ニュースレター No.277 2022年9月15日発行 (発行部数:1573部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬 |
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フロントページ:森林・林業・木材産業への投資のあり方ーガイドラインの内容は?(2022/8/15)
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木質バイオマスエネルギー利用の抱える課題と展望ー勉強部屋Zoomセミナー22年度第2回報告(2022/9/15) 9月3日勉強部屋Zoomセミナー第2回を、ゲストにバイオマス産業ネットワーク理事長、泊みゆきさんを迎えて開催。 前回に引き続いて、木質バイオマス問題をテーマに、「木質バイオマスエネルギー利用の抱える課題と展望~輸入ペレットの問題と日本のバイオマス事業の展望を中心に。」という話を伺い、議論をしました。 自己紹介で泊さんは、バイオマスエネルギーを推進しようというのではなく、良いバイオマスと、問題のあるバイオマスをしっかり分けて、使いましょうということを、やってきましたーと説明。 前回からやっている木質バイオマスの懐疑論をしっかり整理していくうえで重要な機会となりました。 (木質バイオマスエネルギー利用の抱える課題と展望~輸入ペレットの問題と日本のバイオマス事業の展望を中心に) 泊さんのプレゼンデータはこちらに掲載しておきますが、、藤原の責任でつまみ食いします。
((質疑の時間)) 泊さんのプレゼンのあと、私から3点にわたってコメント質問してダイヤログセッション (問1:GHG排出量について) FITにおけるGHG排出量の基準に関連して、この話は私自身が、数年前から気にしていたことでした(固体木質バイオマスエネルギーの 需給動向と 環境基準の展開の可能性ー環境経済政策学会報告(2016/9/24))。 FITは「再生可能なバイオマスエネルギーを使って化石資源からの排出を抑える!」という素晴らしいプロジェクトなんですが、燃料の供給過程でたくさんの化石資源由来のGHGは派生している!という点が欧州などで指摘されていたのです。 やっと、今年度GHGの排出量を供給の制約にする仕組みになったんですね。どんな方向性なのか?導入にあたって注意点など伺いたいです。 (答1) GHG基準をFITの認定に使っていこうという話は、今後の新規認定発言事業者に対してこんな原料はダメですよと義務付けられるようです。 つまり、今までの認定発電者は利用している原料の供給過程のGHGを報告だとか開示するとうことが要求される。それでなるべくGHGの少ない原料を利用してくださいね、となるはず。 これから作る人は熱電併給で効率性をあげるとか、色々工夫して取組んで、徐々にGHG問題などを解決していこうということだと思います。 (問2:米国からの大量輸入について) 米国から多量の木質ベレットが輸入されようとしており、現地にいかれて持続可能性に関する問題点を指摘されました。 米国産地で大量のバイオマス燃料の供給体制ができている!これが持続可能な体制でできたのであれば、次世代の循環社会を見通していくうえで、すごいことだと思いました。 ご指摘は、これが持続可能な形態でなく数々の問題点を抱えている、というご指摘です。供給ポイントが極めて広いプロジェクトで、その中の何か所かをご覧になって問題点を指摘されたので、この場で全体を評価することは難しいんでないかと思います。そこで、質問は・・・ なんでこれが、欧州や日本に輸出されるのか?米国は中国について世界で二番目にGHG排出量が多い排出量大国です。苦労されて米国で循環可能なバイオマス燃料の大量な供給が可能になったのなら、何故、自国内で供給ができないのか?という点です。 FITがなければ供給できなようなエネルギー源なら、持続可能でない、ですね。 (答2) ペレットを発電に利用するのは、大規模なものはFITのような補助制度がなければ成立しません。木材工場が製造過程の排出物を使って自家用の発電をするならできるかもしれないが。 英国ではバイオマス発電への助成を行っていたが、バイオマス利用の湿地林の伐採問題など跡地問題などがでてきて、廃材だけなど助成範囲を厳しくしている。 それで、日本はFITがあるから日本に売ろうとなっている。24円時代の、FITを慎重に設計しなければならない、ゆがんだ制度によるものを反対している。 (問3:バイオマス燃料はカーボンニュートラルなのかどうか?) 私からの最後の質問は、スライドの9番目バイオマスはカーボンニュートラルか?についてです。 この点については、前回のイベントでゲストできていただいたバイオマスエネルギー協会の加藤顧問が言われていましたが、この話は、長期的な視野で話をしなければならない、という点です。それも踏まえて、私の考えを申しますので、ご意見をいただきたいです。 石炭や石油をつかって、エネルギー効率のよい生産・流通システムを大規模に造成し、コンビニに行けば世界中の原料を組み合わせて生産された製品が安く買える。すばらしい便利な社会を作ってきた。その結果が、気候変動問題で、この社会を循環社会に換えていかなければならない、というのが私たちの世代の、基本的なミッションです。 その前提としての、化石資源エネルギーから再生可能なエネルギーへの転換の一つが、木質バイオマスエネルギーの利用です。確かに木質バイオマスエネルギーを得るにはGHGを排出します。ただ、その二酸化炭素は数十年か数百年の間に大気中から吸収固定されたものであって、次世代の循環社会の構成要素としてよいものかどうかという視点で考えると、何億年前に固定された大量の化石資源からのGHGとは明らかに違う。 私は、化石資源のGHGとバイオマス由来のGHGとは、次世代に残れるかどうかという観点で全く違うのでカーボンニュートラルなんだ、と、思っていました。(長期的視点) もちろん、再生可能エネルギー利用にはいろんなリスクがあります。ので、原点にかえり、持続可能な循環社会を作っていくための木質バイオマス利用!その点に帰って、GHGの排出問題、供給された木材の持続可能性しっかりリスクをチェックする必要があることは前提です。 (問3答え) 気候変動のGHGの排出は大半が化石資源由来だけど、10%ぐらいは土地利用の転換。だから、土地利用も重要。 森林が増えているんなら大事にとっておいたら。木材利用を否定する分けでない。FITがなれれば伐られない森林が伐られているのが問題だと言っている。合目的性を考えると、発電でなく熱利用 気候変動のために負担してFITをしている。そのために森林が切られるのは問題 (今後の課題) 以上が、泊さんのプレゼント、ダイアローグセッションの概要です。Q&A概要ページを作成しているところですので、少々お待ち下さい。 新たな循環社会を視野に入れて、木質バイオマス燃料が大きな役割を果たす!その移行過程でFITの補助制度で木質バイオマス燃料が供給さえるのは当然のことですが、仮に補助事業がなければ決して供給できないような資材が日本のFITのために世界中から大量に供給されるといった事態になっているとしたら、大きな問題ですね。 ただ、現地に負荷をかける持続可能でない原料が供給されているのだとすると、それは、発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドラインで対応できるはすなんですね。この辺は関心をもってフォローしていきます。 (森未来と連携) 前回から素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としました。 zoomの設定とか、皆さんへの案内、アンケートの回収など、大変お世話になりました。 持続可能な森林づくりをメインのコンセプトにした、ビジネルの可能性はどんな方向?興味深いですね。 今後ともよろしくお願いします (関連ペーご案内) 質疑によせられた項目を掲載します。「勉強部屋22年度Zoomセミナー第2回Q&A」(作成中少々お待ちください) konosaito3-10<zoommt22-2ndrepo>
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美しい木組みの家ー山と職人と住まい手をつなぐー勉強部屋Zoomセミナー第3回御案内(2022/9/15)
持続可能な森林フォーラムでは、皆さんとのコミュニケーションを双方向で深めていくため、ゲストをむかえて、Zoomセミナーを開催しています。 11月12日に開催の、今年度第3回目は、ゲストに、松井郁夫さん、松井郁夫設計事務所代表をむかえ、「美しい木組みの家ー山と職人と住まい手をつなぐー」という演題で、お話を伺い意見交換をさせていただくことになりました!! 松井さんの仕事は、昨年勉強部屋でも紹介しました。美しい木組みの家ー古民家になる家と森林との関係(2021/11/23) 「山を守る木の値段は「植林費用から逆算して一本の木の値段を決めて、山主に払っています。一般に流通している木材より割高ですが、その代わりに直接山に行って買付をしているので、流通のマージンをカットできます。番付を打った図面を持って山の製材所に行くので、木は選り取り見取りで良い木が買えます」究極のトレーサビリティを実践しています。 どうぞ皆さん、ご参加下さい。 参加はこちらからどうぞ→参加ご希望の方はこちらから御連絡ください 素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としています。 konosaito3-12<zoommt22-3rd> ■いいねボタン |
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第15回世界林業会議ーグローバルな森林の方向性をしめす―林業経済誌国際会議の紹介に掲載(2022/9/15)
5月2日から6日韓国ソウルで開催された第15回世界林業会議。 その報告を林業経済誌(7月号)の国際会議の紹介というページに掲載させていただきました。 同大会の報告は、林野庁のウェブサイトに(当時の次長、今の長官をトップに数人のチームで出席したので)採択された宣言の仮訳も含めて丁寧い紹介されています。→第15回世界林業会議の結果概要について
ただ、日本人で14回に引き続き15回に出席したのはただ一人(多分)、という思いで、勉強部屋にも報告ページを作りました。グローバルな森林政策の方向性ー第15回世界林業大会から(2022/5/15) そして仕上げが、林業経済誌に投稿しました。(了解をえて、pdfデータをこちらに置きます。 研究者の多い、林業経済誌の読者に「グローバルな森林政策の方向性」というタイトルで、しっかり情報発信ができたかな? 原稿にも書きましたが、前回宣言になくて今回の宣言にはいってきたのは、四つのポイント。
特に3番目の木材利用に関しては、日本の取組を世界に発信するという状況になっていると思います。 関心のあるかたはどうぞ→第15回世界林業会議ーグローバルな森林の方向性をしめす chikyu1-44<WFCXVfoeri> いいねボタン |
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文京区の建築紛争ー街づくりの紛争処理と森林づくりの関係(あるかな?)(2022/9/10)
区内のある学校に隣接するところに、巨大なマンションが!(左の図は学校法人桜蔭学園のHPに掲載されているイメージ図から) 東京都から公聴会をするので、意見を言いたい利害関係者は9月9日までに意見を提出してほしい、という告知があったので((仮称)宝生ハイツ建替え計画」に関する公聴会の開催について)、都庁の関係部局に意見を提出しました。 勉強部屋で紹介すべきかどうか?と考えましたが、街づくりと森林づくりの関係については、今までも、日本建築士連合会の元会長ウッドマイルズフォーラム藤本昌也会長から問題提起でをうけていました。 まち再生の議論を早急にー都市が森林・自然を見直すチャンス(2022/4/15) 建築物も森林も私的財産であり社会資本。 「建築物という私有財産であり社会資本であるインフラをめぐっては、当然「それで儲かるのか?もっと儲かる道はないのか!」という所有者や施工関係ビジネスの強い意向をとらえながら、「後世の社会の人たちに「「よいものを作ってくれた!!」と言われる、社会資本をどのようにつくっていくのか?」という建築技術者魂の軌跡。」 今回の建替え計画も、将来の人が「よいものとは絶対言えないものが」、ある人たちの私的利害関係によって計画されている(よくある)状態が、現行の建築基準法体系のシステムで、どのように排除されるのか?あるいは残念ながらまだ排除できないシステムなのか? このページでは、当事者の方たち(私も含めて双方の利害関係者と行政の関係者)には申し訳ありませんが、森林づくりが参考にすべき、街づくりの社会規範をささえる現行制度を、今後(クールに)考えていくきっかけにしたいので、時々フォローしますね。 前置きが長くなりましたが、意見提出の内容と背景を説明します 以下の通り
(意見提出の根拠) 今回の計画は建築基準法第59条2による総合設計制度にもとづく、都市計画の制限である容積制限、高さ制限の緩和に基づいて計画されています。(この場合は400%の容積制限を600%まで緩和) 総合計画制度適用の要件である、敷地内の空地の設置、市街地の環境の整備改善に資する等が満たされれてるかどうかの判断は東京都。その際に東京都建築審査会の議決が必要であり(基準法78条)、公聴会(東京都総合設計許可要綱実施細目)を開催することになっています。 9月14日3時から4時((仮称)宝生ハイツ建替え計画」に関する公聴会の開催について)公聴会が開催されます 公聴会で公述する希望者が提出する意見書です。 kokunai13-4(bunkentiku) |
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民間資金のパワーとリスク・・・ー勉強部屋ニュース277編集ばなし(2022/9/15)
フロントページは、森林・林業・木材産業への投資のあり方ーガイドラインの内容は?資金運用に関心を持っているビジネス関係者がだれでも知りたいテーマのガイドラインが林野庁からネット上に。グリーンエコノミーだといって世界中が森林投資を始めているのに、森林大国の先進国である日本でリードできないのはどうしてなのかな? ガイドラインの内容は、森林づくりの二酸化炭素吸収量の貢献がJクレジットよりすごく柔軟に書かれていいる、というところがポイントですね。今後の課題が記載してあって、よくみると「中間とりまとめ」ですね。今後、しっかりフォローしていきます。 森林づくりのように、民間資金が社会資本に投入される場合のリスクが、建築紛争問題です。文京区の建築紛争問題を勉強部屋に掲載したのは、フロントページが民間資金問題だったこととは直接関係ないのですが、やっぱり街づくりのガバナンスを森林づくりのガバナンスという視点で、問題提起してきた勉強部屋としてはこれもフォローしていきます。 9月3日の今年度第2回ZOOMセミナー、バイオマス産業ネットワーク泊理事長ありがとうございました。 北米から大量に輸入される見込みの木質ベレット問題。勉強部屋ニュース読者でセミナー参加者の中には実際のビジネスにかかわっている方もあり、先進国の米国からのバイオマス燃料がどんな背景なのかこちらも気になっていました。FITというシステムが森林と発電事業ビジネスを結び付けつけた重要性は大切ですが、安定的なビジネス環境が構築され、FITがなくなったときに、FITで供給された燃料が本当に引き続き供給されるのかどうか?(将来のことはわからないというのでなく)、FIT制度を評価する大切な基準だとわかりました。 次号以降の予告、森林総合研究所公開講演会「ネットゼロエミッション達成のための森林の役割」から、ウェビナー 「気候変動シナリオについて世界では今何が議論されているか?、岸田政権の新資本主義と森林のガバナンス、木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、、欧州の炭素国境調整措置の内容、2020年日本の森林吸収量について、土地は誰のもの・森林は誰のもの?ー所有権の相対化議論の行く末と森林 konosaito<hensyukouki> いいねボタン |
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