公表された木材・木材製品のカーボンフットプリント算定基準(PCR)3(2011/6/25) |
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3月下旬に公表された木材・木材製品のカーボンフットプリント算定基準(PCR)の解説をしています。 製材の原料調達過程のもう一つは丸太の輸送過程のついてのCFPの算出です。 この点について算定基準はウッドマイルズ研究会の研究成果を利用しています。 輸送過程の算出については、@燃料法(直接係った燃料を把握する方法)、A燃費法(輸送手段ごとの単位距離あたりの燃料と輸送距離を把握して計算する方法)、Bキロトン法(積載率、輸送負荷(輸送距離と輸送重量)を把握しトンキロあたりの燃料消費の二次データを利用して計算する方法)の三通りが望ましい順に記載され(6-6その他)、詳しい計算過程が記述されています(付属書B)が、原料丸太の輸送距離の調査を要求する@Aはなかなか難しく、結局簡易なトンキロ法の基づく輸送シナリオ(付属書C)にしたがうことになるでしょう。 付属書Cの中の丸太の輸送シナリオC1は、国産材の場合、特定の都道府県内で生産されたことが明確な国産材の場合とそうでない場合と二つに場合分けて排出量が算出されるようになっていいます。 まず輸送距離に関して前者の場合産地と加工施設の所在地によってマトリックスで輸送距離が検索できるようになっており、たとえば東京にある製材所が多摩産材を使う場合28キロ、神奈川産材を使う場合は30キロなど検索できるようになっています。 また、産地が特定できない国産材の場合は69キロという数値を使うようになっています。 以上の輸送距離について、輸送過程の排出量算出に関するシナリオは、丸太の国内輸送は10トントラックを利用し積載率は62%帰りはカラで帰るという設定がされています。またスギの生材の密度は642kg/トンとうい数値が与えられています(付属書D)。これらを前提とすると、輸送距離が10キロメートルスギ丸太1立方メートルを輸送した場合、約1.6kgのCO2を排出するとなります。
以上から、国産材の一般的な輸送距離としている69キロメートルであれば、1.6kgの6.9倍、11kgの排出量ということになります。 付属書Cのシナリオには、輸入材の場合の輸送距離も、輸入材産地国における伐採地から輸出港まで、輸入された我が国の中での輸入港から加工施設までの数値が掲載されています。さらに別途二国間の輸送距離などのデータが二次データとして提供されています。 おおざっぱに計算すると輸出国内の陸上輸送で15kg、日本国内の陸上輸送で10kg、海上輸送は地域によりますが、1000キロトンあたり8kg程度の排出量が二次データとして掲載しているので、北米で60kg程度となりあわせて、北米産の丸太が日本の工場に入荷するまでの輸送過程の排出量は80kgていどでしょうか。 (つづく) kokunai4-30<PCRmokuzai3>
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