『アフリカを緑に―ケニアと日本の森づくり40年の軌跡 半乾燥地での社会林業プロジェクト』(2026/8/28)

アフリカを緑に─ ケニアと日本の森づくり40年の軌跡-半乾燥地での社会林業プロジェクト」という本か出版され、その出版記念イベントが6月26日に都内で対面とZOOMで開催されました。

40年前1986年は、私は林野庁計画課に出来たばかりの海外林業協力班の担当課長補佐をしていて、アフリカのプロジェクトなどに少し絡んでいたので、気になるイベントでしたが、残念ながら参加できませんでした。

そいうしているうちに、国際協力機構緒方貞子入和開発研究所というサイトに、プロジェクト・ヒストリー『アフリカを緑に―ケニアと日本の森づくり40年の軌跡 半乾燥地での社会林業プロジェクト』出版記念セミナー開催という丁寧なページが作成されているので覗いてみたら・・・。

そのころよく知っている知人の先輩の名まえなどがでてきて、すばらしかったのでご紹介します。

(イベントプログラム)

1 開会挨拶:JICA緒方研究所の亀井温子 副所長ストーリー

「本プロジェクトは・・技術の追求だけでなく、人・組織・制度づくりを通した相互の信頼関係の上に成り立った協力だった」これまでの40年の森づくりの学びを未来へとつないでいくことが大切」

2 清水報告:本書の著者である株式会社タック・インターナショナルの清水正主任調査員が本書を概説ストーリープレゼン資料

内容は詳しく後述します

3 ディスカッション:前JICA国際協力専門員の三次啓都氏(左図の一番右)がモデレーターを務めたディスカッション

3−1 参加者1:国際農林水産業研究センターの飯山みゆき戦略統括室長ストーリープレゼン資料))

「社会林業プロジェクトが成功した理由として、住民の経済合理性に配慮し、需要がある現地に適した樹種を育て、長期的にKEFRIの人材を育成したこと

3−2 参加者2:在ケニア日本大使館書記官を務めた経験もあるJICA地球環境部の大仲幸作国際協力専門員ストーリー

「政府機関(林野庁)による関与が40年間という長期的なコミットメントにつながり、ケニアの森林行政・研究基盤の強化という大きな成果を生むことになった」

3−3 参加者3:共著者で、JICA長期専門家として本プロジェクトに関わった本庄由紀氏ストーりー・プレゼン資料))

「KEFRIの若手研究者がオーナーシップを発揮し、ケニアがリードして他のサブサハラ地域に研修を提供する新しい協力モデルが形成された

4 最後に:JICA地球環境部の斎藤光範部長ストーりー

「このプロジェクトの成果(2029年国際森林研究機関連合( IUFRO)世界大会をナイロビで開催など)を踏まえ、JICAが今後もアフリカ諸国と共に気候変動対策や自然環境保全の分野で継続的に取り組んでいく」と表明

ーーーー

プログラム概要は以上です。

JICAケニアで進めた社会林業プロジェクトの成果が広くアフリカへその先へと進んでいく、素晴らしストーリーですね。本の中身の話を通じてプロジェクトの内容をもう少しシ清水報告の内容にそって紹介します。

((清水報告))

(本の全体像)

人を育て、森林を育て、未来を育てる『アフリカを緑に』

この本では、ケニアそしてアフリカで森林を育てた人々が登場。ー40年間にわたり、人を育て、森林を育て、未来を育ててきた人々の物語。

ーーー

(ケニヤプロジェクトの壮大な構想)

1985年ケニア社会林業プロジェクト開始

当時の課題=半乾燥地 / 森林減少/人口増加 / 薪炭材不足など

プロジェクトを担当したチーフアドバイザー渡辺の問い(渡辺桂さん、林野庁のOBで私も知っている方です!!)

「どうすれば住民の暮らしを守りながら森林を守れるのか」

渡辺氏は単なる植林ではなく、住民主体の森づくりという社会林業の考え方を持ち込む。

本書はここから始まる。

(森を育てる:)

渡辺桂の構想

浅川澄彦ら研究者(この方私も知っています、JICAの初めての森林プロジェクト(フィリピンのパンタバンガンプロジェクト)をリード(プロジェクト初代チーフアドバイザー)した林業試験場(今の森林総研)の挑戦

「農民への植林普及の試行錯誤」を通じた訓練方法、訓練体制、植林技術の開発

郷土樹種メリア等への着目(社会林業は理念だけでは実現しない。植える木が必要。浅川先生らは、郷土樹種メリアなどの可能性に着目。現在の育種プロジェクトの源流。

林木育種プロジェクト

種苗供給体制

(人を育てる)

プロジェクトに参加した1980年代のKEFRI(ケニヤ森林研究所)若手研究者(チェボイボやムコルエたち )は、その後(日本がサポートし)オーストラリア留学や日本研修に

彼らは、KEFRI幹部・などとなりケニアの森林研究分野のリーダーそして
アフリカを代表する森林研究者へ

(プレゼンのまとめ:ケニアからアフリカへ(そして世界へ))

1985年渡辺さんの壮大な構想からはじまった森づくり人づくりの構想は・・・

2029年に、世界中の森林研究者が5年に一回集まるIUFROの世界大会がケニアの首都ナイロビで開催される(アフリカで開催は過去22回で初めて)という成果となって表れたました。

すごい!そして・・・

このプロジェクトの大切なメッセージは・・・

「森を育てることは」 人を育て+組織を育て=「未来を育てることであるーー 

渡辺桂が蒔いた種は、チェボイボたちによって育まれ、いまケニアからアフリカ全体へ(そして世界へ!(勉強部屋の加筆)と広がろうとしている。

本書は、その40年の歩みを記録した一冊。目次は右の通りです

以上が清水報告の内容です

JICAが実施した一つのプロジェクトの紹介(そしてその内容を含めた1冊の本のPR)なのですが

こんなにグローバルな視点を踏まえて、プロジェクトの構想から、その実施結果を評価する内容の論述は、素晴らしいですね。

私もkindle版一冊購入しました

(藤原のコメント1:社会林業の意味)

「森を育てることは」 人を育て+組織を育て=「未来を育てることであるーー という重要なメッセージを「社会林業」ということばで、まとめていますね。

私は途上国で、森林減少が続いていることは、森林を管理する課題が、ある国の発展の基礎となる、社会の管理システム全体を評価する重要な課題だと思っています(森林減少が止まれば途上国脱出?!)

勉強部屋の関連ページ(犠牲を不可視化する外部化社会ー地球の矛盾の外部化の最後が熱帯林?)

そのシステム化全体を表現する「社会林業」!!一つのプロジェクトに体現したということが、素晴らしいことですね。

渡辺桂さん素晴らしい!!

(藤原のコメント2:40年前の森林の国際協力を巡る状況)

40年前私は林野庁の計画課に初めてできた海外協力関係のセクション、海外林業協力班担当課長補佐をしていました。

日本が先進国になったので、ODAがどんどん増えるので、森林分野も頑張ろう、ということでできたセクションです。外務省が所管しているODA予算をとってくるので、外務省の関係者には頭をさげるのですが、ある日突然外務省の方から頭を下げに来ました。

「安部(晋太郎)外務大臣が次のステップは「緑の平和部隊」だ!アジア、ラテンアメリカだけでなく、アフリカを視野に!!といっている。」

たしかに、アジアは地政学的にいっても、プロジェクトが多い。また、ラテンアメリカはJICAのベースが海外移住事業団だったので、ラテンアメリカへの入り口はハードルが低い。

だけど、「安部外務大臣が新たな地平を開くべく、アフリカ」といい始めた!!

この本のタイトルになっているケニヤの社会林業プロジェクトが始まった背景は、外務省のこのポリシーがあったのは間違えありません。

私も外務省関係者と一緒に(団長として)、アフリカ大陸全体にプロジェクト探しに行ったりしました。

ーーー

昔話でごめんなさい。私自身は、現時点でのさまざまな国際協力のプロジェクトの課題に直面しているありませんが・・・・、森林保全というテーマが、長期的、幅広い社会テーマをリードする可能性がある!!・・・というテーマンの本が最近出版されましたよ

アフリカを緑に─ ケニアと日本の森づくり40年の軌跡-半乾燥地での社会林業プロジェクト」という本


参考資料ユーチューブ

chikyu9-1<africaSF>

■いいねボタン