ニュースレター No.093 2007年5月13日発行 (発行部数:1350部) | |||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 |
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第7回国連森林フォーラム(UNFF7)の開催結果(2007/5/13)
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15年前の地球サミットで合意された森林原則声明のフォーマルなフォローアップ会合である表記会合が、4月16日から27日まで国連本部で開催され、「すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(Non-Legally Binding Instrument on All Types of Forests:NLBI)」及びNLBIの実効性を確保していくための具体的作業内容等を示した「2007-2015UNFF多年度作業計画(UNFF Multi-year Programme of Work 2007-2015:MYPOW)」が決議・採択されました。 林野庁の記者発表資料 UNFF公式サイト アースネゴシエーションブリティンの報道 1980年代に森林問題が地球環境問題となるきっかけとなった熱帯林の急速な減少の趨勢はほとんどそのまま続いており(FAO地球森林資源調査GFA2005)、この分野の国際的な政策的な協調・協力がますます重要になっているのに、「法的な拘束力がない」ということがタイトルの真っ先にくる文書としてしか合意でできないというのは、ちょっと残念なところです。が、法的な性格自体が現時点のこの問題を巡る国際政治の現実を客観的に反映したものでであるということでしょう。 当事者で汗をかいている政策当事者にとっては不謹慎かもしませんが、UNFFの会合がどんな状況になっていくかは、80年代以降急に国際問題としてメジャーになった森林問題について、気候変動や、生物多様性といったサイドが仕掛けをしてきているのに対して国際的なフォレスターの主導権がどの程度の水準になっているかというメルクマールとしても興味深いです。 とはいえ、熱帯林問題だけでなく、市場経済のグローバル化や京都議定書ポスト議定書という地球環境政策のグローバル化という背景の下で、国内の成熟しつつある森林資源の持続可能な管理という国内の森林政策にとっても、現時点での国際的な森林政策の合意点を記載した今回の文書は重要なはずです。 (すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書=NLBI) NLBIは、その目的を、@全てのタイプの森林の持続可能な森林経営達成と、合意した森林に関する国際目標(global objectives on forests)の達成のため、政治的な関与と全てのレベルの活動を強化すること、Aミレニアム開発目標を含む、特に貧困の根絶と持続可能な環境についての国際的に合意した開発目標の達成のための森林の貢献を推進すること、の二つに置き、次の四つの国際目標(Global Objectives)を掲げています。
以上を実現するため… <国内措置> @国家森林プログラムの整備・実施、A持続可能な森林経営のための「基準・指標」の更なる開発及び実践等25項目 <国際協力> @持続可能な森林経営のための実施手段強化に向けたハイレベルの政治的コミットメント確保に向けた努力、A違法な林産品等の違法貿易への対処に向けた国際協力、B国内法に基づき森林に関する違法行為に対処するための能力強化等19項目 <モニタリングと報告> UNFFに、任意で、上記取組の進捗状況を示す国別報告を提出を求めています。 本文ダウンロード(UNFF公式サイト) 日本語訳(公開され次第リンクします) 国際目標3に記載されているように「持続可能な森林から生産された林産物を増やす」という目標を掲げた場合、「何が『持続可能な森林』か」、「『またそれが証明された林産物』とはどのような要件を備えたものか」の定義が必要ですし、それと森林認証との関係、日本の森林法に基づく施業計画制度との関係などを、明らかにしておく必要があります。 グリーン購入法の関連で林野庁が作成したガイドラインについての議論が、この点でも進展する必要があります。 chikyu4-13<UNFF7> |
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OECD報告書「違法伐採と木材貿易に関する経済学」(和訳)(2007/5/13) 1月にOECDで違法伐採対策円卓会議が開催されたのは既報のとおりですが、その時配布されたOECDの報告書「THE ECONOMICS OF ILLEGAL LOGGING AND ASSOCIATED TRADE」の和訳「違法伐採と木材貿易に関する経済学」が、全木連の違法伐採総合対策推進サイトである「合法木材ナビ」に公開されています。(こちらから) 日本の違法伐採対策は2月の「違法伐採対策推進国際セミナー2007in東京」などで国際的な認知がされつつありますが、1月時点で作成されたこの報告書には日本の取組については一行の記述もありません。 違法伐採総合対策推進事業の様な国際的な取組を進めていくためには各国の政策協調が必要になってきます。日本の制度が持っている優位性、問題点などを、日本の中での議論ととも国際的な議論の場で繰り広げる必要があると思います。 その意味でも参考になる文献です。 目次は以下の通りです
boueki2-28 <OECD-J> |
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建設三団体環境自主行動計画第四版(2007/5/13) 日本建設団体連合会(日建連)、日本土木工業協会(土工協)、建築業協会の3団体は4月、「建設業の環境自主行動計画第4版」を取りまとめましたが、そのなかに「C-2 グリーン調達の促進」という項目があり、「建設業における重点グリーン調達品目」が掲載されていますが、そのなかにノンフロン断熱材などとともに「合法性木材・木製品」が記載されています。 日建連関連ページからどうぞ 「建設業が、事業を通してCO2の排出、建設副産物の発生、自然環境の改変など、地球環境、地域環境に影響を及ぼしていることを認識し」(行動計画「はじめに」)1996 年に「建設業の環境保全自主行動計画」を策定以来、改訂を重ねてきたものです。 「合法性」という、環境問題の中では一風変わったキーワードが「社会的な責任」を追及するゼネコン各社にインパクトを与えることになることを期待します。 日建連のサイトには建設業のグリーン購入促進に関するページが開設されました。 boueki2-29<JFC-GP> |
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