2月1日日EU連携協定が発効しました。いいワインが安くなる〜・・
日EU連携協定に関する外務省のページ、
日欧EPAが発効 データ・知財のルール先導(日経新聞)
「貿易及び投資を自由化し、及び円滑にすること、並びに両締約国間の一層緊密な経済関係を促進すること」が協定目的(第1.1条)で、木材についても、通常の建築物使われているEUから輸入された木材の集成材の4パーセント程度の関税が、8年かけて0になるようです。
このサイトでは、経済のグローバル化を目的とする連携協定の中の、森林管理などの社会的政策のグローバル化の側面がどのように進んでいくのか、注目してみてきました。
環太平洋パートナーシップ協定TPPとつきあう場合の留意点(2012/3/25)
環太平洋パートナーシップ協定TPPと森林の国際枠組み(2015/10/24、2016/1/8改訂)
EUとの連携協定についても、木材の関税の引き下げなととともに、違法伐採問題など森林のガバナンスに関する項目が協定の内容に反映する過程を注目してきました。
日EU経済連携協定の中の森林の取り扱い(2017/7/23)
(日EU連携協定第16.7条 持続可能な森林経営並びに木材及び木材製品の貿易)
マスコミにも取り上げられないので、本協定の中の標記条文の全文を紹介します
AGREEMENT BETWEEN THE EUROPEAN UNION AND JAPAN FOR AN ECONOMIC PARTNERSHIP |
経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定 |
ARTICLE 16.7 Sustainable management of forests and trade in timber
and timber products |
第16.7条 持続可能な森林経営並びに木材及び木材製品の貿易 |
1. The Parties recognise the importance and the role of trade and
investment in ensuring the conservation and sustainable management of forests |
1 両締約国は、森林の保全及び持続可能な森林経営を確保するに当たり、貿易及び投資の重要性及び役割を認識する |
2. In that context, the Parties shall:
(a) encourage conservation and sustainable management of forests, and trade
in timber and timber products harvested in accordance with the laws and
regulations of the country of harvest;
(b) contribute to combating illegal logging and related trade including,
as appropriate, the trade with third countries; and
(c) exchange information and share experiences at bilateral and multilateral
levels with a view to promoting the conservation and sustainable management
of forests and trade in legally harvested timber and timber products, as
well as to combating illegal logging. |
2 このこととの関連において、両締約国は、次のことを行う。
(a)森林の保全及び持続可能な森林経営並びに伐採が行われた国の法令に従って伐採された木材及び木材製品の貿易を奨励すること。
(b)違法伐採及び関連する貿易(適当な場合には、第三国との貿易を含む。)への対処に貢献すること。
(C)森林の保全及び持続可能な森林経営並びに合法的に伐採された木材及び木材製品の貿易を促進し、並びに違法伐採に対処するため、二国間及び多数国間の段階において情報を交換し、及び経験を共有すること。 |
違法伐採問題への取組の情報交換、経験を共有することがうたわれています。日本の経験でEUに是非伝えてほしいのは、日本のガイドラインに基づく業界団体に依拠したサプライチェーン管理の経験と、もう一つはクリーンウッド法第一条目的です。「我が国又は外国における違法な森林の伐採」のリスクに対応するため、と規定しています。是非EUもEU域内の違法伐採のリスクと真剣に向き合ってほしいです。
EUから輸入される大量の木材・集成材は一般建築物の構造用材としてごく普通に利用されていますが、輸入の中の違法伐採リスク(クリーンウッド法に対応する木材DDのための実践情報ルーマニア)など連携協定の重要なテーマになるのでしょう。
1月30日に開催された、フェアウッドセミナー ルーマニアの原生林を脅かす日本の木材市場 〜SDGs時代の木材調達リスクとどう向き合うかに顔を出してみましたので、追ってご報告します。
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