環太平洋パートナーシップ協定TPPとつきあう場合の留意点(2012/3/25)

会員制寄稿誌「日本の森林をを考える」に表記の小論を寄稿しました。副題は、「生産物流通のグローバル化に対応する森林管理のグローバル化」です。

TPPの議論で、経済のグローバル化が引き起こすネガティブな側面としては、「食料安全保障という社会的役割を果たしている農業の破壊や、医療分野における国民皆保険の崩壊、中小企業の存立の危機、生産過程における環境破壊の拡大」といったことが指摘されていて、一国の国内政策の段階では、法令にもとづく規制や、課税と補助制度という所得の再配分制度によって解決がはかられる分野ですが、ところがグローバルな仕組みとしての規制と再配分の仕組みがほとんど構築されていないために、市場のグローバル化の悪しき側面がクローズアップされることになっています。

そのために、「市場のグローバル化に反対」でもよいのですが、「市場だけでなく社会制度のグローバル化も一緒にはかるべき。今のグローバル化の主張は中途半端」という、超グローバル派の主張となっています。

編集部の了解をえて、全文を掲載します。(pdfファイルはこちらから

環太平洋パートナーシップ協定TPPとつきあう場合の留意点
生産物流通のグローバル化に対応する森林管理のグローバル化


藤原敬

(はじめに)
11月にハワイで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で日本政府は、懸案となっていた環太平洋パートナーシップ協定TPPについて「交渉参加に向けて関係国との協議」をすることとしたが、この方向には賛否両論が分かれており、交渉の本格参加までハードルは高い。一般的には、TPP参加をきっかけとしたグローバル化の一層の拡大により、閉塞した我が国の経済に活路を求めるグローバル派と、急激なグローバル化による経済社会的な影響が、雇用や安定的な社会制度を不安定にすることを危惧する国内派の対立という構図である。
省庁別にいうと、経済産業省・内閣府が前者で農林水産省・厚生労働省などが後者。森林林業関係者は後者という構図だが、本稿では、議論を進化させるため「日本の森林を考える」と同時に「世界の森林の明日を考える」というグローバル化の視点に立って、前者の「グローバル派」のいう「グローバル化」の抜け落ちている点について、話題提供したい。
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