会員制寄稿誌「日本の明日を考える」森田稲子追悼号(2012/3/25)

会員制の寄稿誌「日本の森林を考える」第四十号森田稲子追悼号が発行されました。

小サイトでも時折紹介してきた雑誌ですが主宰者である第1プランニングセンター社長森田稲子さんがなくなり、最終号が有志により作成されたものです。

この雑誌自体が、国産材時代の日本の林業を生み出そうとする森田さんの執念によるもので、10年にわたる論題をみてみると、「森林林業再生プラン」という形で結実した経緯がわかります。そのまとめになっている本号は一読に値します。(日本森林技術協会から頒布されます

森田稲子のブログ

「日本の森林を考える_ 第40号発行趣意書

第一プランニングセンターを主宰した森田稲子さんがお亡くなりになったのは、平成21年12月でした。それからもう1年半以上が経とうとしています。

会社の経営がうまくいかなくなり、病魔とも闘いながら、森田さんが最後まて気にしていたのは、会員誌「日本の森林を考える」の第40号を発行することでした。既に原稿集めに取り掛かっており、また毎シリーズ4回の発行でしたので、第40号はちょうど10年の節目に当たっていたのです。だから、森田さんとしては、なんとしても発行したいとの強い気持ちをお持ちだったわけです。

振り返れば、この会報誌は画期的なものでした。個人のやむにやまれぬ志で始められたのです。平成11年4月に出された創刊号で森田さんはその思いを次のように述べています。「日本の森林が、日毎に汚くなっていくように感じられるのは、私だけだろうか」と書き出し、除間伐などの手入れ不足のみならず、森が廃棄物の山となっている現状を憂慮し、「日本人の倫理観の喪失や消費を美徳としてきた都市型社会の歪みが、山村や森林にこの様なかたちで、今、押し寄せているのである。… … 森林を愛し、森林に少しでも関わりを持ち、同じような思いをもたれている方々。新しい世紀に向かって、日本の国土の3分の2を占めている森林をどうしていくのか、現実をしっかり見つめ、知恵を出し合い、議論を集中して、早急にコンセンサスだけでもつくり上げていくことが必要なのではないだろうか」と提起されています。

そして、いま。政府においても、森林・林業再生プランを示され、森林・林業の新たな改革に着手されました。

この様な新たな動向も念頭におきながら、森田さんを偲びつつ、森田さんの念願であった「日本の森林を考える」第40号を発刊しようという意見が関係者の間に出てまいりました。そのため、私たちを発起人として第40号の発行を致したく、これまで、「日本の森林を考える」に原稿を掲載された方々に寄稿をお願いするものであります。この趣旨にご賛同いただき、ご寄稿賜りますようお願い申し上げます。

平成23年7月

●発起人
秋山智英、榎戸正人、太田猛彦、大槻幸一郎、小澤普照、梶山恵司、加藤鐵夫、銀城康子、合原真知子、塩坂比奈子、高橋満利子、田中正則、西村勝美、沼田正俊、林和弘、樋口正義、藤原敬、藤森隆即、真柴孝司、村田突、湯浅勲、渡蓮定元、亘信夫(事務局)加藤繊夫、村田央


ちょうど、この雑誌の発展と、小サイトの展開過程が平行したため、森田さんからいろいろアドバイスをうけました。あわせて、追悼号も含めて5つの小論を掲載させて頂き、このサイトでもフォローをしていきました。
以下の通りです

二つの国際常識から導かれる「非常識」な結論・・・次期WTOラウンドと日本の林業関係者の立場2001/10
県産材認証とFSC認証の間ー県産材・地域材認証にグローバルスタンダードの視点を(2002/6/21)
気候変動枠組み条約の中の伐採木材の取り扱い(寄稿小論) (2004/12/12)
木材の合法性と持続可能性ー違法伐採総合対策推進協議会提言書から2009/4
環太平洋パートナーシップ協定TPPとつきあう場合の留意点ー生産物流通のグローバル化に対応する森林管理のグローバル化(2012/3)

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