総選挙2021各党の政策の中の森林林業政策(2021/10/15) (2021/10/22訂正)

10月14日衆議院解散、同日の閣議で、31日投開票の総選挙が行われることが決まりました。このページでは総選挙の度に(終わってから)各政党の森林林業政策をフォローしてきました。

今回はニュースを発出する日が、事実上の選挙戦の開始日なので、15日時点で各政党がネット上に公表している、政策の中で、森林林業政策に関係ある部分を整理してみました。(ネット上に公表されている政策の中で、森林・林業・木材という文言がはいっている文章を拾い出しました)

選挙期間中に新たな情報があれば加筆していきます。ご意見などがあればお願いします。

自民党
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20211011_bank.pdf

自民党政策バンク

3 国の基「農林水産業を守り、成長産業に。
〇カーボンニュートラルに貢献する森林・林業・木材産業によるグリーン成長の実現に向け、エリートツリーによる再造林等適正な森林管理を推進するとともに、スマート林業等で伐採から再造林・保育の収支をプラス転換する「新しい林業」や花粉症対策苗木の植替え等を展開します。
〇「5か年加速化対策」において治山事業や森林整備事業を2021年度から5年間で集中的に実施します。生産性向上のための林道・作業道等の整備を進めるとともに、ウッドショックを踏まえた国産材の安定供給体制を構築します。
〇森林組合等の林業の多様な担い手を育成するとともに、「改正木材利用促進法」のもと、製材やCLT等の国産材の都市等での利用拡大を図ります。

立憲民主党
https://cdp-japan.jp/news/20211014_2344
立憲民主党政策集2021
【エネルギーp121】
建築物の省エネ

○住宅の省エネ化を進めるため、新築住宅の断熱・省エネ義務化・省エネリフォームの推進、断熱性の高い木材住宅の普及などを図ります。
【環境p128】
生物多様性の保全

○森林は生物多様性の源であり、またCO2(二酸化炭素)の吸収源としても重要な多面的価値を持つことから、間伐等森林の計画的管理、更新期を迎えた森の伐採とその後の潜在植生による自然林の復活を進め、健全な森林再生を推進します。
○伐採木の有効活用(国産材の利用促進、C・D材のバイオマス資源としての活用など)を充実させ、あわせて海外から流入し日本の木材市場に悪影響を及ぼす違法伐採木材の関連法についても検証し、対策強化について検討します。
環境を巡るさまざまな課題の解決
○公共施設の建設などへの違法伐採木材の使用や、イベント開催時に多くの使い捨てごみが排出される現状を変革するため、責任ある調達や積極的な3R体制の構築を推進し、大型イベントのグリーン化を積極的に進めます。
【国土交通・沖縄北方132】
自然との共生P137
[森林]

○「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材利用促進法」を生かし、公共建築物の木造建築化をさらに推進するとともに、日本の森林を守り持続可能な林業経営を可能とするため、国産材(地元材)による道路の木製ガードレール化など、公共事業での木材活用を推進します。
○木材を建築材として活用するだけでなく、未利用森林資源の活用、間伐材等の端材を原料とするバイオマス発電と熱供給、木材ペレットに成型した熱エネルギー利用の促進や、森林資源からプラスチック代替材やバイオエタノールを生産する等の施策を進め、石油産業に代わるバイオマス産業の基盤を構築します
【農林水産p139】
農山漁村の活性化p141

○農地や林地等、相続等を契機として、耕作放棄や森林の適切な管理が行われない状況が生まれています。農地を次の耕作者に引き継ぎ、森林の適切な管理を実施するための登記のあり方について検討し、所有者不明土地の解消や林地の境界画定を進めます。
森林林業林産業p144
[林業の多面的機能の発揮と保全]
○森林の健全な状態での維持は、国民生活および国民経済全体に多大な利益をもたらします。このため、森林経営者や林業従事者の所得を安定・向上すること等により、健全な林業経営を継続するとともに、社会全体で森林づくりを行うとの考え方の下、所有者不明森林の管理保全を含め、地元の森林組合および市町村、国および都道府県が、公的役割を連携・活用して実施する体制をさらに強化します。
○豪雨災害による山腹崩壊の早期復旧および山地防災力の強化のため、森林経営者が受けた損害の救済対策、森林土木事業等を拡大実施し、あわせて、森林の適正な保全に支障を及ぼす開発行為等についての規制を強化します。
○森林を適切に管理・保全することにより、土砂災害の防止や水源のかん養など、森林の持つ多面的機能を向上させます。森林・林業再生プランに基づき、木材の安定供給の強化、国産材の利用促進を図り、また、フォレスター(森林総合監理士)、森林施業プランナーなどの山の専門家の育成等を支援します。
○間伐、主伐後の造林等適切な森林管理を実施する者に対する直接払い制度を維持・拡充し、「木材自給率50%」を目指します。また、国産材の価格を低下させる要因の一つでもある違法伐採木材の日本市場への流通を阻止するため、クリーンウッド法の実効性を評価し、効果向上に向けた検討を行います。
○森林環境税のさらなる有効な活用に向けて検討し、森林吸収源対策のための諸政策を拡充します。
[林業所得の安定・向上]
○わが国の林業は、小規模・零細な所有構造であり、多面的機能の発揮に対する支援を行いつつ、複数の森林所有者が一体となって主伐、再造林および保育等の循環型森林施業を実施する体制を構築していきます。
○林業の担い手を育成・確保し、安全労働環境を整備し、雇用の安定および高齢者の生きがいある働く場を確保するとともに、林道・森林作業道の整備、林業機械の活用および優良種苗の確保等、総合的施策の展開により堅実かつ安定的な林業構造を確立し、林業所得の安定・向上を図ります。
[木材産業の振興]
○路網整備や高性能林業機械導入への支援、販路開拓など流通ルート各段階における支援の強化、森林施業集約化をさらに進め、森林環境の保護と再造林の確保等、林業振興を一体的に推進し、林業の発展と雇用の拡大を図ります。その際、林業の労働安全衛生の徹底を図ります。
○国産材供給量、木材需要量ともに年々回復傾向にある中で、わが国の木材自給率は、着実に上昇を続けています。木材の利用は、快適で健康的な住環境を形成するだけでなく、山村経済の活性化、森林の多面的機能の持続的発揮に寄与しており、今後もさらに森林・林業に関する国民の理解を深めつつ、公共・非公共建築物の木造化の推進、CLT(Cross Laminated Timber=直交集成材)の活用、木造住宅ポイント制度の推進などにより、木材利用を促進します。
○木材産業は原木の購入を通じて山村や森林の整備を支え、また、需要者のニーズに応じた木材製品の供給によって木材利用を推進するという重要な役割を担っており、今後も木材産業への原木の安定供給体制を強化するため、林地と施業の集約、再造林体制の強化、林業と木材産業との川上・川中・川下の連携等を推進し、木材の安定供給と国産材の利活用を促進します。
○「植える→育てる→使う→植える」という森林資源の循環を維持するため、川上(森林所有者・素材生産業者)と川中(木材流通業者、木材加工業者)・川下(工務店・住宅メーカー)との連携強化等により需給変動に的確に対応できる国産材の安定供給体制を整備し、木材価格の安定と川上への着実
な収益の還元を図ります。
○適正に管理された森林から産出した木材を認証する「FSC」「SGEC」制度を推進するとともに、違法伐採木材の市場流入を防止します。
[山村の活性化]
○山村は、林業者が安定的に経営を営み、地域住民が定住し、森林の多面的機能を発揮する重要な場です。山村振興のため、森林資源の循環利用による林業経営の維持安定および生活環境の整備を図ります。
○地域住民が里山林の保全管理に関わり、森林・山村を観光資源として活用しつつ環境教育・体験活動の場とし、都市との交流を進める体制を整備することにより、国民全体の森林への理解を深め、あわせて地域住民の定住促進を図ります。
[国有林野の役割]
○国有林は、わが国の国土面積の2割、森林面積の3割を占め、その9割は「水源かん養保安林」等の保安林であり、公益的機能を果たす国民共有の重要な財産です。国有林野事業については、国民の安全・安心を確保するための公益重視の管理経営を推進し、その組織力、技術力を生かして、国有林野の荒廃地や保安林を整備するとともに、民有林と一体となって災害復旧、被災地域の支援を行い、また、林業の低コスト化等に向けた技術の実証・普及、人材の育成を支援します。
○国有林野の活用により、林産物を計画的・安定的に供給し、地域経済に振興、銃声家訓お香上位寄与する要旨支援しています
○里山再生モデル事業の検証を踏まえながら、除染や森林整備など里山の再生に国が責任を持って取り組みます。
○野生きのこや山菜については、新たな検査技術の開発などに取り組み、基準値を下回るものについては出荷が可能となるよう、さらなる検討・研究を進めます。

公明党
https://www.komei.or.jp/special/shuin49/wp-content/uploads/manifesto2021_s.pdf
2021MANIFESTO衆院選重点政策
【2ポストコロナの成長戦略】
⑧農林水産業の活性化

●新たな森林・林業基本計画に基づき、国産木材供給量の目標達成のため、外材や他資材に対抗できる高品質かつ低コストで生産・安定供給できる製材工場等の体制を整備するとともに、川上から川下までの効率的なサプライチェーンの構築や耐火・耐震性等に優れた木材の技術開発・普及を進めます。
●地震や集中豪雨等による災害を防止するため、ため池等の管理体制の強化や農業用水利施設等の強靱化、田んぼダムの取り組み拡大の加速化、対候性ハウスの導入・みかん等樹園地の改良、漁港の耐震化や漁船を避難させるための整備、森林・路網整備及び治山対策等の地域の防災力向上を図る総合的な防災・減災対策を講じます。
【4 つながり支えあう社会(地域共生社会)】
⑩既存住宅流通やリフォーム市場の活性化、脱炭素社会に向けた住宅循環システムの構築

●長引くコロナ禍による影響で、世界的に木材価格が高騰する「ウッドショック」への対策として、特に影響を受ける中小工務店の事業者への支援を進めます。また、国産材の活用による木材の安定的な供給を図るため、国産材の供給網の整備等を進めるとともに、木造住宅供給事業者や関係事業者等による国産材の共同調達の取り組みに対する支援等を行うなど供給体制の強化を図ります。
【6防災・減災・復興を社会の主流に】
②防災・減災・復興に向けた取り組みの加速化・深化、災害対応力の強化

●洪水の調節機能を強化するため、遊水地や調節池等を整備するとともに、治水ダムの活用だけではなく、利水者と協力・連携し利水ダム等を活用した事前放流等の洪水調節の取り組みを進めます。また、緑地や水田(田んぼダム)、ため池、森林など雨水貯留浸透機能を活用したグリーンインフラの取り組みを推進します。
【8気候変動対策持続可能な地球環境】
①気候変動対策の推進

●森林の適切な管理と森林資源の持続的な利用を一層推進するため、エリートツリー・早生樹の普及や高性能林業機械等の新技術を取り入れるとともに、伐採から再造林・保育までの取り組みを確実に実施します。また、再生可能エネルギーの利用促進の観点から、木質バイオマスの発電等の適正な利用を促進し、生物多様性の保全及びゼロカーボンや「カーボンマイナス」の実現に貢献する森林吸収源対策を推進します。

日本共産党
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2021/10/2021s-bunya-032.html
2021年日本共産党の総選挙政策
【政府の「林業成長産業化」政策を見直し持続可能な林業をめざします

 我が国の森林は、国土面積の3分の2を占め、木材の供給とともに国土・環境の保全、水資源の涵養、生物多様性など公益的な機能を有し、国民生活に不可欠な役割をはたしています。またCO2の吸収・固定による地球温暖化防止への寄与など「低炭素社会」の実現にも欠かせない資源です。

 この大事な役割をもつ森林を歴史的に維持・管理してきたのが林業です。我が国の林業はいま、歴代政権の外材依存政策のもとで木材価格の低迷が続き、林業労働者が減少するなど、危機に瀕しています。それに拍車をかけているのが、安倍・菅自公政権による林業の「成長産業化」路線です。森林の多面的な機能を著しく軽視し、大規模化した合板・集成材企業やバイオマス発電企業に安価な木材を大量に供給することを優先したものです。そのために、国有林・民有林問わず、植林後約50年(標準伐期齢)を経過した森林を大規模に皆伐(一斉伐採)できる仕組みを導入してきました。最近では伐採跡地に30年程度で伐採できる樹種の再造林まで推進されようとしています。

 これにたいし森林所有者や林業関係者からは、大量伐採による木材生産は供給過剰を作り出し、ただでさえ安い木材価格をさらに引き下げ、自然破壊をおしすすめるものだと批判が高まっています。

 政府は、標準伐期(約50年)での伐採は、森林の循環を作るうえで妥当としています。しかし、近年の研究成果では、50年程度の森林は、なお成長する若い森林であり、150年前後まで成長が続き、多面的機能も向上するという認識が示されています。標準伐期齢での主伐は、再び資源を枯渇させ、優良な資源づくりを放棄するだけでなく、資源の再生を困難にさせます。

 いま必要なのは、政府の林業の「成長産業化」路線ではなく、森林・林業が持続となる政策です。国産材の利用と森林の公益的機能の持続的な発揮は、森林・林業者だけでなく、国民共通の願いであり、国際的な合意でもあります。

 植林後50年程度で伐採する短伐期一辺倒を見直し、地域の森林資源の実態に対応し、長伐期や複層林など多様な施業方式を導入し、持続可能な林業にとりくみます。

森林生態系や自然環境の保全を最優先する林産物貿易ルールめざす―――丸太や製材品などの林産物は、WTO(世界貿易機関)協定では、自動車や電化製品と同じ「鉱工業製品」扱いになっていますが、多くの国が林産業育成や環境保全などのため、丸太の輸出規制を行っており、実質的に自由貿易品目でなくなっています。森林生態系や自然環境は、人間の生存にかかわる問題であり、市場まかせにする時代でありません。

 輸出国主導のWTO体制を見直し、森林生態系や自然環境の保全を最優先する林産物貿易ルール、各国の経済主権を尊重した森林・林業政策を保障することを世界に提起します。日欧EPA、TPP11が発効しました。かろうじて残されていた製材や集成材などの関税が毎年引き下げられ、6年後に撤廃されてしまいます。

 そうなれば、合板・集成材や燃料材などの国内の大規模製材所、木材産業が、国産材の引き下げ圧力を強めることは明らかです。国産材の需要拡大と森林・林業の再生を困難にし、自給率向上に逆行するものです。日欧EPA、TPP11の廃棄、離脱を要求します。

「ウッドシヨック」に対応できる国産材の安定供給体制を確立する―――米国内で新型コロナ過により木材製品の生産が減少する一方、過去最低の住宅ローン金利による住宅建築ブームで膨大な製材品需要が発生、今年5月には、製材品価格が1年前の3倍に高騰する「ウッドショック」が起こりました。その影響は、外材に依存する日本国内の建築・住宅業界にも及び、中小工務店が製材品の入手難や価格高騰により、建築の延期や工事の遅れを余儀なくされるなどの事態が広がりました。こうした事態を繰り返さないよう国産材の安定供給体制を確立することが必要です。当面、木造住宅の構造部材で輸入依存度の高い横架材(梁、桁)を国産材に切り替えていくため、国産材の横架材利用に向けた取り組みの強化や技術開発への支援をはかります。

地域の実態に即した産地づくりにとりくむ―――わが国の森林・林業は、亜熱帯から亜寒帯間まで分布し、植生も多様です。地域ごとに異なる歴史や自然的、社会的条件を持っており、画一的、効率一辺倒ではなりたちません。 

 林業、素材生産、製材・加工、工務店などが参加する地域の林業振興のための共同のとりくみ(森林管理委員会等)を広げ、地域の実態に即した産地づくりに取り組みます。

 林業の基礎となる林地の地籍調査は4割台にとどまり、事業の障害になっています。地籍調査と境界確定を促進し、地域の森林資源の実態に即した多様な施業方式の導入など地域林業の育成をめざします。

持続可能な森林づくり、地域の活性化に役割を果たしている自伐型林業を支援します―――自己所有や所有者から管理を受託して、間伐や択抜を繰り返し、森林資源の蓄積量を増やすとりくみをすすめている自伐型林業が注目されています。この自伐型林業は、従来型の大規模林業と違い、多くの林業従事者を生み出しています。現に都市部から、Uターン、Iターンにより人口減少がすすむ中山間地の市町村に移住する、比較的若い世帯が増加しています。森林を活用する「地方創生の鍵」として期待され、53を超える自治体が独自の支援策を講じています。自伐型林業を担い手として位置づけ、森林・山村多面的機能発揮対策交付金の拡充など支援します。

地形や自然環境に配慮した林道・作業道の整備、架線系システムの継承発展にとりくむ―――生産基盤となる林道や作業道の路網整備が大きく立ち遅れています。路網整備では、生態系や環境保全に配慮した技術を確立し、災害に強い路網整備をすすめます。昨今の豪雨災害による山地の崩壊の原因に、高性能林業機械による大規模伐採が原因でないかとの指摘があります。山地崩壊をさせない地形や自然環境にあった技術の開発を国の責任ですすめます。また、急傾斜地では、林地保全などから架線集材システムが有効です。集材機の開発や技術者を確保し、技術の継承、発展をはかります。

林業就業者の計画的な育成と定着化の促進、就労条件の改善にとりくむ―――林業は、森林の多面的機能や生態系に応じた育林や伐採などの専門的知識や技術が必要です。基本的技術の取得を支援する「緑の雇用」や「緑の青年就業準備給付金」事業の拡充や事業体への支援を強め、系統的な林業労働者の育成と定着化にとりくみます。

 また、安全基準などILOの林業労働基準に即した労働条件や通年雇用、月給制の導入など生活条件の改善にとりくみ、安心して働ける環境をつくります。

広葉樹の有効利用をすすめる―――広葉樹は、雑木として位置付けられ、消費の9割がチップ用となっています。一方で、広葉樹材の輸入困難から家具生産が減少しており、広葉樹材の家具材や内装材などへの利用をすすめます。

再造林は適地・適木ですすめる―――近年主伐面積が増加していますが、伐採跡地への再造林は約3割にとどまっています。再造林未済地の早期の解消を目指します。国有林・民有林を含め、土壌・適木調査が実施されており、再造林は適地・適木ですすめます。

国産材のカスケード利用にとりくみ、木質バイオマス発電のやり方を改める
―――良質材から低質材まで、建築や木製品、紙製品、エネルギーなど100%有効に利用するカスケード利用にとりくみます。

 木質バイオマス発電では、固定価格買取制度で、主伐を含む間伐材に一番高い価格がつけられたことを受けて大型の木質バイオマス発電所の建設が相次ぎ、製材として利用できる木材まで燃やされており、木材資源の浪費となっています。水分を含んだままの丸太を燃焼させることができる装置まで開発されており、行き過ぎた木質バイオマス発電のやり方を改めていきます。

地震や集中豪雨などによる山地崩壊や施設被害の復旧に全力でとりくむ―――全国各地で地震や豪雨による大量の流木や山地崩壊、施設などの被害が頻発しています。流木による二次被害防止対策や荒廃林地や施設の全面的な復旧にとりくみます。地域材を活用した仮設住宅や復興住宅の建設に力を入れるなど、地域の森林・林業の再生にとりくみを支援します。

シカ等の野生獣による食害や病虫害害対策にとりくむ―――シカなどによる食害やナラ枯れなどの被害は、年間8000haに及び生態系の破壊など人間生活にも影響を与えています。野生獣の防除と捕獲、個体数の管理や病虫害の効果的、効率的な防除技術の開発をすすめます。捕獲した野生獣の食肉流通対策を支援します。

特用林産物の振興や都市住民との交流などで就労機会の確保をはかります―――きのこや山菜など特用林産物の生産振興や加工・販売などにとりくみ、自然環境を活用したレクリーション,保健・休養など都市住民との交流などのとりくみをすすめ就労機会の確保をはかります。

市町村や森林組合への支援を強める―――市町村は、森林・林業の基本となる「林野台帳」の整備や森林整備計画の樹立をはじめ、2019年の森林管理経営法によって、民有林の経営管理権の設定などが制度化され、地域の森林管理のとりくみが求められています。何よりも森林所有者の意欲を引き出すとりくみが求められています。専任の職員を配置できないような市町村も多く、森林・林業行政全般の研修など、林務職員の育成・確保をはかれるよう市町村への支援を強めます。

 また、森林組合は組合員の所有面積は私有林面積の7割を占め、地域の森林整備の中心的な役割を担っています。森林組合は組合員の要求をくみ上げ、市町村や地域の素材生産や製材業などと連携し、地域林業の確立のために積極的な役割がはたせるよう支援を強めます。

森林のCO2吸収力を評価した排出量取引で、山村地域と都市部の連携を強める―――国内のCO2排出量の削減を促進するために、森林の整備によるCO2の森林吸収量と、化石燃料の木質バイオマスを使うことによるCO2排出量の削減量を評価して、都市部の企業や自治体の排出削減のとりくみにおけるカーボン・オフセット(炭素排出量の相殺)に活用する制度を本格的に導入し、植林・間伐などの森林整備の資金を生み出します。 

森林環境税・森林環境譲与税を見直す―――森林環境税は、森林経営管理法に基づき、地方自治体が新たに行う事務や事業の財源に充てるため森林環境譲与税として配分されます。

 この税金は、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて、取り続けるもので、森林の吸収源対策や公益的機能の恩恵を口実に、国やCO2排出企業が引き受けるべき負担を、国民個人に押し付けるものです。

 また、森林環境譲与税は自治体への交付が始まっていますが、交付基準の人口指標が林業従事者の割合よりも高くされたことで、私有人工林がない都市部に多額に配分される問題等があります。

 森林を有する自治体が、体制整備や森林整備に活用できるように交付基準を見直します。森林環境税・森林環境譲与税は、森林整備の安定的な財源確保策としてふさわしいのかと林業経営者からも疑義が示されています。安定的な財源であるある国の一般会計における林業予算の拡充を求めるとともに、需要のある自治体への地方交付税の拡充を求めていきます。

放射能汚染の継続的な調査をすすめる―――東日本大震災の原発事故から11年、放射能汚染の影響は依然として続いています。森林内の放射能セシウムの多くは土壌に分布していますが、樹木の汚染は樹種や調査地点によって異なっています。汚染地域における適切な森林管理、安全な木材利用のため、放射能汚染の継続的な調査をすすめます。

国有林を国民の共有財産として持続的な管理経営にとりくむ―――国有林は、国土面積の2割、森林面積の3割を占め、奥地山岳地帯や水源地帯に広く分布し、9割が保安林に指定され、国土・環境の保全や林産物の供給、山村地域の振興など国民生活にとっても重要な役割を担っています。

 これらの役割を確実に実行していくため、国有林にかかわる情報や資料を公開し、事業の計画段階から、自治体・住民、国民との連携をはかり、地域の経済や雇用に配慮した、持続的な管理経営にとりくみます。

日本維新の会
https://o-ishin.jp/policy/pdf/seisakuteigen20210825_fix.pdf
政策 提言維新八策2021
【(産業別)成長戦略】
(5)農林水産業

115. 国産材の需要拡大を図るため、国産木材の積極的な活用を支援し、森林の適正な保全に繋げます。

国民民主党
https://new-kokumin.jp/wp-content/themes/dpfp/files/dpfp-policies-20210915.pdf
国民民主党重点政策
【4.国民と国土を「危機から守る」】
林業の活性化・花粉症対策国民の約3 割が罹患しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採・利用・植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。また、国有林・民有林において、公益的機能を維持しつつ、木材の安定供給を図り、木質バイオマスや木製サッシの推進を含めた住宅などへの国産材の 活用や、海外への製材輸出を促進し、ドイツのよ うな林産業大国をめざ します。 


以上

総選挙2017各党の政策と森林林業政策(2017/11/25)
総選挙のマニフェストと森林林業(2012/12/25)
参議院選挙2010各党マニフェストから (2010/7/18)
参議院選挙各政党マニフェスト森林政策部分 (2009/8/15)
参議院選挙と各党の森林林業政策
(2007/8/12)

kokunai6-56<sousenkyo2021>

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