ニュースレター No.071 2005年7月10日発行 (発行部数:1200部) | |||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 |
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フロントページ:世界の森林認証制度の中の「緑の循環」認証会議(SGEC)(2005/7/10)
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6月30日に開催されたSGEC(「緑の循環」認証会議)の理事会で、「国際的な森林認証制度の間の連携と協力に関するSGECの考え方」と題する文書が承認されました。 「日本にふさわしい森林認証制度」というふれこみのSGECですが、国際的な認証制度間の様々な確執、連携の動きの中で、大きな木材消費国の中にできたSGECがどんなポジションをとるのか、というのは、国際的にも重要な関心事項です。 また、SGECの森林認証を受ける側でも、この制度が「熱帯林の保全など地球環境問題を踏まえて形成されてきた国際的な諸制度の水準に比べて十分に高い水準にあるかどうか」ということは、気になるところです。 今回の文書はそのような背景を踏まえ、SGECの国際的なポジションを明確にしようと考えて作成されたものです。 私は、この文書の作成に草案段階から関与させてもらい、国際的な認証制度間の動きなどを改めてレビューする機会がありました。(こちらに「森林認証の相互承認・国際連携を巡る動向」についての年表を掲載します) FSCと先進輸出国にできた認証制度との間の連携や相互に評価をしあう仕組み作りなどの試みは「暗礁に乗り上げている」という状況ですが、「『複数の制度が将来にわたって並立してゆく』という現実を、諸制度間で認めあう中で、並立する制度間の対話のベースが積み重ねられてきたことは、一つの成果であると評価できる。」という認識にたって、文書が構成されています。 今回の文書を国内外の多くの方に関心を持って頂き、国際的な議論に一石を投じることができるように、また、SGECの活動にとっても道標になることを願っています。 原文を以下に置きます
sinrin 3-7 <sgec&w> |
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資料:UNCED森林原則声明と合意過程(2005/7/10) 秋の林業経済学会で「地球規模での持続可能な森林管理への課題」というタイトルの分科会を開催することになっていますが、議論の出発点となった地球サミットの森林原則声明について、同会合で各国との折衝に当たった現林野庁海外林業協力室長永目伊知郎さんから、表記タイトルの論文の提供をいただきました。(これを資料室におきます) 国際条約や国際合意の最終的なテキストは公表されますが、交渉過程が公表されることはきわめてまれです。 森林原則声明の原文テキストは国連HPの持続可能委員会(CSD)の中のUNCEDのページに掲載されています(翻訳されたものは小HP内にあります)。交渉過程については国際林業協力研究会編「’92国連環境開発会議と緑の地球経営」(日本林業調査会)の中で永目さんが簡単な解説をしていて、これは珍しい例です。 今回の論文はさらに詳しい内容を同じ時期に同氏が執筆されたものですが、公表を差し控えられていたものです。条文の一つ一つの作成過程を、@準備会合で仮合意になった原案、Aそれに対して関係国各国がどのようなポジションをとったか、Bだれの主導権で最終テキストとなったか、ということが実名入りで記述されています。英文でも森林原則声明の交渉過程がこのように明らかにされているものはないと思います。 途上国の中でもブラジルと東南アジア、先進国の中でもEUと米国、そして日本、のポジションの違いまで明らかにされた資料は、今後の当該分野の学術研究にとっても、また、将来の条約作りといった実践的な意味でも。大変貴重な資料です。 UNCED森林原則声明と合意過程(永目伊知郎)(資料室に) 関連資料 本サイト内、地球サミットの森林分野フォローアップの状況 原則声明オリジナルテキスト(英文) 原則声明和訳(本サイト内) chikyu 1-9 <uncednagame> |
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ウッドマイルズ研究会ニュースレター「木のみち」8号(2005/7/10) ウッドマイルズ研究会のニュースレター「木のみち」8号が6月27日配布されました。 目次は以下の通りです。
energy 2-33 <kinomiti8> |
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エコロジカルエコノミクス島本論文の国際的な反響(2005/7/10) 既報の通り法政大学島本助教授らによるForest sustainability and the free trade of forest products: cases from Southeast Asia(「森林の持続可能性と林産物の自由貿易:東南アジアの事例」)と題する論文が、国際生態経済学会ISEEの機関誌Ecologila Economicsに掲載され、それが国際林業研究センターのメールリストによって広く伝えられました。 その後、島本さんから以下の連絡をいただきました。
お願いして、よせられた情報のサマリーを作っていただきました。
boueki 1-10 <simamoto2> |
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第五回国連森林フォーラム(UNFF5)が決定したこと(2005/7/10) UNFFのHPに、先の第五回会合の決定事項の実質的な内容に当たる文書が、未定稿の形で、"Decision of the Forum brought to the attention of and for the adoption by the Council"(経済社会理事会で留意され採択されるためのフォーラムの決議)として公開されました。(pdfファイル)l NGOが「今回の会合は(予想されたとおり)何も決めなかった」と指摘しているとおり、その内容は「第六回会合まで検討する」ということを決めた、というものですが、「検討のベース」として添付されている「議長による文章草案」は重要な内容を含んでいると思います。 特に第一の目標として仮合意した「世界中の森林面積の減少を逆転させる」とした部分は、2002年のヨハネスブルグサミットの報告(pdfファイルダウンロード)の天然資源の管理の記述(パラグラフ24など)から引用されたものですが、森林面積という、リモートセンシングにより第三者がモニタリング可能なわかりやすい指標が、国際約束の中核にすわるというのが魅力的なところです。 chikyu 1-10 <unff5-2> |
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