ニュースレター No.069 2004年5月14日発行 (発行部数:1160部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
フロントページ:木材認証の時代を読む(2005/5/14)
2 ウッドマイルズセミナー2005in京都(2005/5/14)
3. 王子製紙の原料調達方針(2005/5/14)
4. 「緑豊かな美しい日本の再生」:森とむらの会の新しい提言(2005/5/14)
5. FAO機関誌UNASYLVAの環境と林産物貿易に関する特集(2005/5/14)
6. 違法伐採は儲かるか(2005/5/14)
7. 「持続可能なスウェーデン・ツアー 〜 可能性の森・2005年」(2005/5/14)
8. 早成樹林業ー神話と現実ー(2005/5/14)
9. 勤務先がかわりました(2005/5/14)

フロントページ:木材認証の時代を読む(2005/5/14)

5月上旬に発売された「現代林業」全国林業改良普及協会刊)6月号は「木材認証の時代」という特集を組んでいます。その中に表記タイトルの私のインタビュー記事が掲載されています。

本ホームページで、以前から地域材認証と森林認証との関係などを言及してきました

その後都道府県レベルの様々な地域の木材認証制度の設立が急速に広がり、SGEC・FSCの取得の動き、そして、木材の原産地表示制度の設立、違法伐採問題への対処方法の検討などなど、全体を俯瞰するとどうなるかという、編集部の問題意識に応じて話をしたものです。

「木材は環境に優しいというけれど、グリーン購入法や、企業のグリーン調達、CASBEEなどの緑の建築基準など川下側の整備はどんどん進んでるのに、うまく木材側が乗り切れていないのではないか。県産材認証などの今までの流れを活かしつつ、それに対応できるような仕組みを、林業や木材生産流通を担う川上や川中側が、さらも一歩進んだ連携した動きが必要である」、というような話をさせてもらいました。

編集部の了解を得て全文を掲載します、(こちらからpdfファイルです

本ホームページの関連ページ

地域材認証制度の提案

森林施業計画認定基準とFSC認証基準の隙間(2002/8/11)
県産材認証とFSC認証の間ー県産材・地域材認証にグローバルスタンダードの視点を(2002/6/21)

緑の消費者と木材

「地材地建」をChizai-Chikenへ(2004/3/15)

sinrin 1-10 <GRtoku>


ウッドマイルズセミナー2005in京都(2005/5/14)

ウッドマイルズ研究会では6月11日に京都で行われる総会に合わせて表記のセミナーを開催します。

研究会ができてからまる二年になります。

今回の総会で、今までの活動の成果を集大成した
「建築物ウッドマイルズ指標算出マニュアル」が作成され、住宅や大規模建築物の評価の体制が整備されます。

また、今年8月に開催される世界建築材料学会に応募していた「Evaluation of timber as building materials on energy issue and the Woodmiles: the background and the development of the Woodmiles Forum in Japan(木材の建築材料としてのエネルギー評価とウッドマイルズ:日本におけるウッドマイルズ研究会の発展と背景)」と題する報告が口頭発表と大会報告書への記載の機会を与えられることとなりました。

このような研究会活動の最新の情報をもとに、ウッドマイルズの可能性考えていこうという場と考えています。ご関心のあるかたの参加をお待ちしています。

概要は次の通りです
日時:6月15日 13時半から
場所:厚生会職員会館「かもがわ」(京都市役所前)
プログラム:
開会挨拶 熊崎実(岐阜県森林文化アカデミー学長)
ウッドマイルズが切り開く循環社会 藤原敬
ウッドマイルズ算出マニュアルとウッドマイルズレポート 滝口泰弘(ウッドマイルズ研究会事務局長)
京都府産木材認証制度の取組 白石秀和(同運営委員)

詳細はこちらから(ウッドマイルズ研究会HP)

energy 2-30 <WMsemi05>

王子製紙の原料調達方針(2005/5/14)

製紙業界の再王手である、王子製紙が、4月22日「木材原料の調達方針」を発表しました。(王子製紙プレスリリース

「紙の原料となる木材は、再生産が可能な優れた資源である。木材原料の調達にあたって、持続可能な森林経営により育成される資源をソースとするグリーン調達を推 進する。」と基本理念を述べ、@森林認証材の拡大、A植林木の増量、拡大、Bミリ用材の有効活用、C原料のトレーサビリティの確保、D情報公開の五つの指針を示しています。

紙についてのグリーン購入は古紙配合率を基本に基準化されてきましたが、ある程度技術的な限界が近く、パルプ原料の環境基準を作る必要性が出てきている、という方向にありましたが(グリーン購入と紙ーGPNセミナーから(2005/8/15)、今回の方針はその流れにそったものです。

大企業の社会的責任CSRが主導する森林認証材の需要拡大の流れを示しています。

kokunai3-20 <oujiGP>

「緑豊かな美しい日本の再生」:森とむらの会の新しい提言(2005/5/14)

森林や山村についての提言活動をしてきた、財団法人森とむらの会(高木文夫会長)が表記の提言を発表しました。

「京都議定書の発効及び近く迎える森林林業基本計画の改定を踏まえ、森林整備及び国産材利用の推進について新たな具体的方策を提言」(提言の趣旨)したものです。

「国民に開かれた森林計画の作成」「新たな森林管理システムの構築」「国産材利用の促進」の三つの分野にわけた具体的な提案です。

林業分野の抱える問題点と処方箋を包括的に記述したもので、行政や研究に携わる方に一読をお勧めします。

公的な森林整備の必要性と実施主体としておおむね流域を守備範囲として設置される森林管理組織についての提案がされています。具体的なモデルを通じた検討がさらに進むことを期待します。

提案の概要pdfファイルダウンロード

報告書本文(pdfファイルダウンロード

森とむらの会 基本情報(公益法人協会情報公開)

森とむらの会の過去の提言

「森と木とむらに関する基本政策」12の提言(00/10)http://www.moridukuri.jp/teigen/proposal_forest_vilalge.htm

kokunai6-5 <morimura>

違法伐採は儲かるか(2004/5/14)


FAO機関誌での「貿易と持続可能な森林管理」特集(2005/5/12)

国連食糧農業機関FAO林業部の機関誌UNASYLVAの最新号(Vol. 55 2004/4)に貿易と持続可能な森林管理」が特集されています。

違法伐採問題が重要な課題となっている現時点で、最近の研究のレビューをしているC. Mersmann論文、貿易の担い手が大きく変化しており管理の脆弱性が問題となりつつあることを指摘している柱本論文、貿易と環境問題の基本は森林の管理の質であることを指摘しているM. Richards論文、など読み応えがあります。

なお、本HPでも紹介した島本論文の要旨も掲載してあり、柱本論文と合わせて日本での研究がインパクトを与えてます。

目次は以下の通りです。

Editorial

C. Mersmann
Links between trade and sustainable forest management: an overview

M. Shimamoto, F. Ubukata and Y. Seki
Is free trade compatible with sustainable forest management?

M. Arda
A general picture of the world commodity economy

O. Hashiramoto, J. Castano and S. Johnson
Changing global picture of trade in wood products

W. Lu
China’s growing role in world timber trade

Forest certification in China: workshop on future strategies 

S. Ozinga
Time to measure the impacts of certification on sustainable forest management 

M. Richards
Forest trade policies: how do they affect forest governance?

H.K. Chen and S. Zain
CITES, trade and sustainable forest management 

E.T. Masters, J.A. Yidana and P.N. Lovett
Reinforcing sound management through trade: shea tree products in Africa 

M. Katila and E. Puustjarvi
Markets for forest environmental services: reality and potential

J.L. Bowyer
Changing realities in forest sector markets

boueki1-8 <faotoku>

「持続可能なスウェーデン・ツアー 可能性の森・2005年」(2005/5/14)
Sustainable Sweden Tour - Forest of Possibilities

京都在住で環境先進国スウェーデン社会を紹介する活動をされている、レーナ・リンダル(Lena Lindahl)さんから、表記の案内がありました。

毎年シリーズでの開催ですが、今年のテーマは世界で一番FSC認証森林を抱える同国の森林にスポットをあてています。

2005年9月3日(土)〜9月10日(土)
(現地ストックホルム集合/解散)
主催:エーサム(ESAM)社
協力:持続可能なスウェーデン協会
   スカンジナビア政府観光局
詳細: http://www.netjoy.ne.jp/~lena/SusTourForestSep2005.html
ご問い合わせ先: VZQ11450@nifty.ne.jp
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参加申込み期限: 2005年6月10日までにご一方ください(最終です。)
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スウェーデンの林業 〜 それは持続可能で、世界的に先端的なものでしょうか
 主な研修・視察内容:
  スウェーデンの森の様々な価値
  国、地域、民間森林所有者の視点から見た林業
  小学校や森林所有者のための森林教育
  環境認証制度:FSC、PEFC
  循環型社会における森林、その研究
  暖房熱源としての森
  建材の原材料としての森
  将来の車燃料の原材料としての森
  観光や手芸の資源としての森
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プログラム

9月3日(土) ストックホルム(Stockholm)
  各自日本出発/ストックホルム到着
9月4日(日) ストックホルム(Stockholm)/ウーメオ(Umea)
  オリエンテーション、ストックホルム市内観光
  飛行機でウーメオ市へ
  主催者紹介
  入門:「スウェーデンの森の様々な価値」
9月5日(月) ウーメオ(Umea)
  持続可能な開発における森林の役割
  国と地域レベルで見たスウェーデンの林業
  小学校における森林教育(学校訪問)
9月6日(火) ウーメ地域(Umeregionen)
  国有林と民有林における森林認証と教育
  FSC認定林やPEFC認証
  スウェーデン最大の環境保護団体「自然保護協会」から見た林業と森林認証の
在り方
  森林伐採現場見学
9月7日(水) ウーメ地域(Umeregionen)
  循環型社会における森林。森林研究。
  余暇活動に活用する森とエコツーリズム資源としての森(自然体験)
9月8日(木)  ビグドシルユム(Bygdsiljum)/シェレフテオー(Skelleftea)
  建材の原材料としての森。製材所見学。
  暖房の熱源としての森。バイオ燃料、ペレットボイラー、地域暖房。
  ペレット工場見学(シェレフテオー・エネルギー公社)
9月9日(金) ウーメオ(Umea)
  将来の車燃料の原材料としてのバイオマス
  乗用車利用者のための循環型地区グリーンゾーン(GreenZone)見学
  送別会
9月10日(土) ウーメオ(Umea)/ストックホルム(Stockholm)
  飛行機でストックホルムヘ(SK029便、10:25ウーメオ発、11:25ストックホルム
着)
  解散、各自帰国(11日に日本に到着することが可能)
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chikyu 4-8 <sweden>

早成樹林業ー神話と現実ー(2005/5/14)

時に評価のわかれることがあるユーカリやマツなどの早成樹林の造成について、専門家30人の検討を踏まえてFast-Wood Forestry.Myths and Realities (Christian Cossalter & Charlie Pye-Smith著)という本が2003年にCIFORから出版されましたが、この度表記のタイトルで日本語版が出版されました。

全文が国際林業研究センター(CIFOR)の関係のページからpdfファイルでダウンロードできます。

前書きより

世界中で毎年、約100万haずつ早生樹植林地の面積が増加している。ユーカリ、アカシア、マツ、ポプラによる大面積植林は、特に発展途上国で激しい議論を引き起こしている。植林地が環境破壊や小農の立ち退きを余儀なくさせるという批判がある。植林は天然林の保護を助け経済発展を促すという主張もある。多くの人々は、何を信じていいかわからないのが現状である。

森林に関わる4つの主要な国際組織として私達は、広い知見に基づいた論議を促進する任務を担っている。Christian ClossalterとCharlie Pye-Smith著、「早生樹林業:神話と事実(Fast-Wood Forestry . Myths and Realities)」は、上の議論に大いに貢献すると信じる。本書は、早生樹植林に関する最新かつ確かで偏りのない報告である。様々な専門分野の30人を越える世界の先導的専門家が本書を査読し、詳細に論評を行った。査読にかかわった人がすべて、本書の内容に賛同しているわけではないが、本書は専門家達が共通して持つ認識を反映しているといえる。

紙およびその他木材製品の急激な需要増加に伴い、早生樹植林地は今後もある程度は造成が続くだろう。本書は専門家にとっても門外漢にとっても有益であると信じる。良い政策の立案には確固とした証拠が必要である。本書は早生樹植林について、今日までに知り得たすべて知見を要約している。まだ不明なことも多くあり、また早生樹植林については異なる意見もあるが、本書は植林の真実を知りたいと思う人が必ず通る出発点となるものと信じる。

David Kaimowitz Claude Martin Achim Steiner Michael Jenkins
Director General Director General Director General President
CIFOR WWF International IUCN Forest Trends
(訳:倉光)

製本版の請求先は、監修者の一人である森林総研の藤間剛さんです。

なお、同書の出版の経緯については、CIFOR news No. 36でResearch that communicatesとして紹介されています。(日本語訳がCIFOR日本語版WEBの翻訳工房でご覧頂けます。(こちら))

chikyu 4-8 <fastwood>

勤務先がかわりました(05/5/14)

私事ですが、5月から勤務先が社団法人全国木材組合連合会(通称全木連)、全国木材協同組合連合会となりました。

(社)全国木材組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-4-3 永田町ビル6階
TEL 03-3580-3215
FAX 03-3580-3226
ホームページ  http://www.zenmoku.jp/
Eメール info@zenmoku.jp

全木連は「木材業の健全な発展を図ることを目的として活動している、全国の木材業界を網羅した唯一の木材団体(全木連HPより)」です。

お近くに見えたらお寄り下さい。

aboutme1 <zenmoku>

最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp