ニュースレター No.243 2019年11月15日発行 (発行部数:1520部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1 フロントページ:どんな森林が機能が高いのか?森林の多面的機能に関するQ&A(2019/11/15)
2. 中大規模建築物の木材利用環境性能評価東京 2020 会場の地域材 (国産材)利用促進のレガシーとして可能性(2019/11/15)
3. 山づくりのために木造建築ができることー森林総研公開講座から(2019/11/15)
4. EUTRにおけるリスク木材デューディリジェンスの実施とクリーンウッド法の今後の展開 (2019/11/15)
5. 学会と行政との関係ー勉強部屋ニュース242編集ばなし(2019/11/15)

フロントページ:どんなことをすると森林の機能高まるのか?文献検索-森林の多面的機能に関するQ&A公開(2019/10/15)

最近森林の多面的機能に関するQ&A(平成28年度森林整備保全事業推進調査成果物より)というページが、林野庁のサイト内に公開されました(11月9日)

林野庁の委託をうけて林業経済研究所が実施した、平成28年度森林整備保全事業推進調査(文献収集期間:平成26年度~平成28年度)により取りまとめたものです。

林野庁の委託事業にはいろいろ関わりましたが、この作成作業には思い入れがあります。

林野庁が提示した、以下の95問にその道の研究者が根拠となる学術文献を示しながら答えています。

 森林の多面的機能に関するQ&A全体像

I. 共通
問01 森林整備が実施されないことにより森林の有する多面的機能が発揮されず、国民生活及び国民経済の安定に対して支障が生じる可能性が考えられるのは、如何なる場合か。
問02 伐採跡地の再造林を行わないことにより森林の有する多面的機能が発揮されず、国民生活及び国民経済の安定に対して支障が生じ疋可能性が考えられるのは、如何なる場合か。
問03 森林施業等は各機能の発揮にどのような影響を与えるのか(下表の組み合わせについて)。
   間伐の実施 枝打ちの実施  皆伐の実施  皆伐跡地へ植栽の実施 人工林化  複層林化  高齢級化 
Il. 水源涵養機能  更問01  更問02  更問03  更問04  更問05  更問06  更問07
Ⅲ.土砂災害防止/土壌保全機能  更問08  更問09  更問10  更問11  更問12  更問13  更問14
 V. 生物多様性保全機能 更問15  更問16  更問17  更問18  更問19  更問20  更問21
 Ⅱ  水源涵養機能
問04 水源涵養機能が高度に発揮される森林とはどのようなものか。
問05 条件の違いが水源涵養機能の発揮にどのような影響を与えるのか(下表の組み合わせについて)
条件 地種(裸・草・森) 優先樹種 林相構造(単・複) 令級
細分機能
水資源貯留機能 更問01 更問05 更問09 更問13
蒸発散 更問02 更問06 更問10 更問14
浸透能 更問03 更問07 更問11 更問15
保水能 更問04 更問08 更問12 更問16
洪水緩和機能 更問17 更問18 更問19 更問20
水質浄化機能 更問21 更問22 更問23 更問24
 III. 士砂災害防止/土壌保全機能
問06 土砂災害防止槻能が高度に発揮される森林とはどのようなものか。
問07 土壌保全機能が高度に発揮される森林とはどのようなものかロ
問08 条件の違いが士砂災害防止/土壌保全機能の発揮にどのような影響を与えるのか(下表の組み合わせについて)
条件 地種
(裸・草・森)
優先樹種 林相構造
(単・複)
令級
細分機能
表面侵食防止 更問01 更問02 更問03 更問04
表面崩壊防止 更問05 更問06 更問07 更問08
その他の土砂災害(落石・土石流・飛砂等)防止 - 更問09 更問10 更問11
土砂流出保水能 更問12 更問13 更問14 更問15
土壌保全機能 更問16 更問17 更問18 更問19
その他の自然災害(雪崩・防風・防潮等)防止 更問20 更問21 更問22 更問23
 Ⅳ 快適環境生成機能
問09 快適環境形成機能が高度に発揮される森林はどんなものか?
問10 条件の違いが快適環境形成機能の発揮委どのような影響を与えるのか(下表の組み合わせについて)
条件 地種
(裸・草・森)
優先樹種 林相構造
(単・複)
令級
細分機能
気候緩和 - 更問01 更問02 更問03
大気浄化 - 更問04 更問05 更問06
快適生活環境生成 更問10 更問07 更問08 更問09
 V. 生物多様性保全機能
問11 生物多様性保全機能が面度に発揮される森林とはどのようなものかc
問12 条件の違いが生物多様性保全槻能の発揮にどのような影響を与えるのか(下表の組み合わせについて)
条件 地種(裸・草・森) 優先樹種 林相構造(単・複) 令級
細分機能
遺伝子保全 - - - -
生物種保全 - 更問01 更問02 更問03
生態系保全 - 更問04 更問05 更問06

例えば最後の95問目は以下のようになっています。

 問12-6 齢級の違いは生態系保全機能の発揮にどのような影響を与えるのか
 答
人工林や二次林の発達にともなって、森林の階層構造や表層土壌有機物層の発達、林床の枯死木(粗大有機物)の堆積など、森林の様々な生物の生息場所とそれを取り巻く非生物環境が生まれ、生態系保全機能の発揮につながるという研究成果は多くあるが、地域や優占樹種などにより効果の発現の仕方は多様であり、今後の研究が必要である。

(林分の発達段階と齢級)
齢級の違いと生態系の関係を考えるに当たって、Oliver (1981)と藤森(1996)にもとづいて、大規模な攪乱後の林分の発達過程を以下のような4つの段階に分けるのが、両者の関係を捉えやすい(根拠、②、③)(問答 1203 参照)。
1)初期段階:攪乱後~初期林分成立まで。人工林では~約 10 年、広葉樹二次林では~約 15 年
2)若齢段階:新たな木は侵入しなくなり、林木間の競争激化、優劣の差がついてくる。
3)成熟段階:やがて 40~50 年もすると下層植生が林床に再び現れてくる。
4)老齢段階:上層木が不規則に枯れるが、下層木が成長して交代する。およそ 100 年~。

(林分の発達段階に応じた生態系機能の変化)
以下略
 根拠①
知見
・大規模攪乱が森林の構造や組成を決定 ・様々な年代を含むような森林の相観は、しばしば 同齢級の林分で起こること、 ・新しい林木のリクルートは一定に起こるのではな く、攪乱に伴うこと、 ・攪乱後、森林は次のような概観的段階を経る 林分分初期→幹の減少期→下層の再発達期→成熟 ・攪乱の強度が優占種を決めるが ・攪乱の頻度も広域の森林タイプを決定する
文献
発表年:1981/筆著者:Oliver, C.D./掲載誌:For. Ecol. Manag. 3:153-168, 1981 / タ イ ト ル : Forest development in North America following major disturbances.

それぞれに、新しい知見が示されているわけではなく、学術知見の検索を主たる目的とした作業でした。

当該分野の研究者は知っていることでしょうが、利用者は森林の機能に興味を持つ(森林を専門にしない人も含めた)学術研究者。ネットで早く公開してほしいと思っていましたが、準備作業がおわって公開されました。

興味のある方は自分の関心分野をご覧頂けるとありがたいです。

問いに行き着くまでに手間が掛かるかもしれませんが、以下から上記ページの以下から入って下さい

1. 森林の多面的機能の一般的事項 Q&A(PDF:314KB)  共通問01と問02 
 2. 水源涵養機能 Q&A(PDF:2,398KB)  共通更問01-07と Ⅱ  水源涵養機能
 3. 土砂災害防止/土壌保全機能 Q&A(PDF:1,521KB)  共通更問08-14と III. 士砂災害防止/土壌保全機能
 4. 快適環境形成機能 Q&A(PDF:1,843KB)  Ⅳ 快適環境生成機能
 5. 生物多様性保全機能 Q&A(PDF:2,342KB)  共通更問15-21とV. 生物多様性保全機能
 Q&Aの作成体制  


junkan2-3<kinouQA>

  

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中大規模建築物の木材利用の環境性能評価-東京2020会場の地域材(国産材)利用促進のレガシーとしての可能性(2019/10/15)

9月27-29日環境経済・政策学会2019年(SEEPS2019)大会大会で、藤原は標記タイトルで報告しました。

ウッドマイルズフォーラム2019での『中大規模建築物木材利用と木材調達のウッドマイルズ評価』という報告を踏まえて、さらなる進化をさせた報告!!とう意気込みでとりくんだのですが、あまりそうはならなくてすみません。

でもあらすじを紹介をしておきます。

ーーーーー
(先行研究+アルファ)

サステイナブル建築世界大会 ( sb05tokyo =The 2005 World Sustainable Building Conference)で報告した、出雲ドーム、大館樹海ドーム、この花ドーム(宮崎)のウッドマイルズ評価を紹介。北米から運んできた出雲ドームの構造用大断面集成材と宮崎県内で調達加工したものとでは、GHG排出量が一桁ちがう。(今回オリジナルなのは、それをCO2固定量の比率で表したこと。北米から輸送すると、固定された炭素の1割以上が輸送中に排出)

(東京2010大会と ロンドン2012大会で建設された競技施設の木材の環境的評価)


toukyou2020施設の木材利用情報,結構充実しています。「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における木材利用等に関するワーキングチーム(配付資料、審議結果)というウェブ上に情報(それ以上の情報を若干のハードルが有り、とる余裕がありませんでした)。

新国立競技場を取り巻く庇(ひさし)は、すべての都道府県の森林認証材を利用し、産地の方角に応じて配置してあります。

また選手村ビレッジプラザは、全国の自治体から借り受けた木材でビレッジプラザを建築大会後に各自治体は解体された木材を持ち帰り、レガシーとして活用するプロジェクト・公募により全国各地の63自治体を事業協力者に決定

大きな皆が知っている建築物を、トレーサビリティのあるローカルな持続可能性のある木材で建築するときの「話題性」ですね。

(2012ロンドン大会競技施設の木材調達のレガシーを引き付いだ2020東京大会の基準)

上記の背景となったのが、ロンドンのレガシー



ロンドン2012の関連施設で木材利用が目立つのは、自転車競技場、外壁はベイスギ、競技用リンク部分はシベリアマツなのだそうです。

世界中から木材を利用している分だけ、トレーサビリティの必要性が。それが、レガシーとなった木材の持続可能性を担保するためにFSCとPEFCの二つの制度が共同して作業をした世界で初めての共同したプロジェクト認証なのでしょう。
Learning Legacy project, London 2012

それがベースとなって、東京2020施設に関する持続可能性に配慮した木材調達基準ができています(持続可能性に配慮した調達コードから)

 持続可能性の観点から合法性、のみでなく、生物多様性への配慮、住民の権利への配慮、伐採労働者の安全対策を満たす木材の調達を実施。(基準2)(ロンドンのレガシー反映)
サプライヤーは、、国内林業の振興とそれを通じた森林の多面的機能の発揮等への貢献を考慮し、国産材を優先的に選択すべきである。



(二つの施設の比較)

ロンドンのレガシーになり国産材(地域材)を使う、大規模木造建築物。それがウッドマイルズ指標で環境評価できます。

ということで、以下の結びを話しました。

自治体が中心となって森林認証システムを中心とする、持続可能な木材の供給サプライチェーンが普及しつつあるあります

大型建築物を建設するにあたって、再生可能な循環資源として地域材・国産材を環境的な資源として利用し、建築物の利用者と供給地の人たちが連携をはかる可能性も広まっていいます。

東京2010で生まれた動きを、定着させるには最終的にはマーケットの需用者側に今後安定的な需要が生み出せるかどうか。地方自治体の役割、ESG投資の役割は大きいです。

地域材の普及をウッドマイルズ指標によって訴求をはかることは、地域材をグローバルな視点でとらえるきっかけになる可能性を含んでいます

コメンテーターは地球・人間環境フォーラムの坂本さん
環境団体として東京大会で使われている木材、特に熱帯産のものが持続可能性基準に適合しているかどうかを問う活動をしています 参考:環境経済・政策研究 12 巻 (2019) 1 号「東京2020大会と持続可能な調達-木材を事例に-」
今回のテーマは「地域材の利用促進に東京大会がレガシーを残せるのか?」ですが、組織委の「持続可能に配慮した木材調達基準」では、伐採に当たっての合法性や生態系や先住民族等の権利への配慮、 労働安全のみ、木材調達にかかるGHG排出量(ウッドマイルズが取り上げた環境指標)については触れられていません。FSCやPEFCなどの森林認証制度においても同様です

GHG排出量のスコープが妥当かどうかの検討はどのようにされる? 

というす難しい質問がありました。

2020東京の大会施設という大きなプロジェクでの問題提起ですので、関心のある方が、議論にくわわっていただきたいです。
環境経済政策学会の会員の皆さんの関心を持って下さい。

junkan3-14<2020legacy>

  

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山づくりのために木造建築ができることー森林総研公開講座から(2019/11/15)

10月17日に開催された森林総研主催公開シンポジウム、「山づくりのために木造建築ができること」に出席しました。

東京大学生産技術研究所の腰原幹雄教授の、「森と都市の共生 ―森のための建築 建築のための森 ―」と題する講演、木造建築に資する技術開発の最新の研究成果について解説。

「充実する国内森林資源の利用や地球環境問題への意識の高まりの中、建築材料としての木材を見つめ直し、その可能性を皆様と一緒に考えてみたい」というのがポイントだそうです。

(大きな林業と小さな林業)

腰原教授のいう、森のための建築 建築のための森。右の図は腰原さんが講演の中で何回も示したコンセプトズ図です。

大きな林業、小さな林業、ウッドマイルズフォーラムのイベントの関係でも問題となった、大変興味深いコンセプトでした。

(腰原教授曰わく)「伝統木造建築で培われた一品生産的に建てられる「森のための建築」(小さな林業)は、その文化的価値から高く評価されてきましたが、今後、現代建築で使用される建築材料の生産システムとして大量生産、安定供給を支える「建築のための森」(大きな林業)という価値観も重要な役割を担うことになります。}

ということで、腰原さんは、(建築関係者がこだわりやすい)小さな林業の文化的側面だけでなく、グローバルマーケットの中の大きな林業も視野にいれて、考えて下さい、との話でした(と聞きました)

この二つコンセプト大切にしていきたいです。

大きな林業で稼いでいるのはだれか?しっかり循環資源の再生産に投入されてるのか?もふくめて。

(講演の概要)

腰原氏もふくめた、5名の講演者の講演概要を紹介します(配付されたパンフレットから)
森と都市の共生ー森のための建築・建築のための森ー
東京大学生産技術研究所教授腰原幹雄氏 
1000年以上の歴史ある日本の木造建築は、国内の豊かな森林資源を活用して建て続けられてきました。

しかし、われわれの生活スタイルは大きく変化し、現在ではさまざまな価値観の木造建築が生まれてきています。建築材料としての木材も無垢の製材だけでなくさまざまな木質材料が整備されるとともに、その生産システムも大きく変化しています。森と都市の共生という概念のなかで川上から川下まで連携する木造建築においては、多様な価値観が生まれ、それらが共存することによって循環型資源の真価を発揮することができます。伝統木造建築で培われた一品生産的に建てられる「森のための建築」は、その文化的価値から高く評価されてきましたが、今後、現代建築で使用される建築材料の生産システムとして大量生産、安定供給を支える「建築のための森」という価値観も重要な役割を担うことになります。ふたつの木造建築の生産システムとその特徴、今後の普及方法について考えます。 
 国産大径材の利用拡大に向けて
木材加工•特性研究領域領域長伊神裕司氏
 戦後造成されたスギをはじめとする人工林が成熟し、直径が30cmを超える大径材の供給が増加していますが、需要が少なく価格の低迷が問題となっています。

製材品の強度を製材前の丸太の段階で予測するとともに効率的に製材・乾燥する技術を開発し、大径材から生産できる断面の大きな製材品を国産材の利用比率が少ない梁・桁材や枠組壁工法用部材として利用拡大する取組みを紹介します。
 実用段階を迎えたCLT
複合材料研究領域積層接着研究室室長平松靖氏
 2014年、日本ではじめてCLT(Cross Laminated Timber)構造の建物が建てられました。現在、CLTを使用した建物の総数は400棟になり、本格的な実用段階を迎えたと思われます。森林総合研究所では、CLTが国内で構造用建築材料として認められ、その利用が推進されるよう、原料となるひき板(ラミナ)および製品であるCLTの強度性能、接着性能、寸法安定性に関する研究を、産学官で連携して行ってきました。本講演ではそれらの一部を紹介します。
 木造で集合住宅や店舗を建てるためには
複合材料研究領域領域長渋沢龍也氏
 木材は、「樹木を伐ったら植える」という原則を守れば、持続的に利用することができる資源です。特に、木造建築の部材に利用することは、長期間、木材を貯蔵することになるため、環境への負荷が小さい利用方法であるといえます。近年、木造建築で集合住宅や店舗など、一般の住宅より大きい建物が建てられるようになりました。木造の大型建築を実現するために、どのような技術が開発されたのか、いくつかの事例をご紹介します。
 木質材料の防耐火技術
木材改質研究領域チーム長上川大輔氏
 わが国では大規模な建物や、火災時のリスクの高い建物などは耐火建築物とすることが求められます。森林総合研究所では、難燃処理したスギを被覆することで木肌の見える耐火集成材の柱や梁を開発しました。1時間耐火仕様の国交大臣認定材料が実際の物件に採用されているほか、2時間耐火仕様についても性能を確認しています。また、CLTについても、せっこうボード等での被覆による国交大臣認定の2時間耐火の外壁や間仕切壁を開発しました。

(山づくりと建築)

今回のイベントは、森林総研の木材系の研究者が蓄積してきた、建築をターゲットにした利用拡大の重要な研究開発成果の報告でした。

森林総研は昔所属した身内のようなところなので、以下のような注文をしておきました。
森林総研という森林全体を対象とした研究機関が「山づくりと木造建築」というテーマで公開講座をすることは、大切な視点だと思いました。

「木を切って使ってまた植えて循環社会だ」ということです。今回の主たるテーマとなったのは木の利用の拡大ですが、いまの木材利用が山の再生に貢献しているのか、という点については、いろんな議論があるところです。

山づくりにコストに見合った資金が山にまわっているのか?など・・・。

本日は木材利用拡大という重要なテーマでしたが、森林総研が森林にかかわるトータルな視点を対象とした研究所なので、山づくりに関係したトータルな研究や情報発信を是非お願いしたい、です。

junkan3-14<2019FRsymp0>

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  EU 木材規制のリスク木材デューディリジェンスとクリーンウッド法の今後の展開 (2019/11/15)

本年7月に開催された国際環境 NGO フォレスト・ト レンズが主催した視察旅行。参加した我が国のクリーン ウッド法登録実施機関や 木材関連団体の関係者 をが開催した、報告会が林業経済研究所の主催で開催されたので出席しました。

報告者と報告のタイトルは
(1)籾井 まり氏(ディープグリーン・コンサルティング代表); EU 木材規則とリスク木材デューディリジェンス ― EU、アジア太平洋
(2)柳澤 衛氏(一般財団法人日本ガス機器検査協会) ;EU におけるデューディリジェンス(DDs)とクリーンウッド法の登録制度
(3)金井 誠氏(日本合板商業組合); デューディリジェンス実施における業界団体の役割と意義 ―EUTR のリスク木材 DD とクリーンウッド法の今後の展開―
(4)上河 潔(一般財団法人林業経済研究所 フェロー研究員); EU 木材規制の取組と日本製紙連合会の事例から見るクリーンウッド法の今後の 展望

プレゼンの報告内容は、林業経済研究所のHPに掲載されています(→)。EU 視察報告会 EU 木材規制のリスク木材デューディリジェンスと クリーンウッド法の今後の展開

EUTRについては、このサイトでも何回か取り上げてきました。《国際セミナー》違法伐採対策と合法木材貿易の振興(2015/11/24)など

クリーンウッド法が5年に一度改正するタイミングがあと、2年。今後の検討材料はなにか?

CW法には罰則規定がない、それで大丈夫か?(合法性を確認するために必要な手段をしっかりするようにクリーンウッド法の登録する過程で、規定はつくるが、最後の判断となるこれ以上やるべきかかどうかの判断が緩くなる可能性がある、かも)

歴史のある業界団体認定の仕組みを、是非次期のクリーンウッド法の中で行かしてほしい。

などでしょうか?

いよいよ大切な季節になる時に、タイミングのよいイベントでした。

boueki4-74<EUhokoku2019> 

  

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 学会と行政との関係ー勉強部屋ニュース243編集ばなし(2019/11/15)

林業経済研究所の2年前の受託事業の成果品に関する情報を今月号のフロントページに載せました。

森林整備保全整備事業推進調査は林野庁の公共事業を推進するための調査ですが、森林整備に関係ある森林へのさまざまな働きかけが、森林の機能とどのように関係しているか、公表されている学術文献にそってまとめるという作業で、学術関係者と行政とをつなぐ、大切な作業でした。

この結果の一部でもしっかりとネット上に公開できないのかな、と、思っていました。少し時間がかかりましたが、公開!!!

話は変わって、山と都市とをむずぶ、山づくりのために木造建築ができること。このテーマで開催されたイベント。

先般久しぶりで、高知にいってきましたが、すこし足を伸ばして四国山脈の山間の町役場に。令和の国産材時代に山づくりがどうなるか、すこしこのサイトでも関心を持って参ります。

次号以降の予告、林政審議会0911傍聴記、令和の山づくり、森林外交論続き、書評:諸外国の森林投資と林業経営-世界の育林経営が問うもの―、勉強部屋の20年

konosaito<hensyukouki>

  

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp