ニュースレター No.2312018年11月25日発行 (発行部数:1436部) | ||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:北欧と日本のPEFCグループ認証・統合認証の広がりが示すもの(2018/11/25)
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全国木材産業振興大会広島大会ー木をつなぐ神々の時代から未来へ 10月18日に広島で開催された全国木材産業振興大会に出席してきました。 今年のサブテーマは「木をつなぐー神々の時代から現在そして未来」。 将来の循環社会の主役であることが間違えない木材産業が現時点でどんな対外的な情報発信をしているのか、興味深い大会です。 また、広島は世界中の誰もが知っている日本の地名Hiroshima、そして、広島県は全国で一番原料加工量が多い製材工場群をもっている加工拠点、そこからの情報発信は? (今年の大会決議-10年前と比較すると)
今回のスローガンを10年前の大会と比較してみたのが、上記の表です。青いセルが制度要求、黄色のセルが自分たちで取り組む決意表明。 10年前の最後の欄の税制が森林環境税という形でい実現し、自らの努力部分になってきたこと。都市部に向けた木材制度の改定が重要なターゲットになってきたようです。 (神々の世代から未来へ) 大会テーマとなった標記「神々の世代から」は、特別講演をされた千家 和比古氏(出雲大社権宮司)の「高大な木造の神殿ー出雲大社を巡るなるほ探訪」に関連しています。 お話は深く広く、日本は古来、数字の「二つ」を重んじてきた。そこは、欧州のように一つをトップとするピラミッド構造とはちがうのであって・・・伊勢神宮と出雲大社があって・・・、とつづくのですが、それは出雲大社: 日本の神祭りの源流 [書籍]などで。 神々と未来の関係は、出雲神殿の構造が木造高層建築の原型で、これが未来の都市ににつながる。そういうタイミングで広島で大会は大変良い機会です!! (木材利用拡大条例) 今回のトピックスの一つは、最近できたばかりの広島県県産木材利用促進条例。 都道府県レベルでは、木材利用促進を主たる目的とした条例が4,森づくりを目的とする条例に木材利用が位置づけられているのが10道県、地球温暖化防止条例に木材利用が位置づけられている県が、4府県となっていいます。広島県は木材利用を主たる目的とする第一のカテゴリーでしょうか。2年前の調査で4だったのが、ネット上を調べていると、第一カテゴリーだけで、以下の9県が木材利用促進条例をもっているようです。 茨城県県産木材利用促進条例 題名から分かるように秋田県だけは、木材利用促進条例、県産材でも県産木材でなくてもどんなもカバーするグローバルな視点にたった条例です。 ほとんどの県が県産材ということで「本県のもつ豊富な森林資源の重要性」から県内で生産された木材、を利用促進していますが、広島県産木材はそれとは少し違います。 県産木材は県内で生産され又は加工された木材(第二条) とりあえずは途中経過、循環社会の主流になれるかどうか、今後の発展が楽しみです。 kokunai11-11(zenmokutaikai2018) ■いいねボタン
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GDPに替わる豊かさの評価ー新国富指標の中の森林(2018/11/25)
2018/11/06 環境経済学ワークショップ:持続可能性の条件と指標というワークショップに参加して、Beyond GDP?: Environment, Society and Welfareという報告を聞きました(日本語で)。 新国富指標Incusive welth Indexについては、勉強部屋でも2回紹介してきました。 包括的「冨」報告書2014年版の中の森林問題(2015/4/25) 上記の記事はInclusive wealth report2012,2014に基づくモノですが、今回の報告はその続編Inclusive wealth report2018(IWR2018)に基づくモノで、この話が着々と進展して、その中心にいるのがIWR2018の主筆者であり今回報告をした馬奈木さんでした。 英文のフルレポートはInclusive wealth report2018(IWR2018)からダウンロードできます。 (森林の評価手法の変更点) 新国富指標はDGPが対象としてきた人工資本のみならず、人的資本、自然資本を加味して真の豊かさに迫ろうというモノで、森林の価値を木材などの利用価値と非利用価値にわけ、木材生産に可能な森林の蓄積に木材の立木価格をかけて、将来の価値もふくめて計算して割引率をかけて現在価格を出す、非利用価値は、現在の森林蓄積の利用可能なモノ(全体の10%)に先進国、途上国ごとに推定た非利用価格単価をかけて算出しています(自然資本の持続可能な管理に向けて国民経済計算のあたらな手法(2015/3/22) 参照) 今回の2018までの過程で変更になったのは、自然資本のベースとなる森林面積からCultivated forest を外しているとうのが大きな変更点(人工林は自然資本でなく人工資本?)、その他、非利用森林便益に関しては、 (都道府県新国富の変化、森林資本の変化など) 豊かさの価値評価には、この指標をつかって都道府県別の評価、市町村別の評価などの結果が示されて新国富指標の使い勝手や今後の課題が分かるようになっています。 その中で森林の評価がどのように取り扱われているのか、人工資本に評価されているとしと自然資本から外された人工林の非利用価値はどのように評価する道があるのか?森林の非利用価値の単価の根拠は何なのかなどろ面白そうなテーマがありそうです。 関心のある方は是非豊かさの価値評価をどうぞ。 junkan6-7<IWR2018> ■いいねボタン
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森林に関わる幸福度の実証分析(2018/11/25)
9月に開催された環境経済・政策学会2018大会コレクションで紹介した、「農山村において森林に関わる幸福度に影響を及ぼす要因の実証的検討:滋賀県野洲川上流域対象として」について、報告者の滋賀県立大学高橋卓也さんから、関連情報をいただいたので、紹介します。 プレゼン資料「農山村において森林に関わる幸福度に影響を及ぼす要因の実証的検討:滋賀県野洲川上流域対象として」 森林政策の総合的評価をどうするか?という大きなテーマです(だと思います)。 (幸福度とは) キーワードとなっている幸福度。国の政策を総合的に図る指標としてGDPがよく使われていますが、それに変わる指標の研究の一つに、主観的幸福度が注目を与えていて、OECDはガイドラインを出版しています。 自分の生活に関する自己評価(生活評価)、さまざまな局面における気持ちの良さ・悪さ(感情)、自分の人生意義についての自己評価(エウダイモニア)などをはかって総合評価(点数付け)をするもの。 (森林の幸福度とは) 今回の報告の基盤となった研究は、政策評価に関する上記の研究成果を、森林政策の評価に使おうというものです。(と理解しました) 森林関連主観的幸福度を、山と森林との関係における満足度、関わりに関する達成感、関わりに関する感情、などから、はかり、その点数が、その人に関連する、自然資本、森林関連活動、生活利便施設(人工資本)、人間関係(社会関係資本)などとの関係で見ていこうとしています。 みんなが合意ができる、森林関係主観的幸福度というものができるのでないか、それに影響を及ぼす、自然の恵み、森林に対する活動がはかれる可能性がある。まだまだ、途上の研究だと思いますが、注目すべき研究だと思います。 (森林関連幸福度研究の意義) 森林に関する幸福度の研究について、この研究のように、ローカルな森林政策を評価する客観的な基準をつくることに加えて、GDPに変わる幸福度が注目されるようになった場合、そのなかに森林に関する分野の指標がどのように組み込まれていくべきかという、という議論も当然あるはずで、今回の研究蓄積はそんな中にもいかされていくのでないかと思います。 junkan1-18(IHPforest) ■いいねボタン
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林業経済学と環境経済学の周辺-勉強部屋ニュース231編集話(2018/11/25)
林業経済学会の秋季大会で、「『林業経済学』を問い直し,未来を構想する」というテーマのセッションに少しだけ顔を出してみました。 林業を対象とする経済学を研究しているプロの研究者が本流の経済学研究が生み出してきたコアなコンセプトとどどのようなつきあいをしていくのか?ということを話しているのかもしれない、と思って最後のところを聞いていました(そんな話しもされていたので)。 終わってから、林業経済学会会則をみてみると、林業経済学とは「人間と森の幅広いかわり関する社会科学および文理論的・実証研究向上を目的とする」学問だなんですね。すくなくと経済学の一分野ではない。それで「林政学会という名称にした方がよいのでないか?」などとう議論がされれいたのか、と納得しました。 セションを巡る全体像がわからないまま、気になったことがあったので、セッションで手をあげて発言をしようとしたのですが、時間切れでさされなかったので、あとで関係者にメールをしてみました。長文ですが以下紹介します。 ーーーー 出席してみて気がついたのは、SEEPSの中に森林分野の研究の存在感がまったく希薄だということです。 わたしの知る限り、森林関係のセッションが開催されたことはありません(不勉強かもしれませんが(一回だけあったのだそうです))。今年のSEEPS大会のセッション構成です。 それに比べて国際環境資源経済学世界大会World Congress of Environmental and Resource Economistsのプログラムをみると複数の森林関係のセッションがあり、それ以外のセッションにも森林関係の報告がたくさん見られます 色んないきさつがあるのかもしれませんが(国際林業経済学会がないからというコメントをあとでいただきました)、一体この差は何なのだろう考えることがあります。 アカデミアの世界だけでなく、行政の人脈も同じようなところがありますが、森林関係者が外に攻めていない(自分の反省も含めて) 最近Inclusive Wealth Index 新国富指標の開発動向について、勉強する機会がありました。 この指標がどの程度市民権を得ていて影響力があるものかは分かりませんので、もっと大切なことが他にいろいろあるのかもしれませんが・・・ ーーーー以上長文になり、失礼しました 次号以降の予告、森林環境譲与税の施策事例集、新しい全国森林計画、IPCC1.5度特別報告書の中の森林、第18回アジア学術会議出席記録、林業経済学会秋期大会コレクション konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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