TPPのもう一つの面ー環境条約での話し合いの内容(2014/3/30) | ||
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の進捗状況については、日本の農産物や林産物の関税問題などの推移が注目されていますが、森林との関係では、TPPの環境条約が注目され、いままでもこのサイトでフォローしてきました。 TPPの環境協定と違法取引・違法伐採問題(USTRの提案)(2012/1/29) TPPでの環境問題の交渉は20に及ぶ交渉分野の一つで合意が難航しているといことが時々報道されますが、その内容については、ほとんど公表されていません。 そのような中で、ウィキリークスというサイトが交渉状況を示す文書を公開ました。 昨年の11月、ソルトレークシティで開催された交渉会合で配付された議長のまとめと交渉中の条約案の全文なのだそうです。 このうち、Secret TPP treaty: Report from Chairs of Environment Chapter for all 12 nations議長まとめについては、というサイトに全文の訳が公開されています。 本物がどうかはだれにも確認できませんが、あれは嘘であるという人もいないので、少しまじめにSecret TPP treaty: Environment chapter for all 12 nations条約本文案を見てみました。 現時点での章立ては以下の通りです 第1章 定義 特に森林に関して特定した章は設定されてません。とりあえず、最も森林や木材、違法伐採などと関係があるのは、17章です。仮訳をしてみました。
違法伐採問題も含めた木材取引の適正な管理という観点からすると、この章の目的が、森林全体ではなく野生生物に限定される条文構成になっていて、カバーする範囲が狭いかもしれませんが、これらの条文の中で、違法伐採、森林管理というキーワードが入っている部分が2カ所あります。 3(a)、4(b)です。 @合法性が証明された木材の経験と情報の交換・共有、A持続可能な森林管理と国民の参加と透明性の確保につとめることについての行政の能力と国際的な枠組みの維持と拡大、など、合意が成立したあとに、TPP加盟国の間の森林問題での合意をはかっていく上での重要な内容を含んでいます。 そのほかに環境物品という章も本当は重要なカテゴリーになる可能性をもっていますが、いまのところ、木材を環境物品だという人はいても、だから貿易障壁をなくすべきだという人はいませんね。 環境物品の先頭を走ろうとすると、いろんな問題があります。 boueki7-9(TPP1403) |
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