コペンハーゲン合意と森林・木材(09/12/23)(10/1/9訂正)

12月7日から12月19日、コペンハーゲンにおいて、気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)が開催され、最終日にコペンハーゲン合意が「承認=テークノート」されました。

合意本文(英文本部公式ページ日本語訳ウェイキペディア

日本政府代表団の評価
農林水産省のプレスリリース
NGOの意見など

(コペンハーゲン合意の中の森林)

合意文書は本文3ページ、12のパラグラフからなる短い文章ですが、そのなかに森林に関するパラグラフは以下の通りです。

6 我々は、森林減少や森林の劣化を起因とする温室効果ガスを削減することの重要な役割と、森林による温室効果ガス吸収を増やす必要性を認識する森林の減少や劣化を原因とする温室効果ガスの排出の削減(REDDプラス)を含むメカニズムの速やかな構築を通し、先進国の資金の活用を促す行動を促進する必要性に同意する。

8 途上国には、増額された新規で、予測可能で、適切な財政支援を提供すると共に、資金の利用度も高めなければならない。条約の関連事項に従って、森林破壊を防ぐ取り組みREDDプラスや、適応措置、技術革新と移転、能力強化への実質的な財政支援といった措置を通じて、排出削減に向けた行動を可能にし、支持する。先進国全体で、2010〜2012年の間に新たな追加援助として計300億ドルの支援を行うことを約束する。適応措置と削減との均衡を保って配分し、これには森林管理や国際機関を通じた新たな追加投資も含まれる。適応措置への財政支援では、後発途上国や小さな島嶼国、アフリカ諸国など最も被害にさらされた国を優先する。意義ある削減への取り組みと透明性のある実施に向け、先進国は2020年までに1000億ドルを拠出し、途上国の取り組みを支援する。この資金は、民間や公的機関、2国間や多国間参加など代替的な財源を含め、幅広く集められる。適応措置に向けた新たな多国間参加による財政支援は、先進国と途上国が等しく代表する運営対の元、効果的で効率的な資金管理を通じて配分される。

10 我々は、コペンハーゲン環境基金を、途上国に対するREDDプラスや適応措置、能力強化、技術革新と移転に関連した事業や計画、政策その他の活動を支援する条約上の金融メカニズムの実行組織として設立することを決めた。

(訳文は日本語訳ウェイキペディアより)

「森林減少や森林の劣化を起因とする温室効果ガスを削減することの重要な役割と、森林による温室効果ガス吸収を増やす必要性を認識する」とした森林のみに関するパラグラフ6を設けたほか、今回の(数少ない)具体的な成果とされる、途上国援助のパラグラフに「森林の減少や劣化を原因とする温室効果ガスの排出の削減(REDDプラス)」が真っ先に言及されています。

ポスト京都議定書の最も重要なテーマである、途上国の参画という課題にとって、森林の保全造成を通じた先進国と途上国の連携がカギを握っていることを示しています。

(COP15以外の会合)

コペンハーゲンではCOP15の他に、@京都議定書第5回締約国会合(CMP5) A第8回条約の下での長期協力行動のための特別作業部会(AWG-LCA8) B第10回京都議定書の下での附属書I国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP10) C第31 回科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合(SBSTA31) D第31 回実施に関する補助機関会合(SBI31)が平行して開催されました。

その一つである京都議定書に関する特別作業部会(AWG-KP会合)では、京都議定書第5回締約国会合(CMP5)での決定に向けて、森林経営の算定方法等につの議論が行われ、CMPへの報告がなされました。

文書番号 FCCC/KP/AWG/2009/L.15
Report of the Ad Hoc Working Group on Further Commitments for Annex I Parties under the Kyoto Protocol to the Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties to the Kyoto Protocol at its fifth session

所在アドレス http://unfccc.int/resource/docs/2009/awg10/eng/l15.pdf

このうち、土地利用、土地利用変化及び林業部門(LULUCF)はP14〜28です。伐採木材製品については、同文書のP22、Harvested wood products 以降に示されていますが、途上国が主張するオプション1(現行ルールを継続する)と先進国が主張するオプション2(木材吸収分は収穫された森林所有国に計上、いわゆる生産法) の2選択肢が併記されています。日本の学会や業界の一部が主張していた蓄積変化法について(ポスト京都議定書における「伐採木材製品の取り扱い」について )は選択肢からはずされているようです。(森林木材の炭素勘定については小HPポスト京都議定書の吸収源対策にむけてー秋の学会か参照)

また、第31 回科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合(SBSTA31)において、途上国の森林からの吸収・排出量の推計やモニタリング等、方法論に関する検討が行われ、指針が決定されました。

文書名
Methodological guidance for activities relating to reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries
所在アドレス http://unfccc.int/files/na/application/pdf/cop15_ddc_auv.pdf

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