クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)
 

5月1日、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)施行規則案等についてのパブリックコメント結果について、林野庁が公表しました

214の個人・団体から492件の意見(同趣旨の御意見を含む。)が寄せられ、重複を整理して286件の「ご意見の概要」(重複したものは一本化してある)についての「検討結果」が21ページにわたるpdfファイルに掲載されています(御意見の概要及び検討結果)

現時点(5月27日)ではカテゴリーごとの整理がされていなくて、読みづらいので、勉強部屋で整理をしてみました。

質問が98件、要望が173件、修文意見が15件。

政省令の案が公示され、意見募集となった場合、ほとんどがこの文書はここがまずいからこう直せ、とい要望や修文意見なのでしょうが、質問がたくさん。

ほとんどが事業者からの質問です。「検討結果}としても「今後検討」というものもありますが、業界団体などを通じてきめこまかな、情報発信ができていない問題点もわかります。今回の質問への回答なども、しっかりわかり訳す整理して、20日の施行時にオープンになった問い合わせの窓口合法伐採木材等に関する情報提供「クリーンウッド・ナビ」などで解説されることを期待します。

表1 今後の検討課題ガイラインとの関係ー7件
表2 今後の検討課題登録の具体的なメリット-2件
表3 検討したうえでHP上に検討(負担軽減)-24件
表4 「今後参考にする」「厳格にと」する意見-5件

(今後の検討課題とされたもの1(ガイドラインとの関係)

以下の通り、2006年にできた林野庁の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」との関係について、たくさんの要望が寄せられました。(下表の通り)「林野庁ガイドラインに基づく合法木材認定制度との整合性を確保するべきである。」などなど

これに対して、「法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。」大きな宿題がのこりました。

宿題をしているときに、気になるのは、ガイドラインでは認定事業者が合法性の証明を行った結果の伝達方法については示されていますが、合法性の証明のために必要な確認の具体的な方法については示されておりません。下表の7番目

基本的には森林所有者が手続きをとったかどうかの確認をするというのがガイドラインの立場でしょうが、Q&Aには輸入材の合法性の証明の場合の特例が積み重ねられてきました。

これでは不十分な面があるから、見直しするのか、それともそこはそのままにし、さらに重要な情報提供がクリーンウッドナビ上でなされるのか注目点です。

表1 今後の検討課題となった要望1ガイドラインとの関係
 意見概要(同一のものは一本化)  検討結果
 1 木質バイオマス、間伐材、地域材、森林認証等多くの証明が併存し、その管理や事務処理に多大な労力・コストを要している。今回のクリーンウッド法の施行に際して、簡素化に向けた見直し、整理、統合等の負担軽減を図っていただきたい。 法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。
 2 グリーン購入法の合法性確認方法と、本法における合法性確認方法は、統一されていくのか。
 3 林野庁ガイドラインに基づく合法木材認定制度との整合性を確保するべきである。
 4 ガイドラインによる合法木材証明等との間に混乱が生じないようにすべき。
現在、対象となっている認定合法木材は、本法施行後もグリーン購入法の対象とするべきである。
 6 グリーン購入法と整合性が取れない法案では混乱が生じる。また、この関わりについてガイドラインを示して欲しい。 今後、法、省令等の内容に関する具体的な取組方法等を示した手引等を定めた上で、関係省庁のホームページ等で公表することとします。法、省令案、ガイドラ イン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。
  「木材・木製品の合法性、持続可能の証明のためのガイドライン」に基づく森林・林業・木材産業関連団体の事業者の認定を受けた事業者は、法第8条(木材関連事業者の登録)の登録がなくても、法第5条(事業者の責務)の努力義務を果たしているとみなされるのか。また、そうであれば、国及び地方公共団体等が発注する木材等の調達に際して、この趣旨が徹底されるべきである。 法第5条では、事業者は合法伐採木材等の利用に努めなければならないとしているところであり、具体的な要件等は規定しておりません。
ガイドラインでは認定事業者が合法性の証明を行った結果の伝達方法については示されていますが、合法性の証明のために必要な確認の具体的な方法については示されておりません。法では、合法性の確認をどのように行うのか(第一種木材関連事業を行う者であれば、法第4条第2項の情報を踏まえて書類の内容の確認を行うなど)が規定されています。このため、ガイドラインに基づく合法性の証明で実施した事項(合法証明書の収集、分別管理)は、法に基づく合法性の確認にも活用することはできますが、ガイドラインに基づく合法性の証明のみをもって、法に基づく合法性の確認を行ったことにはなりません。
なお、法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。

(今後の検討課題とされたもの2(登録事業者へのメリット)

もう一つの検討課題は登録業者に対する優遇措置。

表2 今後の検討課題(登録事業者へのメリット)
 1 登録事業者に対して優遇措置はあるか。 法第13条第1項の規定に基づき、登録木材関連事業者は、登録木材関連事業者という名称を用いることができます。また、法第4条第2項において、登録木材関連事業者による取組のうちその状況が優良なものの公表を行うこととしているところです。なお、更なる優遇措置については、今後の検討課題とさせていただきます。
 2 登録業者に対する優遇措置を検討すべきである。

(検討した上で、HP上で公表するとされたものー負担軽減への手引き作成 )

要望の多くが、業界関係者からの負担軽減、を望む要望が下表の通り多数あり、それについては、すべてに、「省令等の内容に関する具体的な取組方法等を示した手引等を定めた上で、関係省庁のホームページ等で公表することとします。」としています。

表3 検討したうえでHP上に公表
新たな負担が生じることにより、林業事業体が経営悪化することのないようにするべきである。また、そのために、現場の声をくみ取り、具体的運用を定めるべきである。
新たな負担が生じることのないようにするべきである。また、仮に新たな負担が生じる場合には、説明、支援、対策等を行うべきである。
木材関連事業者に係る事務が簡便なものとなるよう制度設計すべきである。
林野庁ガイドラインに基づく合法証明、木質バイオマス、間伐材、地域材、森林認証等の多くの証明制度が併存している。手続の共通化、支援措置等の負担軽減を図る取組を検討するべきである。
岐阜県ではすでに岐阜証明材の合法木材制度がある。本法により、この制度が影響を受けたり、新たな事務的負担が生じたりすることのないようにすべきである。
生業として成り立っていない林業界において、新たに登録費用や書類整理などのコストが掛かると想定される。木材価格上昇が費用よりも効果がなければ、林業の更なる破綻に進むと懸念する。
今回の省令・基本方針だけでは、実際の具体的対応が不明であるため、より詳細な運用内容を明らかにすべきである。
この度の措置の対象となる物・事業及び対象とならない物・事業について、その判断の考え方も併せて、解説、例示等により詳細を示すべきである。
第二種木材関連事業を行う者が登録を受ける場合、部門、事務所、工場又は木材等の種類ごとに登録申請を認めるとしているが、対象となる部材が追加された場合の変更手続について、書類の簡素化や手数料の無料化など登録事業者の負担軽減に配慮していただきたい。
リスク評価やリスク緩和に基づくデューデリジェンスについて堅固な要件を策定し、第一種事業者にその扱うすべての木材製品について同要件を課すべきである。また、「木材関連事業者の合法伐採木材等の利用の確保に関する判断の基準となるべき事項を定める省令案」に記載された要件について、指針や追加
情報の提供を通じて、さらに詳細を示すべきである。
「合法性の証明」についてもっと解り易い方法、表現、例示をするべきである。
判断基準省令Uの1の「原産国の法令に適合して伐採されたことを証明する書類」の国別具体的な例を示すべきである。
施行規則案Uの15について、取扱量の実績報告の内容について明確にしていただきたい。また、なるべく簡便のものとしていただきたい。
施行規則案Uの15について、申請者は、少なくとも年1回、措置の実施状況について登録実施機関に報告を行うとあるが報告の時期、複数回報告を行う場合のタイミングが不明確である。
ガイドラインには、以下の内容を明記されたい。
施行規則15(2)@中の報告すべき「措置の実施状況」について、その具体的内容。
本法施行後に混乱が生じることのないよう早急に具体的な実務にかかる内容の説明をし、森林組合系統の現場の声をくみ取る取組を進めるべきである。
国民及び木材関連事業者が本法に関するあらゆる最新情報を容易に入手できるよう、インターネットサイトを開設されたい。
木材関連事業者が、本法の対象となる「木材等」にあたるか否かについて問い合わせる窓口を一元的に設けるべきである。
また、問合せ結果とその根拠について、インターネットサイトで公示する仕組みを少なくとも本法施行と同時に設けるべきである。
本法の円滑な施行を図るため、運用に関するガイドラインを本法施行までに作成されたい。
法令の解説等が公表されてようやく、木材関連事業者は合法性確認や譲り渡すときの措置を行えるようになるが、解説等の公表や行政による説明会の実施について、スケジュールを開示いただきたい。
県及び市町村、森林組合、市場等が緊密に連携することが重要であり、国は、その流れを構築してマニュアル化し、また、充分な指導をすべきである。
施行規則案について
弐7(2)まる3で非該当証明が必須となっているが、法令違反や登録取り消し情報は容易にチェックできるのか。
施行規則案について
弐9で登録事項の変更内容が重大な変更を含むとき(木材等の完全な変更、事業所の移転など)には登記事項の変更手続きのみでよいか。その内容のチェックや所要の臨時審査や確認を登録実施機関は求めてくるのか。
施行規則案について
弐13(1)において、法18条2項関係の登録事項等の変更届があるが、法21条の事務所の変更届との関係、また具体的な書類、手続きを知りたい。併せて、弐14の登録の更新(法19条関係)のための書類、手続き等を知りたい。

(「厳格にすべきと」の意見群)

厳しく運用すべしという意見も寄せられていますが、そについては、難しいという説明が検討結果に記述されているのが多いようです。

その中で、「参考しにしたい」とされたのは以下の通りです

表4 「今後参考にする」意見
PEFC、SGECあるいはFSCのような世界的に認知された認証制度を取得している事業体に対しては、一般的な登録事業者と異なる資格を与え、公共事業体による入札や調達において優先権を与えるなどの優遇措置を講じるべきである。
段階的にDDSの義務化、罰則、取締り等を追加し、強制力のある内容に変えていくべきである。その方向性、ロードマップなどを示すべきである。
違法性のある素材を流通させた場合は登録取消しないしは法人である場合は行政通達による指導を行うべきである。
合法性の確認できた木材と、そうでない木材を明確に区別する管理を義務付け、それぞれの量を把握して報告する制度を導入し、合法性の確認できた木材の割合を段階的に向上させる目標を設定すべきかと思われます。法律の附則抄3に定める施行後五年を目途とした見直しに際して、合法性が確認された木材の量と割合を公表し、現行の自主的登録制度の有効性を判断する判断材料とし、十分な効果が見られない場合は、全ての木材関連事業者にこの法律の順守を義務付ける法改正を検討すべきと思われます。
合法伐採木材の利用に向けた法律であるが、木材を利用する木材関連事業者に対し、合法性が確認された木材及び木材製品の利用や流通をあくまでも「努力義務化する」とあり、民間取引における合法伐採木材の利用促進につながるかは不安である。また、合法伐採木材の利用に向けた措置を適切にするため、登録制度が用いられるが、登録した事業体は、「登録木材関連事業者」の名称で記載されるが、登録はあくまでも任意となっている。これでは、違法伐採にむけた取組にならないと思う。法律を作るのであれば、「努力義務化」とか「任意」という言葉はなくし「義務化」とした方が良いと思う。

以上です

法律の趣旨がである「自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって地域及び地球の環境の保全に資する」の方向に進んでいくには、まだまだ、大きなステップが必要だと思います。

業界関係者とともに、市民の関心がカギでしょう。

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