ニュースレター No.2142017年6月24日発行 (発行部数:1390部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。 

                         一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原

目次
1 フロントページ:70周年を迎えた林業経済研究所(2017/6/28)
2. 今求められる木の建築・活動とはー木の建築賞と木の建築フォーラムの建築賞(2017/6/28)
3.  世界と日本の森林認証の現状2017(2017/6/28)
4. 特集記事の波及力ー『林業経済』誌編集後記(2017/6/28)
5. ー勉強部屋ニュース213号編集ばなし(2017/6/28)

フロントページ:70周年を迎えた林業経済研究所(2017/6/28)
 

2年前からマネジメントに関わってきた一般財団法人林業経済研究所が6月24日で創立70周年を迎えました。

「林業経済」誌という月刊誌を創設以来、この6月号で824冊送り続けてきた団体です。

また、学術団体としての蓄積を外部に発信する手段として、シンポジウムを2001年年から毎年開催するとこもに、1984年以来若手研究者の育成を目的とした研究奨励事業(小瀧奨励賞)を実施してきました。

過去の受賞者リスト

70周年記念事業が、9月のシンポジウムなどを中心に実施されます。

(私の中の林業経済誌)

「林業経済」誌は、技術系の学生だった私が行政に携わる道を歩み始ることとなった学生時代から、40年来の読者です。

行政の中にいると、周辺の人は利害関係者が多く若干情報の偏りがある可能性があるので、林業経済誌の周辺の「利害のない方」の意見は気にしていました。また、すこし、勉強部屋などをはじめて、グローバルな中のローカルな政策などが気になり始めてからは、林業経済誌への注文も出始めたりしました。)

 「本年は地球サミットから20年目でリオ+20がブラジルで開催されることとなるが、地球環境レジーム づくりの最近の動向を紹介しながら、新たな林業経済研究の共通の場として出発する『林業経済』誌が、グローバルな視点にたった林業経済研究発展のフォーラムとして発展されるように期待を述べておきたい。」
グリーンエコノミーの展開と国際的な持続可能な森林管理への課題(2012/5/27)(林政総研との統合特集への寄稿))

思いもかけず、2年前に所長になったときは、長い歴史をけがさないように、という思いと、少しの貢献ができないか、緊張をしていました(林業経済研究所と林業経済誌(2015/6/25))。あまり貢献ができないままで心残りのところもありますが、所長を退任しました。

実際の編集業務は編集委員の皆さんの真剣の議論のもとに行われており、所長として中身に貢献することはあまりないのですがが、編集結果に基づいて編集後記を執筆させていただきました

ありがとうございました

(「林業経済」誌はなにに貢献してきたか?)

本来、10年に一回の機会は全体のレビューをする機会なのですが、このサイトにその余裕はありませんが、ネット上の過去の情報を掲載しておきます。

『林業経済』誌が林業経済研究に貢献したもの(の一部2007年福島康記理事長)(林業経済研究所60年あゆみより)
林業経済研究所林業経済研究所関連年表(2007年創設から2007年まで)(同上)
林業経済研究所林業経済研究所関連年表(2017年その後)(林業経済誌2017年6月号掲載)

過去の林業経済研究への貢献とともに、林業経済政策への貢献も併せて、問題意識を共有されることが必要でしょう。

この点で、この10年間のトピックスでは、民主党政権下の森林再生プランを巡る、議論は参考になります。林業経済誌2010年7月号特集森林林業再生プランについて

80年、100年に向けて、ますますの発展を祈ります。

kokunai6-42(ringyoukeizai70nen)

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今求められる木の建築・活動とはー木の建築賞と木の建築フォーラム(2017/6/28)

5月28日に2016年度第12回の木の建築賞NPO木の建築フォーラム主催)の表彰が行われ、審査員のを仰せつかっていることもあり表彰式と関連イベントに出席しました。

建築作品を顕彰する制度はたくさんあります(日本建築士会連合会賞顕彰 | 事業活動とご報告 | 一般社団法人 日本建築協会日本建築学会各賞)が、建築作品とともに建築の活動を顕彰する試みは魅力的で、持続可能な木材が主役となる社会に向けて、ユーザー側の動向を主導する可能性がある建築設計関係者が木材の調達過程に深く関わる大切な機会として注目してきました。

もちろん、建築賞本来の「人々に快適な場を提供する、建築デザインと空間構成」といった面は欠かせませんが、設計・建設過程を通じて、ユーザーと持続可能な森林を結びつける建築活動という側面について審査過程で議論できるのが楽しみで、過去のページでも紹介してきました。

ネバーギブアップ根羽村の挑戦 (2015/12/20)
南会津地域の縦ログと森林認証の広がり(2016/12/24)

今回の受賞作品の木の活動面を紹介します

 木の建築大賞・メンバーズチョイス賞 112年前の政府指定の米蔵をリノベーションした蔵「作楽

辺見美津男/有限会社辺見美津男設計室) 
丸太買いで製材乾燥しておいた県産唐松の構造材による入れ子櫓を組み入れ、1階床は1寸の唐松、2階床は1寸5分の地松
材工分離発注による、地域の木材関係者との設計段階から連携を図った(プレゼン資料)
 選考委員特別賞    こども園ひがしどおり

村上美奈子)計画工房
地場産材を中心に青森県産材の仕用 ヒバ(保育室) 松・杉(管理棟) 栗(床)
幼児の成長に合わせた木造室内空間
製材を中心とした構造 ・集成材は使わないー立地条件 ・ヒバを構造材として使う
地元職人の育成(プレゼン資料)
 木の活動賞   楢下宿山田屋再生プロジェクト

山畑信博/東北芸術工科大学
 古民家を単に改修するだけだけでなく、古い木造建築の良さを引き出す新たなイメージの空間を創出、利用したイベントを開催して世代間の交流と古民家の良さの周知をはかる。
 やま・もり再生賞    針生ほしっぱの家

芳賀沼整/株式会社はりゅうウッドスタジオ
南会津地域の縦ログと森林認証の広がり
 (CLTの課題を回避する縦ログ構法)
循環型素材である木材の各種の機能的・構造的性能を建築物に満度に引き継ぐというCLTの発想を受け継ぎながら、地元の事業者とローカルな柱どりの伝統的技術でサプライチェーンを完結させる(地域外の加工拠点に遠路運んで戻ってくる必要がない)可能性をもっているのがこの工法のポイント
 木と住まい建築賞   あぶくま更生園

宇野享/株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ名古屋/大同大学)
 東日本大震災の原発事故に伴い川内村からの避難施設として建設された、知的障害を持つ入居者の応急仮設施設
一般流通材による住宅スケールの構造が現しの仕上げとなった木の空間が特徴
 集成材建築賞    福島県国見町庁舎

朴明浩/株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所
 耐火被覆の木は地場の福島県産材として、地産地消とした。地場産木での耐火被覆は日本で初めての試み
更に地域の産業がより多く参画できるように、床や家具、その他の内装材を県産、町産で構成することで、風評被害のあった福島県の木業界を勇気づけるとともに、町民が親しみをもって利用できる内装とした(プレゼン資料)
木とのふれあい建築賞    道の駅あいづ 湯川・会津坂下

三井所清典/アルセッド建築研究所
 地元の木材を使い、地元の手で作り守ることを大きなテーマに掲げ、木材の年度別分割発注や、一般流通材による木造加工にだわりながら設計と施工が進められた。
木造の可能性を最大限に見せながら、一般材によってくみ上げられた樹状トラスは木の造形としての可能性を示す(講評など)

このイベントは全国を四カ所にわけて4年度一巡、12回目で3巡したことになります。いよいよ4順目!募集が始まっています

 13回 木の建築賞 近畿・中部地区の作品・活動募集

 「いま、求められる木の建築・活動とは」というテーマの解釈は、それぞれの取り組みによって異なります。「建築」であれば、人々に快適な場を提供する、建築デザインと空間構成、環境に対する考え方、それらを支える技術、その建築の持つ社会性などがあげられ、「活動」であれば、森林の育成に結びついた木材の利用、品質向上に関する技術開発とシステムの構築、伝統技術の継承、木の持つ良さを社会にアピールする運動や、活動を通じた社会への貢献などがあげられるかもしれません。「木の建築賞」は、このような観点から木に関心のある人たちに応募を呼びかけ、優秀な建築・活動を顕彰することにより、木造文化の向上に寄与することを目的としています。「いま、求められる木の建築・活動とは」を共に考えませんか。

詳しくは木の建築賞特設WEBサイトへどうぞ

木造建築に関しては、木材関係者の官民の取組として各県の木材業界団体が中心となった木材利用推進中央協議会優良木造事例表彰などと蓄積がありますが、建築関係者が中心になった、木の建築フォーラムの取組は消費者の目線で木材を見つめる貴重な情報発信で、前者と相まって大きな流れとなっていることを期待しています。

kokunai3-53<kinokentiku2016>

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 世界と日本の森林認証の現状20172017/6/28)

小HPでは、その時点で入手できる情報を元に第三者により森林経営を認証された森林面積を調べて公表しています(過去のもの)。2017年3月時点でのデータを整理してみました。

世界全体の第三者認証の森林面積は全体の森林面積の12.4%(2015年11.3%)となりました。

欧州地域や中北米など先進国での拡大が続いています

 

  地域

全森林

 

 

 

 

 

 

 

認証森林

 

 

 

205年

2017年

 

 

 

1000ha

1000ha

1000ha

全面積比

 前回

前回比

 

 

アフリカ

674419

7445 7583 1.12 138 .1.02

アジア

592512

20084 21864 3.69 1780 1.09

内日本

24979

1652 2011 8.05 359 1.22

欧州

1005001

173756 187363 18.64 13607 1.08

中北米

705393

222466 234586 33.26 12120 1.05

南米

864351

17967 18656 2.16 689 1.04

オセアニア

191384

12789 26527 13.86 13738 2.07

合計

4033060

454507 498121 12.35 43614 1.10

出所含めたエクセルファイルはこちらから

sinrin1-19<genjo2017>
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木の時代ー『林業経済』誌編集後記(2016年10月号)(2017/6/28)
1948年以来、林業経済分野の専門誌として毎月発刊をつづけている 『林業経済』誌)の編集後記を執筆しています。

編集委員会の了解を得て、このページに転載することとします。

学会と業界、官界、市民との間と架け橋になれるかどうか、大切な役割です。

少しでも、『林業経済』誌の認知度が広がる(なかで、購読者が増える)ことを願っています。(ご購入はこちらから

 目次 編集後記 
<やまがら>インドネシアと日本.......stray sheep
 
林業経済研究所創立70周年記念企画 リレーインタビュー⑤ 
 私の研究史〈村嶌 由直〉

論文
 秩父多摩甲斐国立公園における地種区分と施業規制
  ─多摩川・荒川源流部を中心に─ .池田 友仁・志賀 和人・志賀  薫
 
 『林業経済』掲載規定
 『林業経済』投稿連絡票

「林業経済」誌に掲載された記事について、読者から筆者に対して様々なフォードバックがあるだろう。所長という立場の私に掲載記事について連絡をいただく機会はあまりないのだが、先般元林野庁長官のI氏から20年数年ぶりでお電話をいただいた。長い間農林水産省の政策づくりに関係されていたI氏には本誌を読んでいただいてきたが「70周年記念企画 リレーインタビュー④箕輪理事長の「私の研究史」」を読まれて、「政策の本丸と政策研究がかみ合うことがあまりないことが気になっていたが、今回の記事はその点でわかりやすかった」とされた。「いろんな方に読んだかどうか聞いている(が、あまり読んだという人はいない)」ともいわれていた。早速お礼と、「政策立案サイドからみた林業経済誌の評価、可能性、今後の期待、提言を含む論説を寄稿いただきたい」とお願いし快諾をいただいた。

70年を迎える林業経済研究所は様々な記念事業を企画しているが、周年事業をきっかけにもう一回り広い関係を持てるかどうか、周年行事の重要な課題である。「林業経済」誌の特集企画がそのきっかけとなったことは、うれしいことである。

今月号の70周年の企画リレーインタビュー第5弾は村嶌由直京都大学名誉教授。木曽や桜井の定点情報・東北山村で木材流通を通じた地域経済論から、米材の産地の研究へ。日本の木材市場のグローバル化と並行した、研究分野と研究対象のグローバル化。森林と市場動向の最前線を縦横に歩かれた跡が語られている。後から自らの研究史を、研究対象が置かれている社会的な中心課題と関連して語ることができるのかどうか、経済・社会分野の研究者にとっては関心事項だろうが、それだけでも若手の研究者にとっては刺激があるだろう。

本号の掲載論文は「秩父多摩甲斐国立公園における地種区分と施業規制―多摩川・荒川源流部を中心にー」(池田友仁ほか)。自然公園の地種区分の決定過程で森林所有者の意向がどのように反映されるのか、丹念に追跡している。制度上の問題点が総括されており、関係者には是非読んでいいただきたい。国有林や東京都の水源林などでも経営計画という基本的な決定の過程が意外と不透明なのが気になるところだった。

roomfj <ringyoukeizaishi/hensyukoukin>

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 林業経済研究所ー勉強部屋ニュース214号編集ばなし(2017/6/28)

林業経済研究所70周年を前に所長を退任しました。今月のフロントページの題名は「70周年を向かえた林業経済研究所」と決めていましたが、いざ、向かってみると、2年間の研究所でのエネルギーの大半が委託調査(企業による森林づくり・木材利用の環境貢献度の「見える化」(2016/3/26))など)につやされて、中核となる「林業経済」誌の中身への貢献ができていないことを再認識することとなりました。

研究所との関係は、クリーンウッドがらみの仕事を通じて今後とも連携ができていくこととなるでしょう。

7月18日はウッドマイルズフォーラム2017『これからの地域は何を目指すべきか~森林・木材・建築を中心に』たくさんの方々とお会いしたいですね。

次号の予告、企業の社会的責任京都スタイル:京都のモデルフォレストの共同した森林管理への取組、UNFF12と生物多様性条約最新情報、EU日本代表部プロジェクト主催 「デューディリジェンスワークショップ」から、ウッドマイルズフォーラム2017

konosaito<hensyukouki>

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最後までお読みいただきありがとうございました。

持続可能な森林フォーラム 藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp

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