パリ協定が熱帯林に貢献する道筋ーREDD+の最新情報(2019/3/24)
 
 「REDDプラスはどこまで来たか?
機会を活かすために
」(森林総研

気候変動枠組み条約COP24と森林(2019/2/24) で紹介したように、1月18日フォレストカーボンセミナー:COP24等報告会では、 REDD+最新動向−COP24と緑の気候基金(GCF)−(林野庁中野 彰子)、 二国間クレジット制度(JCM)におけるREDD+について(林野庁 神山 真吾)という二つのREDD+に関する報告がされました。

COP24とREDD+関して、さらに、森から世界を変えるREDD+プラットフォームセミナー対話から行動へ 〜「ビジネス」×「森林保全」〜(以下REDD+Fセミナ−) (1月23日)、平成30年度国際セミナー「REDDプラスはどこまで来たか? 機会を活かすために」(森林総研)(2月6日)という二つのイベントに参加しました。

(REDD+とは)

熱帯林の破壊をどのように止めていくのかは、熱帯林のある途上国の社会にとっても、豊かな生物多様性から恩恵を受け、破壊による温室効果ガスの大量発生jからのリスクを回避したい地球市民にとっても、重要な課題ですがそのような国際的な枠組みづくりは、途上国と先進国の利害調整などが難しくて一筋縄ではいきませんでした(地球サミットでの国際森林条約の失敗)。

途上国の熱帯林破壊起因する温室効果ガスの排出量を定量化し(国家森林参照排出量レベル)、それを防ぐ取組の成果に応じた資金の提供する仕組み(途上国の森林減少劣化に由来する排出の削減など、Reducing emissions from deforestation and forest degradation in developing countries )。

途上国の森林管理を世界中で支援する法的な仕組みが、初めてできるかーREDD+の先にあるもの(勉強部屋2013/10/26

(どこまできて、何が課題か)

他のセクターの排出削減プロジェクト(化石電力を再生資源電力へ変更など)と、森林分野(山火事防止策でどれだけ森林火災が減少したなど)を比べると、森林分野はわかりにいので同じ土俵に載せるための大変な努力が重ねられ、COP19で、(森林分野の合意事項、途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等、REDD+のためのワルシャワ枠組み the Warsaw Framework for REDD Plus合意されました(これが大きかった!)。

(森林分野の合意事項、途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等、REDD+のためのワルシャワ枠組み the Warsaw Framework for REDD Plus合意)(勉強部屋2014/1/19)

その結果パリ協定15条にも位置づけられ、全体的な実施指針の決定をまっていたが、それがCOP24で決定。となったので、いよいよ実施段階になるようですが、大きな課題が、資金問題。

(REDD+を進めるための資金)

REDD+を進めるためお全体的な資金規模について、森林減少を中心とした排出量は年率40億トンCO2(4.03GtCO2/yr)なので、仮に今世紀後半にゼロにするとすると・・・と、と計算してしていくともできなくはないのでしょうが、少し大変そうなのですこしおくとして、

GCF、FCPF 炭素基金、BioCarbon ISLF、REDD Early Moversなど国際基金がREDD+向けに17億米ドル用意されてるが数年で枯渇、中長期的なプロジェクトを見通すと財政余録に乏しい公的資金に加えて資金ギャップを埋める民間資金の動員が必要REDD+Fセミナ−三菱UFJRセンター矢野報告とされています。

民間の企業が資金を出すきっかけは、企業価値向上(途上国の森づくり協力など)と利潤獲得炭素クレジットの創出販売など)があり、企業の期待は結構あるが、課題が大きいREDD+Fセミナー森林総研江原報告−とされています。

企業の参画を広げるには、それでどんなメリットがあるのか、という明確なストーリーが必要でしょう。COP25に向けて今回のCOP24で結論に至らなかった市場メカニズムの議論が進むのだそうですが、できれば法的なバックグランドをもった企業ごとの目標値(キャップ)の設定、それに向けた超過達成企業とその他の企業の炭素排出権の取引(トレード)といった、分かり易いストーリーが組み入れられることが、必要なのだと思います。

REDD+の枠組みが、それに答えられるように、パイロットプロジェクトなどが信頼性をもった成果があれられることが、大切ですね。

kokusai2-66(REDD+COP24)

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