持続可能な森林の管理にむけたの日本のからの情報発信ーモントリオールプロセス国別報告書第4弾 (2026/1/10)

国際的な森林の持続可能な管理を実現する道筋として、各国が自国の森林と管理状態を信頼できる基準に基づいて公表するという手続きがとられていますが、日本政府は日本が参加するモントリオールプロセスの基準指標に基づき、第4回の報告書を作成公表しました。

第3回目が2019年なので5年ぶり。

林野庁のサイトに掲載されています。
第4回国別報告書日本(2025年)(日本語)
4th Country Report of Japan to the Montreal Process

(モントリオールプロセスとは)

1992年にリオ・デジャネイロ(ブラジル)で開催された地球サミット(UNCED)以降、持続可能な森林経営の推進が国際的に重要な課題となる中で、森林経営の持続可能性を客観的に把握する「ものさし」として、基準・指標を作成する取組が世界各地域で進展しました。

そのうちの一つ、モントリオール・プロセスは、カナダ、米国、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、豪州、ニュージーランド、中国、ロシア、韓国、日本の12ヵ国が参加し、1994年から、「基準・指標」の作成と改訂、指標に基づくデータの収集、国別報告書の作成等に取り組み、2007年から2019年の間は我が国(林野庁)が事務局を務め、各国間の活動の企画調整等を行いました。(現在事務局は・・・・)

環太平洋地域の温帯林等諸国が参加するモントリオール・プロセスですがその他に、欧州各国によるフォレスト・ヨーロッパ、国際熱帯木材機関(ITTO)加盟の熱帯木材産出国によるものなど、の基準・指標プロセスがあり、約150ヵ国が少なくとも1つに参加しているようです。(第4回国別報告章21ぺーじ)

名称の由来は、1993年9月に開催された、「温帯林等の持続可能な開発に関する専門家セミナー」ですが、この会合に私も林野庁の担当者として参加し、その後この、持続可能な森林の基準指標づくりが、来たるべき森林条約の重要なコンテンツになるはず、とう思いで、この経緯には直接関与し、そのポジションから外れた後も、この勉強会などで、結構フォローしてきました。国際的な基準・指標づくりの取組

最近の情報は林野庁のページ森林・林業分野の国際的取組の中の「持続可能な森林経営の「基準・指標」〜モントリオール・プロセス〜」からどうぞ

(基準と指標)

基準と指標は前回と同じ「基準・指標」(2008年版7基準54指標)以下の通りです

基準1:生物多様性の保全(9指標:森林生態系タイプ毎の森林面積、森林に分布する自生種の数等)

 基準2:森林生態系の生産力の維持(5指標:木材生産に利用可能な森林の面積や蓄積、植林面積等)

 基準3:森林生態系の健全性と活力の維持(2指標:通常の範囲を超えて病虫害・森林火災等の影響を受けた森林の面積等)

 基準4:土壌及び水資源の保全維持(5指標:土壌や水資源の保全を目的に指定や管理がなされている森林の面積等)

 基準5:地球的炭素循環への寄与(3指標:森林生態系の炭素蓄積量、その動態変化等)

 基準6:長期的多面的な社会経済的便益の維持増進(20指標:林産物のリサイクルの比率、森林への投資額等)

 基準7:法的制度的経済的な枠組(10指標:法律や政策的な枠組、分野横断的な調整、モニタリングや評価の能力等)

(報告書の構成)

〇我が国の森林・林業・木材産業の概観 (P7−P20)
 森林の現状 /林業の現状 /木材産豪の現状 /森林行政の枠組み /全国森林資源調 /今後の課題 /
〇序 モントリオール・プロセスについ(P21−P24)
 モントリオール・プロセスの沿革について/ 基準・指標の考え方について/ モントリオール・プロセスの運営について/ 第4回国別報告書の作成方針
-----以上イントロ
以下本文基準1から基準6までの評価 (P25からP164)

(我が国の森林・林業・木材産業の概観ー今後の課題)

上記の我が国の我が国の森林・林業・木材産業の概観という部分は、日本の関係者にはよく知っていることが記載さいされていますが、「今後の課題」とされた、問題意識の部分を、前回の今回の比較をしてみます。 

殆ど同じことが書いてありますが、アンダーラインの部分が少し変化があった部分です、

 2019年  2025年
今後の課題
森林生態系タイプ別面積の分析からは、過去15 年間、ほとんど変化が認められませんが、地球温暖化などが我が国の森林生態系に及ぼす影響を分析し、必要に応じて対策の検討を行い得るよう、引き続き、統計的手法を用いながら実態把握に努めていく必要があると考えられます。

「林業の成長産業化」が政府の重要課題の一つとされるなど、人工林資源の充実を背景として林業・木材産業にも明るい兆しが見られ、森林の果たす木材生産の役割に対しても国民の期待が高まっていますが、素材生産や造林のコスト削減など、克服すべき数多くの課題も残されています。

また、地球規模の気候変動により、今後、大雨の発生頻度が増加するおそれもある中で、山地災害による被害の防止・軽減に向けて、森林の適切な整備・保全、治山施設の整備などを推進していくことも必要です。

なお、気候変動緩和策としては、森林の整備・保全を通じた森林による二酸化炭素の吸収量の確保、木材利用の拡大による炭素の貯蔵及び二酸化炭素の排出削減に向けた取組も必要です。

政府としては、森林・林業・木材産業の果たす役割や重要性について、幅広い国民各層の理解が得られるよう十分な情報提供を行い、多様なステークホルダーの参加の下、計画的かつ効果的に必要な施策を講じていくことが求められていると考えられます。 
今後の課題
森林生態系タイプ別面積の分析からは、過去20年間、ほとんど変化が認められませんが、地球温暖化などが我が国の森林生態系に及ぼす影響を分析し、必要に応じて対策の検討を行い得るよう、引き続き、統計的手法を用いながら実態把握に努めていく必要があると考えられます。

「森林・林業・木材産業によるグリーン成長」が政府の重要課題の一つとされるなど、人工林資源の充実を背景として林業・木材産業にも明るい兆しが見られ、森林の果たす木材生産の役割に対しても国民の期待が高まっていますが、素材生産や造林のコスト削減など、克服すべき数多くの課題も残されています。

また、地球規模の気候変動により、山地災害が激甚化するとともにその発生形態が変化してきている中で、山地災害による被害の防止・軽減に向けて、森林の適切な整備・保全、治山施設の整備などを推進していくことも必要です。

なお、気候変動緩和策としては、森林の整備・保全を通じた森林による二酸化炭素の吸収量の確保、木材利用の拡大による炭素の貯蔵及び二酸化炭素の排出削減に向けた取組も必要です。

政府としては、森林・林業・木材産業の果たす役割や重要性について、幅広い国民各層の理解が得られるよう十分な情報提供を行い、多様なステークホルダーの参加の下、計画的かつ効果的に必要な施策を講じていくことが求められていると考えられます。 


(評価の本体ー過去の報告書と第4回の国別報告の違い)

2回以降の報告書はどちらも130ページほどの報告書ですが(日本語版)、章別に割り当てられたページ数の比較です。緑のセルが多くなった章。

 章立て  ページ数   備考
 第2回  第3回  第4回
_基準1 生物多様性の保全   23  26 30  環境省のレッドリストの「絶滅のおそれのある種」など少し詳しく (p.43など)
 基準2 森林生態系の生産力の維持  12  9 11  人工林の蓄積がどんどん増えインパクト(トップの図)
 基準3:森林生態系の健全性と活力の維持  4  9 12 特定外来生物の追加指定・森林生態系多様性基礎調査の蓄積などによる加筆 (p.71/77など)
 基準4:土壌及び水資源の保全維持 13  12 13   森林生態系多様性基礎調査の蓄積などによる他の土地から森林いなった森林のj評価など加筆(P84など)
 基準5:地球的炭素循環への寄与  7  9  10  日本国温室効果ガスインベントリ報告書などによる新情報加筆(p93など)、木造建築の固定量のサンプル事例など加筆(P94など)
 基準6:長期的多面的な社会経済的便益の維持増進  36  41 45   Jクレジットゆらい・森林サービス産業由来の収入など加筆(p.110・111など)、レクリエーション需要サンプル等加筆(P142など)
 基準7:法的制度的経済的な枠組  33  29 19  「建築物木材利用促進協定」制度が創設などパートナーシップの事例など少しt加筆(p151など)

以上が4概要です。

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モントリオールプロセスという大きなビジョンを持っシステムですが、あまり日本の関係者や、グローバルに注目されていないみたいです。

ここまで実績を貯えて森林ガバナンスに関する基準指標(Criteria & Indicator)が日本の森林ガバナンスなどにとって少しは使えないものか、森林・林業基本計画作成過程などで、検討していきたいともいます。

基準指標作成時期の小HP関連ページ

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