       
【資料2】立花委員発表資料(PDF : 276KB) 第1回9月25日 立花委員 ?材流通の特徴と世界的な動向との関係
【資料3】久保山委員発表資料2(PDF : 927KB) 同上 久保山委員 クリーンウッド法に関連
する課題について
【資料4】塚本委員発表資料(PDF : 407KB) 同上 塚本委員 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称クリーンウッド法)の意義と課題
  【資料3】宮崎大学藤掛教授発表資料(PDF : 450KB) 第6回10月11日  藤掛一郎(宮崎大学)・御田成顕(森林総研東北 素材生産事業者への合法性確認に関するアンケート&ヒアリング調査結果
  【資料4】(公財)地球環境戦略研究機関 (IGES)鮫島氏発表資料(PDF : 665KB) 同上 鮫島弘光
公益財団法人 地球環境戦略研究機関
木材関連事業者への合法性確認に関するアンケート&ヒアリング調査結果
林業関係者(事業者川上)      
  【資料1】全国森林組合連合会発表資料(PDF : 574KB) 第2回12月11日 全国森林組合連合会 森林組合系統における合法木材等の状況と課題
 木材流通加工事業者(事業者川中)     
【資料5】日本木材輸入協会発表資料(PDF : 531KB) 第1回9月29日 日本木材輸入協会
【資料2】全国木材組合連合会発表資料(PDF : 727KB) 第2回10月11日  全国木材組合連合会 違法伐採対策- 日本は何をしてきたか ?/林野庁ガイドラインからクリーンウッド法へ/背景と業界の自主的取り組みの経緯
  【資料1】全日本木材市場連盟発表資料(PDF : 490KB) 第4回11月10日  全日本木材市場連盟 全市連の合法木材利促進の取組
  【資料2】国産材製材協会発表資料(PDF : 2,089KB) 同上 国産材製材協会 第4回 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会(CW法、合法木材制度の課題など)
  【資料3】日本合板工業組合連合会発表資料(PDF : 1,322KB) 同上 日本合板工業組合連合会 クリーンウッド法見直しに向けて
  【資料4】日本集成材工業協同組合発表資料(PDF : 852KB) 同上 日本集成材工業協同組合 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
  【資料1】日本合板商業組合発表資料(PDF : 818KB) 第5回11月29日 日本合板商業組合発表資料 (タイトルなし)
  【資料2】日本製紙連合会発表資料(PDF : 443KB) 同上 日本製紙連合会 製紙産業からみたクリーンウッド法について
  【資料2】日本木材輸出振興協会発表資料(PDF : 345KB) 第6回12月10日 一般社団法人 日本木材輸出振興協会 会議用資料 2021.12.10
木材利用関係者(川下)      
【資料3】住宅生産団体連合会発表資料(PDF : 332KB) 第2回10月11日  住宅生産団体連合会 団体の紹介、CW法に対する課題・要望
【資料4】日本建材・住宅設備産業協会発表資料(PDF : 1,985KB) 同上 日本建材・住宅設備産業協会 クリーンウッド法見直しに向けて
  【資料3】全国建具組合連合会発表資料(PDF : 1,829KB) 第5回11月29日 一般社団法人全国建具組合連合会 クリーンウッド法に期待すること
  【資料4】全国建設労働組合総連合発表資料(PDF : 609KB) 同上 全国建設労働組合総連合(全建総連) 第5回合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
団体ヒアリング資料
  【資料5】日本建設業連合会発表資料(PDF : 1,056KB) 同上 一般社団法人日本建設業連合会 建設市場におけるクリーンウッド法の現状と木材DDの手段とするための改善提案
  【資料6】日本型枠工事業協会発表資料(PDF : 1,545KB) 同上 日本型枠工事業協会 合法伐採木材の流通及び利用に係る検討会
型枠工事に係る説明資料
  【資料1】日本家具産業振興会発表資料(PDF : 1,700KB) 第6回12月10日 (一社)日本家具産業振興会 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
 環境団体      
【資料1】国際環境NGO FoE Japan発表資料(PDF : 2,713KB) 第3回10月25日 国際環境NGO FoE Japan発 CW法施行5年見直しにおいて優先して取組むべき課題について
【資料2】(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)発表資料(PDF : 3,317KB) 同上 (公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 違法伐採対策においてクリーンウッド法に期待される役割
【資料3】(公財)地球環境戦略研究機関 (IGES)発表資料(PDF : 1,178KB) 同上 (公財)地球環境戦略研究機関 (IGES) 効率的で効果的な違法伐採対策の実現を目指して

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(2 意見提出順)

現資料のリンク先 データの種類 作成者 タイトル
 第1回9月29日      
【資料1】林野庁木材利用課発表資料 (PDF : 1,385KB) 主催者説明 林野庁木材利用課 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)の概要
【資料2】立花委員発表資料(PDF : 276KB) 学識経験者意見 立花委員 ?材流通の特徴と世界的な動向との関係
【資料3】久保山委員発表資料2(PDF : 927KB) 学識経験者意見 久保山委員 クリーンウッド法に関連
する課題について
【資料4】塚本委員発表資料(PDF : 407KB) 学識経験者意見 塚本委員 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称クリーンウッド法)の意義と課題
【資料5】日本木材輸入協会発表資料(PDF : 531KB) 木材業界意見 日本木材輸入協会
第2回10月11日       
【資料1】全国森林組合連合会発表資料(PDF : 574KB) 林業業界意見 全国森林組合連合会 森林組合系統における合法木材等の状況と課題
【資料2】全国木材組合連合会発表資料(PDF : 727KB) 木材業界意見 全国木材組合連合会 違法伐採対策- 日本は何をしてきたか ?/林野庁ガイドラインからクリーンウッド法へ/背景と業界の自主的取り組みの経緯
【資料3】住宅生産団体連合会発表資料(PDF : 332KB) 利用業界意見 住宅生産団体連合会 団体の紹介、CW法に対する課題・要望
【資料4】日本建材・住宅設備産業協会発表資料(PDF : 1,985KB) 利用業界意見 日本建材・住宅設備産業協会 クリーンウッド法見直しに向けて
 第3回10月25日      
【資料1】国際環境NGO FoE Japan発表資料(PDF : 2,713KB) 環境関係者意見 国際環境NGO FoE Japan発 CW法施行5年見直しにおいて優先して取組むべき課題について
【資料2】(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)発表資料(PDF : 3,317KB) 環境関係者意見 (公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 違法伐採対策においてクリーンウッド法に期待される役割
【資料3】(公財)地球環境戦略研究機関 (IGES)発表資料(PDF : 1,178KB) 環境関係者意見 (公財)地球環境戦略研究機関 (IGES) 効率的で効果的な違法伐採対策の実現を目指して
【資料4】林野庁発表資料(CW法登録実施機関の取組状況等)(PDF : 552KB) 主催者説明 林野庁 登録実施機関からのヒアリングの概要
第4回11月10日       
【資料1】全日本木材市場連盟発表資料(PDF : 490KB) 木材業界意見 全日本木材市場連盟 全市連の合法木材利促進の取組
【資料2】国産材製材協会発表資料(PDF : 2,089KB) 木材業界意見 国産材製材協会 第4回 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会(CW法、合法木材制度の課題など)
【資料3】日本合板工業組合連合会発表資料(PDF : 1,322KB) 木材業界意見 日本合板工業組合連合会 クリーンウッド法見直しに向けて
【資料4】日本集成材工業協同組合発表資料(PDF : 852KB) 木材業界意見 日本集成材工業協同組合 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
 第5回11月29日      
【資料1】日本合板商業組合発表資料(PDF : 818KB) 木材業界意見 日本合板商業組合発表資料 (タイトルなし)
【資料2】日本製紙連合会発表資料(PDF : 443KB) 木材業界意見 日本製紙連合会 製紙産業からみたクリーンウッド法について
【資料3】全国建具組合連合会発表資料(PDF : 1,829KB) 利用業界意見 一般社団法人全国建具組合連合会 クリーンウッド法に期待すること
【資料4】全国建設労働組合総連合発表資料(PDF : 609KB) 利用者団体意見 全国建設労働組合総連合(全建総連) 第5回合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
団体ヒアリング資料
【資料5】日本建設業連合会発表資料(PDF : 1,056KB) 利用業界意見 一般社団法人日本建設業連合会 建設市場におけるクリーンウッド法の現状と木材DDの手段とするための改善提案
【資料6】日本型枠工事業協会発表資料(PDF : 1,545KB) 利用業界意見 日本型枠工事業協会 合法伐採木材の流通及び利用に係る検討会
型枠工事に係る説明資料
第6回12月10日       
【資料1】日本家具産業振興会発表資料(PDF : 1,700KB) 利用業界意見 (一社)日本家具産業振興会 合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会
【資料2】日本木材輸出振興協会発表資料(PDF : 345KB) 木材業界意見 一般社団法人 日本木材輸出振興協会 会議用資料 2021.12.10
【資料3】宮崎大学藤掛教授発表資料(PDF : 450KB) 学識経験者意見  藤掛一郎(宮崎大学)・御田成顕(森林総研東北 素材生産事業者への合法性確認に関するアンケート&ヒアリング調査結果
【資料4】(公財)地球環境戦略研究機関 (IGES)鮫島氏発表資料(PDF : 665KB) 学識経験者意見 鮫島弘光
公益財団法人 地球環境戦略研究機関
木材関連事業者への合法性確認に関するアンケート&ヒアリング調査結果
【資料5】林野庁木材利用課木材貿易対策室発表資料(PDF : 458KB) 主催者説明 林野庁 違法伐採対策に関する各国の動向

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boueki4-79<CWAnext-annex>

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 地域の未来は未来は拓かれるか?ー自伐(型)林業で定住化の流れー第3回勉強部屋Zoomセミナー(2022/2/15)

1月28日第3回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナーを九州大学大学院農学研究院佐藤宣子教授をお招きして開催しました。

演題は「地域の未来は未来は拓かれるか?ー自伐(型)林業で定住化の流れー」

「国民の田園回帰」や地方の移住の動きに重要な役割を果たしつつある「山林所有の有無にかかわらず、森林の管理や施業を自ら行う自立自営型」の『自伐型林業』

自治体と連携した地域政策でどんな役割を果たしていくのかな?さらに、森林の未来にはどんな影響を果たすのかな?

30名ほどの参加者と佐藤教授の話を聞いて議論しました。

佐藤教授のプレゼン資料はこちらのページに→、持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナー第3回開催

以下藤原が概要をつまみ食いして紹介します

(講演の全体像)

講演は右のように、6つのセッションで構成されています。

順に説明

(書籍紹介)

今回の講演内容のベースは一昨年出版された左の書。「地域の未来・自伐林業で定住化を図る」(林業改良普及協会

全国北海道から九州まで、3年間かけて17か所をあるかれて、200名以上の関係者にヒアリングをされた結果。

昨年の令和2年度版森林林業白書にもコラムに引用されました!!

(自伐型林業とななにか?)

自伐林家と自伐型林業という二つの言葉があります。

主人公である言葉の定義をしておきます。(知人の森林関係者でないかたが、「なんのことを話しているのかわからなかった」といわれましたので)

自伐林家 という言葉が先にあり(1970 年代~) 林業(素材生産)の家族経営は戦後的なもの–主に所有林を所有者自ら が伐採・搬出(家族経営的)、林業の担い手(戦後造林木の間伐施業)として主に 西日本地域 で注目 されたんだそうです。

そこで、自伐型林業 (2010 年代~)は・・・

「山林所有の有無、あるいは所有規模にこだわらずに、森林の経営や管理、施業を自ら(山林所有者や地域) が行う、自立・自営型の林業 」

「山林を保有していない場合であっても、自治体や集落が有する山林を保有していない場合であっても、自治体や集落が有する 山林や私有林を借りて、あるいは所有者から受託または請け負って 、小規模な林業をおこなうこと」

地域に定着した小規模事業体が森林を取り扱う将来を見通した安定的な事業が想定されますが、こんな形が本当に広がっていくんでしょうか?

(自伐型林業は広がっているの?広がる可能性あるの?)

広がる可能性をしめしたのが、右の図。戦後の今の伐採時期になった森林山づくりを担ったのが農家林家(小規模の森林を所有する農家)で自伐林業なんですね。第一世代。

その子の世代が定年後に移住Uした層がおり、いま、移住しつつあるのは、第三世代。

都市から農山村への移住の傾向は、(後述)

左図は素材生産がだれによって生産されたか、5年に1回の農林業センサスに基づいて作製した図。四つの四角の右上Aが自家保有林の小規模生産、右下Cが他者の山林の小規模生産、左上Cが自家山林の大規模生産、左下がDが他社山林の大規模事業者です。

Aが自伐林業、Bの一部が自伐型林業です。

上の図が2010年、下の図が2015年、2010年にはAもBもシェアを増やしたが、下の15年はシェアを減らしています。

国産材時代といって生産量が大きく増える中で、それを担ったのは大規模な事業者Dであり、自伐型林業は地域の活性化をになってはいるが、大きな物流のトレンドをになうような働きはしていないということでしょう。

(自伐型林業の農山村地域での役割)

上記のように物の流れを数値でみると自伐型林業のパワーがよくわからないんですが、人の流れを見てみると、自伐型林業の可能性がいろいろわかってきます。、

右の図が、市町村の地域政策お中で、自伐型林業を掲げている市町村の図です。

でどころは、NPO法人自伐型推進協議会の作製した、自伐型林業展開自治体・地域推進組織MAP

昨年の12月現在で、54自治体が同NPOと連携して自伐型林業の研修、などの支援を行っているんだそうです。

例えば群馬県のみなかみ待ち自伐型林業研修2021

田園回帰への動き都市から中山間地域への移住東京23区、初の「転出」超過 専門家「この流れ簡単に戻らない」、などなどトレンドの最先端をとつながって、市町村の定住政策として自伐型林業が位置づけられているんだそうです

地域おこし協力隊と連携した自伐型林業の普及例(左の図、島根県津和野町協力隊募集、安芸太田町青森県九戸村

(農山村に移住ということ)

このような仕組みが整ってきたので少しづつ自伐型林業と関連した農山村への移住が進み始めています。

どんな人たちが移住を始めているのでしょうか?興味深いので、議論の中でお聞きした。

「自伐型林業をやりたいと移住している人達は、専業で林業を行うことを目指しているのでは無く、副業として位置づけている場合が多い。 1990年代までの自伐林家は農業と林業を組み合わせた形態であったが、近年ではITやウェブデザイン、木工、アウトドアスポーツのインストラクターなど多様となっている。 自ら生活力があり、自らのライフスタイルを確立する先進地と中山間地を位置づけている人が多い気がする。」

コロナでさらにライフスタイルが変わってきたのでしょうね。

どんな人たちが担い手になるのか?興味深いです。

(林業の産業政策、森林政策の中での自伐型林業)

1時間に及ぶ講演のまとめの一枚(右)の最後は、「産業政策や資源政策としても自伐(型)林業を位置づける重要性」という言葉です。

今後の重要な課題と言われました。

関連して、昨年6月の森林林業基本計画には「自伐林家、自伐型林業」の言及がない、有機農業運動と自伐型林業運動の親和性、自伐林業による施業は環境保全型林業といえるのか?たくさんの重要な指摘が講演内容に含まれています。どうぞプレゼン資料を参照ください。

また、講演のあとの議論の中で、森林組合の管理形態についての自伐型林業運動の重要性とう議論もありました。

たくさんの需要な課題があるので、勉強部屋でもしっかりフォローしていきます。

さて、中山間地域の活性化といった地域政策をさらにこえて、林業政策、森林政策の中での自伐型林業をという問題提起を少し検討してみます。

(次世代の森づくりのリスクは)

国産材の供給量がたかまり、皆伐が広がっていますが、それを主導しているのは規模の大きな素材生産事業体(前述のDの事業者だけがシェアを増やしている)

それらの伐採跡地の資源が次世代の森林づくりをしっかり形成していけるのか?伐採跡地の環境的保全のリスクはないのか?というのが二つの資源政策上、産業政策上の課題だと思います。

これに対して森林林業基本計画は、伐採跡地の人工林の形成が3割程度と、リスクを指摘しています。

自伐型林業は基本が間伐か小面積皆伐であるうえ、地域に密着した自伐型事業者による運営であり、地域の資源を地域の将来にとって形成とい意思も働きやすく、リスクが少ない形態であることは間違えないと思います!!

ただし、問題点はどれだけ広がる可能性をもっているのか?この点、佐藤教授に「自伐型林業の主流化はどんな見通しなのか?」と伺うと、「主流化するとは考えていません」というお話でした。

森林林業基本法では今後10年間で国産材生産量を1千万m3増やして2030年までに4千万m3とすることとしています。自伐林家の数は、先ほどのAグループの人たちが1万事業体程度、頑張て自伐型林家がもう1万人増えるとして、(今後自伐型林業の一人当たり年間の生産量が300立方メートルとして)自伐型林業が担う素材生産量は6百万m3ですね。2割程度を自伐型林業の人たちが担う絵がかけますね。

その他のところは大規模生産、大規模皆伐。

この二つのスタイルを、どんな線引きをしながら、配置し、環境に優しい自伐型林業が少し広がってくるというインパクトを、大規模事業者がどのように受け止めてガバナンスの強化を図っていくのか?ということが資源政策森林政策の課題の一つになってくるんでないかと思います

今後ともこのテーマ続けていきます。

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新たな「森林・林業基本計画」を考える―「グリーン成長」の特徴と問題点(2022/2/15)

勉強部屋Zoom会議のゲストをしていただた、九州大学佐藤宣子教授と準備過程で打合せをしている過程で、佐藤教授から最近月間「経済」誌に発表した、標記原稿を送っていただきまししたので、勉強してみました。

10ページにわたる論考の、全体の構成は以下の通りです。

はじめに
1「ウッドショック」が突きつけたこと
(1)日本における木材需給構造の概観
(2)各国の環境政策の進展と中国の台頭で不安定化する木材輸入
(3)第3次「ウッドショック」が問うたこと
2新基本計画の特徴と注目点ー「グリーン成長」が目指していることー
(1)前基本計画からの各種制度変更と新計画の特徴
(2)新基本計画で示された危機
(3)具体的な数値目標
3「グリーン成長」路線で抜け落ちたもの
(1)地域政策視点の弱さ
(2)大規模林業に偏った林業経営の主体像
おわりにー農業政策との違い 

(ウッドショックと基本計画)

最初のセッションがウッドショックについてです。

だれでも知っている最近のキーワードをもとに歴史的な考察を加えて、グローバルなマーケットの木材供給の不安定性が見えてきた。

そえを踏まえて、今後の森林林業政策立案への重要な示唆です。「他のどの産業よりも長期的な視野が必要な」森林政策が木材の安定需要との結びつきが必要です!

(基本計画の問題点1 地域政策が欠けているんでは?)

3の問題点の指摘のセッションのポイントは、1点目は地域政策視点の弱さ。。

山村政策としての豊富な現場経験が記述に反映されていない(自伐型林業もふれられていない)

農業政策ではその辺が進展しているんだそうです。「基本法の基本議論も研究者の中で求められています。」

現場を歩かれた佐藤教授の思いですね。林野庁の施策も森林サービス産業などの形で展開されています。このページでもフォローしていきますが、どんなところが欠けているか、検討をしていきましょう。

(基本計画問題点の指摘2 林業経営の主体が大規模林業に偏っているんでは?)

基本計画では、林業の多様な主体として、「林業経営を行う製材工場など『林産複合型』の法人も含む」大規模事業者を記述した後、、「専ら自家労働等により作業を行い、農業などと複合的に所得を確保する主体等については、地域の林業経営を前述の主体とともに相補的に支えるものであり、その活動が継続できるよう取り組む」とされています。

ただ、これについて、佐藤教授は当初林野庁のサイトに掲載されている資料(林業経営と林業構造の展望② )には、この文脈で自伐型林業という言葉が記載されていたのに、基本計画の段階でこの言葉がなくなったと、気にされています。

相補的なのかどうかは置くとして「その活動が継続できるように取り組む」という大切な文章を具体化する場合、重要な役割をしている自伐型林業のネットワークと連携することが不可欠ですよ!という、佐藤教授の思いですね。

専ら自家労働等により作業を行い、農業などと複合的に所得を確保する主体の活動、田園回帰などの動向ともかかわった、森林政策の重要な視点なので、このサイトでもフォローしてまいります。

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森林政策学の研究者が、過去の論考も引用しながら、政策を昔までさかのぼってレビューした提言が含まれていて、勉強になります。

こちらに置いておきますのでどうぞお読みください→新たな「森林・林業基本計画」を考える―「グリーン成長」の特徴と問題点

kokunai1-26<BP_sato>

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田園回帰ーCW法とカーボンニュートラル・・・ー勉強部屋ニュース270編集ばなし(2022/2/15)

第3回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナー「地域の未来は拓かれるか?自伐(型)林業で定住化の流れ」が1月28日開催されました。

30人ほどの参加者をえて、農山村地域の地域政策として認知されてきた自伐型林業が、森林の資源政策としてどの程度の力を発揮していくのか、大切な議論の場ができたと思います。参加された皆さん、佐藤先生どうもありがとうございました。

コロナで若い方の働き方が少し変わってきている中で、田園回帰というコンセプトの重みを増していると思います。農山村の森林が森林サービス産業だけでなく、自伐型林業という形で地域の活性化の力になっていくのか、田園回帰はどのように動いていくのか、楽しみです

フロントページは「クリーンウッド法改定の方向は?クリーンウッド法検討会への28の提言」

5年たったCW法、キーコンセプトだった登録があまり進まず、川下への普及ももう一つ。

カーボンニュートラル時代の中で木材への関心が高り、環境貢献で木材をつかおうというあらなた広がり出てきた中で、違法伐採のリスクを外すというCW法の意味がこんなにわかりやすい時代はないんでないかと思いますが・・・

勉強部屋のテーマでもあるので、検討会の議論の発展に少しでも貢献しようとガンパってみました。今後の議論が発展し行くことを期待します。

次号以降の予告、田園回帰と森林サービス産業、カーボンニュートラルと都市の緑地ー市街化区域の緑地の二酸化炭素吸収量、ニュージーランドにおける排出量取引の影響と森林、御殿場の木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、欧州の炭素国境調整措置の内容

konosaito<hensyukouki>

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara.takashi1@gmail.com