ニュースレター No.168 2013年8月24日発行 (発行部数:1170部) | |||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
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フロントページ:リオ+20年から一年(2013/8/24)
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国連持続可能な開発会議リオ+20から1年たちました。 「貧困撲滅と持続可能な開発のためのグリーン経済」が主要なテーマでその中で森林の将来がどうなるのか、小サイトとしても関心をもってフォローしてきました。 合意文書「我々の望む未来」"the future we want"の中で一番注目されたのは、持続可能な開発目標SDGsを作成する手順を決めたことでした。 「我々は、世界的な持続可能な開発目標を視野に、・・・SDGsに関する包括的かつ透明な政府間交渉プロセスと立ち上げに合意する。オープンな作業部会は、12年9月に発足くされ・・・同部会は1年後にSDGsの提案を盛り込んだ報告書を提出して、検討およびてきせつな行動を仰ぐことになる。」(パラ248) このプロセスは2015年以降の開発アジェンダの検討プロセスと整合的だある必要がある。(パラ249) 前者のSDGsのためのOpen Working Gorup(OWG)は本年1月の国連総会で発足し、国連事務局が実施した各国のアンケート調査などを基にして、3月から6月にかけて、4回の会合が開催されました。(公式なウェブサイト、4回会合の中間報告) 後者のMDGsのフォローアップ作業はrio+20以前から始まっており,、12年7月にハイレベルパネルが設置され今年5月に報告書が公表されていいます。(公式なウェブサイト)
このへんの関係を示したのが図1です。(グリーン経済の課題と展望~リオ+20(国連持続可能な開発会議)の成果と国内外の最新動向を踏まえ~、グリーンエコノミーフォーラム より) 途上国の貧困問題をテーマとしたミレニアム開発目標MDGsが一定の成果を収めたので、その上に立って、持続可能な開発というコンセプトを明確にした、すべての国を対象としたSDGsを作成しようという枠組みです。 MDGsでは以下のような7つの目標が設定され、森林は7番目の環境の持続可能性確保、に位置づけられているのですが、持続可能な開発というコンセプトが中心になるあたらた目標設定の枠組み作りの中で、森林がどんな扱いになるのか、注目されます。
MDGsとSDGsの関係は小サイトでも「持続可能な開発目標」と森林(2012/8/18)として、検討しました。 統合のための本格的な議論はこれから始まるところですが、上記の、国際的なアンケートの分析の解説も含めた、統合のシナリオについての解説が、持続可能な開発目標(SDGs)に関する国際動向:各国アンケート調査の結果から(IGES:蟹江 憲史他)という形で日本語でまとめられています。 この報告書は、持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究(POST2015)- 地球の限られた資源と環境容量に基づくポスト2015年開発・成長目標の制定と実現へ向けて –というプロジェクト成果です.。 (ハイレベルパネルの報告書) 他方でハイレベルパネルの報告書がA NEW GLOBAL PARTNERSHIP: ERADICATE POVERTY AND TRANSFORM その中でSDGsの原型となるような骨組みが提案されています。 1 貧困の根絶 以上の12の共通目標案の下に、4か5の国家ターゲット案が並んでいます。森林は多くの目標に関係しますが、中心は9でしょう。 9についてののターゲット案は以下の5つが提案されています。 森林については、再生可能な資材としての木材の供給力を高め、持続可能な管理をされた森林を増加する、という基本的なコンセプトを明確にしておく必要があるでしょう。 森林分野の国際協調の取組である国連森林フォーラムUNFFでの調整作業と、SDGsの策定過程がリンクして進むことを期待します。 UNFF10 High-Level Roundtables Focus on SDGs, Enhanced Collaboration 今の貧困と飢餓に対応しながら、明日の循環社会を目指す指標作りの中で、森林や木質バイオマス材料がどう取り扱われるかは、森林関係者の関心事項という次元でなく、現代社会の明日への構想力を試される指標となると思います。 kokusai0-9(rio+21) |
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JAPICの国産材マーク(2013/8/24) 一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)(会長三村明夫新日鐵住金(株)取締役相談役)が、「『国産材マーク』を創設し、国産材利用促進する国民運動を展開する」と公表しました。 (JAPICの活動) JAPICは「民間諸産業による業際的協力と産官学明の興隆を通じて英知を結集し、国民の安全安心と持続可能で豊かな社会作りに向けて、立国の根幹に関わる事項の研究と実現活動」(定款)を目的とした、商社、建築業界などの集まる団体(役員一覧)で、交通基盤整備などの大規模ナショナルプロジェクトを提案・提唱してきました。(沿革) その団体が、09年に森林再生化委員会(主査米田雅子・慶應義塾大学教授)を立ち上げ(12年に森林再生事業化委員会と改称)、その議論をふまえて、,本年2月、日本経済再生に資する「林業復活」についての提言 ~「林業」を新しい視点で復活させる ~を公表し、「林業復活・森林再生を推進する国民会議」を呼びかけるなど、積極的な森林分野への提言・提案を行っていいます。今回の国産材マークはその提言をみずからの実現活動として展開しようとするものです。 (国産材マーク制度の概要) JAPICが国産材マークを定め、国産材マーク使用団体、国産材マーク推進協力する企業団体等などよりなる国産材マーク推進会が発足しました。 自分の製品にマークを使いたい企業は、A会員の団体に使用許諾を申請する。B会員の企業団体が普及を支援するという枠組みです。 国産材マークの取り組みは今までも試みられてきましたが(NPO国産材)、今回は国土のインフラ整備を担ってきたJAPICが旗を振り、ゼネコンを中心とした建築業界、新日鐵などの大手企業がマーク普及部会(B会員)のメンバーとなる予定となっているところがポイントです。(現時点でのメンバー構成) 「民間諸産業による業際的協力と産官学民の交流を通じて叡智を結集し、・・・日本の明るい未来を創生する(JAPICの目的)とするJAPICの、国産材の普及展開が注目されます。 kokunai3-456<kokuzanzaiMK_> |
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