COP6合意の森林に与えるインパクト

新聞報道されているとおり、ボンで開かれていた気象変動枠組み条約第六回締約国会合再会会合が基本的合意に達して幕を閉じました。

整備された森林などの吸収源を多くカウントしなるべく吸収源での負担を軽くしようという日本カナダなどと、国内の環境団体の圧力の中で吸収源対策を基本とすべきとするEUとの綱引きが行われていたが、米国が京都議定書の枠組みを離れるという事態の中で、EU側が日本などに大幅な譲歩をし、急転直下合意をみたものです。

今回の合意により、京都議定書の中での吸収源としての森林の役割の重要性がきわめて高まったといえそうです。

京都議定書本文概要)では西暦2012年の時点で我が国はCO2の排出量を1990年の時点の94%(6%削減)にすることを約束していますが、今回の合意では90年以降の植林された森林の面積などを実証することが出来れば、最大限3.8%は森林の吸収効果をカウントし吸収源での抑制をその分緩和することが出来るということです。

各国はそれぞれ森林を管理する官庁が森林に関するモニタリングをしています。

それは各国の森林の適切な管理という長期的には重要ではあっても、とりあえず各国の目先の利害とはなかなか直接結びつかない困難を伴う作業でした。

それが、今回の合意によって、各国の森林のモニタリングの精度とその結果が、co2排出量抑制というコスト負担の程度を規定し、一国の経済の利害関係を直撃する、という事態になったのです。

森林に関係する、行政機関、研究機関、企業、個人にっって、37年ぶりの森林林業基本法の改正という大イベントがあったばかりですが、それどころでないインパクトが今回の合意には秘められている可能性があります。


COP森林関係 関連資料

COP6再会会合の結果について(林野庁が作成した概要に用語解説のリンク<地球温暖化防止活動推進センターなど>を貼り付けたもの)


IPCC吸収源特別報告書 政策決定者向け要約(pdfファイルダウンロード地球環境研究センターのサイトより)(京都議定書お吸収源についての基本的知識を得たい人は必読

 
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