「SB64報告会 ー COP31に向けた気候変動の国際交渉の最新動向」の中の森林(2026/8/4)

7月29日、CAN-Japan主催 SB64報告会ー COP31に向けた気候変動の国際交渉の最新動向 ーというイベントがあったので、オンラインで出席しました。

昨年は気候変動枠組み条約締約国会合COP30がブラジルで行われったために、森林の話題が結構ありましたが・・・今後どうなるのだろうーというのが問題意識でした。

イベントのプログラムとかプレゼン資料がすべてCANJAPANの2026年7月29日(水)SB64報告会 ー COP31に向けた気候変動の国際交渉の最新動向 ー、というページ(以下主催者ページ)に掲載されています。

その他に、SB64の開催結果については、環境省のサイトの外務省のサイトに掲載されています。林野庁から担当者が参加した!という情報は掲載されていますが、森林に関する情報はありません。このページが日本語のSB64の森林に関するまとまった情報です

(イベントの開催趣旨とプログラム)

主催者ページのイントロダクションは以下の通り

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6月8日から18日にかけて、気候変動枠組条約第64回補助機関会合(SB64)がドイツ・ボンで開催されました。

今年の11月にトルコ・アンタルヤで開催されるCOP31に向け、公正な移行や適応に関する世界全体の目標の議論、また化石燃料からの脱却のための国際協調のあり方などに注目が集まっています。COP31に先立ち各国交渉官による話し合いが行われたSB64では、どのような進展があったのでしょうか。

実際に現地に足を運び、交渉をウォッチしたCAN-Japanのメンバーが報告・解説します。

 プログラム
 
1. SB64の概要および緩和・化石燃料からの脱却 【資料】 田中十紀恵(気候ネットワーク

2. 適応など 【資料】遠藤 理紗(「環境・持続社会」研究センター (JACSES) )

3. 公正な移行 【資料】中西 航(気候ネットワーク)

4. 森林・バイオマス 【資料】中根 杏(FoE Japan

5. クロストーク「COP31に向け、日本に求められること」モデレーター 中西 航

さて、紹介する報告の中心は第4報告(タイトルが森林・バイオマス)ですが、イントロ背景説明として1-3報告から紹介します

(補助機関会合とは)

右図は第1報告4ページ。気候変動枠組み条約を支える機関の全体像

左上が皆な知っている「3つの主要機関」ですね。

毎年秋にやっている、•国連気候変動枠組条約締約会議( COP)、その場でやっている、•京都議定書締約国会合(CMP)と・パリ協定締約国会合(CMA)

その下にあるのが補助機関会合SB(Subsidiary Body)です。主要機関の会合(に提言し)を支える団体ですね。

常設の補助機関は2つあり、•実施に関する補助機関(SBI)と/•科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)

補助機関会合は年に2回開催され、• SB64 : 2026年6月8日~ 18日これが(二つの補助期間会合の合同会合)今回の会合です。次回は• S865: 2026年11月(COP31 に合わせて開催)のだそうです。

(緩和作業計画の進捗状況)

そして第一報告が、「緩和」というテーマをあつかっているおで、その部分を紹介します

緩和作業計画(MWP)とは
• COP26 (2021年) :緩和(排出削減)の野心と実施をこの重要な10年においてスケールアップさせることを目的に設立することが決定
• COP27 (2022年) :2026年のCOP31までの4年間で、意見・アイデア交換のための対話(年2回のグローバル対話、投資フォーカスイベント)と年次報告書の作成を行うことが決定(COP27/CMA4決定文書)
• COP31では作業計画の継続に関する決定の採択をめざす(こととしているんだそうです)
•交渉議題のうち、緩和に特化して議論する唯一の場(だそうです)

MWPの継続(期間、UNFCCCの他の作業計画との関連、実施方法等)について議論されたものの、合意には至らずCOP31に先送り
• MWPを通じて排出削減を緊急性をもって積極的に推進したい締約国とMWPを意見交換の場として位置づけたい締約国との間での意見がまとまらず、結論文書はなし。
• COP31 (S865) で検討を継続する

ということで、勉強部屋でもいままで少しフォローしてきた緩和作業計画ですが・・・COP31での重要な論点ですね。森林問題は適応でなく緩和(排出削減)が中心です

それでは第4報告です

((SB64報告会~森林・バイオマス~))

プレゼンの構成は、①COP30のまとめ、②SB64での議論・活動、➂チャレンジ、④COP31に向けての4章だてです

(イントロとCOP30ハイライト)

イントロとしての国際的動向という以下の背景説明がありました。

森林の議論の国際的動向:グラスゴー・リーダーズ宣言:2030年までに森林減少と 土地劣化を食い止め、森林保全や回復を強化する・日本を含め140カ国以上が 参加

再エネの国際的議論の動向:化石燃料からの脱却を目指した再エネのさらなる普及COP28で再エネ3倍目標(森林由来のバイオマスなど誤った気候変動対策もふくむ(バイオマス問題の専門家である登壇者の心配)

そして、(COP30のハイライト)

右図にあるように、二つの(あまり良くない)コメントが記載され、

森林:保全<CO2吸収源としての植林地拡大=商業利用
バイオマス発電を含めた「誤った気候変動対策」の推進

右の図左から順に、

左 交渉、緩和の面で森林の重要性は言及されるも実質的な議論なし

中 気候行動アジェンダ:法的拘束力がない自主的な取り組みで森林に焦点が当たる:熱帯林永続ファシリティ  (TFFF)/Belem 4X Pledge

右 ロードマップ「 以下2つのロードマップの策定が検討されるも見送り(化石燃料からの脱却   (TAFF)・森林減少・劣化の阻止)

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(SB64での森林の話題の中心「森林ロードマップ゚」)

さてイントロを終わって、本題である「森林のロードマップ」第1報告の16ページに内容のうち、1/3 6ページが森林ロードマップです

COP30の作業過程で地元ブラジルのルラ大統領が、TAFFロードマップと森林ロードマップの作成を提案されましたした。が、COP30では殆ど議論されず、、

COP30後:有志のCSOs(市民団体Civil Society Organizations)で森林ロードマップに関する 会議を複数回実施され議長国にて政府やCSOsなどから意見聴取を任意で実施して、SB64前:議長国から森林ロードマップの方向性や  章立てを提示されたんだそうです(以上左の図)

この情報は報告者が森林ロードマップをリードしているブラジル外務省の交渉官や市民団体の関係者ら情報収集をされた、重要な情報です。

そして右の図のように森林ロードマップに関する各国政府などから意見を聴取してみると(こちらにネット上の情報があります)

提出件数:180(政府、CSOs、国連機関)
各国政府の共通点:カーボンクレジット、REDD+などへの支持が寄せられ

Global North(先進国)では)
・2030年までに森林減少・劣化を食い止めるという目標に向けた行動の実施を促進する
・GST(パリ協定の進捗評価)に森林  ロードマップを提出

Global South(途上国)では
・資金源の不足が課題
・気候資金のスケールアップを求める

といった意見が見られました。(チャンス!!勉強部屋の独り言)

(SB64での森林ロードマップ)

SB64では、全体的に成果があまりえられませんでしたが、森林ロードマップでは議長国ブラジルからロードマップの方向性と概要が提示され、COP31前に最終報告書が作成される可能性があるんだそうです。左の図

(提示された森林ロードマップ概要)

Part1:なぜ森林減少・劣化を食い止め、回復することはパリ協定の中心にあるのか
パリ協定、UNFCCCとその他の国際的な取り組み
環境的、科学的な観点(生物多様性の保全、生態系の健全性など)
社会経済的な観点(持続可能な開発、先住民族・地域コミュニティなど)

Part2:各国ができること・すべきこと
森林減少:要因と改善策
森林劣化:要因と改善策
森林再生、再植林、造林
持続可能な森林管理、バイオエコノミー、アグロフォレストリー(分析、政策、モニタリングなど)
森林保全(分析、政策、モニタリングなど)

Part3:国際協調の促進と規制上のボトルネックの解消
技術的協力、キャパシティビルディング、制度の強化(REDD+, TFFF, 炭素市場など)
金融、市場、パートナーシップ
国際規制と制度の調整、改善

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この辺の情報が「COP30の森林破壊終結に向けたロードマップは、各国に国内計画の策定を促すだろう。」というページに掲載されています。

(日本政府のポジション)左の図

ネット上に掲載されていますJapan’s contribution to the development of the COP30 Presidency Roadmap on Halting and Reversing Deforestation and Forest Degradation by 2030

・交渉議題とするべきではなく、気候行動アジェンダの中で取り扱うべき
・各国の状況に合わせた取り組みをサポートするべき
・金銭的な負担を強いるべきではない
・実効性の確保に向けて、既存の取り組み(REDD+など)を蔑ろにしない
・土地の有限性には問題意識あり
・炭素量の削減を目的とした植林地の拡大に前向き
・化石燃料製品から森林由来の製品への代替の明記より、バイオマス燃料の使用に関しても肯定的な立場をとる
(勉強部屋のコメント:南北対立で、なかなかまとまりそうのない議論を積極的にりードしよう、という立場ではないかな?)

(プレゼンターの懸念事項)右の図

・カーボンクレジット、REDD+など森林・自然の金融化を図る取り組みを支持する国の多さ
・課題視されている資金調達にて、民間資金の動員が中心で公的資金への言及の不足
(勉強部屋のコメント:上の二つは懸念事項かな?民間資金を森づくりに導入しようという提案なので悪くないのでは?もちろん「だから公的資金がいらない」というのはおかしいけど)

・国や立場により「バイオマス」の捉え方が異なり、木質ペレットの問題を知らないこと
 例:原生林・天然林の伐採により製造される木質ペレットの存在
・天然林の減少・森林劣化につながる植林やバイオマスの積極的な活用に期待を寄せる声

(勉強部屋のコメント:木質ペレット問題は生物多様性や自然環境にネガティブにはたらく可能性があるので、注意が必要。ただ、化石資源燃焼がが排出するCO2と、バイオマス燃焼が排出するCO2はおなじでないですよー(勉強部屋でも議論してきました((それではバイオマス燃焼で発生するカーボンニュートラルではないの?))時間軸が大切です)

(プレゼンターのまとめ―チャレンジ)

・気候COPの交渉の場で、気候変動対策としての森林減少・劣化を食い止めることについて、本質的な議論がなされていないこと
(勉強部屋のコメント:その通り)
・森林ロードマップに森林・バイオマス関連の  誤った気候変動対策が含まれる可能性が高いこと
・「バイオマス発電=カーボンニュートラル」の 根本原因になっている炭素算定方法に対して、  どのようにアプローチできるか
(勉強部屋のコメント:はーい議論していきましょう)

ーーーーー以上でSB64報告会ー COP31に向けた気候変動の国際交渉の最新動向 ーの出席報告終わりです

私の思い付きで、上記の勉強部屋の報告はバランスが悪いですので、しっかり報告をフォローしたい方は、プレゼン資料がすべて掲載しているのでこちらからどうぞ→、SB64報告会ー COP31に向けた気候変動の国際交渉の最新動向 ー

(勉強部屋のコメント)

6月にドイツのボンで開催されたSB64に出席され、関係者と議論をしてきた環境NGOに所属しているプレゼンタ―の報告です。

いままで、勉強部屋のCOPの報告はいつも林野庁の出席者のプレゼンターの報告をまとめてきましたが、今回はCOP31に向けての国際会議について環境NGOの皆さん方の報告です。

勉強部屋の情報のバランスもとれたかな?特に森林ロードマップという取組をフォローすることの大切さを勉強しました(COP30に向けての取組でこのとりくみ(森林ロードマップ)が浮上したみたいなので(という情報自体が今回の報告で初めて分かったかも)、COP30の報告で確認すべきところを、抜けていました)。

今後ともよろしくお願いします

kokusai2-98<SB64>

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