ニュースレター No.157 2012年9月29日発行 (発行部数:1224部) | ||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
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フロントページ:国産材にとっての合法性証明の意味(2012/9/29) |
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(木材製品の合法性証明問題) 国際的な違法伐採問題に対応すべく平成18年2月に林野庁が作成した木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドラインに基づいて、木材業界関係者は合法性証明をした木材製品を消費者に供給する体制を構築し、現時点で全国に8600社の供給事業者が認定され、全国どこでもグリーン購入法に基づく要請に対応できる体制が整ってきました。小生が発足時から仕事の上で関わっていることもあり、小HPでも発足当初からズーとフォローしてきたところです。 国産材でも輸入材でも、伐採地点で施行されている森林関係法令に従って伐採されたことを出発点として、一定のルールに基づいて認定された木材・木製品の製造流通に携わる事業者のビジネスチェーンを通して証明書の連鎖をつなぎ、政府から建築発注を受けた建築施工事業者の木材調達部門に対して、購入された商品に証明書を提示しようというものです。(もちろん政府が建築する工事に対応するだけでなく、民間住宅の建築事業者の自主的調達方針にも対応しています。例えば住友林業木材調達方針など)(システムの全体像については合法木材ナビ参照) 海外でもGohowoodの取組として、紹介されています。 (業界団体の取組に関する問題点の指摘) 業界団体の認定という、第三者の認定とは違う林野庁ガイドラインに関しては、その信頼性に関して批判もあります(田中淳夫森林ジャーナリストの思いつきブログ:書評日本の林業を立て直す(速水亨)など)。ニッチなものは別にして、木材の加工流通動向全体を第三者がチェックするシステムを作るのは無理だと思いますが、 この点については筆者もかかわる事業なので、別途論じます。 そのほかに、小生が気になるのは、本当に発行された証明書の根拠となる、原料購入の際の証明書が保管されているか?と問われると、「原料は国産材なのだから違法伐採があるはずはない、そんなにまじめに考えることはない」という返事が返ってくることが、(結構)あることです。 「そもそも違法伐採問題は熱帯林を含む海外の問題に対処するためであり、国産材に合法性証明を求める必要はない。」こういったロジックは業界関係者のみならず、環境NGOの関係者からも普通に聞こえる議論です。 合法性証明が何を求めて出発し、どんな役割を果たしていくべきなのか?その中で、国産材に位置づけを検討してみます。 (ガイドラインでいう合法性とはなにか) 林野庁ガイドラインでいう合法性の証明の合法性は、「違法伐採」の語感から、所有者に無断で伐採して売り払う日本の森林法でいうと197条の森林窃盗を念頭に置きやすいけれども、林野庁ガイドラインでは合法性は 「伐採に当たって原木の生産される国又は地域における森林に関する法令に照らし手続が適切になされたものであること」と定義しており、森林法が要求する、①保安林では都道府県知事の伐採許可(第34条第1項)、②その他の民有林では、市町村長へ伐採造林届け(第10条の8第1項)などを主として念頭においていることがわかります。 (日本の森林法の施行状況と国際的課題) 日本の森林法が完璧にまもられているか、だれもが群盲象をなでるとうことになってしまい、うちの山は大丈夫だという山林所有者や、、うちの県は大丈夫と胸をはれる知事はいるとしても、国産材は大丈夫だといえるのは、日本には只一人、林野庁長官しかいません。林野庁は日本の森林法の施行状況に関するデータは公表されていまいませんが、平成23年4月に成立した森林法の改正の内容が、無届け伐採をした場合の罰金を強化したこと(第207条)、無届伐採が行われた場合の行政命令の新設(第10条の9第4項)となっていることから分かるように、市町村に対する届出を求める部分の施行状況に問題があるということは、行政当局も強く認識していることは間違えありません。(23年4月衆議院農林水産委員会議事録第177回平成23年3月30日(水曜日など) このような中で、森林法の履行の確保のために法令の強化と共に、川下からの合法性のチェックを期待するのは当然の流れです。 森林法の現場での施行を確保するという課題は、首都から離れた森林現場に人とカネを貼り付ける各国にとっても難題、大問題です。このような各国が抱える重要な課題である違法伐採問題の取組は、、行政とともに業界関係者の協力も得て解決しようという文脈のものと理解をすべきだと思います。 欧州やFAOのこの問題への課題のタイトルがFLEGTForest Low Enforcement and Governance and Trede)とされているのも、このような背景でしょう。 Forest Low Enforcemntは、日本にとっても重要な課題で、合法性証明を国産材に求めることは、このような国際課題に応えることになるものだと思います。 boueki4-47<Gohokokusani> |
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9月15日京都府立大学で標記の報告会が開催され、「リオ+20に参加して「我々の望む未来」と森林」という報告をさせていただきました。 リオ+20については、このHP上やいくつかの出版物に投稿記事や取材を受ける形で、報告が掲載され,、またその予定です。 森林技術(日本森林技術協会)8月号 リオ+20「我々の望む未来」と日本の森林,世界の森林 皆さんの前で直接話をさせていただく、報告会ははじめてでした。 プログラムは以下の通りです
藤原の報告は、 ◎リオ+20の目的と概要◎ 191カ国の首脳がサインした「今後の地球の開発の方向」と森林の役割 ○グリーンエコノミーと森林 ○持続可能な開発目標と森林 ◎「グリーンエコノミー中の世界」への日本の森林・林業・木材産業からの発信 ◎まとめー京都モデルフォレストへの期待 という構成ですが、持続可能な開発目標や、日本国内でやってきた事業の世界への発信という観点で、なんといっても京都からの発信は魅力的なので、そのへんに力が入りました。 京都のモデルフォレスト、ウッドマイレージCo2認証制度どれも世界ブランドだと思います。 ご関心があるかたは、報告資料を資料室においてありますので参照して下さい。 大学で開催するイベントで田中先生の主導だったこともあり、たくさんの質問がありました(報告に関係のないことも含めて) Q グリーンエコノミーは熱帯原生林を除去したあとで生産されたパームオイルをPRするのに使われ「グリーンウオッシュ」と悪口をいわれるようににネガティブな意味合いがあるのでないか? A グリーンエコノミーは消費者に価格と品質性能以外に生産過程の環境負荷や貢献度を提示して選択を促すシステムが重要な要素。エネルギーにしても石油系、原子力系に替わってバイオマス系にエネルギー提供をどこまでできるかは鍵を握っており、生物多様性保全と両立させる基準を明確にして情報提供することが重要な仕事になってくると思う。 Q 日本独自の森林認証のSGECは、国際的なPEFC等との関係はどうなるか。 A 調整が進められているところと聞いている。日本の独自の認証制度のSGECがPEFCとの連携がどうしても必要になるのは国際マーケットに輸出するときで、国内消費者向けにPRするときには不必要という考えが強かった。制度の信頼性などを保証するためにPEFCとの連携が必要との意見が強くなっている。 Q 国産材に合法性証明がいるのか? A 木材に合法性証明は違法伐採対策のためのものだが、違法伐採対策は森林窃盗のような悪者退治だけでなく、各国の森林法の施行状態を改善する行政と国民の協力関係の構築だと考えている(私見だが)。森林法の施行は首都から離れた各地にカネと人とを投じなければならないどこの国にとっても大切な大事業。日本のような先進国でもそう簡単ではない。最近の森林法が、無届け伐採に対する罰則を強化したり、無届け伐採の場合の命令を新たに規定としたのも、その現れ。国産材の合法証明には重要な意味があると思う。 こんなやりとりがありました。 kokusai4-1<Rio+20kyoto> |
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私たちの生活と森林(母校の小学校での特別授業)(2012/9/29)
52年前に卒業した新宿区立牛込仲之小学校の6年生を相手に、9月18日特別授業をさせてもらいました。 「水道の蛇口からいつでも水が出る理由」という切り口で、新宿区の水源の荒川上流の森林と林業の話をしました。荒川上流の方々の森づくり活動によって新宿区の水が育まれている 入間川の水源の地下水が地上に表出する部分の写真だとか、水源地の碑の写真だとか、埼玉県の森づくり課にいただいて、新宿区の小学生にはわかりやすいインパクトのある内容になったなと、自負はしています。 発表資料は資料室にありますので関心のある方は、どうぞ。 内容が盛りだくさんで(やはり木の話もしなければと)、肝心の子どもたちがよくりかいできたかどうか、少し心配です。
junkan4-1<nakano0918>
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