ニュースレター No.241 2019年9月15日発行 (発行部数:1500部) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:国際熱帯木材機関の最近の動向ーサプライチェーンの管理にむけて(2019/9/15)
8月23日開催された、日本林業協会の公開講座2019「熱帯木材貿易の現状と最近のITTOの取組」に出席しました 国際熱帯木材機関は日本に本部を置く数少ない国際機関。 戦後力を付けてきた発展途上国が、「援助ではなく貿易の拡張」と主張し、、国際貿易開発会議UNCTADを中心に品目ごとの国際商品協定を作成してきたシリーズの一つ、国際熱帯木材協定にもとづく、国際機関です。 私は、1988年から2年ばかり林野庁の林産課の貿易班長でITTOの担当課長補佐でした。 日本のODAがどんどん増え、日本が熱帯木材の輸入国としても世界の中心にいたような時代だったので、その機関の本部が日本にあるのは当然で、これからいろいろ楽しいことが生まれそう・・・。 それから30年ほどでどんなになっているのか、事務局長の話を興味深く聞きました。 今回講演を行ったゲアハートテタレ事務局長は、ドイツ出身、過去の事務局長はすべて、途上国(生産国)出身で、始めて消費国の出身者が責任者になりました。
ということで、最後の方は、サプライチェーンの構築の話です。
boueki3-12<ITTOnow>
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米国の都市の森林の減少が何をもたらしているか(2019/9/15)
CNNのウェブサイトに標記の記事が掲載されているよ、という連絡を読者からいただきました 樹木の減少が都市の熱波の原因になっている。最近の調査によると、樹木は夏の日中の温度を6度C(10度F)ほど下げることを明らかにしたが、米国の森林局の調査によると、都市の樹木被覆率は5年間で1%減少している、として最近の二つの都市の森林に関する調査結果を紹介しています。 第一の論文は、PNAS米国科学アカデミー紀要4月9日号に掲載された、Scale-dependent interactions between tree canopy cover and impervious surfaces
reduce daytime urban heat during summer(樹木の被覆率と不浸透性土壌の規模の関係が、夏期の都市昼間気温の低下させる)→ もう一つの論文は、Urban Forestry & Urban Greening誌(ELSEVIER社)米国森林局が全国にわたって都市部の森林の被覆率の変化(だけでなく、道路、水面など8種類の土地形態が相互にどのように変化したか)を解析した結果、
chikyu6-4<UScitywood>
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時流をつかめー企業価値を高める木造建築ー「需要サイドからの林業改革」につながるか?(2019/9/15)
ビジネスの本流の需用者からの木材利用の推進をすすめるウッドソリューションネットワークの、ユーザー向けの情報発信、「MOKU LOVE DESIGN ~木質空間デザイン・アプローチブック~」に続く、第二弾、非住宅木造推進アプローチブック 時流をつかめー企業価値を高める木造建築がでたので、読んでみました。 木材関係者ならおなじみの、「木材を利用する木材建築は「第二の森林」」「木材は心身の健康にプラスにはたらく?」といった情報に加えて、木造でたてると、企業経営にどんな影響を与えるの?(環境的社会的ガバナンスのへの配慮が行き届いた会社に優先投資をするESG投資に流れの中で注目される!上、工期が短く財務の負担がすなくなる(ケースがあり)、税務上こんなにお得)といった話しがならんでいます。 こんなパンフレットが、農林中金や日経BPのネットワークを通じて配付されいくと、シンボルとなる自社ビルの建設時に木造化するかが確実に選択肢の一つになってくるので、木材利用の動きももう一段階のぼっていくことは確実ですね。 非住宅木造推進アプローチブック「時流をつかめ!企業価値を高める木造建築~持続可能な木材利用を経営戦略に取り込もう~」の制作・発行について(農林中金) こちらから概要と本文がダウンロードが可能です。是非ご覧になって下さい。 紹介されているケースが公共建築物が多いので、ビジネスの方から見るともう一歩と、いう気もしますが、これから、この辺の蓄積がどのように増えていくのか、このシリーズの第三弾第四弾注目です。 (地方創生に向けた”需要サイド”からの林業改革) この企画のトップは、東京海上ホールディングス会長隅修三氏のインタビュー記事。 題名は「森林資源の活用で地方から日本を元気にするー地震大国でも木造のビルは建築可能」です。 この記事の冒頭に経済同友会が今年の3月に「地方創生にむけた”需要サイド”からの林政改革」を提言しており、隅会長は地方創生委員会会長その取りまとめ役だったことを知りました。 提言発表記者会見のビデオもYouTubに 地方をまわってみたが、「補助金なしでは林業は立ちゆかないという言葉ばっかり」。そこで、需要を作り出さなければとと考え、この提言を考えた。(記者会見での隅会長の発言) これを読んでみて、ウッドソリューションネットワークの企画の下敷きが、この報告書だということが解りました。 海外の木造高層建築の先行事例。木造化は環境にもよくて、コストも安いのに。なぜ、日本が遅れているかその理由が、同友会の会員へのアンケートでわかった。自社ビルを木造で建てることなど経営者の選択肢にも入っていない、中高層ビルの木造化に知識のある建築技術者いない・・・。CLTに期待。 隅会長の熱のこもった報告書の内容説明を聞いた上で、是非提言書ご覧下さい。 提言発表記者会見のビデオもYouTubに CLTがうまく日本の林業とつながるのか?無垢材にこだわる地方の建築技術者の動きとどのようにタイアップするのか?本当に木材利用が進んだ後に森林再生がどうなるか? 課題は山積していますが、楽しみです。
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10年に一度の日本のからの情報発信ーモントリオールプロセス国別報告書第三弾 (2019/9/15) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
国際的な森林の持続可能な管理を実現する道筋として、各国が自国の森林と管理状態を信頼できる基準に基づいて公表するという手続きがとられていますが、日本政府は日本が参加するモントリオールプロセスの基準指標に基づき、第3回の報告書を作成公表しました。 第2回目が2009年なので10年ぶり。 林野庁のサイトに掲載されています。 (モントリオールプロセスとは) 1992年にリオ・デジャネイロ(ブラジル)で開催された地球サミット(UNCED)以降、持続可能な森林経営の推進が国際的に重要な課題となる中で、森林経営の持続可能性を客観的に把握する「ものさし」として、基準・指標を作成する取組が世界各地域で進展しました。 そのうちの一つ、モントリオール・プロセスは、カナダ、米国、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、豪州、ニュージーランド、中国、ロシア、韓国、日本の12ヵ国が参加し、1994年から、「基準・指標」の作成と改訂、指標に基づくデータの収集、国別報告書の作成等に取り組み、2007年からは我が国(林野庁)が事務局を務め、各国間の活動の企画調整等を行っています。 現在、環太平洋地域の温帯林等諸国が参加するモントリオール・プロセスのほか、欧州各国によるフォレスト・ヨーロッパ、国際熱帯木材機関(ITTO)加盟の熱帯木材産出国によるものなど、世界に9つの基準・指標プロセスがあり、約150ヵ国が少なくとも1つに参加していることがFAOによって報告されているようです。Criteria and Indicators - for sustainable forest management:FAO 名称の由来は、1993年9月に開催された、「温帯林等の持続可能な開発に関する専門家セミナー」ですが、この会合に私も林野庁の担当者として参加し、その後この、持続可能な森林の基準指標づくりが、来たるべき森林条約の重要なコンテンツになるはず、とう思いで、この経緯には直接関与し、そのポジションから外れた後も、この勉強会などで、結構フォローしてきました。国際的な基準・指標づくりの取組 最近の情報は林野庁のページ森林・林業分野の国際的取組の中の「持続可能な森林経営の「基準・指標」~モントリオール・プロセス~」からどうぞ (基準と指標) 上の表にあるように第2回報告書がでてから、すこし基準と指標が替わりました。
3回の報告がでたところで、国際的な評価基準が日本の森林の管理政策にどのようにフィードバックされてくるのか興味深い点です。 (第2回と第3回の国別報告の違い) 二つの報告書はどちらも130ページほどの報告書ですが(日本語版)、章別に割り当てられたページ数の比較です。緑のセルが多くなった章。
東日本大震災の津波と海岸保安利の関係や、各地の水害と森林の関係など基準3に割り振られたページ数は倍増しています。 その他、技術的な情報収集の進展を反映して、第1章5章などの記述が増えています。 違法伐採問題などの切り口が基準7には出てきますが、ガイドラインで積み重ねられてきた日本の蓄積についての言及がなく(第2回にもない)、今回はクリーンウッド法のことだけが、記載されているなど、少し気になる部分もあります。すこし、この辺はまた別途中身の検討をする機会を持ちたいと思います。 chikyuu3-6<montrealreIII> |
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建築関係者の森林への想い(2)ー建築家の視点から見た木造建築づくりの50年間 (2019/9/15)
junkan3-12<fujimoto50year> |
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ITTOの課題と日本のGOHOwoodの経験などー勉強部屋ニュース241編集ばなし(2019/9/15)
ITTO事務局長講演、モントリオ-プロセス国別報告書、両方とも昔仕事として深く関わっていたプロセスですが、それはそれとして、どちらも気になるのは、日本の違法伐採問題との戦いが切り開いてきた合法木材ガイドラインの、業界団体認定された事業者のサプライチェーンの連鎖問題(GOHOWood)。 ITTOがサプライチェーン問題が課題になっているのはその通りだと思うし、それに中国が一生懸命貢献しようと10月にイベント計画中。世界中の熱帯木材が一度中国にやってきて世界に送られるというようなので、中国がそのプロジェクトの中心になるのはよく分かります。が、どんなシナリオでこの問題に迫ろうとするのか?見えにくい。そこに日本の経験が大きな貢献をするんでないか?と、思うんですけど。 日本から世界に発信するモントリオールプロセスのできたばかり国別報告書の中にも、その大切なことが抜けてるようで、少し残念。 話変わって、林政審議会が開催されるというので11日久しぶりに傍聴してきました。テーマは国有林にかかわる二つのテーマで担当課長の(すばらしい)独演会を聞くようなものでしたが、それはそれとして、委員の何人かと久しぶりにご挨拶。皆さんの発言を聞いていて、木材利用拡大が山づくりになっていくのか、いろいろ課題はあるので、おいおい、ネット上に議事録が載った段階で、勉強部屋でもフォローしたいです。 次号以降の予告、林政審議会0911傍聴記、森林外交論続き、書評:諸外国の森林投資と林業経営-世界の育林経営が問うもの―、木で創る新しい社会ー街を森にかえる環境木化都市の実現へ、勉強部屋の20年、環境経済政策学会2019年大会と森林の議論 konosaito<hensyukouki>
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