第7回国連森林フォーラム(UNFF7)の開催結果2007/5/13)


15年前の地球サミットで合意された森林原則声明のフォーマルなフォローアップ会合である表記会合が、4月16日から27日まで国連本部で開催され、「すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(Non-Legally Binding Instrument on All Types of Forests:NLBI)」及びNLBIの実効性を確保していくための具体的作業内容等を示した「2007-2015UNFF多年度作業計画(UNFF Multi-year Programme of Work 2007-2015:MYPOW)」が決議・採択されました。

林野庁の記者発表資料
UNFF公式サイト
アースネゴシエーションブリティンの報道

1980年代に森林問題が地球環境問題となるきっかけとなった熱帯林の急速な減少の趨勢はほとんどそのまま続いており(FAO地球森林資源調査GFA2005)、この分野の国際的な政策的な協調・協力がますます重要になっているのに、「法的な拘束力がない」ということがタイトルの真っ先にくる文書としてしか合意でできないというのは、ちょっと残念なところです。が、法的な性格自体が現時点のこの問題を巡る国際政治の現実を客観的に反映したものでであるということでしょう。

当事者で汗をかいている政策当事者にとっては不謹慎かもしませんが、UNFFの会合がどんな状況になっていくかは、80年代以降急に国際問題としてメジャーになった森林問題について、気候変動や、生物多様性といったサイドが仕掛けをしてきているのに対して国際的なフォレスターの主導権がどの程度の水準になっているかというメルクマールとしても興味深いです。

とはいえ、熱帯林問題だけでなく、市場経済のグローバル化や京都議定書ポスト議定書という地球環境政策のグローバル化という背景の下で、国内の成熟しつつある森林資源の持続可能な管理という国内の森林政策にとっても、現時点での国際的な森林政策の合意点を記載した今回の文書は重要なはずです。

(すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書=NLBI)

NLBIは、その目的を、@全てのタイプの森林の持続可能な森林経営達成と、合意した森林に関する国際目標(global objectives on forests)の達成のため、政治的な関与と全てのレベルの活動を強化すること、Aミレニアム開発目標を含む、特に貧困の根絶と持続可能な環境についての国際的に合意した開発目標の達成のための森林の貢献を推進すること、の二つに置き、次の四つの国際目標(Global Objectives)を掲げています。

森林に関する4つの国際目標

国際目標1
保護、保全、造林、再造林、および森林の荒廃を防ぐ努力を推進するなどの持続可能な森林経営・管理を通して、森林の減少傾向に歯止めをかける

国際目標2
森林に依存する住民の生活を改善するなど、森林の経済的、社会的、環境的便益を増進する

国際目標3
保護林その他持続可能な森林を世界中に有意に拡大し、持続可能な森林から生産された林産物を増やす

国際目標4
持続可能な森林経営・管理に対する政府開発援助の減少傾向に歯止めをかけ、持続可能な森林経営・管理を実施するため新規・追加的な財政的な資源を有意に拡大する


以上を実現するため…
<国内措置>

@国家森林プログラムの整備・実施、A持続可能な森林経営のための「基準・指標」の更なる開発及び実践等25項目
<国際協力>
@持続可能な森林経営のための実施手段強化に向けたハイレベルの政治的コミットメント確保に向けた努力、A違法な林産品等の違法貿易への対処に向けた国際協力、B国内法に基づき森林に関する違法行為に対処するための能力強化等19項目
<モニタリングと報告>
UNFFに、任意で、上記取組の進捗状況を示す国別報告を提出を求めています。

本文ダウンロード(国連で採択された公式サイト)
日本語訳概要(林野庁)

国際目標3に記載されているように「持続可能な森林から生産された林産物を増やす」という目標を掲げた場合、「何が『持続可能な森林』か」、「『またそれが証明された林産物』とはどのような要件を備えたものか」の定義が必要ですし、それと森林認証との関係、日本の森林法に基づく施業計画制度との関係などを、明らかにしておく必要があります。

グリーン購入法の関連で林野庁が作成したガイドラインについての議論が、この点でも進展する必要があります。