「2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略」を出発点として市民と共に歩む森林・木材政策にー森林分野技術士会会員への期待(2021/3/15)
森林部門技術者会の機関紙フォレストコンサル誌3月号の巻頭言に「『2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略』を出発点として市民と共に歩む森林・木材政策」と題する藤原の原稿を掲載していただきました。

ありがとうございました。

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勉強部屋でも話題とした、2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略と森林・木材政策を紹介しながら、これでは、少し足りないところがあるんで、森林分野技術士会の皆さん頑張って下さい!

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ご了解をえて、本文をこちらに掲載させていただきました(ダウンロード→こちらから)。

要旨は以下の通りです。

 (カーボンニュートラル(以下CN)にむけて「成長戦略」だけでよいのか)

「成長戦略」だから産業界向けのメッセージになっているので、仕方がないことなのかも知れないが、CNという社会の大転換をしようというのに、主役である市民向けのメッセージがないことが、モノ足らないところである。

「皆さん、そんなにエネルギーを使う生活をしていてはだめですよ!消費生活をこう変えて下さい!」「手近にある資源を循環させる可能性のある地方の生活と、(効率性をもとめた)大都市の生活はどちらがCN?」などなど・・・。

産業政策に限っていうと、図2の右側の最終需要と結びつきが強い、「家庭・オフィス関連産業」との連携が重要だろう。森林・木材産業の物品サービスに関して、現在上記のように、K住宅・建築物産業での記述がされているが、さらにLMについてとの結びつきも重要だといえる。

(市民と共に木材利用の推進などフォレストコンサル会員への期待)

いずれにしても、グリーン成長戦略という産業政策をこえた市民を巻き込んだ政策が必要になってくるだろう。成長戦略が木材利用については、「高層建築物等の木造化や木質バイオマス由来の新素材開発など」といった開発課題が中心の記述になっているが、今後市民や需要者に木材利用の拡大の話をどのようにしていくのか?

そのために、Nature Sustainability誌に最近掲載された「地球の炭素貯蔵庫としての都市の木造ビル群」 といった、吸収固定量の話を市民に確り示しながら、直接市民と対話してくプロセスをぜひ開発する必要があるだろう。

木材利用を使った場合の環境貢献の「見える化」 や、Jクレジット(植林活動と森林経営活動の二つの「方法論」しかなく木材の利用にかかる方法論がまだない)などで、具体的な提案ができるようなシステムを開発していくことが大切!

一生懸命二酸化炭素排出削減に頑張った企業や自治体が、どうしても削減しきれなかった部分を、森林整備や木材利用の資金提供をしてカーボンニュートラル完成!!

 開発段階でなく普及段階のすぐやるべきことがたくさんありそう。

是非フォレストコンサルの会員の皆さんの出番がたくさんあるので、注目して頂きたい。

 kokunai4-49<forestconsul>

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