パリ協定が実施されると木材の利用が進むのか?-COP24と伐採木材製品(2019/6/15)

パリ協定の進め方の詳細が決められた気候変動枠組み条約COP24については、気候変動枠組み条約COP24と森林パリ協定が熱帯林に貢献する道筋ーREDD+の最新情報などで丁寧に報告してきたつもりですが、一点、標記、伐採木材製品についての報告が抜けていました。

伐採木材製品問題は、森林吸収源の評価が伐採されたら排出とカウントされる京都議定書の初期の段階での問題点についての重要な論点で、当サイトでも追いかけてきました。


二酸化炭素吸収源としての伐採木材製品(2004/9/12)
ポスト京都議定書の吸収源対策にむけてー秋の学会から(2003/10/14)(2004/9/10一部改訂)

(京都議定書までの伐採木材製品)

京都議定書では当初、森林で固定された炭素は伐採された段階で排出される前提で森林吸収量を計測していましたが、COP17ダーバン会合で、伐採された後も建築材料などで固定されている炭素を計測して吸収量に参入する方法が提案されました。COP17気候変動枠組み条約ダーバン会合と森林・木材吸収源(2011/12/23)(2012/1/28改訂)

@生産法(ある国の森林で吸収固定された木材の増加減少分を当該国の吸収排出量とする)、A蓄積変化法(ある国に存在する木材蓄積と普及の差し引きを吸収量とする)、B大気フロー法(自国の森林で吸収された量から自国で腐朽して排出された量を差し引く)の三通りです。

京都議定書第二計画期間ではじめて、伐採木材問題を計測することとなったときにはほぼ「生産法」で実施することとなりました。

(パリ協定での伐採木材製品の扱い方)

パリ協定では、@自国の削減目標(NDC)の明確性、透明性、理解を促進する情報(ICTU)を提示する、また、A温室効果ガスインベントリ報告すると、伐採木材製品の取り扱いに関係ある二つに手続きが規定されています。そのうち、@については上記)三つの方法のどれを使っても良いこと(Decision4/CMA1のパラ13及び付属書IIの1(f)、Aにつてはややり三つの方法のどれを使っても良いが、生産法以外の方法を使うときは生産法でも計算する(Decison 18/CMA1パラ20)こととされました。

もともと、国産材に目をむける「生産法」は国産材に力をいれる日本政府(やどの国の森林管理当局)にとっては好ましいので、これが続いていくのだと思います。

ただし個人的には、、@今回途上国も含めた全ての国が報告することとなったこともあり、ダブルカウントをさけるための調整が必要になってきたので見直しをするチェンス、A日本からの輸出国もふくめて世界中で木材の利用を進めていこう!というメッセージを実現するとすれば、各国が内外無差別の蓄積管理法をとっていくのが望ましいのではないか?(藤原敬:気候変動枠組み条約における伐採木材製品の取り扱い(会員制寄稿誌「日本の森林を考える」通巻22 号 pp.38-43)と、前々から考えていました。

パリ協定の実施過程で、すこしフレキシブルになった議論の場で、世界で循環社会の主役である,木材に利用促進の仕組みが気候変動の枠組みのなかでも進んでいくことを期待します。

本稿作成にあたり、森林技術5月号(連載パリ協定と森林第18回パリ詳細ルールにおける自然錯乱とHWP)、林野庁大沼情報管理官他)、木材利用システム研究会第86回月例研究会恒次報告など参考にさせて頂きました

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