北海道洞爺湖サミットと森林問題(2008/7/13) | |||
7月7日から9日、北海道洞爺湖町でG8主要国首脳会議と関連する会議が開催されました。 近年のサミットのテーマの中で環境問題が大きな比重をしめ、今回の会合でも温暖化対策の長期ビジョンへの合意がなされるかどうかが大きな話題で、G8だけでなくそれに加えて9カ国を加えた主要経済国首脳会合が行われ、京都議定書以降の枠組みづくりについての重要なコンセンサスが図られました。 その中で、森林についての記述は、首脳宣言に当たる文書の「環境・気候変動」の中の以下のようものです。 時節柄、「森林減少・劣化に由来する排出の削減(REDD)」と違法伐採問題に言及しており、後者については日本で開催されたG8森林専門家違法伐採会議の報告書とその中身の、予備的な選択肢のリストにまで言及された、ものとなっています。とりあえず、違法伐採問題の今後の取組についてのコンセンサスを示すペーパーとして認知されたものとの位置づけとなっており、小HPでも全文のテキストを掲載してあります。
森林問題がはじめてサミットの合意文書に登場したのは、20年前の1987年のベネチアサミットで、経済宣言の中で「世界的規模の影響を持つ環境問題」の7つのうちの一つとして熱帯林の破壊が取り上げられました(気候変動も7つのうちの1つ)。(小HP 主要国サミットに於ける森林問題資料集) その後も、随時森林についての記述があり、地球サミット前の森林条約への取組(90年ヒューストン)、違法伐採問題への取組(2006年グレンイーグルス)など、国際的な森林問題への取組に一定の影響を与えてきました。 サミットの主要文書の中での森林に関する記載は、国際政治の舞台での森林問題の認識の度合いや、コンセンサスの方向などを示すものとして興味深いものです。 そのような目で今回のテキストを見てみると、前回のドイツのハイリゲンダム会合のものに比べて、ちょっと物足りないところがあります。 ただし、最終日の拡大サミット16カ国の首脳会議の「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言」に、森林に関して以下のようなは、ブラジル、インドネシアといった熱帯林の森林大国が参加した文書として、今後重要な意味を持つことになるかもしれません。
北海道洞爺湖サミットのHP
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