ニュースレター No.1322010年8月21日発行 (発行部数:1350部) | |||||||||||
|
|||||||||||
このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
フロントページ:日本にとっての国際森林年2011(2010/8/21)
|
|||||||||||
2006年の国連決議に基づき来年2011年は国際森林年です。(再び国際森林年(小サイト))
国連でロゴが発表された機会に、林野庁のプレスリリースがありました。 国連決議には、 concerted efforts should focus on raising awareness at all levels to strengthen the sustainable management, conservation and sustainable development of all types of forests for the benefit of current and future generations「現在・未来の世代のため、全てのタイプの森林の持続可能な森林経営、保全、持続可能な開発を強化することについて、あらゆるレベルでの認識を高めるよう努力すべき」という理念が示されています。 森林政策の国際化という視点にたって私たちの活動を見た場合、日本の関係者の貢献には二つの面があると思います。 一つは熱帯林の管理に苦労している途上国の支援。気候変動枠組み条約のREDD+で日本の官民の実力が試されると思います。 もう一つ、国際森林年を前にして、日本では森林林業再生プランの具体化といった日本の森林制度の骨格についての作業が行われています。これらの作業が、国際的な意味づけをもって議論され、日本の森林管理制度面や木材利用の面での新たな制度が、海外に発信され、国際森林年をリードする、という視点です。 行政の「政治主導」がともすれば選挙民向けの内向けのベクトルを持つことは仕方がないこととしても、国際森林年の前年という機会に日本の森林政策の基本的な点が議論されることをチャンスとして、スケールの大きな検討が行われ、対外的な発信が活発にされることを期待します。 決議が言及している文書は、今までの国際社会の中で森林分野でのコンセンサスのペーパーの一覧表と言っていいでしょう。リンク先と共にリストアップします。 chikyu1-19<IYF2011> |
|||||||||||
|
|||||||||||
公共建築物等の木材利用促進基本計画などの意見募集(2010/8/21) 公共建築物等の木材利用推進法の施行準備が進んでいますが、8月に入ってから農林水産省は8月6日、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律施行令案等」についての意見・情報の募集を開始し、13日同施行規則案、14日同基本方針案に対する意見募集を開始しました。 ○公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律施行令案等についての意見・情報の募集について @国や地方公共団体以外の民間人が整備する公共建築物をどう規定してどう規制するのか、A大型建築物の木材利用で直面する規制緩和vs品質要求の具体化、B木材利用促進をささえる木材の環境的側面についての議論が要求する「木材の供給及び利用と森林の適正な整備の両立」「トレーサビリティ」という課題にどう折り合いをつけるのか、など、議論が深化すべき所でしょうか。 kokunai11-4<koukyoukeniken> |
|||||||||||
|
|||||||||||
ライフサイクルマイナス住宅と木材のLCA(2010/8/7) 日本版の緑の建築基準である「建築物の総合的環境性能評価手法(CASBEE」)の開発その普及を担っている一般社団法人 日本サステナブル建築協会(JSBC)内に「ライフサイクルカーボンマイナス住宅研究開発委員会(村上周三委員長)」が発足し、21年度の成果が公表されているが、そのなかに木材ライフサイクル分析についての興味深い報告があります。 LCCO2部会エグゼクティブサマリー部会長 伊香賀俊治(慶應義塾大学教授) プロジェクト全体の活動内容を説明する文章の中に「日本建築学会「建物のLCA評価ツール(戸建住宅版)」に組み込まれたLCAデータベース最新の2005年産業連関表に基づくデータベースにバージョンアップするとともに、特に、木材の産地(海外の各地域、国内の各地域など)の区別についてのデータベースを開発する」(2-2 LCCM住宅用データベースの開発)との記述があります。 そして、21年度の成果の中に、7カ所の製材工場の調査結果に基づいた製材のLCA分析結果が掲載されていますが、乾燥過程のエネルギーが地場産材の中小企業で乾燥する場合、規模の大きな製材所で乾燥する場合の比較が示されています。(下図)
数例の調査結果に基づく大胆な分析で、この推論に普遍性がどの程度あるのか疑問ですが(木材の専門家では多分このような表現は躊躇するでしょう)、木材の利用者側がどんどん木材生産過程の環境負荷の分析に踏み込んできており、そして住宅のLCAにこれらの結果が利用されるということになるのでしょう。 乾燥過程の排出量については、二酸化炭素だけでなくN2Oという温室効果ガスの測定の重要性も指摘されており、大いにこの辺の解析が進んでいくことが期待されます。 energy3-3<LCCM1> |
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
■いいねボタン
|