持続可能な森林経営の実現のための政策手段に関する勉強部屋
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ニュースレター 019
2001年4月13日
このレターは、表記HPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。情報提供していただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちらで勝手に考えている方に配信しています。表記HPも併せてご覧下さい。御意見をいただければ幸いです。 藤原
目次
フロントページ:ご挨拶・勤務地が変わりました
FSC認証日本基準案への意見
新たなWTOラウンドと林産物貿易(2)日本の杉檜を守る会の意見書
国際的な『貿易と環境』の議論の展開と林産物貿易ー日本林学会大会での報告
森林林業基本法案
「近くの山の木で家をつくる運動」ホームページ
循環社会の森林と木材(スライドショウの最新版
私事ではありますが、4月より勤務地が名古屋から筑波に変更になりました。新たな職場は、独立行政法人森林総合研究所で、研究者500人を抱える大研究所の後方支援(ロジ)を担当します。この勉強部屋による情報発信という小生の「余暇活動」も、地の利を生かしてさらに充実させてゆこうと思っていますので、よろしくご支援下さい。
連絡先
〒356-8687 独立行政法人 森林総合研究所
電話 0298-73-4751 FAX 0298-73-7823
メールアドレス takashi.fujiwara@nifty.com 今まで通り/ jujit@ffpri.affrc.go.jp どちらでも結構です。
FSC認証の日本基準草案について、職場の有志と一緒に検討た結果をとりまとめてみました。
ポイントは、草案はFSCが日本の林業関係者にアッピールする文書としては少しわかりづらいのではないかということです。日本の基準が、FSCの基準の構成にあまり忠実に作成されると、「先住民との利害関係の調整」などがクローズアップされたりして初めて読む日本の関係者が違和感があるのでないかと思います。具体的な対案にはなっていない問題提起といった形の意見になっていますが、日本の林業関係者が蓄積してきたものの上に立った、分かりやすい基準の作成に向けて一石を投じようと意見をまとめてみました。下記に本文を掲載します。検討に加わったメンバーは、名古屋分局の勝占、草深、竹中、石飛という若手メンバーです。
日本の規準作成の検討資料
カテゴリ | 資料名 | 備考 |
日本基準草案 | 現在の草案本文(html版、msword版) | 第一次案(2001年3月7日) |
作成者からのコメント | ||
藤原からコメント | 3月11日 | |
名古屋分局有志の意見new | 3月31日 | |
FSCの基準 | 認証基準指標本体(英文 仮訳和文) | 英文は本部サイト、和訳はwwfjサイト |
海外の基準 | スウェーデンの基準 | 初めてできた国別計画 |
英国の基準 | ||
米国の地域基準 | 全国を10地域に分けて作成中、もちろん太平洋地域が一番重要 | |
ロシアの基準作成作業の現状 | これが一番問題、取りあえずロシア認証セミナーの情報 | |
国内の認証関係資料 | 速見林業認証過程の基準案(英文 和文<html版 msword版) | 国内認証の暫定基準として使われたもの、最重要 |
速見林業の認証概要(英文) | ||
檮原森林組合認証概要(英文PDFファイルダウンロード) | スマートウッド社のサイト | |
日本の計画制度 | 工事中 |
新たなWTOラウンドと林産物貿易(2)ー日本の杉桧を守る会意見書
この秋のWTO第四回閣僚会合に向けて、次の包括的貿易交渉(ラウンド)に関する議論が高まっていますが,「日本の杉桧を守る会」では次期貿易交渉に向けての意見書を作成し、産業構造審議会などに提出しました。守る会のHPに掲載されています。WTOの報告書を引用し、「現時点での林産物貿易の自由化の推進が国際的な環境破壊の引き金になる。今は、自由化交渉の時期ではなく、森林条約交渉の時期であり、その後に自由化交渉をすべき」という、骨太な意見書です。一般的にWTOの交渉は政府間だけで行われていて解りづらいというのが、多くの意見ですが、関係者がいろいろ意見を言うようになれば、交渉のバックアップにもなると思います。ご一覧下さい。次期WTOラウンドと林産物貿易に関する文献集へに追加しました。
(2001/4/11)
国際的な『貿易と環境』の議論の展開と林産物貿易ー日本林学会大会の報告
2001年の日本林学会大会は4月2日から5日岐阜大学で開催されました。小生も「国際的な『貿易と環境』の議論の展開と林産物貿易」という題で報告しました。80年代から始まったガット体制に対する環境サイドからの問題提起とそれに対する議論は、環境保全目的のための貿易規制の正当性、貿易自由化がもたらす環境保全への影響などの論点を巡って繰り広げられました。これらの議論の経過を分析すると、当面するWTOの包括的貿易交渉や将来の森林条約交渉など国際的な枠組みだけでなく、我が国の森林林業行政の透明性などについても示唆を与えるものです。要旨と発表に使ったOHPシートのファイル(html、パワーポイント版)を掲載します。トップへ
3月16日森林林業基本法案が閣議決定されました。林業基本法改め森林林業基本法、森林法の改正、経営基盤法改正の3本の法案からなっています。今国会中の成立を目指すことになるようです。我が国の持続可能な森林経営へ重要なステップです。トップへ
林野庁の関係サイトに法案、要綱等の関係資料がpdfファイルとして掲載されています。
「近くの山の木で家をつくる運動」ホームページ(2001.4.11)
4月5日付で新しいニュースが掲載されています→こちらから
また、運動宣言の本の読者からの声も新たにたくさんの方からのものが掲載されています。これを読むと、運動宣言が暖かく迎えられたこと、地について運動にすることについての現場サイドのもどかしさ、など、リアルにわかります。
21世紀のキーワードである循環社会と森林林業の将来についてについて話をしたり聞いたりしてくる中で作成したスライドショウをこのウェブサイト全体のイントロとして掲載してきました。名古屋分局在職中に数回表記に関係する話をする機会に恵まれ、その度にソフトの改良を図ってきました。3月下旬に名古屋分局の職員の皆さんに離任に当たって現時点での最終バージョンをご披露させていただきました。その資料を基に表記のバージョン4を掲載します。
前回からの改定点は、
1 循環社会について、「限界を超えて」の内容をアニメにした。
2 木材利用推進と持続可能な森林経営の関係を分かりやすくした。
3 その他少しアニメーションを取り入れた。
などです。
パワーポイントというソフトのアニメーションを使っており、結構インパクトのあるものに仕上がっていると思います。いろいろご批判下さい。html版はこちらから(アニメーション機能は働きません)。パワーポイントをインストールされている方は、こちらから、ソフトをダウンロード(2.3MB)してください。直接スライドショウが立ち上がります。どうしてもうまく行かないときは、ご一報下さい。トップへ