3月4日環境省で「貿易と環境に関する勉強会ー木材貿易保全を中心に」が開催されました。小サイトで既報のように昨年末「貿易自由化の環境影響評価に関する検討会」の報告書が公表され小生はパブリックコメントに応じて意見を提出していましたが、それにまつわる関係者の意見交換をしようという試みでした。小生も、最近の自由貿易協定推進の動きに関連して提出した意見を補足して説明しました。
小生の意見は、「報告書では環境影響評価の役割を貿易自由化の是非を論じるのではなく、環境への影響を回避するための手段に限定すべきと主張しているが、それは問題である。」というものです。論点は限られているものですが、マレーシアとの間の自由貿易協定が日程に上っているという現状を踏まえ、ますます重要な点になっていると思います。(配布資料:資料室へ)
その他の報告は以下の通りです。
@森林に関する影響評価を形骸化させないための手法や留意点に関する報告具体的な提言
アジア経済研究所小島道一さん「木材貿易と環境インドネシアを中心に」(配付資料:資料室へ)
AMネット川上豊幸さん「貿易投資自由化の政策アセスメントへのコメントー森林への影響評価」(配付資料リンク準備中)
FoeJapan岡崎さん「環境影響評価の前提となる問題」
A貿易自由化によるグローバリゼーション自体の問題を指摘する報告
札幌大学和田喜彦さん「エコロジカルフットプリントと永続可能な経済」(関連サイト)
國學院大學古沢広祐さん「永続社会実現のための環境容量」
林野庁からはWTO交渉の現場での厳しさが紹介される一方、法政大学の島本美保子さんからは、貿易交渉以外の場面では新エネルギーの買い取り義務など市場を制御する手法が政策にどんどん取り入れられているのに、貿易政策になるとそれが聖域になっていることの問題などが指摘され刺激の多い会合でした。
|