ニュースレター No.153 2012年5月27日発行 (発行部数:1224部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1 フロントページ:リオ+20と」持続可能な森林経営のための勉強(出発準備編)(2012/5/27)
2. グリーンエコノミーの展開と国際的な持続可能な森林管理への課題(林業経済誌寄稿)(2012/5/27)
3. 「The Future We Want(私たちの望む未来)」リオ+20宣言のドラフトと森林 (2012/5/27)
4. 公共建築物等の木材利用促進法英訳(2012/5/27)

フロントページ:リオ+20と持続可能な森林経営のための勉強部屋(出席準備編)(2012/4/22)

6月20日から三日間国連主催による「国連持持続可能な開発会議」リオ+20がブラジルのリオデジャネイロで開催されます。

COP10とかCOP17、京都議定書、愛知目標など新聞やニュースで日常的にふれるようになった地球環境問題ですが、その大きなきっかけになったのが、気候変動枠組み条約、生物多様性条約などが締結された1992年の国連環境開発会議(地球サミット)です。

それから20周年に当たり、①持続可能な開発と貧困根絶という地球の課題が「環境に優しい経済」(グリーンエコノミー)への転換という方向で解決する道筋、②持続可能な開発のための制度的枠組み、をテーマとして開催されます。

リオ+20公式サイトRio+20 - United Nations Conference on Sustainable Development
リオ+20国内準備委員会サイト
外務省: 国連持続可能な開発会議(リオ+20

13日から現地で開催される準備会合から11日間、世界各国から各国首脳、政府関係者、経済界、学会、NGOなど10万人が集まるそうですが、藤原もその一人として参加する計画を立てています。

「グリーンエコノミーといえば森林が主役になるはずなのに、そうなっていないのはおかしい」ということなのですが、政府代表でもない私か行くことによって大きな流れが変わるわけではもちろんありません。

今回の出席は、今後のリオ+40ぐらいまでをにらんで、「地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える、産官学民の情報交流の広場をめざす」としているこのサイトをベースとした、日本発の森林と地球環境に関する情報発信の質と量の飛躍的向上を目指して、一人でも多くの人とのネットワークを作りをしてこよう、という目的です。

とはいえ、地球の反対側までいって、政府代表でもない人がリオ+20という会議に出席することができるのか?出席したとしても何か発表でもできるのか?だれを相手に何を発表するのか?何か発表するとして、参加者に伝わる言葉で正確に伝達できるのか?その前に、10万人も来るのにホテルがあるのか?飛行機は満席でとれないのでないか?仕事の方は休んで大丈夫なのか?
これらのことを、すべて一人で解決していかなければならない大変なイベントですが、このサイトの英語版、ウッドマイルズや地球環境に優しい木材の供給システムなど、いろいろな、大切な玉を用意して情報発信につとめてきますので、楽しみにして下さい。

関連する会合をピックアップしてみました(5月26日現在)

日時 名称 場所 主催
6/13
1300
Certification as a tool for greening economies Room: T-3 FSC
6/13
1930-2100
Forests in a global bioeconomy requires wise governance and management P3-A Sweden
6/14
1300
日本国内準備委員会セミナー 日本パビリオン 日本国内準備委員会
6/14
1930
Corruption, Forestry, and Sustainable Development P3-3 United Nations Office on Drugs and Crime (UNODC
6/13-15 国連経済社会理事会による第三回準備会合 国連経済社会理事会
6/17 Rio+20 Sustainable Development Dialogue (Forest Day) ブラジル政府
6/18 RIO+20 Side event of FAO,,ICFPA, BRACELPA and Partners
Forests: The Heart of a Green Economy
Ribalta Eventos FAO,ICFPA(国際森林・製紙産業協会)他
6/19 Forests; The 8th Round Table at Rio+20 Royal Tulip Hotel, Gavea Room CIFOR
6/20-22 国連持続可能な開発会議(リオ+20) 国連

出席記録などは別途のページを作成し報告します
全体会合のコンセンサスに関しては別途ページを設けます
「The Future We Want(私たちの望む未来)」リオ+20宣言のドラフトと森林

kokusai0-6<rio+20mae>


グリーンエコノミーの展開と国際的な持続可能な森林管理への課題(2012/4/22)

財団法人林業経済研究所が発行する林業経済誌の4月号は林政総合調査研究所との合併特集記事を掲載しています。

4月1日付で、林業経営研究所を出発点として50年の歴史を刻んできた財団法人林政総合調査研究所が林業経済研究所(こちらは65年の歴史))に吸収合併されることとなったものです。

過去の二つの研究所活動の経緯などから、行政に密接な関係をもつ研究機関が人材養成に果たした役割や、行政が研究機関を支えることの難しさなどロジスティックな点で、興味深い投稿が並んでいます。

森林への関心が拡大し、様々な研究機関が森林や林業に関わる分野を研究対象の一分野にしようとしてくるなかでの、研究所への期待は大きいので、お誘いをうけて、今後の期待を込めて、標記小論を寄稿しました。

「はじめに」

1972年に林野庁に入庁し、日本の森林政策に関わり始めてから40年たつ。業務の上で林業の国際協力や貿易問題に関わってきたことから、グローバルな政策動向と国内の林業政策の関係に興味をもってきた。

72年の『林業経済』誌のバックナンバーの論文タイトルは92あり、「林業の展開と山村経済」春季大会特集や「林業生産と自然保護」特集を中心に、山村から都市への人口移動、化石資源へのエネルギー転換を受けた大規模な拡大造林など『林業経済』誌が対象とする林業・山村の地殻的な変動を真っ正面から受け止める論題が並んでいるが、海外の林業に関するタイトルは三つで、生成期のドイツ林学の背景などに係るものである。

海外での最先端の森林政策についての議論が本誌に掲載されるのは、1980年代の熱帯林問題に端を発し地球環境としての森林の視点が加わることになってからのことになる。

本年は地球サミットから20年目でリオ+20がブラジルで開催されることとなるが、地球環境レジーム づくりの最近の動向を紹介しながら、新たな林業経済研究の共通の場として出発する『林業経済』誌が、グローバルな視点にたった林業経済研究発展のフォーラムとして発展されるように期待を述べておきたい。


承諾を受け全文を掲載します。(pdfダウンロード

chikyu1-23<GE&SFM>


「The Future We Want(私たちの望む未来)」リオ+20宣言のドラフトと森林(2012/5/27)

リオ+20は国連主催による首脳レベルの会議ですから、その結果が「The Future We Want(私たちの望む未来)」というタイトルの首脳レベルの共同声明のような形で公表されることになる予定でその交渉がニューヨークを中心に行われていいます。現時点で公表されている文書の案が環境省によって翻訳されています。

国連第2回成果文書交渉会合における共同議長提案 [ PDF / 740KB ]
国連第2回成果文書交渉会合における共同議長提案(環境省仮訳) [ PDF / 538KB ]

この中の森林に関する部分は以下の通りです

CST 森林

CST.90. 我々は、持続可能な森林管理を促進するための統合された協同取り組みと、森林に関する4 つの世界的目標の達成を支持する。森林は、貧困、気候変動、食料とエネルギーの安全、生物多様性の保存、性の平等、伝統的知識の保存等を含む、最も危急な問題に対処する機会を提供することを再確認する。森林の持続可能な管理を推進し、森林の破壊と劣化を効果的に減速、停止、逆転させるための規制と市場手段を含む政策枠組みを支持する。「すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を持たない文書(NLBI)」、その他の森林に関する政策の完全な実施、又、森林の破壊と劣化の原因を排除するための取り組みの強化を求める。これに関して、優れた管理、適正な森林法の施行、不法伐採と関連取引の防止は重要である。経済発展と貧困削減と同様、持続可能な森林管理、気候変動対策の目標、生物多様性の保存に向けた統合作業に大きな可能性が秘められていることを強調する。持続可能な森林管理(SFM)を推進すると同時に、森林の破壊と劣化の原因追跡のための監視システムを含めた森林管理枠組みを強化する用意がある。(90 項と 90(代替案)より抜粋)

CST.90. 2 我々は、森林が人に与える社会的、経済的、環境的利益と、持続可能な森林管理による、会議のテーマと目標に対する寄与を強調し、国際森林年の設立の機会に、国連森林フォーラム第9会合の閣僚級会合で決定された閣僚宣言の早急な実施を求める。(90.2項より)

CST90. 3 我々は、あらゆる資金源からの資金提供を促す。中でも持続可能な森林管理の実施を支援するための資金調達の強化と改善、森林に関する世界的目標の達成、及び「すべてのタイプの森林に関する法的拘束力を持たない文書」の実施を奨励する。( 90.3 項より)

CST.90.5 我々は、又、持続可能な森林管理を実現するための能力開発、テクノロジー伝達の重要性を強調する。(90.5 項より)

CST.90.6 我々は、より強力で透明な森林管理を推進するためのパートナーシップ締結を含め、持続可能な森林管理に関する協力を推進するための地域、小地域における作業と連携した、森林に関する協調パートナーシップを奨励する。(90.6 項と90.7 項に関連)

このほかにも森林について記述している箇所もありますが、全体の130近いパラグラフで森林を主として記載したものはこのパラ90という箇所だけです

kokusai0-7<rio+20sengendraft>


公共建築物等の木材利用促進法の英訳(2012/5/27)

公共建築物等の利用促進法は地方自治体の基本方針作りなどが進んでいますが、木材の環境資材としての位置づけ、それをふまえて行政側が木材の利用促進をするという点で、世界中が注目すべき法律だと思います。

リオ+20での情報発信の一つとして勉強部屋で英訳を試みました。
このサイトの英語のページに掲載します。ご自由にお使い下さい(引用元を明示のこと)。

The Act for Promotion of Use of Wood in Public Buildings
Please note that this translation is not official or approved by authorities.

【Table of Contents】
Chapter I: The general provisions (Article 1- Article 6)
Chapter II: The measures for promoting use of wood in public buildings (Article 7- Article 16)
Chapter III: The policies for promoting any use of wood other than public buildings (Article 17- Article 20)
Supplementary Provisions

Chapter I: The general provisions
(Purpose)
Article 1: The purpose of this Act is, to promote sustainable and sound forestry development by ensuring the adequate supply and use of wood in order to promote use of wood in public buildings and thereby to contribute to adequate development of forests and improvement of wood self-efficiency rate through establishing the basic policies, taking measures etc in order to secure adequate wood supply for use of development of public buildings by the Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries and the Minister of Land, Infrastructure, Transport and Tourism, given that promotion of use of wood contributes to the prevention of climate change, development of a sound material-cycle society, the fulfillment of multi-functional role of forests such as preservation of national land and water resources and enlivenment of local economies in provincial area.

continue...


kokunai11-7<riyouhoueng>


最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp