4月から、合法材であることが証明された材をグリーン購入法による優先購入の対象にしようという方針が打ち出されてから、どのように合法材であることを証明するのか?グリーン購入法上はどのように取り扱われるのか、政府内部でツメの検討が進んでいますが、個人的にもその作業の中に組み込まれてばたばたしています。
森林をしっかり管理するという仕事は、どの国にとっても、政策が決定する首都から遠く離れた場所がその執行場所となるため、大きな負担のある仕事となります。とくに熱帯林を抱える開発途上国や、膨大な管理箇所をかかえ市場経済に転換しつつある国々にとっては、人的・資金的なハードルは高く、関連業務が林業や木材業、地域住民といった少数の関係者の関心のもとに行われている限り、いろんな問題がおこり、それが放置される可能性があるといえます。(森林管理関係の行政機関で働く多くのフォレスターのまじめで真摯な姿勢を疑っているものではありません)
その業務が、この20年ほどの間に、急に「地球環境問題」という国際政治上最重要課題の中で位置づけられるようになり、関心を持つ人が格段に広がってきたな中で、森林管理の質に対する問題提起の水準が変化してきた、ということが、違法伐採問題と呼ばれるものの基本的な性格だと思います。
そういう意味でグレンイーグルスサミットの共同声明の中の「違法伐採に取り組むことが、森林の持続可能な管理に向けた重要な一歩」という指摘は、単なる修辞上の表現以上のものだと思います。
また、この問題は、政策と経済のグローバル化の中での森林政策の国際協調の可能性、市場のグリーン化の進展が森林政策へ与えるインパクトの程度、など、小HPが追いかけてきた論点についての市場や政策現場での検証という面を持っています。
というような視点で、グリーン購入法の執行や、それがもたらす波及効果、など、随時追いかけて行きたいと思います。
第一回目は、グリーン購入法の執行の根拠となる、特定調達物品表に合法材が記載される手続きです。
1月10日 環境省のホームページに、「環境物品等の調達の進展に関する基本方針」に定める特定調達物品及びその判断の基準等の見直しの概要(案)について(違法伐採関係、ディス無礼及び自動車)」という文書に対する意見募集が掲載されました。(こちら)
グリーン調達物品の判断基準の記述の仕方がポイントになるのですが、全ての記述箇所で林野庁作成による「木材・木製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」という文書が参照され、その案がインターネット上に公表(pdfファイル)され、注目を集めました。
それについて、全国木材組合連合会は意見を提出しました。(全木連HPに掲載)
もともと、グリーン購入法の木材関係では「間伐材、林地残材、小径木であること」という判断基準が示されていました。それに対して、あらたに合法材が加わったので、その間の関係が不明確(記述箇所によって一貫性がなく、違法伐採問題に対する取組姿勢がよく見えない)なので明確にして欲しいということが主眼となっています。
今後審議会などをへて、今月中には方針が固まってくるものと思います。
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