「動的平衡」を理解しないとー100年の森づくりはできない(2019/3/24) | |
2月16日開催された新・豊田市100年の森づくり構想策定記念シンポジウムに行ってきました。 豊田市の100年の森づくり構想、市町村の森林行政がどうなっていくのか?勉強部屋でもご紹介しました。森林経営管理における市町村の役割、新・豊田市100 年の森づくり構想(2018/7/16) 地域森づくり会議、人工林の目標林型と将来木施業など、面白いです。興味のあるかたは、こちらから是非どうぞ→新・豊田市100年の森づくり構想 概要版 (PDF 1.2MB) とこで、今回豊田市まで行ってシンポジウムに出席したのは、市民にどんなにうけいれられているのかの雰囲気を知りたい、外国人がだれでも知っている日本の地名(Toyotaは、 Tokyo、Kyoto、,Hirosima次でしょうか)の森づくりを海外に発信したいなど、色んな思いがありましたが、、全国で課題となっている皆伐の拡大とその後の森づくりのイメージがどうなっているのか、という興味もありました。 それはそれとして(後述します)、生物学者の福島伸一氏の基調講演インパクトがありました。 (動的平衡を理解しないと森林整備をリードできない?) 演題は、「生命とは何か、生命科学から森への招待」パンフレットから説明を引用します。
このままいったらどうなるか、補助事業はうまくいったが、それで将来の森づくりはうまくいくのか?といった長い時間軸。森林関係者には不可欠な視点です。(木楽舎:動的平衡、購入しました) 基調講演を福島さんにお願いした経緯を主催者に聞いてみました。 生命とは、エントロピー増大の法則に対抗するため、自らを壊し捨てている。人工林で、壊さなくなったら過密人工林になる。だから間伐が必要だ。天然林も森を維持するために、陽樹から陰樹へ入れ替わり、極相状態に達しても常に入れ替わっている。森林の植生遷移とは、超長時間においての動的平衡なのである。森林技術者は、動的平衡を理解しなければ森林管理はできない。そんな森を豊田市は目指すし、そんな森林技術者を育成したい (気になることー次世代の森林づくり) 国産材の時代がきて、伐採跡地、特に皆伐跡地の問題が話題となっています。それで、主催者豊田市ではどうなっているの?と聞いてみました。 新・構想は皆伐を全否定するものではありませんが、今はそのタイミングではないだろうという考えです。価格やコストやシカなどの問題がある中で、安易に皆伐―再造林の旗を振れない、それは無責任なことではないか。 だそうです。 皆伐をして、新植して、下刈りして立派な山づくり、という前回(戦後の造林)やった方式は、生態的にも経営的にも批判の多い方式です(→林業がつくる日本の森林(2017/1/29) )。 が、1000万ヘクタールの人工林の次世代の森林づくりを、公的助成をしながらその目的の達成状況を管理していくという、巨大なプロジェクトを実施するために、皆伐して新植した上で管理するという方法は、きわめて効率的なシステムであることも確かです。条件によってどんなシステムで管理するのかという議論がもっと進まなければならないと思います。 kokunai14-6<C_toyota2> |
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