ニュースレター No.094 2007年6月17日発行 (発行部数:1350部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1 G8サミットハイリゲンダム会合の森林問題2007/6/17)
2.

合法木材供給事業者認定団体研修2007/6/17)

3. ウッドマイルズレポートモニター事業2007/6/17)

4.

日本のFSCの展開 Foresta2007/6/17)

G8サミットハイリゲンダム会合の森林問題2007/6/17)
来年の北海道洞爺湖サミットの前年の主要国首脳会議(G8サミット)が6月6日から8日まで、バルト海に面した北ドイツの保養地ハイリゲンダム(Heiligendamm)で開催されました。

会議の主たる合意文書となった「世界経済における成長と責任」と題する文書の中の森林に関する記述は以下の通りです。(外務省仮訳)

世界経済における成長と責任>
気候変動とエネルギー効率及びエネルギー安全保障−世界経済にとっての挑戦と機会>
気候変動

森林減少の抑制による排出の削減

56.我々は、特に開発途上国での森林減少による排出の削減に向けて支援することを決意する。森林減少の抑制、そして長期的な停止は、持続可能な森林経営を促進するとともに、生活の安全を向上させ、温室効果ガスの排出緩和及び生物多様性の保全に向けて重要で費用対効果の高い貢献となる。この目的のために、我々は、以下の措置を講ずる。

  • 現在の国連における気候変動に関する議論を支援し、かつ予断することなしに、開発途上国での森林減少による排出を削減するため、パフォーマンスに基づく手段を創出し、試用し、能力向上を図るためのパイロット・プロジェクトの設立を奨励する。従って我々は、世界銀行に対し、G8、開発途上国、民間部門、NGO及びその他のパートナーと密接に協力しつつ、そのような森林炭素パートナーシップを出来る限り早期に発展させ、実施するよう奨励する。

  • 違法伐採と闘う既存のプロセスを継続して支援する。違法伐採は、持続可能な森林経営の実現をさらに進め、世界中の森林を保護することに対する最も困難な障害の1つである。

  • コンゴ盆地森林パートナーシップやアジア森林パートナーシップのような様々な地域的イニシアティブに述べられているように、開発途上国が持続可能な森林経営を実施し、自らのコミットメントである森林損失の停止を達成することに対して、引き続き支援するよう関与する。また、国際熱帯木材機関(ITTO)のプロジェクト及び熱帯雨林を保護するブラジルのパイロット・プログラムを通じて、国際協力の良い結果と慣行が達成されてきた。

57.サンクトペテルブルク・サミットにおいて、我々は、持続可能な森林経営における国際協力の強化に合意した。我々は、あらゆる種類の森林の持続可能な経営に関する法的拘束力を有さない文書についての国連森林フォーラムでの最近の合意を歓迎する。我々は、この手段の効果が2015年の国連森林フォーラムでレビューされることに留意する。これらのイニシアティブの上に、我々は、あらゆるレベルでベスト・プラクティスを共有し、協力を強化することを決意し、国際社会に強く求める。持続可能な森林経営についての追加的な行動を検討することは、コミットメントの強化を望む関係者にとって、可能な次のステップとなり得る。


外務省の該当日本語ページ
ハイリゲンダムサミット公式ページ(英文)

2005年グレンイーグルスサミットでは、違法伐採問題という切り口で持続可能な森林管理をとりあげています(本HP内関連ページ)。また昨年のペテルスブルグでは「エネルギー安全保障」という文脈で簡単な記述でした。今回は気候変動という枠組みの中で、「熱帯林の減少に伴う排出量の問題」「違法伐採問題への取組」そして「UNFF7合意]と包括的な記述となっています。

先進国が熱帯林の保全を議論するときに避けることができない、「保全のための追加的な資金」という点からすると、熱帯林減少の排出量問題(本HP内関連ページ)と、UNFF合意(本HP内関連ページ)への言及はきわめて自然なことです。

国際政治の最もレベルの高いコンセンサスペーパーに記載された「持続可能な森林管理についての追加的行動の検討」をどう進めるか、来年の洞爺湖サミットにむけた課題だと思います。

本HPでも過去の主要国サミットでの森林問題の取り扱いを資料として掲載していますこちらから

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合法木材供給事業者認定団体研修(2007/6/17)

グリーン購入法で政府が合法性が証明された木材を優先的に購入するというのに対応して、ガイドラインの基づいた合法木材を証明する資格をもった会社が5700以上となっています(合法木材供給事業者認定団体に関する情報) が、これらの事業体が信頼性のある合法木材の供給を図るため、表記研修会が6月6-7日都内で開かれました

全国から140名ほどの認定団体の責任者が熱心に受講しました。研修の概要は合法木材ナビ上に公開されています。(こちら

今後、全国で事業者に対する研修が実施されることとなっています。

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ウッドマイルズレポートモニター事業(2007/6/17)

ウッドマイルズ研究会では、「木造建築に対して、使用された木材量と木材の輸送距離から算出される、木材の環境負荷の度合いなどを示すウッドマイルズ関連指標を、分かり易くまとめたレポート小冊子」(ウッドマイルズレポート)のモニタ事業を呼び掛けていましたが、この度、熊本と北海道の2カ所に決まりました。

その準備で6月12−13日の二日間熊本を訪問しました。
今回レポート作成の対象になるのは、新産住拓生地の家グループの2つです。

訪問させて頂いた、新産住拓は、定休日でしたが社員の方々50名ほどがあつまりセミナーを開催しました。年間180棟ほどの新築を手がけるこの地方では大手の住宅会社ですが、合板・集成材は一切使わない、すべて天然乾燥の無垢材、履歴のわかる熊本県産材、森林認証材など、環境と健康に対する素材こだわりの会社のポリシーが、社員全員の求心力となっている様子がよくわかりました。

環境へのこだわりの商品を売るニッチな工務店は少しずつ全国で増えていますが、これだけの規模の事業展開を「環境のこだわり」で一貫させていくには、ニッチな場合とはちょっと違ったシステムやアイディアが必要になると思います。

ウッドマイルズという環境の指標が支援になればうれしいことです。8月下旬にはレポートができ熊本市内でオープンなセミナーを行う予定です。ご期待下さい。

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日本のFSCの展開 Forsta2007/6/17)

FSCの日本での活動拠点が、NPO法人森林管理協議会(Forsta)(代表 太田猛彦東京農大教授)という形で活動を開始しています。

山の森林管理の情報を木材のビジネスの流れに沿って証明の連鎖を作って消費者までの届けようというCoCの考えは、合法木材証明の林野庁のガイドラインなどにも広く利用されていますが、この考え方を最初に提唱したのはFSCです。日本にはじめて森林認証を持ち込んだのもFSCです。

その割に、日本国内で正式にFSCを代表する組織が明確でなく、ちょっと顔か見えにくかったのですが、これではっきりすることになりました。

第1回Forsta国際セミナーが以下の通り開催される予定です

日時:2007年6月26日(火) 13:00〜17:00
場所:東京大学 弥生講堂 一条ホール
出演: Kevin Jones氏 (Soil Association/FSC森林認証チーフプロデューサー)
                            (逐語通訳あり)
    山田 稔氏 (株)山田事務所代表
    古河 久純氏 古河林業(株)代表取締役社長

コーディネーター: 速水 亨 Forsta副代表 速水林業椛纒\

sinrin2-12<Forsta>

最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp