ニュースレター No.0432003年3月16日発行 (発行部数:760部)

このレターは、表記HPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちらで勝手に考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
 藤原

目次
1.
 フロントページ:「ウッドマイルズ」から見えるもの

2.

自由貿易協定と環境アセスメント

3.

「循環社会の中の森林と木材」富山県林業カレッジにて
4. 速水林業のホームページ
5.
「日本の論点2003」の中の勉強部屋
6.
資料室の案内

1. フロントページ:「ウッドマイルズ」から見えるもの(2003/03/16)

全森林連主催の第三回森林活性化セミナーで「ウッドマイルズ」について報告しました。

昨年の8月号の「木材情報」誌で「ウッドマイルズと地域材住宅」を発表しましたが、その後岐阜県立森林文化アカデミーでウッドマイルズの事例研究が進み、2月に開かれた卒業発表会で報告さました(滝口報告の資料)。また、ウッドマイルズ研究会を立ち上げる準備などが進んでいます。今回の報告は、その様な動きを紹介しながら、誕生のいきさつ、ウッドマイルズの秘めたパワーを改めて説明したものです。ウッドマイルズのエッセンスを紹介します。(報告の詳細

ウッドマイルズのポイントの第一は、ウッドマイルズという指標が日本にとって重要な意味を持っているという点です。
下の図にマウスを当ててください。

日本の木材輸入量は米国について世界で第2番目ですが、遠隔地から輸入しているためウッドマイルズ(輸入木材の総輸送距離)は米国の4倍も消費し世界でダントツのトップです。日本人がウッドマイルズに特に関心を持つ必要がある理由です。

ウッドマイルズのポイントの二つ目は、住宅ウッドマイルズという形で消費者に明快な指標を与えられることです。
岐阜県立森林アカデミーの滝口さんの事例研究の結果です。
4件の地域材住宅に、輸入材住宅と全国平均の住宅の6例を分析しています。下の図はそれぞれの木材利用量を表しています。左の4つが地域材住宅、右から二番目が輸入住宅、一番右が全国平均です。地域材住宅は全国平均の2倍の木材を使っています。図にマウスをあてると住宅ウッドマイルズが出ます。



地域材のウッドマイルズは、全国平均の1%から20%というものです。全国平均を百とした場合一桁のウッドマイルズの家が目標になるというような使い方ができます。

こんな研究が進んでいますが、まだまだ生まれたて。ウッドマイルズ研究会をつくる計画です。ご関心のある方は以下か、藤原までまでご連絡下さい。
501-3714 岐阜県美濃市曽代88番地 TEL (0575)35-2525/ FAX (0575)35-2529
滝口泰弘

資料
第三回森林活性化セミナー

全体報告ホームページ
藤原報告スライド(ppt)・同報告配付資料(pdf)・ 同報告原稿(pdf)
資料室へ

岐阜県立森林文化アカデミー 滝口卒業発表スライド(ppt)、同報告原稿(pdf)→資料室へ


2.自由貿易協定と環境アセスメントー環境省勉強会から(2003/3/16)

 3月4日環境省で「貿易と環境に関する勉強会ー木材貿易保全を中心に」が開催されました。小サイトで既報のように昨年末「貿易自由化の環境影響評価に関する検討会」の報告書が公表され小生はパブリックコメントに応じて意見を提出していましたが、それにまつわる関係者の意見交換をしようという試みでした。小生も、最近の自由貿易協定推進の動きに関連して提出した意見を補足して説明しました。

小生の意見は、「報告書では環境影響評価の役割を貿易自由化の是非を論じるのではなく、環境への影響を回避するための手段に限定すべきと主張しているが、それは問題である。」というものです。論点は限られているものですが、マレーシアとの間の自由貿易協定が日程に上っているという現状を踏まえ、ますます重要な点になっていると思います。(配布資料:資料室へ

その他の報告は以下の通りです。
@森林に関する影響評価を形骸化させないための手法や留意点に関する報告具体的な提言
アジア経済研究所小島道一さん「木材貿易と環境インドネシアを中心に」(配付資料:資料室へ
AMネット川上豊幸さん「貿易投資自由化の政策アセスメントへのコメントー森林への影響評価」(配付資料リンク準備中)
FoeJapan岡崎さん「環境影響評価の前提となる問題」
A貿易自由化によるグローバリゼーション自体の問題を指摘する報告
札幌大学和田喜彦さん「エコロジカルフットプリントと永続可能な経済」(関連サイト
國學院大學古沢広祐さん「永続社会実現のための環境容量」

林野庁からはWTO交渉の現場での厳しさが紹介される一方、法政大学の島本美保子さんからは、貿易交渉以外の場面では新エネルギーの買い取り義務など市場を制御する手法が政策にどんどん取り入れられているのに、貿易政策になるとそれが聖域になっていることの問題などが指摘され刺激の多い会合でした。


3.「循環社会の中の森林と木材」ー富山県林業カレッジにて

3月10日富山県の林業カレッジ公開講座で「循環社会の中の森林と木材」という題で話をする機会がありました。小生としては富山県で話をするのは2年半振りで、前回の話を聞いて林業カレッジの武田さんがもう一度といって声をかけて頂きたのですが、リピーターからのお声掛かりだということが嬉しいところです。活発な活動をしているとやまの木で家をつくる会の関係者も参加していただき、意見交換をすることができました。

聴衆は森林組合の職員、県行政の関係者など百人ほどでしたが、2時間という時間を頂き、小生としては小サイトで積み重ねてきた内容を林業関係者向けにしたメッセージ時間の制約なしにお話しできる大変良い機会となりました。(使用した資料やパワーポイントのファイルを資料室におきます。)

内容は、第1部 地球環境の現時点と循環社会、 第2部 循環社会の中での森林・木材、 第3部 国産材の将来と木材産業からなっています。

この中で私は二つのことをお話しようとおもいました。

一つは森林が来るべき循環社会のなかでカギを握る役割を果たすこということです。多くの方が森林や緑の大切さというものについて理解をしてくれるようになっているのですが、切迫した問題だと理解されていません。60億の地球上の人たちが21世紀に生き延びてゆくために森林のそれも木材生産をする機能というものに理解を深めていただかなければいけないというのが第一点。(第1部と第2部)

第2点は、そのためには最終消費者の理解が必要であるという点です。いままで川下の大切さということはいろいろい強調されてきたけれど、林業や林業行政がいっている川下はせいぜい住宅メーカー。住宅メーカーは重要なキーポイントだが所詮生産者であって最終需要者ではありません。最終需要者に林業関係者が向き合う必要性と、そのためのヒント。これが二つ目です。(第3部)

フロアから循環社会のあり方に関する鋭い質問もあり手応えのあるイベントでした。


4 速水林業のホームページ

我が国のFSC認証の第一号である速水林業のホームページが開設されました

FSC認証の中過程の中で洗練された、経営の基本方針、環境方針、各種安全マニュアルなどが公開されています。ISOの環境マネジメントやFSCの基準が要求する「管理計画の文書化」に取り組む格好の参考資料となると思います。

まだ工事箇所のある作成途上のページですがご一覧を推薦します。工事の完成をお待ちするとともに、できれば英語のページがを作成されるように期待しています。


 5 「日本の論点2003」で推薦された「勉強部屋」

 「文藝春秋が誇る日本で唯一の年刊論争誌」「日本の論点2003」に小勉強部屋ホームページが推薦されています。

「アメリカの世界戦略」から「学力低下対策」まで80の論点に100人以上の論者が執筆したものですが、それぞれの筆者が推薦するホームページを記しているものです。

日本の森林をどう守るか」という論点を執筆しているのは、「保護でなく活用」をキーワードに活発な執筆活動をしているフリージャーナリストの田中淳夫さん。「林業を産業として甦らせる」ことの重要性を指摘しています。議論の深まりにこの「勉強部屋」が役に立てれば幸いです。


6 資料室の案内

新しく、資料室を整備しました。3月16日現在の内容は以下のとおりです。「資料室の入り口」からお入り下さい

カテゴリー
資料名
内容
循環社会 . 循環社会と林業のPR資料 富山県林業カレッジ講演資料{循環社会の中の森林と木材)
地球の森林 . 地球サミット関連資料 森林原則声明和文テキスト
. モントリオールプロセス
関連資料
サンチャゴ決議和文テキスト
国内政策
森林施業計画関連資料 森林施業計画認定チェック表、森林施行計画の認定基準、森林施業計画制度の概要、
英文白書関係資料 2001年版
森林認証 . . .
貿易と環境 . セーフガードの関連資料 協定、国内法令、各国の発動状況、WTO関連ページリンクなど、
  環境省貿易と環境に関する勉強会(0303)

藤原報告配布資料
小島報告配布資料

エネルギー

. ウッドマイルズ研究会

第三回森林活用セミナー関係資料
岐阜県森林文化アカデミー事例研究
ウッドマイルズ簡易計算試作器

共通 . . .

 


 

最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 takashi.fujiwara@nifty.com