主要8カ国首脳会議ラクイラサミットと森林問題(2009/7/13)

35回目を迎えたサミット(主要国首脳会議)は、7月8日(水)〜10日(金)までイタリア半島中部の観光地ラクイラで開催されました。

その内容は各種の宣言文として取りまとめましたが、その中心となる「主要国首脳宣言:持続可能な未来に向けた責任あるリーダーシップ」の中の森林問題に関する記述は以下のとおりです。

G8首脳宣言:持続可能な未来に向けた責任あるリーダーシップ>持続可能な天然資源の利用:気候変動、クリーン・エネルギー、技術>森林及び土地劣化

78.森林減少が年間二酸化炭素排出量の約20%を占めること、及び森林が生物多様性の不可欠な集積庫であり多くの人々の生活及び権利にとって鍵となることを認識し、我々は、森林減少及び森林劣化からの排出量の削減を目指すこと及び、持続可能な森林管理を世界的に更に促進することに引き続き関与し続ける。我々は:

a) 特に開発途上国による森林減少及び森林劣化を削減する行動を通じた排出量削減を促進するため、積極的なインセンティブの策定を支援する。これらの措置が目に見える成果を中期的にしかもたらさないことを考慮し、森林減少の原動力に対し迅速に対処する早期行動イニシアティブを取ることも極めて重要であり、我々はこの観点から革新的な手段を特定するために、森林減少・劣化に由来する温室効果ガスの排出削減のための国連プログラム森林炭素パートナーシップ基金(FCPF)、及び森林減少・劣化に由来する排出の削減のための暫定資金の非公式ワーキンググループ(IWG−IFR)(勉強部屋注)といったイニシアティブを通じることも含め、協力する;

b) バリ行動計画に規定されたように、保全の役割、森林の持続可能な管理及び森林炭素貯留量の強化を含め、森林減少及び森林劣化による排出量を削減する努力を引き続き支持する。我々は引き続きREDDを支持し、気候変動に関する将来の世界的な合意の中に資金メカニズムを含めることを検討する;

c) UNFCCCと他の国際的な森林関連プロセスとの間の協力及び相乗効果の利用を奨励し、政府、先住民及び地域社会、市民社会グループ及び民間部門を含めた関連するプレーヤーと協働して策定された国家戦略を促進する;

d) 違法伐採及び違法に伐採された木材の貿易と闘うために、国際的合意の下の我々の義務に従い、森林法の執行とガバナンス(FLEG)プロセス勉強部屋注世界銀行のページ)の下のものを含め、我々の以前のコミットメント及び行動を基礎とし、パートナー国との協力を強化する。

我々は、透明な木材市場及び合法かつ持続可能に生産された木材の流通・貿易を促進する意図を再確認する。この点に関し、我々は、適切な場合には、2008年のG8森林専門家違法伐採報告書によって提示された選択肢のとりあえずのリストの具体的な行動で、フォローアップを行う;

e) 森林資源の利用、森林火災の予防と管理、及び病害虫及び病気の監視を含めた持続可能な森林管理のための国際的な協力及び情報交換を強化する。

(外務省仮訳を基に一部小HP改訳、リンクは小HPの責任です)
(注)外務省の訳は「適法かつ持続可能に生産された材木(!)の貿易を促進する」となっていますが、原文はpromote trade in legal and sustaainably produced timberとなっていて、trade には国家間の交易を意味する貿易のみならず国内流通を含む言葉なので「木材の流通・貿易」としています。
G8首脳宣言:持続可能な未来に向けた責任あるリーダーシップ全文(外務省仮訳原文英文
外務省のラクイラサミット公式ページ
主催国イタリアのサミット公式ページ

12月の気候変動枠組み条約COP15を控えて、途上国の森林管理の強化とそれに先進国がどのように資金的支援をしていくかということが重要な課題となっています。地球サミットで森林条約が議論になって以来の途上国の森林管理責任とそれにコミットする先進国の資金拠出という難しい課題がどのような決着になるか重要なポイントです。

その他に、さらりと記載された「透明な木材市場及び合法かつ持続可能に生産された木材の流通・貿易を促進する意図を再確認」(注)という言葉ですが、これを保証するには、持続可能に生産された木材を市場で識別し、その流通を促進するという手だてが取られる必要があるという結構大きな課題です。

そのためには、@持続可能な生産のチェック体制と、Aその情報をできるだけ効率的に消費者に伝達する手法、そしてBその利用にメリットを与え推進する施策の3つが必要となってきます。

この全ての点について、違法伐採総合対策推進協議会の提言書がふれています。ご一読下さい

chikyu2-5<G8_2009>