「森林・林業の再生に向けた改革の姿」のグローバル度(2010/11/20)

 

農林水産省・林野庁の森林・林業再生プランに基づく森林林業基本政策検討委員会は、平成22年2月15日に第1回検討委員会を開催して以降9回にわたる検討委員会の結果を、「森林・林業の再生に向けた改革の姿」(以下「改革の姿」といいます)として、11月30日に公表しました。

農林水産省森林・林業再生プラン推進本部ページより
資料1:森林・林業基本政策検討委員会 最終とりまとめ「森林・林業の再生に向けた改革の姿」 (PDF:776KB)

その他の第三回推進本部(平成22年11月30日)配付資料
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/saisei/index.html

次期国会での、森林法改正も含めて今後取り組まれる林政改革の方向を示すものですが、グローバル度という点から検討をしてみます。

取りあえずの物差しを国連決議になっている森林に関する4つの国際目標におきます。
Non-legally binding instrument on all types of forestsに関する国連決議(2008/1/8 62回総会)
UNFF7の決議がベース内容はこちらに

森林に関する4つの国際目標

国際目標1
保護、保全、造林、再造林、および森林の荒廃を防ぐ努力を推進するなどの持続可能な森林経営・管理を通して、森林の減少傾向に歯止めをかける

国際目標2
森林に依存する住民の生活を改善するなど、森林の経済的、社会的、環境的便益を増進する

国際目標3
保護林その他持続可能な森林を世界中に有意に拡大し、持続可能な森林から生産された林産物を増やす

国際目標4
持続可能な森林経営・管理に対する政府開発援助の減少傾向に歯止めをかけ、持続可能な森林経営・管理を実施するため新規・追加的な財政的な資源を有意に拡大する

我が国の森林を考えた場合2,3の目標特に3が重要です。

この点で「改革の姿」の「(2)適切な森林施業が確実に行われる仕組みの整備」が関係します。さわり部分を引用します

(2)適切な森林施業が確実に行われる仕組みの整備

@ 全ての森林所有者に対する責務の明確化

a.伐採、更新ルールの明確化、徹底

森林資源の成熟化に伴い、持続的な森林経営の理念が無いまま無秩序な伐採が行われることが懸念される中、現行制度では、このような伐採行為の防止や伐採後の更新を確保する仕組みが欠如していた。

このため、

ア.全国森林計画において、皆伐や更新の考え方・基準を示す。

イ.無秩序な伐採や造林未済地の発生を防止するため、伐採後に適切な更新が行われない森林に対して、植栽の命令が発せられる仕組み等を導入する。

ウ.これらの措置と併せ、森林管理・環境保全直接支払制度の支援対象を森林経営計画(仮称)対象森林に限定することで、森林所有者等が森林経営計画(仮称)を作成することを促し、全ての森林において適切な伐採と伐採後の更新の確保が図られるよう誘導する。

エ.市町村森林整備計画の基準に適合しない伐採行為により産出された木材が違法伐採木材として市場で淘汰される仕組みを導入する。

「改革の姿」全体を通じて国際目標となっている持続可能な森林経営(改革の姿では「持続的な森林経営」という用語を使用)が意識されていることは明確です。そして、そのための担保として皆伐更新の基準を作成し、@法的な規制の手段、A計画制度(森林経営計画)とその財政的支援、B市場での淘汰、という3つの面での支援措置とろう枠組みです。

市場で淘汰をする形にするには、エンドユーザーへの説明が必要になってきます。

違法伐採問題にツールである、合法木材供給システムを利用することが前提となっているはずですが、ミレニアム目標との関係でいうと、どの木材が持続可能な森林からの生産物となるかを明確にしておく必要があるでしょう。

@ウの森林経営計画の対象森林が持続可能な森林で、エの市町村森林整備計画の基準に適合していれば合法であるが持続可能な森林とはいえないのか、それともA市町村森林整備計画の基準に適合していれば持続可能なのかがポイントです。

この点は国際目標との関係だけでなく、CASBEEやエコマークなどグリーン購入のシステム開発に係る多くの方々の関心事項です。

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