ニュースレター No.275 2022年7月15発行 (発行部数:1560部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1. フロントページ:自治体が取り組むカーボンニュートラルと森林木材ーもりや市民大学の公開講座から(2022/7/1)
2.  安倍元首相と勉強部屋(2022/7/15
3.  各党の森林政策ー参議院選挙2022各党政策から(2022/7/15)
4. 持続可能な森林経営のための勉強部屋22年度Zoomセミナー第1回御案内(2022/7/15)
5. 令和3年度森林林業白書ーちょっと気になるグリーン成長と木材利用(2022/7/15)
6.  ウッドマイルズフォーラムの活動ビジネスの分野への広がりの可能性ーWMF理事会総会から(2022/7/15)
7. カーボンニュートラルの一か月でした・・・ー勉強部屋ニュース275編集ばなし(2022/7/15)

フロントページ:自治体が取り組むカーボンニュートラルと森林木材ーもりや市民大学の公開講座から(2022/6/15)

6月18日、茨城県守谷市が主催する「もりや市民大学」の公開講座で「カーボンニュートラルな社会と森林や木材の役割ー地球環境問題へ守谷市民のできることは?」というタイトルで話をさせていただきました。

左は、大学のサイトが市民に知らせたイベントの内容で、タイトルは「いま話題のカーボンニュートラルを語る!それは何?市民にできることは?でした。

日曜日の午前中市民会館に50名程度の市民があつまり、松丸市長もおいでになり・・・、カーボンニュートラルという大きな課題に取り組む、自治体にとって、森林や木材がどんな役割ができるのか、できないのか、本当に勉強になりました。概要を報告しますね。

(皆さん、何を聞きにこれたのかな?)

大学の運営責任者、学長さんはちょっとした知り合いで、ニュースレターの読者。森林関係のもと行政関係者に一度登壇してもらったらどうか、ということで、このチャンスをいただきました。

森林や木材の話をカーボンニュートラルCNを切り口にして、話をしようということで、私の話のタイトルを決めたんですが(右の図)、大学のスタッフ方は、「おーカーボンニュートラルCNの話・・・なんだ」、ということで、左のチラシができたんだと思います。(裏話は以上です)

チラシを見ながら、CNしっかり勉強して臨みました。

というこで、自己紹介の前に、上記右の図を紹介しならが、最初の三行で、みなさん、一つだけ関心があるとしたら、どの行ですか?と質問しました。結果、①カーボンニュートラルの社会は?(20人)、森林や木材に役割は?(5人)、地球環境問題へ守谷市民のできることは?(20人)

順番に話の内容を紹介します。(プレゼン資料はこちらにおいておきます

(カーボンニュートラルって何?)

環境省の脱炭素ポータルというサイトでは、「2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。」
と書いてあります
全体としてゼロとは?
左の絵の右側にあるように、右の下にある「ーCO2」って何?

そうです、吸収量ですね。
つまり「全体とてゼロにする」とは
「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します」と(林野庁のサイトでなく)環境省のサイトに書いてあります。
(と本日の話をPR、「CNを知るには森の話が重要です」)
気候変動の話をする時に私が最もインパクトがあった、一枚の図を皆さんに紹介しています。
40万年前からの大気の2酸化炭素の濃度のサイクル。10万年ごとにゆっっくりと循環してきた流れが、200年前から破壊された。
気候変動でどんなことがおこるかわからない面があるけれど、突然循環社会でなくたったことが、はっきりわかる。
どうしても皆でCN
 環境省も経産省も、関係サイトを見ると、50年までにどのようにCNにするか、シナリオができているわけではない。
みんな一緒に考えましょう!!
と言っているんです。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて~地方からはじまる、次の時代への移行戦略~
CNのセッションの最後にもう一枚。どうしもご紹介したかった一枚です。
「カーボンプールCPの形成期は森林が大切な役割を果たした。
化石資源がCPの崩壊期を演出
CP再構成期には再び
森林と木材が主役に」
と、林野庁が言ってる・・・
のでなく
「Buildings as a global carbon sink」という記事が、あの、Nature Sustainability」という有名な学術誌に(Published: 27 January 2020)載っています。
とPR
カーボンニュートラルって何?(まとめのページ)
温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにすること。
排出量と吸収量をあわせて全体としてゼロにすること
市役所と市の企業と市民がみなで協力して全体としてゼロにすること
CNにならないとどうなるの?どうやって、CN実現するの?
干ばつ、豪雨、熱波など異常気象だけでなく、循環しない社会が続く!!
CNへの道筋(みんなで考えましょう!!)
森林とカーボンとの関係は?
森林は、過去に地球のカーボンを制御してきた歴史がある(CP形成期の主役)、CP再構築気に森林と木材が再び主役になるかな?

以上でまえがき部分(皆さんが一番聞きたかった部分)終わり

(世界の森林と日本の森林ー木材を利用するとどんなことになるの?)

いよいよ本論ですね。

世界全体の森林は陸地の3分の1ですが、面積が少なくなりつつあり、世界の森林はGHG排出源。
昔は先進国の発展の基盤づくりに先進国の森林が減っていた(左の図)。
それでは、途上国が発展の基盤づくりに熱帯林を森林を減らすと、地球環境問題が!、という複雑な問題。
難しい問題ですが、海外の森林問題、守谷市民ができることがあります(後述少しお待ちください)
日本の森林は、国土の2/3森林大国で、森林面積は50年間変化がない。
そして森林の蓄積は人工林を中心に増えつつあり、吸収源です。
2020年の2020年度の総排出量は11億5,000万トン(CO2換算、以下同じ。)、前年度比▲5.1%。
2020年度の森林等の吸収源対策による吸収量は4,450万トン。
「総排出量」から「森林等の吸収源対策による吸収量」を引くと11億600万トン(前年度▲6,000万トン)、

すこし、吸収量が減り気味
人工林が高齢化しつつあり、それが、森林の吸収量が下がる一因。

そこで、木をつかって、森林の活力を維持することが大切になっています。
きった跡が、しっかり管理されて、再造林されることが大切ですが・・・
特に建築物のに使われる木は、長年固定されるので大切です。
カーボンニュートラルに関して、建築に木を使うと木の固定量が蓄積されるだけでなく、
鉄やアルミなど他の建築資材が、建築に利用されるまで、大量の温室効果ガスを排出して加工されるのに比べ、木材は加工輸送過程のGHG排出量が少ない、化石資源代替機能というのもあります。
 これから、木材を使おう!とされるとき、一つ注意点があります。
違法伐採問題です
2014年の丸太と製材に係る違法伐採木材の貿易額は世界で63億ドルで、全取引量の11%という報告があります
 違法伐採問題に対処するため、FSCとかPEFCとか民間団体のサプライチェーンの仕組みがあるし、クリーンウッド法の登録制度、業界団体認定制度など、国や業界の努力もあります。
クリーンウッド法が、改訂作業に入りますので、関心を持っておいてくださいね

(カーボンニュートラルに向けて守谷市民のできることー守谷市はすごい!!)

第3部の守谷市での可能性。この部分は私が勉強する部分でした。守谷市の活動パフォーマンスはすごいんです。

全国で、700を超える、自治体が2050年までに、カーボンニュートラルにすると宣言しています。
2050年 二酸化炭素排出実質ゼロ表明 自治体 2022年5月31日時点
守谷市は2年前に宣言、全国で100番目ぐらいのトップランナーです。

「皆さん知っていますか?知らなかった人手を挙げてください!」といったらほとんどの方が手を挙げた。
(カーボンニュートラルに関心があって、日曜日の朝に大学に聞きにきた、方が自分の市のCN宣言をご存じない?!)

最前列においでになった市長は苦笑い。
市が今年の1月に作成した、第二次緑の基本計画
その内容を見ると、都市公園が70ha、公共施設の緑地100ha、河川地区、農用地など法律で規制された緑地が1700ha(その中に森林が192ha)などなど、全市域の45パーセント1700haが緑地なんだそうです。森林は市域全体の5%

緑豊かな守谷市ですね
(都市緑地と都市地域の森林の連携したガバナンス、課題だともいました。多分森林の吸収量の推定などの手法が、都市公園などの緑地ではまだできていないんではないかな?)
令和2年から、国土交通省が「グリーンインフラに関する優れた取り組みの事例を表彰し、広く情報発信することを目的に国土交通省が令和2年度から新たに創設した表彰制度」グリーンインフラ大賞、

第1回グリーンインフラ大賞「国土交通大臣賞」を受賞しています

すごいです

といって、皆さんご存じですよね?
といって手を挙げてもらいましたが、ほとんどの出席者が「初めて聞きました。」
大和総研のサイト、木の校舎から学ぶこと~茨城県守谷市立守谷小学校~という記事が掲載されています。
「木材を活用した学校施設づくり講習会 (主催 文部科学省、後援 林野庁)で見学した、茨城県守谷市立守谷小学校(平成 24 年 7 月完成)に ついて紹介します」
これも、皆さんごご存じない
市町村の木材利用を支援する新たな財源森林環境税・森林環境譲与税ができて、守谷市にも500万円ほどきているので、これを活用して木の建築によるCN、知恵を絞ってくださいね!
東京ガスと、東部ガス、二社と守谷市が一緒になって、「カーボンニュートラルのまちづくりに向けた包括連携協定」を締結したんです

本協定に基づき、カーボンニュートラルへの取組を含めた様々な分野で連携を強化し、ゼロカーボンシティ実現に向けて継続的に取り組んでまいります・・・・
興味津々ですね
他人ごと見たいで済みません
一番最初の方でお話した、熱帯林の減少問題。
その原因の一つが、熱帯産の農産物の生産過程が、熱帯林を破壊している
それで、ゼロでフォレステーション農産物という世界が少しづつ広がっています。
ゼロ・デフォレステーションの取り組み-サプライ・チェーンを通じた途上国の森林減少抑制-
 熱帯林に負荷をかける可能性のあるパームオイルは、スーパーに並ぶ商品の約半分に含まれている
パンや、ポテトチップスなどの加工食品に多く含まれている。食品への利用が全体の8割を占める
その他、食器・洗濯・掃除用の洗剤やシャンプーにも使用され、石けんには主成分として含まれている

RSPO認証製品をチェックして下さい
(第3部のまとめ)
 カーボンニュートラルへの守谷市の素晴らしい取組しています!!(まだ始まりですが)
守谷市の土地の利用と市民と森林のかかわり(グリーンインフラ大臣賞守谷市の素晴らしい取組、市役所緑の基本計画を、温暖化対策計画に入れてくださいね)
守谷市役所の木材利用(守谷小学校の取組、今後は森林環境譲与税というのがあります。)
守谷市民の環境にこだわる消費(木を使う場合、食用油を買う場合などなどゼロデフォレスステーション(森林破壊を避ける)製品を選んでください)
(全体のまとめ)
カーボンプールを作成するのに森林は大切な仕事をしてきた(CP形成期)、再びカーボンプールを再生させるにも森林や木が大切な役割を果たす可能性(CP再形成期)カーボンニュートラルな社会と森林や木材の役割
木を使うことは温暖化対策で重要なテーマ。そのほかにも木が主役になると環境と人に優しい社会をつくることができる。ただ、注意すべきことがあります。
守谷市がカーボンニュートラル実現へ公約。行政と市民と企業が手を取って新しい社会をつくる提案に、皆が注目しています。
緑づくり、木の利用、ゼロでフォレステーションの商品選択等々、今後の挑戦を期待しています
 

(すばらしい!だけどこれからの長い道のり)

楽しい、時間を過ごさせてもらいました。(プレゼン資料はこちらにおいておきます

 次世代に循環型社会をつくるために、2050年カーボンニュートラル社会をつくっる仕事は大切な仕事です。

全国で、700を超える自治体がCN2050を表明しているけれど、具体的にどう進めるかはデザインされていません。皆で考えましょーというところなんですね。

現在脱炭素先行地域というのが、選定にはいっていて、4月に第一回の26件が公表せれています。今後、当然守谷市も先行地域に入ってくることは、間違えないと思います。

市長がおっしゃっていた、「緑あふれる守谷市が新たなカーボンニュートラルを実現!」といったとい熱意に、共鳴しました。

みなさん、どうもありがとうございました。

守谷市の今後の取組、その他の先行地域の取り組みをフォローし、脱炭素先行地域づくりガイドブック等なども、勉強しながら、CNにむけて、緑の吸収源としての取組の可能性を探っていきたいと思います。

kokunai4-49<CNmoriya>

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安倍元首相と勉強部屋(2022/7/15)

安倍元首相が参議院選挙活動中に銃撃され亡くなりました。哀悼の言葉を捧げます。

2006年一次安倍内閣発足から、2020年9月第二次安倍内閣終了まで延べ9年間にわたって日本の行政を仕切った安倍元総理。

国内での実績がどれほど積み上げられたか、ちょっと疑問がありますが、外交の場では「G7サミットなど、首脳が個性で対話をかさねて、信頼を築いて外交につないでいく場、では、真にそれができた数少ないトップだった。歴代首相の中で欧州の人の記憶に残った(数少ない)人であることは間違えない(英国シェフィールド大学ヒューゴドブソン教授(朝日新聞7月10日考論)のだそうです。

「G7と安倍元首相」ということで、勉強部屋の大切なトピックスがあります。

左の図は、以下の勉強部屋の英語のページ掲載されています。

PM Abe promotes Green Fundraising Campaign at G7 summit(April 20, 2020)

2020年4月にオンラインで行われたG7サミットで、胸に緑の羽根をつけて、総理が登場

「安倍総理がG7サミットで、緑の募金キャンペーンを推進!」と勉強部屋の海外の読者に紹介しました。

日本優れた取組を世界へ!

今後とも勉強部屋でも努力していきますので、よろしくお願いします。

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kokunai6-60<PMabe_green>

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 各党の森林政策ー参議院選挙2022各党政策から(2022/7/15)  

7月10日に投票が行われた第26回参議院選挙。

大きな国政選挙は各党の政策力が現れる場です。

恒例となっている、各政党の政策での森林と林業分野の記載状況を、チェックしました。

総務省の第26回 参議院議員通常選挙 候補者・名簿届出政党等情報というページに記載している「届け出政党と政党のウェブサイト」を訪問し、森林林業に関係ありそうな政策に関するテキストをすべて、取り出して記載しています。

(記載されていない政党はそのような政策の記載がなかった、政党です。(もしも、間違えがあったら、ご連絡いただけると、ありがたいです)

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自民党
参院選公約2022決断と実行ー日本を守る。未来を創る
Jファイル

□エネルギー
138 地熱発電・バイオマスの更なる活用
地熱発電を短期間、かつ低コストに、円滑に導入できるよう地元自治体の勉強会、温泉事業者への説明等の地元の理解促進のほか、リスクマネーの供給や掘削に関する技術開発等の取組みを進め、事業者の開発リスクとコストの低減を図ります。
バイオマス発電については、特に国産木質バイオマス燃料の供給拡大に向け、政府と連携して市場取引の活性化の取組みを推進し、燃料費の低減と林業者の経営の安定化の両立を図ります。

□女性活躍
402 地域の「場」での女性活躍
農業委員や農業協同組合、森林組合、漁業協同組合の役員及び土地改良区等の理事に占める女性の割合の向上や女性登用ゼロからの脱却に向けた取組などを一層推進し、地方公共団体、農林水産団体等に対して、具体的な目標の設定や女性の参画を促進する仕組みづくりを働きか

□農林水産
409 食料安全保障の強化
林業・木材産業については、昨年来のいわゆるウッドショックの影響が続く中、海外市場の影響を受けにくい需給構造を実現することの重要性に鑑み、早期に国産材のシェア拡大及び安定的かつ持続的な供給体制の構築を図る対策を講じます。

437 鳥獣被害対策・ジビエ利用の推進
森林・林業においてもシカによる被害が深刻化しており、林業関係者が主体となった広域かつ計画的な捕獲・防除と監視体制の強化を進めます。

442 東日 本大震災及び福島原発事故に係る農林業再生等に全力
福島の森林・林業の再生に向け、「ふくしま森林再生事業」やしいたけ等原木林の計画的な再生等を進めるとともに、木材産業の復興等に取り組みます。

444 森林・林業・木材産業によるグリーン成長の実現
新たな森林・林業基本計画に基づき、カーボンニュートラルを見据えた森林・林業・木材産業によるグリーン成長の実現に向け、再造林の確保や針広混交林等の森林づくり等による森林資源の適正な管理と林業・木材産業の持続的発展を推進します。
地域の森林整備の促進にも貢献する公的主体による奥地水源林の適切な整備、林業公社の経営改善の支援を図るとともに、林道橋等の既存施設の長寿命化に向けた取組みを推進します。

445 森林吸収源対策の推進
パリ協定を踏まえ、森林吸収源対策を推進します。 2030 年度の森林吸収量の目標の達成や2050 年カーボンニュートラルの実現に向け、「伐って、使って、植える」森林資源の循環利用の確立を図るため、国産木材利用の拡大 等の取組みと併せて、路網整備、植林、下刈りや除伐・間伐等に支援する森林整備事業を推進していきます。

446 新技術を活用した林業のイノベーションの推進と「新しい林業」の展開
林業のイノベーションを推進し、林業の生産性を向上させます。特に、航空レーザ計測等による森林資源情報等のデジタル化や ICT 等を活用した適切な生産流通管理、機械の開発等による林業作業の省力・軽労化、エリートツリー等の活用や苗木の安定供給等、新たな技術を活用した革新的な林業に取り組みます。
また、地域一体となって資源管理・生産管理・通信・人材育成等にスマート・デジタル技術をフル活用する取組みを進めます。
伐採から再造林・保育に至る収支をプラス転換する「新しい林業」を実現するため、新たな技術の導入による「新しい林業」経営モデルの構築、経営力の向上、労働安全強化対策等の取組みを推進します。

447 花粉発生源対策の推進
花粉症ゼロ社会を目指します。花粉症対策苗木への植替えや広葉樹の導入、花粉飛散防止技術の開発・実用化などを推進します。

448 林業を支える多様な担い手・人材育成
「緑の雇用」や緑の青年就業準備給付金により若い新規就業者の確保と定着を図り、森林総合監理士(フォレスター)、森林プランナー、オペレ ーター等林業技術者・技能者の育成を推進するとともに、森林組合、林業事業体、自伐林家など多様な担い手の育成、造林に係る林業経営体の新規立ち上げ等を促進します。

449 森林の経営管理の集積・集約化
森林環境譲与税も活用し、森林経営管理制度により林業経営者に森林の経営管理の集積・集約化を進めます。また、森林環境譲与税等を活用して路網整備・間伐等の森林整備の更なる推進を図るとともに木材の需要拡大等を進めます。
更に、森林経営管理制度を円滑に推進するためには、担い手の中核となる林業経営者の育成が重要であるため、国有林野の一定の区域で、公益的機能の確保や地域の産業振興等を条件に
一定期間・安定的に樹木を採取できる樹木採取権制度の活用を図ります。

450 国産材の安定供給体制の構築(ウッドショックへの対応)
ウッドショックやウクライナ情勢の影響により輸入木材の供給リスクが顕在化したことを踏まえ、輸入木材からの転換も含めた国産材の安定供給体制の構築を推進します。具体的には、森林所有者等の原木供給サイドと製材業者、工務店等との需給情報の共有、輸入木材の不足への対応も含めた国産材の供給力強化に資する木材加工流通施設の整備、 効率的なサプライチェーンの構築を進めます。
また、国産材を低コストで安定供給するため、「森林経営管理法」に基づく経営管理の集積・集約化、森林経営の高度化、路網整備、高性能林業機械の導入、急傾斜に対応した架線系集材技術の開発・普及、伐採と造林の一貫作業システムの導入、コンテナ苗の活用等を積極的に進めます。

451 「都市 まち の木造化推進法」に基づく国産木材利用の拡大
森林・林業・木材産業によるグリーン成長を実現し、森林所有者や原木の生産者の所得の増大と地域の雇用の拡大を進め、山村の振興を図るため、国産木材の自給率 5 割を目標に木材の利用拡大に総合的に取り組みます。
①住宅における木材利用
国産材需要の約半分を占める住宅分野において、梁や桁など国産材の利用が低位な部材での国産材シェアを高めるとともに、工務店と林業・木材産業関係者の連携による国産材を活用した住宅づくりを推進します。
②非住宅・中高層分野等における木材利用
「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木 材の利用の促進に関する法律」(通称:都市(まち)の木造化推進法)に基づき、公共建築物(学校など)における木材利用の徹底と支援、民間建築物における木材利用を促進します。
建築物への木材利用促進に当たっては、建築物木材利用促進協定制度を活用するとともに、経済界等の協力を得て、都市等において、非住宅や中高層建築物への製材や CLT (直交集成板を含めた木材の利用拡大を促進するとともに、JAS 無垢材の利用拡大に取り組みます。
加えて、耐火木材などの新たな木材製品・部材の開発・普及を併せて推進し、木材利用が低位なオフィ スや店舗、工場、倉庫、事務所、工作物(ガードレールなど)等での木材の利用拡大に取り組みます。災害公営住宅への国産材の積極的な利用を図ります。
③国民運動による木材利用の促進
心理面・身体面の効果など木材の良さを発信するとともに、国民運動としての木材利用促進に取り組みます。

452 合法木材の利用促進
「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(クリーンウッド法)に基づき、登録木材関連事業者の増加により合法伐採木材の利用を徹底するとともに、木材生産国における流通実態等の把握を進めるなど、地球温暖化防止等に資するための合法木材の利用促進に向けた取組みを強力に推進します。

453 国産木材の輸出促進
農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に基づいて、木材の輸出を推進します。特にジャパンブランドの確立や川上から川下までの企業が連携した輸出産地の育成、国際競争力の高い生産体制実現のための加工・流通施設の整備 等を通じて、海外市場で求められる付加価値の高い木材製品の輸出拡大を進めていきます。

454 木質バイオマス利用の促進
山村地域の雇用と所得の拡大、山元への還元を確実にし、山村地域の活性化を図るために、地域の関係者の連携のもと、熱利用または熱電併給により、森林資源を地域内で持続的に活用する「地域内エコシステム」を構築し、木質バイオマスのエネルギー利用を促進するとともに、セルロースナノファイバー、改質リグニンなどのマテリアル利用を積極的に促進します。

455 森林所有者と境界の明確化
施業集約化、外国資本等による森林買収の防止等を図るため、「森林法」や「森林経営管理法」の規定を活用しつつ、市町村による林地台帳の整備、森林所有者に対する経営管理の意向調査、ICT 活用による森林情報の整備、地籍調査の加速化、森林所有者と境界の明確化等を推進します。

456 山村振興対策の強化
森林の多面的機能の発揮を支える山村の地域活動や林家の取組み(森林の管理、侵入竹への対応等)を総合的に支援します。
人口の減少と高齢化の進展、生活利便性の低下、鳥獣被害の激化等に鑑み、山村の維持・活性化に必要な観点から「山村振興法」に基づき、地域資源の活用に向けた交付金等により、山村活性化の支援を推進します。
きのこ、薬草、木炭など高収益や多様な利用が期待される特用林産物の生産・流通・販売体制の支援を強化します。加えて、健康・観光・教育など様々な分野での森林空間の活用を推進します。また、 J クレジットの普及拡大に向けた制度見直しを進め、森林由来クレジットの創出と幅広い企業等の需要拡大に取り組み、持続的な林業経営への貢献を 図ります。

457 国民参加の森林づくりの推進
森林・林業への国民理解の醸成、木材利用の促進の観点等も踏まえ、植樹活動等の国民運動を展開します。企業や NPO のネットワーク化などを進め、多様な主体が参加した森林づくりを推進します。

458 災害に強い森林づくり
近年頻発している集中豪雨や流木災害、地震等による激甚な山地災害から、国民の生活と暮らしを守るため、航空レーザ計測による崩壊危険地の詳細把握、治山施設等による荒廃地の早期復旧や予防対策、流木災害を防止する治山ダム等の整備、針広混交林等への誘導、海岸防災林の整備、間伐・再造林や代替路機能も有する林道の整備など、災害に強い健全な森林づくりを進めるとともに、特に早急に治山対策や森林整備等が必要な危険地区等において、 5 か年の加速化対策を実施し、緑の国土強靱化を推進し
ます。

□環境
571 カーボンプライシング
企業の予見可能性を高めつつ、成長やイノベーションを促進する成長志向型のカーボンプライシングを最大限活用します。
自主的取引にとどまることなく排出量取引および炭素税などの全体を視野に入れた制度設計を行います。こうしたことも念頭に置きつつ、価格シグナルの見通しや脱炭素投資支援策も含めたロードマップを年内に策定します。

572 生物多様性保全に向けた国際的リーダーシップの発揮
2010年に日本で開催され、 CBD COP10 (生物多様性条約第 10 回締約国会議)で採択された愛知目標を継ぐ新たな世界目標( 2022 年夏頃に決定見込み)の策定および実施に積極的に貢献します。新たな生物多様性国家戦略を策定し、国立・国定公園の拡充等や 生物多様性保全に貢献する区域( OECM )の設定・管理等により、陸地及び海洋の保護・保全区域を 2030 年までに 30 %以上まで増加させる「 30by30 」の実現に向けたロードマップを着実に実行します。これらにより、森林のみならずブルーカーボンも含めた吸収源の確保や気候変動適応に貢献する取組みを進めるとともに、生物多様性先進国を目指します。

□復興の加速
606 地域経済の再生
平穏な生活を送る上で不可欠な生業の再建、地域経済再生の核となる地場産業の復興・成長の道筋を定めるため、必要な対策への取り組みを強化します。まず、自立的で活力ある地域経済を再生する ため、水産加工業、食品製造業、ものづくり産業、農業、林業、漁業、観光業等、主力産業の成長を促進、なかでも売上げの回復を着実なものとするため水産加工業や食品製造業の販路回復については重点的に取り組みます。

公明党
参院選政策集_日本を前へ

4 デジタルで拓く豊かな地域社会
④未来の農林水産業の構築
●担い手への農地集積・集約化を加速するため、農地の大区画化や汎用化を図るとともに、農業者等により設立された小規模な団体(土地改良区)が一般社団法人等に移行する際の支援を進めます。また、地震や集中豪雨等による災害を防止するため、ため池など農業用水利施設の強靱化、田んぼダムの拡大、森林・林道・治山施設の整備、防波堤等の津波対策等を加速します。
●市町村における森林整備や木材利用等を促進するため、都道府県など広域連携での取り組みや複数市町村での取り組みなど優良事例の周知・広報を強化するとともに、森林環境譲与税の活用をさらに進めます。

6 国民の生命と暮らしを守る『防災立国』へ
①甚大化する風水害に強い国づくり
●洪水の調節機能を強化するため、遊水地や調節池等を整備するとともに、治水ダムの活用だけではなく、利水者と協力・連携し利水ダム等を活用した事前放流等の洪水調節の取り組みを進めます。また、緑地や水田(田んぼダム)、ため池、森林など雨水貯留浸透機能を活用したグリーンインフラの取り組みを推進します。

7 気候変動対策・持続可能な地球環境へ
①気候変動対策の推進
●森林の適切な管理と森林資源の持続的な利用を一層推進するため、エリートツリー・早生樹の普及や高性能林業機械等の新技術を取り入れるとともに、伐採から再造林・保育までの取り組みを確実に実施します。また、再生可能エネルギーの利用促進の観点から、木質バイオマスの発電等の適正な利用を促進し、生物多様性の保全及びゼロカーボンや「カーボンマイナス」の実現に貢献する森林吸収源対策を推進します。

立憲民主党
立憲民主党政策集2022 もっとよい未来を

◎東日本大震災からの復興ー原子力災害被災地域の復興に向けて

〇森林・林業の再⽣
● 森林と林業・⽊材産業の再⽣に向けて、「ふくしま森林再⽣事業」を引き続き継続するとともに、対象地域を県内全域に拡⼤します。
● ⾥⼭再⽣モデル事業の検証を踏まえながら、除染や森林整備など⾥⼭の再⽣に国が責任を持って取り組みます。
● 野⽣きのこや⼭菜については、新たな検査技術の開発などに取り組み、基準値を下回るものについては出荷が可能となるよう、さらなる検討・研究を進めます。


◎総務・地⽅分
〇地方税財政
● 森林環境譲与税について、⾃治体と協議を進め、林業需要の⾼い⾃治体への譲与額を増加させる⽅向で⾒直します。⼈件費や測量等に充当できるよう使途を拡⼤します。


◎国⼟交通・沖縄北⽅P210
⾃然との共⽣
〇森林
● 「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における⽊材利⽤促進法」を⽣かし、公共建築物の⽊造建築化をさらに推進するとともに、⽇本の森林を守り持続可能な林業経営を可能とするため、国産材(地元材)による道路の⽊製ガードレール化など、公共事業での⽊材活⽤を推進します。
● ⽊材を建築材として活⽤するだけでなく、未利⽤森林資源の活⽤、間伐材等の端材を原料とするバイオマス発電と熱供給、⽊材ペレットに成型した熱エネルギー利⽤の促進や、森林資源からプラスチック代替材やバイオエタノールを⽣産する等の施策を進め、⽯油産業に代わるバイオマス産業の基盤を構築します。

◎農林水産業
〇農林⽔産業の基本的考え⽅
● わが国の農林⽔産業は、国⺠の⽣命と⽣活を守る基盤です。国⺠が⽣きるために不可⽋な⾷料を安定的に供給するとともに、国⺠⽣活の安定に⽋かすことのできない国⼟・⾃然環境の保全、集落の維持・発展、地域⽂化の伝承等、各般にわたる機能を発揮しています。こうした重要な役割を担っている農林⽔産業の経営の持続的かつ安定的発展を図るとともに、農業、林業および漁業が有する多⾯的機能を⼗分に発揮させ、その役割を⼀層強化することを基本として諸施策を展開します。
農⼭漁村機能の維持・地域の活⼒等
● 農地の利活⽤、維持管理を徹底するためには、農業者が農村に定住することが重要です。そのため、多⾯的機能⽀払、中⼭間地域等直接⽀払、環境保全型農業直接⽀払を統合し、⾷料安全保障や環境保全、中⼭間地域を⽀える観点で⾒直しを検討するなど、新たな直接⽀払制度を創設します。これにより農業・林業・漁業の振興を図り、農⼭漁村が持つ多⾯的機能の発揮・強化を図り、国⺠全体へ恩恵をめぐらせます。

〇森林・林業・林産業
林業の多⾯的機能の発揮と保全
● 森林の健全な状態での維持は、国⺠⽣活および国⺠経済全体に多⼤な利益をもたらします。このため、森林経営者や林業従事者の所得を安定・向上すること等により、健全な林業経営を継続するとともに、社会全体で森林づくりを⾏うとの考え⽅の下、所有者不明森林の管理保全を含め、地元の森林組合および市町村、国および都道府県が、公的役割を連携・活⽤して実施する体制をさらに強化します。
● 豪⾬災害による⼭腹崩壊の早期復旧および⼭地防災⼒の強化のため、森林経営者が受けた損害の救済対策、森林⼟⽊事業等を拡⼤実施し、あわせて、森林の適正な保全に⽀障を及ぼす開発⾏為等についての規制を強化します。
● 森林を適切に管理・保全することにより、⼟砂災害の防⽌や⽔源のかん養など、森林の持つ多⾯的機能を向上させます。森林・林業再⽣プランに基づき、⽊材の安定供給の強化、国産材の利⽤促進を図り、また、フォレスター(森林総合監理⼠)、森林施業プランナーなどの⼭の専⾨家の育成等を⽀援します。
● 間伐、主伐後の造林等適切な森林管理を実施する者に対する直接払い制度を維持・拡充し、「⽊材⾃給率50%」を⽬指します。また、国産材の価格を低下させる要因の⼀つでもある違法伐採⽊材の⽇本市場への流通を阻⽌するため、クリーンウッド法の実効性を評価し、効果向上に向けた検討を⾏います。
● 森林環境税のさらなる有効な活⽤に向けて検討し、森林吸収源対策のための諸政策を拡充します。
林業所得の安定・向上
● わが国の林業は、⼩規模・零細な所有構造であり、多⾯的機能の発揮に対する⽀援を⾏いつつ、複数の森林所有者が⼀体となって主伐、再造林および保育等の循環型森林施業を実施する体制を構築していきます。
● 林業の担い⼿を育成・確保し、安全労働環境を整備し、雇⽤の安定および⾼齢者の⽣きがいある働く場を確保するとともに、林道・森林作業道の整備、林業機械の活⽤および優良種苗の確保等、総合的施策の展開により堅実かつ安定的な林業構造を確⽴し、林業所得の安定・向上を図ります。
〇⽊材産業の振興
● 路網整備や⾼性能林業機械導⼊への⽀援、販路開拓など流通ルート各段階における⽀援の強化、森林施業集約化をさらに進め、森林環境の保護と再造林の確保等、林業振興を⼀体的に推進し、林業の発展と雇⽤の拡⼤を図ります。その際、林業の労働安全衛⽣の徹底を図ります。
● 国産材供給量、⽊材需要量ともに年々回復傾向にある中で、わが国の⽊材⾃給率は、着実に上昇を続けています。⽊材の利⽤は、快適で健康的な住環境を形成するだけでなく、⼭村経済の活性化、森林の多⾯的機能の持続的発揮に寄与しており、今後もさらに森林・林業に関する国⺠の理解を深めつつ、公共・⾮公共建築物の⽊造化の推進、CLT(Cross Laminated Timber=直交集成材)の活⽤、⽊造住宅ポイント制度の推進などにより、⽊材利⽤を促進します。
● ⽊材産業は原⽊の購⼊を通じて⼭村や森林の整備を⽀え、また、需要者のニーズに応じた⽊材製品の供給によって⽊材利⽤を推進するという重要な役割を担っており、今後も⽊材産業への原⽊の安定供給体制を強化するため、林地と施業の集約、再造林体制の強化、林業と⽊材産業との川上・川中・川下の連携等を推進し、⽊材の安定供給と国産材の利活⽤を促進します。
● 「植える→育てる→使う→植える」という森林資源の循環を維持するため、川上(森林所有者・素材⽣産業者)と川中(⽊材流通業者、⽊材加⼯業者)・川下(⼯務店・住宅メーカー)との連携強化等により需給変動に的確に対応できる国産材の安定供給体制を整備し、⽊材価格の安定と川上への着実な収益の還元を図ります。
● 適正に管理された森林から産出した⽊材を認証する「FSC」「SGEC」制度を推進するとともに、違法伐採⽊材の市場流⼊を防⽌します。

〇⼭村の活性化
● ⼭村は、林業者が安定的に経営を営み、地域住⺠が定住し、森林の多⾯的機能を発揮する重要な場です。⼭村振興のため、森林資源の循環利⽤による林業経営の維持安定および⽣活環境の整備を図ります。
● 地域住⺠が⾥⼭林の保全管理に関わり、森林・⼭村を観光資源として活⽤しつつ環境教育・体験活動の場とし、都市との交流を進める体制を整備することにより、国⺠全体の森林への理解を深め、あわせて地域住⺠の定住促進を図ります。
国有林野の役割
● 国有林は、わが国の国⼟⾯積の2割、森林⾯積の3割を占め、その9割は「⽔源かん養保安林」等の保安林であり、公益的機能を果たす国⺠共有の重要な財産です。国有林野事業については、国⺠の安全・安⼼を確保するための公益重視の管理経営を推進し、その組織⼒、技術⼒を⽣かして、国有林野の荒廃地や保安林を整備するとともに、⺠有林と⼀体となって災害復旧、被災地域の⽀援を⾏い、また、林業の低コスト化等に向けた技術の実証・普及、⼈材の育成を⽀援します。● 国有林野の活⽤により、林産物を計画的・安定的に供給し、地域経済
の振興、住⺠⽣活の向上に寄与するよう⽀援していきます。
● 国有林野職員について、⾃律的な労使関係の下で労働関係の調整が⾏われてきたことに鑑み、引き続き労使関係を円滑に調整するため、国家公務員制度改⾰による⾃律的労使関係制度が措置されるまでの間、暫定的に、労使関係に関する従前の法律関係を確保するための措置を講じます。

輸出・経済連携・貿易協議
● 農林⽔産物輸出を促進し、農業における「グローバルG.A.P.」(農業⽣産に関する国際基準)、⾷品加⼯業における「HACCP」、林業における「FSC」、漁業における「MSC」「ASC」などの農林⽔産分野の国際認証取得を推進します。

国民民主党
給料をあげる、国を守る

自分の国は自分で守る
①食料安全保障と「農業者戸別所得補償制度」再構築
■林業の活性化・花粉症対策
国民の約3割が罹患しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採•利用·植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。また、国有林・民有林において、公益的機能を維持しつつ、木材の安定供給を図り、木質バイオマスや木製サッシの推進を含めた住宅などへの国産材の活用や、海外への製材輸出を促進し、ドイツのような林産業大国をめざします。

日本維新の会
改革。そして成長

□成長戦略:エネルギー政策
215太陽光、風力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーの導入については、障害となる規制の見直しを不断なく行うとともに、地域社会がうるおう仕組みづくりを構築することにより、地方経済の活性化を図ります。
□成長戦略:農林水産業
258 国産材の需要拡大を図るため、国産木材の積極的な活用を支援し、森林の適正な保全に繋げます。
□危機管理・防災インフラ
363土砂災害を誘発する放置人工林を自然林に戻すべく、間伐と広 葉樹の植栽を推進します。

社民党
【参院選2022】選挙公約

4.地球環境と人間の共生
22)新自由主義的な農政から転換し、食料自給率50%を達成します。農家の戸別所得補償制度を復活させ、小規模農林漁業を守ります。種子法の復活や種子条例の制定を推進します。

水産業も林業も企業化し大手に参入させ、大規模化、生産性向上を追求しようとするだけで、持続可能な形で農業や農村を維持しようという発想がないのです。規模拡大と効率向上を求め、小規模な農家をどんどん淘汰していった先に、日本農業の未来はありません

日本共産党
参議院選挙政策ー平和でも、暮らしでも、希望がもてる日本に

2、物価高騰から生活を守る─弱肉強食の新自由主義を転換して「やさしく強い経済」に。
(1)消費税を5%に緊急減税・インボイス中止、暮らしと営業をささえる政治に
農林水産業を基幹産業に位置づけて振興し、食料自給率を引き上げます
─国土の面積に対して世界第2 位の森林率をほこる日本で、気候変動対策にも資する林業の健全な発展を図り、国産材の供給・利用の拡大を図ります。

各分野の政策

32、森林・林業

□政府の「林業成長産業化」路線を転換し持続可能な林業をめざします

 我が国の森林は、国土面積の3分の2を占め、木材の供給とともに国土・環境の保全、水資源の涵養、生物多様性など公益的な機能を有し、国民生活に不可欠な役割をはたしています。またCO₂の吸収・固定による地球温暖化防止への寄与など「脱炭素社会」の実現にも欠かせない資源です。 

 この大事な役割をもつ森林を歴史的に維持・管理してきたのが林業です。我が国の林業はいま、歴代政権の外材依存政策のもとで木材価格の低迷が続き、林業労働者が減少するなど、危機に瀕しています。それに拍車をかけているのが、自公政権による林業の「成長産業化」路線です。森林の多面的な機能を著しく軽視し、大規模化した合板・集成材企業やバイオマス発電企業に安価な木材を大量に供給することを優先したもので、森林所有者の「成長」ではありません。国有林・民有林問わず、植林後約50年(標準伐期齢)の森林を大規模に皆伐(一斉伐採)を推進していますが、伐採後の再造林はすすんでいません。

 政府は、21年6月「森林・林業基本計画」を改訂し、「成長産業化」からカーボンニュートラルに寄与する「グリーン成長」に変更しましたが、実態を無視した経営規模拡大の推進など「成長産業化」路線を推進するものとなっています。森林所有者や林業関係者からは、大量伐採による木材生産の供給過剰を作り出し、ただでさえ安い木材価格をさらに引き下げ、自然破壊をおしすすめるものだと批判が高まっています。

 政府は、標準伐期(約50年)での伐採は、森林の循環を作るうえで妥当としています。しかし、50年程度の森林はなお成長する若い森林であり、150年前後まで成長が続き、多面的機能も向上すると指摘されています。標準伐期齢での主伐は、多面的機能発揮にも反し、優良な資源づくりを放棄するだけでなく、資源の再生を困難にさせます。

 いま必要なのは、安価な木材を大量供給する「成長産業化」路線を転換し、持続可能な森林づくりをすすめることです。国産材の利用と森林の公益的機能の持続的な発揮は、森林・林業者だけでなく、国民共通の願いであり、国際的な合意でもあります。

 植林後50年程度で伐採する短伐期一辺倒を見直し、地域の森林資源の実態に対応し、長伐期や複層林など多様な施業方式を導入し、持続可能な林業にとりくみます。

〇森林生体系や自然環境の保全を最優先する林産物貿易ルールめざす―――

丸太や製材品などの林産物は、WTO(世界貿易機関)協定では、自動車や電化製品と同じ「鉱工業製品」扱いになっていますが、多くの国が林産業育成や環境保全などのため、丸太の輸出規制を行っており、実質的に自由貿易品目でなくなっています。森林生態系や自然環境は、人間の生存にかかわる問題であり、市場まかせにする時代ではありません。

 輸出国主導のWTO体制を見直し、森林生態系や自然環境の保全を最優先する林産物貿易ルール、各国の経済主権を尊重した森林・林業政策を保障することを世界に提起します。

 日欧EPA、TPP11が発効し、かろうじて残されていた製材や集成材などの関税が毎年引き下げられ、5年後に撤廃されてしまいます。そうなれば、合板・集成材や燃料材などの国内の大規模製材所、木材産業が、国産材価格の引き下げ圧力を強めることは明らかであり、森林所有者と地域経済への影響はさけられません。日欧EPA、TPP11の離脱を要求します。

〇「ウッドシヨック」に対応できる国産材の安定供給体制を確立する―――

米国内で新型コロナ禍により木材製品の生産が減少する一方、過去最低の住宅ローン金利による住宅建築ブームで膨大な製材品需要が発生し、21年5月には、製材品価格が1年前の3倍に高騰する「ウッドショック」が起こりました。さらに今年の1月からロシアの丸太輸出禁止に加え、ロシアのウクライナ侵略による経済制裁によって製品輸入もできなくなっています。その影響は、外材に依存する日本国内の建築・住宅業界にも及び、中小工務店が製材品の入手難や価格高騰により、建築の延期や工事の遅れを余儀なくされる事態が広がっています。こうした事態を繰り返さないよう国産材の安定供給体制を確立することが必要です。

 当面、木造住宅の構造部材で輸入依存度の高い横架材(梁、桁)を国産材に切り替えていくため、国産材の横架材利用に向けた取り組みの強化や技術開発への支援をはかります。

〇地域の実態に即した産地づくりにとりくむ―――
わが国の森林は、亜熱帯から亜寒帯まで分布し、植生も多様です。地域ごとに異なる歴史や自然的、社会的条件を持っており、画一的、効率一辺倒な政策ではなりたちません。林業、素材生産、製材・加工、工務店などが参加する地域の林業振興のための共同のとりくみ(森林管理委員会等)を広げ、地域の実態に即した産地づくりを支援します。

 林業の基礎となる林地の地籍調査は4割台にとどまり、事業の障害になっています。地籍調査と境界確定を促進し、地域の森林資源の実態に即した多様な施業方式の導入など地域林業の育成をめざします。

〇持続可能な森林づくりに取り組む自伐型林業を支援する―――
自己所有や所有者から管理を受託して、間伐や択抜(樹木の抜き切り)を繰り返し、森林資源の蓄積量を増やすとりくみをすすめている自伐型林業が注目されています。自伐型林業は、従来型の大規模林業と違い、多くの林業従事者を生み出しています。現に都市部から、Uターン、Iターンにより人口減少がすすむ中山間地の市町村に移住する、比較的若い世帯が増加しています。森林を活用する「地方創生の鍵」として期待され、53を超える自治体が独自の支援策を講じています。自伐型林業を担い手して位置づけ、森林・山村多面的機能発揮対策交付金の拡充など支援します。

〇地形や自然環境に配慮した林道・作業道の整備、架線系システムの継承発展にとりくむ―――
生産基盤となる林道や作業道の路網整備が大きく立ち遅れています。路網整備では、生態系や環境保全に配慮した技術を確立し、災害に強い路網整備をすすめます。昨今の豪雨災害による山地の崩壊の原因に、高性能林業機械による大規模伐採が原因でないかとの指摘があります。山地崩壊をさせない地形や自然環境にあった技術の開発を国の責任ですすめます。また、急傾斜地では、林地保全などから架線集材システムが有効です。集材機の開発や技術者を確保し、技術の継承、発展をはかります。

〇林業就業者の計画的な育成と定着化の促進、就労条件の改善にとりくむ―――
林業は、森林の多面的機能や生態系に応じた育林や伐採などの専門的知識や技術が必要です。基本的技術の取得を支援する「緑の雇用」や「緑の青年就業準備給付金」事業の拡充や事業体への支援を強め、系統的な林業労働者の育成と定着化にとりくみます。

 また、安全基準などILOの林業労働基準に即した労働条件や通年雇用、月給制の導入など労働条件の改善にとりくみ、安心して働ける環境をつくります。

〇広葉樹の有効利用をすすめる―――
広葉樹は、雑木として位置付けられているため、消費の約8割がチップ用となっています。一方で、広葉樹材の輸入困難から家具生産が減少しています。広葉樹材の自給率は、約1割(2015年)です。家具や建築などへの利用をすすめるため、広葉樹資源の調査をすすめ、素材生産や流通体制の整備などを支援します。

〇再造林は適地適木ですすめる―――
近年、主伐面積が増加していますが、伐採跡地への再造林は、約3割にとどまっています。苗木の供給体制を強化するとともに再造林コストの引き下げにとりくみ、再造林未済地を早期に解消する対策を強化します。国有林・民有林を含め、土壌・適木調査が実施されており、再造林は適地・適木ですすめます。

〇国産材のカスケード利用にとりくみ、木質バイオマス発電のやり方を改める―――
良質材から低質材まで、建築材や木製品、紙製品、エネルギーなど100%有効に利用するカスケード利用にとりくみます。

 固定価格買取制度で、木質バイオマス発電が一番高い価格がつけられたことに乗じて大型の木質バイオマス発電所の建設が相次ぎ、製材として利用できる木材まで燃やされています。これでは、木材資源の浪費です。国内材の活用となる林業の振興と森林の育成を基本に、それと合致したバイオマス発電を推進します。

〇災害による山地崩壊や施設被害の復旧に全力でとりくむ―――
近年、全国各地で地震や豪雨による大量の流木や山地崩壊、施設などの被害が頻発しています。林野庁の災害情報によると、毎年1万ケ所以上にのぼります。荒廃林地や施設被害の全面復旧、流木による二次被害防止対策などにとりくみます。

 地域材を活用した仮設住宅や復興住宅の建設に力を入れるなど、地域の森林・林業の再生のとりくみを支援します。

〇シカ等の野生獣による食害や病虫害害対策にとりくむ―――
シカなどによる食害やナラ枯れなどの被害は、年間8000haに及び生態系の破壊など人間生活にも影響を与えています。野生獣の防除と捕獲、個体数の管理や病虫害の効果的、効率的な防除技術の開発をすすめます。捕獲した野生獣の食肉流通対策を支援します。

〇特用林産物の振興や都市住民との交流などで就労機会の確保をはかります―――
きのこや山菜など特用林産物の生産振興や加工・販売などにとりくみ、自然環境を活用したレクリエーション、保健・休養など都市住民との交流などのとりくみをすすめ、就労機会の確保をはかります。

〇市町村や森林組合への支援を強める―――
市町村は、2019年に成立した森林経営管理法によって、森林・林業の基本となる「林野台帳」の整備や森林整備計画の樹立、民有林の経営管理権の設定などが義務化され、地域の森林管理のとりくみが求められています。何よりも森林所有者の意欲を引き出すとりくみが求められます。専任の職員を配置できないような市町村も多く、森林・林業行政全般の研修など、林務職員の育成・確保をはかれるよう市町村への支援を強めます。

 また、森林組合は組合員の所有面積は私有林面積の7割を占め、地域の森林整備の中心的な役割を担っています。森林組合は組合員の要求をくみ上げ、市町村や地域の素材生産や製材業などと連携し、地域林業の確立のために積極的な役割がはたせるよう支援を強めます。

〇森林のCO₂吸収力を評価した排出量取引で山村地域と都市部の連携を強める―――
国内のCO₂排出量の削減を促進するために、森林の整備によるCO₂の森林吸収量と、化石燃料の木質バイオマスを使うことによるCO₂排出量の削減量を評価して、都市部の企業や自治体の排出削減のとりくみにおけるカーボン・オフセット(炭素排出量の相殺)に活用する制度を本格的に導入し、植林・間伐などの森林整備の資金を生み出します。

〇森林環境税・森林環境譲与税を見直す―――
森林環境税は、森林経営管理法に基づき、地方自治体が新たに行う事務や事業の財源に充てるため森林環境譲与税として配分されます。

 この税金は、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて、取り続けるもので、森林の吸収源対策や公益的機能の恩恵を口実に、国やCO₂排出企業が引き受けるべき負担を、国民個人に押し付けるものです。

 2019年から森林環境譲与税は自治体への交付が始まっていますが、交付基準の人口指標が林業従事者の割合よりも高くされたことで、私有人工林がない都市部に多額に配分される問題等があります。

 森林を有する自治体が、体制整備や森林整備に活用できるように交付基準を見直します。森林環境税・森林環境譲与税は、森林整備に安定的な財源確保策としてふさわしいのかと林業経営者からも疑義が示されています。安定的な財源である国の一般会計における林業予算の拡充を求めるとともに、需要のある自治体への地方交付税の拡充を求めていきます。

〇放射能汚染の継続的な調査をすすめる―――
東日本大震災の原発事故から11年、森林の除染は、住宅、農地の周辺部以外、対象にならないため、森林内の放射能セシウムの多くは土壌に分布しています。樹木の汚染は樹種や調査地点によって異なっています。汚染地域における適切な森林管理、安全な木材利用のため、放射能汚染の継続的な調査をすすめます。

〇国有林を国民の共有財産として持続的な管理経営にとりくむ―――
国有林は、国土面積の2割、森林面積の3割を占め、奥地山岳地帯や水源地帯に広く分布し、9割が保安林に指定され、国土・環境の保全や林産物の供給、山村地域の振興など国民生活にとっても重要な役割を担っています。

 これらの役割を確実に実行していくため、国有林にかかわる情報や資料を公開し、事業の計画段階から、自治体・住民、国民との連携をはかり、地域の経済や雇用に配慮した、持続的な管理経営にとりくみます。

以上

過去の選挙の各政党政策リストの中の森林林政策

総選挙2021各党の政策の中の森林林業政策(2021/10/15) (2021/10/22訂正)
各党の森林政策ー参議院選挙2019各党政策から(2019/8/15)
総選挙2017各党の政策と森林林業政策(2017/11/25)
参議院選挙2013各党のマニフェストから (2013/7/27)
総選挙のマニフェストと森林林業(2012/12/25) 
参議院選挙2010各党マニフェストから (2010/7/18)
参議院選挙各政党マニフェスト森林政策部分 (2009/8/15)
参議院選挙と各党の森林林業政策
 (2007/8/12)

kokunai6-51<saninsen2022>

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「持続可能な森林経営のための勉強部屋22年度Zoomセミナー第1回御案内(2022/6/15)

第1回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナー

タイトル:木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題の所在

ゲスト:(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会加藤鐡夫顧問

日時:7月30日(土曜日)14時から

第1回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナー

タイトル:木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題の所在

ゲスト:(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会加藤鐡夫顧問

日時:7月30日(土曜日)14時から

持続可能な森林フォーラムでは、皆さんとのコミュニケーションを双方向で深めていくため、ゲストをむかえて、Zoomセミナーを今年も開催します。

今年度、第1回目は、ゲストに、元林野庁長官、(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会JWBA顧問加藤鐡夫氏をむかえ、「木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題」につい意見交換をさせていただくことになりました!!

みなさん、ご案内のように、木質バイオマスエネルギー利用のGHG削減効果について議論されるケースが多くなり、木質バイオマスはカーボンニュートラルでない、石炭より悪い、などなど「厄介な問題」といわれています・・・今回、登壇される加藤さんはJWBAのサイトに最近木質バイオマスエネルギー利用に関する懐疑論についてという論説を公表し、議論がうまく噛み合うように努力されています。

勉強部屋としても、環境と木材利用に関する議論の広がりを受けて、木質バイオマスエネルギーは厄介な問題を抱えている!?ー課題と期待(2022/4/26)、森林バイオマスはカーボンニュートラルか?500名以上の科学者が日本政府に(も)書簡(2021/3/15)など、真面目に(?)フォローしてきましたが、今回のイベントの準備過程で、すこしフォローの仕方が不十分なのでないか?と指摘される局面もありました。

そこで、イベントのタイトルを木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題の所在として、加藤顧問の問題提起を受けて意見交換をして、皆で考えていく機会とさせていただくこととなりました。

どうぞ皆さん、ご参加下さい。

参加はこちらからどうぞ→参加ご希望の方はこちらから御連絡ください

今回から素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としてまいります。

konosaito3-1<zoommt22-1st>

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 令和3年度森林林業白書ーちょっと気になるグリーン成長と木材利用(2022/7/15)

6月24日日本林政ジャーナリストの会が主催する会議に出席する機会があり、林野庁の関係者から本年度の森林林業白書に関するレクチャーを受けました。

ジャーナリストに対する行政関係者の最近のトピックスに関する説明会。よくあるイベントなんでしょうが、私がなんで出席?勉強部屋の情報媒体がジャーナリズムとしての認知を受けた?

私も歴史のある、日本林政ジャーナリストの会の会員になったんですが、その辺のいきさつは、別途ご説明するとして、同会の幹部の方の心遣いをいただき、フォーマルな行政情報をしっかり受信するルートが一つ増え、よかったです。

前置きはそれまでにして、今年の森林林業白書の内容は?

(白書って何?)

ご案内かもしれませんが、白書は、森林林業基本法第10条(森林及び林業の動向に関する年次報告等)に「政府は、毎年、国会に、森林及び林業の動向並びに政府が森林及び林業に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。」と記載されているのが根拠となった、国会報告なんです。

内容が面白そうでないですね。でも、国民向けに読んでもらおう、意気込みが伝わるのは、冒頭のトピックスと特集ページです。

(今年の特集は、木材利用拡大)

 トピックス
1   2050年カーボンニュートラルを視野に「グリーン成長」の実現を目指す森林・林業基本計画
2  「 脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行~「ウッド・チェンジ」に向けて~
3  「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録
4  2021年7月、8月に発生した大雨による山地災害等への対応

特集 1  2021 年の木材不足・価格高騰(いわゆるウッドショック)への対応
特集 2  グリーン成長のカギを握る木材需要拡大と木材産業の競争力強化
1  木材需要拡大と木材産業の競争力強化によるグリーン成長の実現
2  建築分野における木材利用の動向
3  木材産業の競争力強化
4  課題と対応

これが、その一覧表ですが・・・トピックスの2番目と、二つの特集が両方とも木材がらみです。

(木材需要拡大特集の内容は)

特集 2  グリーン成長のカギを握る木材需要拡大と木材産業の競争力強化の内容を少しご紹介

1  木材需要拡大と木材産業の競争力強化によるグリーン成長の実現
人工林が少し高齢になり、使って利用して若い森林にして吸収量確保、木材を建築物に利用すれば炭素を長期ストック、木材を利用すれば、化石資源代替になり、カーボンニュートラルの切り札に。そして木材産業はグリーン成長のカギを握る

2.建築分野における木材利用の動向
住宅は木材利用の主戦場だが、高性能高品質(柱・横架材とも集成材依存傾向)、国産材も健闘。
非住宅はこれからの市場だが、持続可能な環境資源とし木材が大規模需要者が注目をしてきたところ。ウッドチェンジ協議会などの官民あげた運動体の進展が。

3.木材産業の競争力強化
大ロット安定需要など、マーケットのニーズに対応できるかが、ポイント
その体制は進んできている(右の表)
地域工務店と結んで地域製材工場の地場競争力という道もある。
川中の流通業界も、林業との連携など新しい道を模索中。

4.課題と対応
需要先を開拓して、山から生産された様々な原木とその部材をフル活することが大切・住宅。非住宅双方で新しい需要を生み出す取り組みが始まっている。
労働環境の改善・技術開発が必要。(なんで森林総研・などで頑張っています)

以上です

そんなに新しいことがちりばめられてはいませんが、木造高層建築など都市の森づくりなどにむけた、グリーン成長を目指す民間企業の動向など楽しみですね。

(質問があります!)

レクチャーを聞いて、疑問が一つ。ジャーナリストの会議だから、厳しい質問は前提のはず、と思って手を挙げて聞いてみました。

Q「カーボンニュートラルを念頭においたグリーン成長の中で木材の利用拡大の話はタイミングのよい特集だと思います。ありがとうございました(前段おわり)。 ところで、木材と環境の文脈の中で、クリーンウッド法について言及がないのは何故ですか?5年目の検討期間にはいっているので、いまホットなトピックスなんでないですか?」

A「本件は本文の135ページに「違法伐採対策」という節があり、記述しています」

(「なぜ、特集でないんですか」という再質問はしませんでした。)

来年度までには、クリーンウッド法の改正もあって?、特集があるかも。楽しみに

kokunai5-4<R3hakusyo>

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 ウッドマイルズフォーラムの活動ビジネスの分野への広がりの可能性ーWMF理事会総会から(2022/7/15)

6月30日にウッドマイルズフォーラムの理事会と総会がありました。

「持続可能な循環型社会の主役となるべき木材について、ウッドマイルズ(木材の産地から消費地までの流れ)に着目することで、木材産地や消費地に関する様々な問題提起・課題解決を目指します!!」

2003年の研究会発足から、来年で20年。

建築関係者と林業関係者が連携して持続可能な木材利用をはかっていく、ネットワークがいよいよ本番を迎える、時期になってきた・・・かな。注目です

事業報告、事業計画がネット上に公表されています。今後の可能性に関する二つの点を報告します

(関連する国内外の他団体との交流、連携)

昨年度事業の事業報告で、例年と違っているのは、2.各事業報告について (4)関連する国内外の他団体との交流、連携という項目に、たくさんの団体企業名が記載されていることです。企業活動の将来を見据えて環境的貢献をどうしていったらよいか、と検討された企業の何件かがウッドマイルズフォーラムと連携ができないか、と考えられた結果ですね。私もこれらの方とのお話に参加したので、すこし、リストアップしてみました。

団体・企業名   業種  企業理念ー環境貢献のメッセージ  ウッドマイルズフォーラムとのかかわり  
 (一社)日本木造分譲住宅協会 分譲住宅会社団体   木造分譲住宅で、サステナブルな社会を実現  パンフレット国産木材使用の家を建てることで目指す「脱炭素」世界でウッドマイルズデータ利用  
 森林パートナーズ(株)  住宅供給企業  森を育てる家づくり  令和3年度補正地域型住宅グリーン化事業(うち、安定的な木材確保体制整備事業)提案  
 (株)ドリームインキュベーター  企業コンサルティング  社会を変える企業を創る  木材の持つ多面的な価値を定量的に評価し、それを市場に反映する取組が必要。その中で、ウッドマイルズ関連指標の開発等の取組注目  
 ウイング(株)  住宅部材供給  カーボンニュートラル 無垢材活用の会  J‐クレジットの今後、建築の評価ー全国の川上~川下の企業間連携組織構築について意見交換  
 鹿島建設技術研究所  建設企業研究所  今を開き未来を築く  木材の環境負荷評価の観点から、建築用木材の流通全体のサプライチェーンでのCO2排出量の定量分析の試みについて研究 -評価方法について意見交換  
 (株)コーポレイトディレクション  企業コンサルティング  トップの考えとミドルの考え・ミドルの行動とを合致させる触媒  

今後さらにウッドマイルズフォームと環境社会に貢献する企業のとのネットワークの広がりを期待します。

(これからの木材産業が挑戦すべき新たな仕事のカタチ)

この会議に出席していてインパクトがあったがもう一つは、藤本会長が提供された一連の情報。

6月22日に山形市内で行われたやまがた県産木材利用センターが主催した講演会で話された、講演の内容です。演題は「全員参加型の木材産業の形について、みんなで議論を始めませんか、=みんな:県民、御製、専門家、企業、メディア=」

右の図が全体のコンセプトを示す図ですね。地域の森林組合、木材事業者、工務店、地域の居住者が一つのグループを作り、旧来のサプライチェーンを発展させた仕組みを作る。共通の理念は新ローカリズム。

大規模な効率的な企業が主導する市場原理に基づくサプライチェーンは素晴らしいのだけれど、遠くの森林の循環性や息の長い街づくりなどにリスクがあるので、新しいシステムを作ろう、考えようという問題提起です。

資料は上の図に書いてあるように、長年の木造建築作りの体験を踏まえたもので、説得力があるのですが、まち再生の運営管理を担う中間セクターのが生まれつつある成果を、どのように木材のサプライチェーン上に具体化していくのか?具体的な絵が描かれているわけではありません。一緒に考えましょう!!

是非こちらの、情報をダウンロードしてください

今年度のウッドマイルズフォーラム総会から二点をピックアップしてご報告しました。

energy2-79<WMF2021>

カーボンニュートラルの一か月でした・・・ー勉強部屋ニュース275編集ばなし(2022/7/15)

守谷市「もしや市民大学」でお話できる!市長が来場し聴衆に!!大きなイベントでした。
勿論私の話は、市民にとっての森林や森材利用話なんですが、その最初の入り口を「カーボンニュートラルCNとしよう」として準備をはじめていたら、主催者のパンフレットのタイトルは「今話題のカーボンニュートラルを語る」!!

CNとは「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します」ということなんで、分かりにくい吸収量の話をする意味があるんです。

が、自治体や企業が2050年までにCNといっているんですが、実際のデータをみながら具体策を考えてみると、なかなか、大変です。守谷市のようにグリーンインフラ大賞をもらったりする中で、企業との連携、市民との連携いろんなアイディアを総動員するプロセスが大切で、是非今後とも注目です

ウッドマイルズフォーラムに相談にあらわれた企業の方々も、CNの達成に向けたアイディアの検討過程の相談が多いですね。

そして、7月30日の第1回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナーについてのタイトルが、「木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題の所在」となりました、ゲストの元林野庁長官加藤さんと、藤原のディスカッションとなるので、しっかり準備をします。

準備過程で、このイベントは、木材のマーケットの中で重要な存在となってきている森未来さんとの連携になりました。みなさんのご参加をお待ちしています。

次号以降の予告、岸田政権の新資本主義と森林のガバナンス、御殿場の木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、「地球は訴える」(ある外務官僚OBの回想録ーの中の森林、欧州の炭素国境調整措置の内容、2020年日本の森林吸収量について

konosaito<hensyukouki>

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara.takashi1@gmail.com