ニュースレター No.051 2003年11月22日発行 (発行部数:1005部) | ||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 | ||||||||||
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1. フロントページ:米国林産物業界とグリーン建築基準(2003/11/22)
今回はマイケル・トンプソン 氏(ウェアーハウザー アジア リミテッド 社長)Michael Thompson (President, Weyerhaeuser Asia Limited) が代表をつとめましたが、毎年一回派遣されて日本の木材業界と対日輸出戦略に関する意見交換を行うというのが趣旨のようです。
日本を輸出市場とにらむ米国の業界と、日本の木材業界では利害が対立する点がありますが、日本の建築基準法を木材に差別的でないようにするなど、過去に、共同して取り組んできた実績があります。今回私が出席したのは、議題の中に「木材と環境」というテーマが設定され、ウッドマイルズについて説明するようにと求められたからです。(初めて英語での資料を作成して臨みましたが、ウッドマイルズの英文資料は、近日発行する予定のウッドマイルズ研究会ニュースレター「木のみち」二号に掲載予定。配布希望はこちら) 米国側のプレゼンテーションは、米国のグリーンビルディング基準についてでした。小サイトでも米国の民間環境建築基準であるLEED(Leadership in Energy & Environmental Design‚)が近くの山の木を推奨していると紹介したことがあります。民間主導による基準なのですが、米国内の各地方自治体が、一定規模以上の建築物についてこの基準への適合を求めたり、適合した建築物に助成をしたりする動きがあり、木材業界としても影響がでてきたということのようです。 「木材業界にとってLEEDはいろいろ問題点がある制度である」というのが今回のプレゼンテーションです。(ワシントン大学イヴァンイーストン教授のプレゼンテーション資料本人の了解の元に掲載します。日本語)
その第一は木材を他の建材と比較して製造過程のエネルギー評価をして環境に優しいという評価をしていないということです。この点は日本のグリーン購入法の基本計画と全く同じ構造になっているようです。細かいリサイクル(小循環)などにこだわり、CO2の大きな循環に手をつけていない、という問題です。米国側はこの点を、本格的な「LEEDはLCA(ライフサイクルアセスメント)LCAの手法を取り入れていない」という形で主張していました。米国側の木造建築物と他の構造の建築物のエネルギー分析をした結果があるというというので、この点についての情報交換することにしました。 その他の問題点の指摘は、A認証木材の一定割合以上の使用に点数を配点している項目について、FSCの認証材しかしか認めていない点(AF&PAはSFIというもう一つの認証制度の推進者)と、B500マイル以内で生産された資材を優遇しているという点(差別的取り扱い)だそうです。後者についてはウッドマイルズと絡んでなぜこの規定が重要かこちらの方から説明しておきました。 米国では環境建築基準が住宅ではなく商業施設から取り組みが進んでいるというのが一つの重要なポイントです。我が国ではグリーン購入法など公的機関が市場に於ける環境物品普及の推進力になっていますが、米国においては企業の環境配慮が環境問題の推進力になっているわけです。 先方から日本の業界に対して、日本で取り組まれている環境建築基準(建築物総合環境性能評価システム=CASBEE)にも目配りをしておいた方がよい、との指摘が、ありました。 | ||||||||||
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2. マレーシアの森林認証と我が国の森林認証(2003/11/22)
前国際熱帯木材機関(ITTO)の事務局長で現在マレーシア木材認証審議会の議長をしているフリーザイラー博士が日本の認証関係者と意見交換をしました。 10年以上前に私が林野庁でITTOの担当をしていた当時から旧知のフリーザイラーさんに対して、最近私が日本型森林認証の過程に少しタッチしているという話をしたら、関係者との会見をアレンジしてほしいと依頼されていたものです。 ITTO理事会の今期の議長を務める同氏が、理事会と次期条約の専門家会合に出席のために来日したのを機会に、11月13日SGEC秋山会長、小林富士雄評議会議長代理などとの会議をもちました。 現在世界中で認証されている森林の面積の圧倒的な部分は先進国で、肝心の熱帯林は認証森林の4%足らずという状況です(小サイト関係ページ)。熱帯木材輸出国のリーダーであるマレーシアとして、自国の森林経営の水準を引き上げてゆく仕事はなかなか困難な課題のようです。 認証制度をテコにして海外に於ける熱帯木材の市場での認知をはかりながら、自国の森林経営の水準を徐々に引き上げてゆくという取り組みに理解を求めていました。 組織と組織の関係はいずれ、そちらのサイドから公表されるでしょうが、熱帯林産地国の認証の取り組みについては、あまり情報がないので、貴重な情報だと思い了解を得て、先方が作成したペーパーを資料室におきます。 概要は次の通りです 1999年の1月にMTCCが活動開始 | ||||||||||
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3.勉強部屋サイトの情報発信力ーイオン環境財団のプロジェクト終了
この勉強部屋サイトは、昨年の暮れからイオン環境財団の助成を受けて、@海外向け発信機能を強化するとともに、A双方向のネットワーク機能を活用するためのシステムの開発を行い、B本ホームページを内外の情報発信・収集の結節点として発展させる(助成申請書)、という取り組みを行ってきました。 一年間の事業期間がおわりましたが、この間ニュースレターの読者の皆さんにはアンケートに回答いただくなどいろいろご協力ありがとうございました。(118名の方から回答をいただきました。資料室に集計表を置きます) おかげさまで、情報発信の結節点という意味で中心となる、ニュースレターは今月号で、配布数が1000部をこえるということになりました。 また、小サイトへのアクセス数も月間で2500ほどとなり、一年前に比べると、倍に増えました。 まだまだ、海外発信という面では課題が多いですが、今後とも、少しづつ発進力を高めてゆきたいと思います。 読者の皆様方には今後とも、ご支援をよろしくお願いします。 助成をいただいた、イオン環境財団および、実施に当たりウェブデザイン、アンケートの設計、リンク先の強化などご提案、協力をいただきました、有限会社IPGSにお礼いたします。 | ||||||||||
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4.国際熱帯木材機関第35回理事会と協定改訂準備会合(2003/11/22) 国際熱帯木材機関(ITTO)の第35回理事会は、11月3日(月)から11月8日(土)までの6日間、横浜において開催され、また、理事会に引き続き、11月10日(月)から11月12日(水)の3日間、国際熱帯木材協定(ITTA)の改定に向けた準備会合が開催されました。 二つの会議の記録を林野庁のプレスリリースをベースに、石原林野庁長官のステートメントテキストなど関連資料リンクさせて提供します。(こちら) カナダの民間団体であるIISD(International Institute
for Sustainable Development)が、主要発言の音声を含めた詳細な報告をウェブ上で行っています。 | ||||||||||
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