クリーンウッド法改定の方向は?ークリーンウッド法検討会への28の提案(2022/2/15)

1月26日フェアウッド研究部会 「新年オンライン交歓会〜どうなる?クリーンウッド法とこれからのフェアウッド」というイベントに顔をだしてみて、そういえば検討会はどうなっているかな?

このサイトの関心事項の一つである、違法伐採問題など木材が由来するの環境的側面を消費者に伝える木材のサプライチェーンと環境問題、そのテーマを直接目的とするクリーンウッド法。5年目となったので改訂が検討され、その検討の場が、合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会です。

林野庁のサイトは、過去7回にわたった検討会(次回3月2日に予定されている第8回でとりあえずの結論かな?)で議論された議論の要旨、各会議の出席者、議事次第、報告者のレポートが整理され、よくできた情報公開の場となっています。

ただ、この情報を丁寧に管理している林野庁は、どのよう現状を評価し次のステップを考えているのかな?が少し見えにくいです。

(CW法改訂して訴求するチャンス)

過去にもこの検討会の出だしのころに、情報収取をして最近の環境ビジネスの動向などを踏まえて意見を言ってきました。(次のクリーンウッド法の検討作業)違法伐採対策の最近の流れークリーンウッド法の関する検討会など (2021/11/10)

カーボンニュートラルに向けて各企業が活動をすすめ、その中で先進的な企業が木材利用の二酸化炭素固定量の関心を広げている中で、市場から違法伐採の可能性をもつ木材の排除、持続可能に管理された木材の利用推進とい課題が広がっていくチャンスであり、決定的な重要な役割を果たすべきクリーンウッド法をしっかり前進させ、普及させる議論をすすめたい!

(提言の一覧表)

ということで、関係者の主張の内容がわかるようなページを作成し、今後この問題を皆さんが議論ができるように見ようと考えました。

28の関係者、学識経験者などが現状の課題と、今後の方向について提言しています。

一覧表を作成してみました→資料:合法伐採木材等流通及び利用に係る検討会意見提出一覧表

提案者のカテゴリー別に閲覧できます。
主催者学識経験者事業者(川上・林業)事業者(川中、木材加工流通)事業者(川下、建築関係者・家具)環境団体

それぞれ、ネット上に公開される提案なので内部でしっかり検討したうえでつくられていて、勉強になります。

特に、私にとってはいつも身近に接することがあまりない、事業者(川下、建築関係者・家具)の意見は興味深いものが多いです。

左の図参照(日本建設業連合会の改善提案)

(提言の概要)

28の提案・提言・情報提供などの概要が以下のとおりです。

左側に提案内容をカテゴリーに分けて記載しています。現状認識と対応対応方針の2つにわけ、提案内容をとりあえず経済的内容、環境的内容、社会的内容、そしてそれらの統合的実現とわけてみました。

全体28人の提案者の報告を、提案者の属性に基づいて分類してみると、ビジネスの関係者が17人、そのうち、林業(川上)が1人、木材加工供給業者を中心とした川中9人、建築関係者(ビジネス関係者以外(労働組合など)も入っていますが)など川下(木材利用業界)ユーザーが7人です。さらに環境団体3人、林野庁の説明3人、学識経験者5人となります。(一番上の緑の行)

それらの提案者がどんな意見を言ったかという件数が表の中に記載されています。一番右の合計欄が、28人の中で左に書いた内容を提言の中にとりいれた件数で、その比率を一番右に記載しています。

色がついているセルが、上の人数の中で比較的多い方が提案の中に書き込んだ項目で、全体の4分の1以上の方が取り入れた場合に色付けしています。

それぞれの、どの提案者がいったのか、という内容を少し詳しく整理したファイルをこちらにおいておきますので関心のある方ははどぞう。

(提言をうけて、どうするかなー)

CW法ができたときから関係者の意見を知る機会があったので、勉強部屋でその情報を整理する作業をしてきました。クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)

その辺も見返してみると、5年前の課題がそのまま残っているのがたくさんあります。

ということで、今後ぜひ検討を進めていきたいと思いますがとりあえず、SDGsがもとめる経済・環境・社会に統合的達成という点から、思いつくままにメモしてみると・・・

1統合 合法木材のガイドラインと、クリーンウッド法の登録の二つのことが並列していて分かりづらい→@SDGs ESGといった現代社会全体のコンセプトからの位置づけを、A環境団体・業界団体・学術関係者など参画するガバナンスの仕組みを、対象となる製品の整理が必要・・・

2環境 非合法木材の処理やDDの仕組みなど環境にこだわる人たちにわかりやすい説明を→@ガイドラインの充実、A環境団体の参画など

3社会 ユーザーからクリーンウッドを要求されないので、もっといろんな形で訴求を広めるべき→@カーボンニュートラルの動きがチャンス、A他省庁も含めた木材利用推進の動きがあるので連携して訴求・・・

4経済 CW法の登録のメリットはわからず、そのわりに負担が多くて、登録めんどうくさい→@業界団体の利用、A第一種と第二種の整理をして・・・

もっといっぱいありますか?(今後もう少し検討)

(今後のスケジュール)

関係者の意見提示は終了したので3月2日第8回検討会が開催され、検討会としての中間報告がでるようです。

それから、具体的な方向を探るためのパブコメなどが始まっていくことになるんだと思います。

勉強部屋としても、繰り返しになりますが・・

カーボンニュートラルに向けて各企業が活動をすすめ、その中で先進的な企業が木材利用の二酸化炭素固定量の関心を広げている中で、市場から違法伐採の可能性をもつ木材の排除、持続可能に管理された木材の利用推進とい課題が広がっていくチャンスであり、決定的な重要な役割を果たすべきクリーンウッド法をしっかり前進させ、普及させる議論をすすめたい! 

中間報告を見ながら、勉強部屋としても、検討を進めます。

(参考:制定当時の勉強部屋関係ページ)

4-66. クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)
4-64. クリーンウッド法運営方針への意見(2017/4/22)
4-63. 今までの蓄積を生かしたクリーンウッド法の運用のために(2017/3/18)
4-62. クリーンウッド法の進め方に関するパブコメ(2017/2/25)
4-61. 「グリーンウッド法」でどうなるー合法木材供給事業者認定団体研修(2016/7/26)
4-60. 合法伐採木材流通利用促進法ーその意義と展望(週刊農林誌投稿) (2016/7/26)
4-59. 合法伐採木材流通利用促進法成立、その意義と課題(その1目的規定・事業者登録) (2016/5/28)

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boueki4-78(CWAnext)
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